「人材育成」と「人材開発」それぞれの違いとは?成功させるためのポイントも紹介
企業が成長していく上で、「人材育成」と「人材開発」はどちらも重要な施策です。
なお、人材育成と人材開発はどちらも言葉が非常に似ているため、明確な違いについてあまり把握していないという方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、人材育成と人材開発のそれぞれの違いや、成功させるためのポイントについて解説します。
目次
人材育成とは?
人材育成とは、企業が社員のスキルを習得・向上させて、目標達成に貢献できる人材を育成することです。
人材育成における以下4つの項目について紹介します。
- 目的
- 対象者
- 手法
- 重要視されている理由
目的
人材育成における最大の目的は、企業の経営目標達成と業績向上に対する貢献です。
そのほかにも、社員のスキルを向上させて優秀な人材が離職するのを防いだり、将来的にリーダーや経営層となるような人材を育成したりすることなどが目的として挙げられます。
対象者
人材育成は、スキルを習得・向上させて、目標達成に貢献できる人材を育成することです。
そのため、人材育成の対象者は新入社員〜管理職まで幅広い傾向にあり、役職や階層で分けられます。
手法
人材育成における代表的な手法は、以下の3つです。
- OJT:「On-the-Job Training」の略称であり、上司や先輩が実務を通して部下に指導すること
- Off-JT:「Off The Job Training」の略称であり、職場外で開催されているセミナーや研修に参加して学習すること
- SD(自己啓発):社員自らスキルの習得・向上に励むこと
重要視されている理由
人材育成が重要視されている理由として、少子高齢化による労働人口の減少が挙げられます。
日本では、現在も少子高齢化が進んでいることから、常に人手不足に苦しんでいる企業も少なくありません。
たとえ採用活動に注力しても、なかなか人材が集まらないのが現状であるため、企業は人材育成によって社員一人ひとりのスキルを高めることで、生産性の向上を図っています。
人材開発とは?
人材開発とは、社員の能力やスキルを最大限に高めて、組織全体のパフォーマンスを向上させることです。
人材開発における以下4つの項目について紹介します。
- 目的
- 対象者
- 手法
- 重要視されている理由
目的
人材開発の最大の目的は、社員一人ひとりを成長させることです。
社員一人ひとりを成長させることで生産性が向上し、経営戦略の実現や企業としての成長に期待ができます。
対象者
人材開発は、社員を限定して行われるものではありません。
全社員が対象となります。
手法
人材開発における手法としては、人材育成でも紹介したOJTやOFF-JT・SD(自己啓発)が中心となります。
このほかにも「タフアサインメント」という手法もあります。タフアサインメントとは、達成するのが難しいような業務を任せることで、急激に成長させるための方法です。
ただし、あまりにも達成するのが難しい業務を任せてしまうと、モチベーションの低下につながる恐れがありますので、十分に注意しましょう。
重要視されている理由
人材開発が重要視されている理由として、急激な時代の変化が挙げられます。
最近は世界情勢が非常に不安定であり、ITやデジタルテクノロジーが急速に発達してきていることから、将来を予測するのが困難な「VUCA時代」ともいわれています。
VUCAとは、以下4つの頭文字を取ってできた造語のことです。
- Volatility(変動性)
- Uncertainty(不確実性)
- Complexity(複雑性)
- Ambiguity(曖昧性)
VUCA時代を生き抜くためには、これまで以上に多彩なスキルを身につけなければいけません。
そのためにも、多くの企業が人材開発に注目しているのです。
人材育成・人材開発のそれぞれの違いについて
人材育成と人材開発の意味についてそれぞれ紹介しましたが、具体的に何が違うのでしょうか。
特に大きな違いがある部分について、表でまとめてみました。
人材育成 | 人材開発 | |
目的 | 社員のスキル習得・向上 | 社員の能力やスキルを最大限に高める |
対象者 | 新入社員〜管理職 | 全社員 |
開催時期 | 入社・異動・昇格 | 指定なし |
開催期間 | 長期 | 短期 |
人材育成の場合、主に社員のスキルを習得・向上させて企業の経営目標達成や業績向上に対する貢献を目指していますが、人材開発は社員の能力やスキルを最大限に高めて、一人ひとりを成長させることを目的としています。
対象者も、人材育成は役職や階層で分けられますが、人材開発は全社員が対象です。
開催時期や期間に関しても、人材育成の場合は入社や異動などのタイミングで長期的に行われますが、人材開発の場合は特に指定がなく、短期的に行われます。
このように、人材育成と人材開発では言葉は似ていても意味は大きく異なるため、間違えないようにしましょう。
人材育成・人材開発を成功させるためのポイント
人材育成・人材開発を成功させたいのであれば、以下3つのポイントを意識しましょう。
- 目的を明確化する
- 担当者のスキルを向上させる
- システムの導入や制度を見直してみる
順番に解説します。
目的を明確化する
目的が曖昧な状態で人材育成・人材開発を行ってしまうと、途中で方針がブレてしまい失敗する可能性があります。
そのため、まずは目的を明確化することが大切です。
また、「人材育成・人材開発を行うことで最終的にどのようになりたいのか」目標も設定しておきましょう。
担当者のスキルを向上させる
人材育成・人材開発を行うにあたって、受講する社員のモチベーションが高くても、担当者のスキルが乏しければ、思うような効果には期待ができません。
人材育成・人材開発が成功するかどうかは、担当者の力量に大きく左右されます。
そのため、人材育成・人材開発を始める前に研修やe-ラーニングなどで担当者のスキルアップを図りましょう。
システムの導入や制度を見直してみる
人材開発を行うにあたって、社員一人ひとりのスキルや能力に関する情報を把握・管理しておかなければいけません。
効率よく把握・管理するためにも、システムの導入を検討してみましょう。
また、人材育成の場合は安定して行うためにも、研修や人事評価といった人材育成に関する制度を一度見直してみるのがおすすめです。
まとめ
本記事では、人材育成と人材開発のそれぞれの違いや、成功させるためのポイントについて解説しました。
人材育成と人材開発は、それぞれ言葉は似ていますが、目的や対象者・開催時期などに大きな違いがあるため、本記事を参考に間違えないようにしましょう。
また、人材育成・人材開発を成功させたいのであれば、目的を明確化したり担当者のスキルを向上させたりするなどのポイントを意識することが大切です。
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