イベント企画の考え方、その重要ポイントとは?
イベントを行う際、最も重要になるのが「イベント企画」です。
イベントの内容に関してももちろんですが、参加してもらいたいターゲットの人物像や、イベントに登壇してもらうゲストや司会進行役の決定、運営スタッフの配置など、イベント全体に関わる一番重要な核と言えます。
イベントを成功させるには、イベント企画のなかで何に注意すれば良いのでしょうか。今回は成功するイベント企画の考え方についてご紹介します。
目次
イベント企画に必要な3つのポイント
イベントの企画する段階において、次の4つのポイントを踏まえて作成することが重要となります。
イベントの最終目的はなにか、ターゲットは誰か
イベントの企画をする上で、「何のためにそのイベントを開催するのか」「誰をターゲットにするのか」という2つのポイントを明確にすることが重要です。
このポイントを明確にすることによって、関係者に目的を共有することができ、今後協力や共同作業を行う上でのコミュニケーションがスムーズになります。また、目的に合致した作業が行われているかどうかの検証を、途中でもしやすくなります。
この際、目的はできる限り具体的なものにしておくことが望ましいです。
またイベントの場合、イベント参加者や顧客=ターゲットが誰なのかを明確にすることが重要です。
「誰に対して関心を持ってもらいたいのか」「誰と誰を結びつけることにするのか」、など明確に的を絞りましょう。
ターゲットを絞り込むことにより、当該ターゲットの共通の関心事・話題性や意外性を期待できるトピックは何か特定し、ターゲットに訴求できるトピックを取り上げることが可能になります。こうしてより効率的・効果的にイベントの目的を達成しやすくなります。
ベネフィットを明確にする
イベントを成功させるためにはベネフィットは何か、を明確にすることが大事です。イベント参加者に対してイベントに参加するメリットをきちんと伝えることにより、イベントへの興味関心度・満足度が高くなる可能性があります。
例としてイベントの案内に、「参加者特典多数」とあれば、多くの参加者がグッズの配布や、優先販売・割引などを期待して足を運ぶきっかけとなり得ます。そのようにそのイベントに参加することによって得られるものを明確に伝えることが、イベントを成功させるために重要な一つの施策と言えます。
軸は1本、伝えたいことはシンプルに
イベントを企画する中で、様々な意見が発生しあれもこれもとコンテンツを盛り込みすぎることが多くありますが、その出た意見を全て実行させようとすると結果何を言いたかったのかがわからないイベントになり得ます。
やりたいことを全てやるイベントではなく、軸を1本立てた上で軸から外れないようにコンテンツを作り込むことが大事です。
イベント企画の大まかな流れ
イベントを成功させるためには、企画段階から入念な準備が必要です。イベント企画は大まかに以下のような流れで進めます。
- 目的やターゲットの整理
- 予算や担当者の把握
- 企画書の作成
- 集客戦略の設計
それぞれ解説します。
目的やターゲットの整理
まずは目的やターゲットを整理して明確化しましょう。
目的を明確にして関係者間で共有すれば、企画をスムーズに進められます。また、ターゲットを絞り込めば参加者の興味関心を特定しやすくなり、参加者の目を引く効果的なコンテンツの作成につながるでしょう。
目的やターゲットが曖昧だと、企画の方向性もぼやけます。最善の道でゴールへ向かうためにも、企画段階の最初にできる限り具体化しておきましょう。
予算や担当者の把握
イベントにかかる予算や担当者についても、企画段階でしっかり把握しておきましょう。これらが把握できていれば、企画検討や決定がスムーズに進むためです。
イベント開催では、会場費や機材・備品レンタル費、人件費、広告・宣伝費などさまざまな費用がかかります。予算は無限に使えるものではないため、企画段階で把握しておくことが大切です。予算を把握できていれば、複数の企画案で迷ったときも費用面から検討できます。さらに、費用をかける部分や削減すべき部分も検討しやすくなります。
また、担当者の把握も大切です。例えば、はじめにリーダーやプロジェクトの舵取りをする部署を決めると良いでしょう。最終的な決定権がどこにあるのかが分かれば、企画の検討・決定がスムーズになるためです。そして組織図を作成すれば、誰が何を担当するのかが分かり、部署間の連携もスムーズになります。効率良く企画を進めるためにも、予算や担当者は必ず把握しておきましょう。
企画書の作成
目的やターゲット、予算・担当者が把握できたら企画書を作成します。一般的に、企画書には以下の要素を盛り込みます。
- 企画名
- 背景
- 目的
- コンセプト
- 企画の内容
- 予算
- 備考
これらの要素を埋めるために、企画書作成時には「6W2H」を意識することが大切です。
- Why(なぜ):イベントを開催する動機・背景、達成したい目的
- Whom(誰に):イベントのターゲット
- How much(予算):予算はいくらくらい必要なのか
- What(何を):ターゲットの興味・関心をひける、目的を達成できるコンテンツとは何か
- When(いつ):いつ開催して、いつ告知するべきか
- Where(どこで):ターゲットが参加しやすい場所、オフラインとオンラインどちらにすべきか
- Who(誰が):イベントの主催、企画のリーダー、関係者や協力者
- How(どのように):事前準備や当日のスケジュール、動き
企画書は、関係者全員が方向性を一つにするための指示書のようなものです。そのため、各要素はできる限り具体的に記載しなければなりません。上記の「6W2H」を意識し、具体的で分かりやすい企画書を作成していきましょう。
集客戦略の設計
企画段階で集客戦略についても決めていきます。
まずは、どのようにイベントを告知すべきか検討していきましょう。自社のWebサイトはもちろん、各種Web媒体を通じて告知するのが一般的です。近年は、拡散性の高いSNSを用いた集客戦略も注目されています。また、特定の分野の参加者を集めたいのであれば、専門誌などの紙媒体での集客も効果的です。過去にイベントを行っているのであれば、参加者名簿を活用したリピーター戦略も良いでしょう。
イベントの告知では、その内容をターゲットの興味・関心をひきやすいものにすべきです。ターゲットの年齢層、興味を持っているトピックなどを分析し、訴求力の高い文章や画像を使用することが大切です。
さらに、告知する際には、オフライン・オンラインのどちらであるか、開催場所や日時などの情報を忘れずに加えましょう。イベント参加の特典があれば、訴求ポイントのひとつとして盛り込むことをおすすめします。
超重要!”会場選び”はイベント満足度に繋がる
イベントの会場の設定は、イベントの満足度を上げるための重要ポイントです。
失敗のない会場選びをするためには、早い段階での調査、仮予約が必須です。
何故ならば、アクセス面やコスト面、見栄えなどで人気のある会場は集中しており、その数には限りがあります。
したがって、「良い日取り」「良いアクセス」といった好条件の会場を押さえることは、多くの主催者の間で「早い者勝ち」となります。
そのため、実施が決まったタイミング=イベント実施計画のごく初期段階で会場を予約することがおすすめです。
会場を選択する上で下記のことが重要なポイントとなります。
- アクセス
- 施設(大きさ・設備)
- 利用時間
- 利用料金
- 予約
この5つはイベントを実施する際において、イベントの成功を左右する重要なポイントとなります。
会場選びをする上で気をつけなければいけない事など、詳しい内容をこちらの記事にて紹介しています。
⇒【企業イベントは「会場選択」が重要!失敗しないイベント会場の探し方】
トラベレックス15周年記念祝賀会 感謝の気持ちを最大限に伝える
トラベレックスジャパン株式会社の15周年記念祝賀会では、感謝の気持ちを伝えることを目的とし、VIPを含む取引先をターゲットとして、インバウンド観光の「おもてなし」を体験できる謝恩イベントを開催しました。
「おもてなし」を体現するために、会場も日本の伝統庭園・文化にふれることができる椿山荘を選定、また、記念ロゴに水引の意匠を採用しています。
イベントの目的・ターゲット・ベネフィットが企画において非常に明確であったということがいえます。
社員が、企画を十分に練り上げ、「コンセプトメーカー」役に専念する一方、実行段階においては、イベント運営会社へのアウトソーシングを行ったことにより、スムースにコンセプトを実現することが可能になりました。
Fintech Japan 2018 日本の金融xITを大きく発展させるイベント
一般社団法人Fintech協会は、2018年10月末、Fintech Japan 2018 を東京国際フォーラムで開催しました。このイベントの目的は、金融と情報テクノロジーの融合であるFintechの重要性を参加者に伝えて、経済的に一緒に発展することです。参加者はFintechの専門家80人と、一般参加者です。
ここでの参加者のベネフィットは「情報の取得と活用」であり、Fintech Japan 2018に参加し情報を得ることによって、Fintechを通じて日本経済の成長に貢献することが可能になります。
例えば、専門家を中心に活発に行われた討論の中では、キャッシュレス社会化に向けた法整備・普及に際しての技術的問題点など、イノベーションによる経済成長に直結している課題を認識することができ、参加者はこれらの情報をもとに、自社でどういう技術を採用するか決定することになります。
こうして一般参加者もFintechの普及促進のリードをとることが可能なのです。
今回のイベントでの討論および参加者の動向は、まさにFintechの発展の一コマであり、企画通りのイベントの目的が実現された成功例といえます。
ANAグループ入社式 5年ぶりの格納庫開催
ANAグループは航空事業を中心としたエアライングループとして、国内外の航空ネットワークや顧客基盤を活かしながら様々な事業を展開していますが、一番ANAグループをイメージしやすい航空関連事業の中心となる羽田空港の旅客機格納庫で入社式を行うことで、ANAグループの一員となったと実感できる場を作っています。
70周年に刷新されたANAグループのビジョン「ワクワクで満たされる世界を」を新入社員に感じてもらえるプログラムや演出を用意し、さらなる一体感の醸成に成功しました。
ターゲットは新入社員、そして、メッセージを伝える目的と、メッセージ内容が明確であり、企画の内容として必要なポイントが踏まえられています。イベント企画が効果的に実現された、イベント企画の成功事例の1つといえます。
まとめ
イベント企画はイベントの成功にとって重要な要因です。
イベント企画に必要なポイントとして、「目的、ターゲット、ベネフィットを明確にする」「過去の成功事例をとりいれ、0から作ろうとしない」ことが重要です。このコツはイベント企画書作成のコツであると同時に、社内承認を得やすくするためのコツともいえます。イベントを成功させるために、ぜひ取り入れてみてください。
参考
・イベント企画のポイント|企画の考え方や事例までを詳しく紹介|LISKUL
・初心者必見!イベントを成功させるなら”企画”が重要|newsbase,inc.
・企業イベントは「会場選択」が重要!失敗しないイベント会場の探し方|newsbase,inc.
・感謝の気持ちを最大限に伝える周年イベントを開催~15周年記念祝賀会~|トラベレックスジャパン株式会社|newsbase,inc.
・日本の金融×IT業界を大きく発展させる注目のカンファレンスイベント|Fintech Japan 2018|newsbase,inc.
・伝統の入社式をリニューアル、挑戦し続けるTEAM ANA|全日本空輸株式会社|newsbase,inc.