管理職に求められる能力とは?スキルを高める方法や管理職研修について解説!
管理職は社内でも重要な立場となるため、仕事に対する責任感がより一層増すため、管理職には様々なスキルが求められます。具体的にどのようなスキルが必要になるのか気になる人も少なくありません。
そこで本記事では、管理職に求められるスキルやスキルを高める方法・管理職研修などについて解説します。
目次
理想の管理職の姿とは
管理職の理想の姿とは一体どのような姿なのでしょうか。
そもそも管理職とは、一般の従業員と異なり一定の範囲内における業務の権限を持つ従業員のことです。
部門であれば「部長」、課においては「課長」と呼ばれます。
その部門や課における責任者となる存在のため、目標の設定や運営はもちろん、部下の管理や育成など、あらゆる業務に対して責任を持って臨機応変に対応できる人こそが理想の管理職の姿と言えるでしょう。
管理職が悩む4つの原因
管理職が悩む原因は、以下の4つです。
・部下に対しての悩み
・担当チームの課題設定についての悩み
・関係者に対しての悩み
・自分自身についての悩み
一つずつ解説します。
部下に対しての悩み
管理職になってぶつかる悩みの一つに、「部下に対するマネジメント」についての悩みが多く挙がります。
部下や後輩に対して「強く発言できない」、「育成がうまくいかない」、「仕事を任せることができない」など、個人単位でのマネジメントがうまくいかず、結果的に一人で業務をこなしてしまうことも。
指導や育成などに対する悩みが解消できないまま、日々これらの悩みに頭を抱え、ストレスを溜めてしまう管理職が多いのが現実です。
担当チームの課題設定についての悩み
管理職になると、担当するチームに対して課題設定や目標(ゴール)、ビジョンといった道標を明確に打ち出す必要があります。
しかし、これまで培ってきた業務を遂行する能力と、管理職で求められる能力は異なるため、いざ管理職になっても自分なりのビジョンや目標がなかったり、チーム全体を納得させる方針が打ち出せなかったりすると、管理職になって直面する課題になり得ます。
関係者に対しての悩み
若手社員や管理職でないときは、自身の実務に焦点を当てて、業務に没頭することができたかもしれません。
しかし、管理職になると直属の上司との関係がうまくいかないことや、他部署との調整・連携が難しく、思うように業務を遂行できなくなってしまいます。
自分自身についての悩み
管理職の悩みは自分自身に及ぶ場合もあります。
若手であれば自分の成果や成長によって評価されましたが、経験をある程度積んで管理職に昇格すると、自身の業務を遂行する能力だけでなく、役職に対する役割期待度や、人間関係、マネジメントスキルなどが評価される対象になります。
また、マネジメント業務だけに取り組むわけにもいかず、実務とのバランスが取れなかったり、上司と部下の板挟みにあったりと、求められるレベルは必然と高くなります。
管理職の仕事内容
管理職が行う仕事内容は以下の4つです。
・部下の動機付け
・目標の設定
・適切な指導
・定期的な評価・フィードバック
順番に解説します。
部下の動機付け
管理職は仕事に対する部下のやる気やモチベーションを最大限引き出すために、たえず部下の意欲が引き出せる環境を用意することも重要な役目になります。
部下が孤立したり、自分の役割を間違えたりしてしまっては、部下のやる気を引き出すどころか、「仕事がおもしろい」と思わせることもできず、組織やチームへのエンゲージメントを醸成することもできません。
管理職は部下がチーム内で協調性や有能性を示し、適切なパフォーマンスを発揮させられるように、前向きに仕事に取り組める動機付けを行いましょう。
目標の設定
管理職は、部下へ仕事を割り振る際に、「部下をどの方向に伸ばすか」を見極めて、育成目標を設定する必要があります。漠然とした仕事や、結果や目標にフォーカスするだけでは、優秀な人材を育成することはできません。
多様なキャリア観を持つ部下との対話を通して、部下の適性をしっかり見極めて、どの方向に努力すべきかを導いてあげることで、部下は実力を発揮することができます。
管理職として部下をマネジメントする上で、部下の目標設定がより具体的であるほど、部下のどの部分をマネジメントすべきかを明確にすることができるため、しっかりとした目的を含め検討することが重要です。
適切な指導
部下やチームの仕事内容や進捗状況を把握して、適切なタイミングで指導を行うことも管理職の重要な仕事になります。この仕事を遂行するには、随時部下の動向に気を配る必要があります。
そして、部下から発せられるシグナルや異変を察知したら、適宜適切な指導を行うことで、適切な軌道修正や職場機能が停滞することなく、業務を遂行することができます。
ただ指導するだけでなく、常に自身の行動を内省させ、部下自身から成長するように一貫性のある指導を行い、精神面においても積極的にサポートすることも管理職の仕事の一つになります。
定期的な評価・フィードバック
管理職は部下やチームと定期的に仕事内容や、目標の進捗状況、業績(成績)を振り返り、適正な評価やフィードバックを行うことも重要な仕事になります。
部下を評価することは、昇給や賞与、昇格のためだけではありません。管理職が部下と意思疎通することで、部下の成長にも結びつけることができます。
管理職からの評価やフィードバックが定期的かつ的確であるほど、部下の成長スピードは高まるため、人材育成の観点から見ても部下をしっかり評価することは、管理職の仕事の中で重要な業務に位置付けることができます。
管理職に求められるスキル
管理職に求められるスキルは以下の3つです。
・テクニカルスキル
・ヒューマンスキル
・コンセプチュアルスキル
順番にみていきましょう。
テクニカルスキル
テクニカルスキルとは、業務を達成するために必要なスキルのことです。
管理職というのは部下を管理する立場でもありますが、テクニカルスキルがなければ部下に指示を出すことはできません。また、業務量が多い場合には管理職であっても力を合わせて業務を遂行する必要があります。
そのため、管理職に求められる3つのスキルの中でも一番重要です。
ヒューマンスキル
ヒューマンスキルとは、対人関係によるスキルです。
管理職に就くと、部下のマネジメント管理も重要な業務となります。部下のマネジメント管理ができていないと、部下は職場環境や会社に対して不満を持つようになり、最終的には退職する原因にもなるのです。
それらの責任は部下をマネジメントしていた管理職の責任となります。そうならないようにするためにも、日頃から部下とのコミュニケーションを欠かさず行いましょう。
コンセプチュアルスキル
コンセプチュアルスキルは、「概念形成力」とも呼ばれており、これから取り組む課題の本質を見極めるスキルのことです。未来を想像してあらかじめ計画を立てることで、エラーやトラブルなどの問題が発生しても解決に導くことができます。
管理職になると現場のことだけではなく、企業の規模を拡大させるための戦略計画にも意見を求められるようになります。管理職というのは、自社の将来を担う重要なポジションでもあるため、コンセプチュアルスキルは必要不可欠なスキルなのです。
管理職スキルを高めるための3つの方法
管理職スキルを高めるための方法は以下の3つです。
・仕事から習得する
・同僚や上司からアドバイスをもらう
・管理職研修に参加する
一つずつ解説します。
仕事から習得する
管理職に求められるスキルは上記でも説明した通り、業務を達成するために必要なテクニカルスキルや対人関係のヒューマンスキル・課題の本質を見極めるコンセプチュアルスキルなどがあります。
これらのスキルを一度に身につけることは難しいですが、仕事をしていくなかで自然と習得していくことが可能です。
同僚や上司からアドバイスをもらう
管理職になると、部門や課のなかで自分が一番上の立場になることが多いので、ほかの人から指導されるという機会はほとんどありません。そのため、自分が普段から部下に対してどのような接し方をしているのかあまり理解していない人も多いはずです。
そんなときには同僚や上司からアドバイスをもらいましょう。第3者からのアドバイスをもらうことで、自分を客観視して評価できます。その結果、スキルの向上につながるはずです。
管理職研修に参加する
管理職研修に参加するのもおすすめです。
管理職研修とはその名の通り、管理職に就く上で必要なノウハウやスキルが学習できる研修のことを指します。これまでは上司から指導されるのが当たり前でしたが、管理職になったことで指導したり管理したりする立場に入れ替わります。
管理職になりたての頃は部下との付き合い方がわからなかったり目標の設定方法に頭を悩ませたりする人も少なくありません。これらの悩みを解決したいのであれば、管理職研修に参加しましょう。
管理職研修とは?種類や目的
管理職研修は、冒頭で説明した管理職が悩む4つの原因を解消し、自社に貢献できるような管理職の育成が目的です。
管理職研修は4つの種類があります。それぞれの特徴を表でまとめてみました。
新任管理職研修 | 管理職なりたての人を中心に仕事の始め方や必要なスキルの習得を実施する研修 |
チームビルディング研修 | 部下とのコミュニケーションやチームワークを学ぶための研修 |
管理職研修 | 管理職として心がける行動や態度・マネジメント能力を高めるための研修 |
上級管理職研修 | 業績を拡大したり売り上げを伸ばしたりするなど、経営者目線を学ぶための研修 |
管理職研修で実際に行われる4つの内容
管理職研修では、スキルや経験に合わせて開催される内容が異なります。
今回は、実際に行われる研修内容を4つ紹介します。
新任者向け基礎研修
新任者向け基礎研修では、新たに着任することになった管理職に向けて必要な基礎知識やスキルを習得させるための研修です。具体的には、部下とのコミュニケーション方法や目標管理などを学びます。
管理職になったことで指導される側から指導する側へと変わるので、最初は慣れないと感じる人も少なくありません。しかし、新任者向け基礎研修を受講することでスムーズに業務へ移ることができます。
マネジメント研修
マネジメント研修では、チームマネジメント研修やリスクマネジメント研修などがあり、チームマネジメント研修では部下を適切に管理する方法や設定した目標の達成方法などが学習できます。一方のリスクマネジメント研修はコンプライアンスや情報漏洩・ハラスメントなどが発生した場合の対策方法や予防策を学ぶことが可能です。
コンプライアンス違反や情報漏洩などは発生してから対策を講じても遅いので、事前に学習しておきましょう。
フィードバック研修
フィードバック研修では、部下に対してのフィードバック方法を学ぶことができます。
終身雇用が崩壊しつつある日本では人材の流動化が激しくなり、今では転職するのが当たり前の時代です。部下に対して適切に接することができなければ、会社を辞めてしまう原因にもなりかねません。
そのため、的確なフィードバックを行うことによって、部下のモチベーションを向上させることも管理職にとっての重要な使命なのです。
組織改革研修
組織改革研修では、自社で行われる構造改革を部下や現場に浸透させるための研修です。
管理職になると、部下のマネジメント管理だけではなく、経営者としての目線になって組織全体を把握しなければいけません。経営企画会議で話し合った内容を部下や現場に伝えるのも管理職としての大事な役割です。
また、部下や現場が求める声を汲み取ってあげることもします。管理職は経営層と現場をつなぐ架け橋といっても過言ではないのです。
まとめ
本記事では、管理職に求められるスキルやスキルを高める方法・管理職研修などについて解説しました。
管理職は企業にとっても重要なポジションです。そのため、管理職に着任するとさまざまな悩みを抱える人も少なくありません。それらを解消するためにも管理職研修というのがあります。
管理職研修もさまざまな種類にわけられているので、管理職にこれから着任する人や管理職として自社を更に良くしたいと考えている人は積極的に管理職研修を受けましょう。
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