業務標準化が必要な理由とは?実施するメリットや進め方について紹介!
業務内容が同じでも担当者によって業務フローや業務にかかる時間・業務のクオリティが異なるケースは珍しくありません。業務によって属人化して困っている企業も多いのではないのでしょうか。
それらの問題を解決する手段としてあるのが業務標準化。
そこで今回は、業務標準化の意味や実施するメリット・業務標準化の進め方について紹介していきます。
目次
業務標準化とは
業務標準化とは、普段の業務をマニュアル化したり業務フローを作成したりすることによって業務のクオリティを一定に保ち、効率化させることです。
業務によって属人化している場合、業務のクオリティを維持することができません。しかし、業務標準化することでマニュアル化や業務フローを作成するので、属人化を防ぎリスク回避にもなります。
業務標準化が注目されるようになった理由として挙げられるのが終身雇用制度の崩壊です。
日本では、少子高齢化によって労働人口の年齢層が高くなってきており、1人あたりの人件費が増加傾向にあります。トヨタ自動車の豊田社長も「終身雇用を維持するのは難しい」と明言しています。
その結果、これまで同じ企業で長期的に働くことが良いとされていましたが、現在では転職するのが当たり前となりました。人材の流動化が進んだことで、担当者が居なくなった時に業務が属人化している場合、これまでの業務が引き継げないという問題が発生します。
また、最近では働き方改革も重要視されており、業務の効率化を図るためにも属人化した業務はボトルネックとなるケースが多かったため、業務標準化を取り入れる企業が増えてきたのです。
業務標準化のメリット
業務標準化するメリットは以下の3つです。
・業務の効率化
・業務クオリティの一定化
・担当者の負担軽減
1つずつ紹介します。
業務の効率化
業務標準化することによって業務マニュアルを作成するので、わからないことがあっても前任者に聞く必要がなくなります。また、業務フローが統一されているため、慣れれば以前よりも効率的に業務が行えるようになるのです。
業務クオリティの一定化
担当者によってクオリティが異なる場合、その都度修正作業が必要になります。
しかし、業務標準化することによって同じ方法で業務が行えるようになるため、ベテラン社員や新入社員に関係なくクオリティを一定に維持することが可能です。
ノウハウの蓄積
業務が属人化している場合、担当者以外知らないので、ノウハウは蓄積されにくいです。
業務標準化することによってノウハウが全体に共有されて担当者が休んだり退職してしまったりした場合にも安心して業務を引き継ぐことができます。
業務標準化のデメリット
業務標準化するデメリットは2つあります。
・業務がマンネリ化しやすくなる
・業務の改善に時間がかかる
従業員のモチベーションが低下する
業務標準化は業務マニュアルや業務フローを統一することによって、業務のクオリティーを維持して業務の効率化に期待できます。その結果、業務がルーティン化してマンネリ状態になるので、仕事へのモチベーションを下げる要因にも繋がるのです。
業務の改善に時間がかかる
業務標準化によって業務フローを統一した場合にはその作業に慣れてしまうため、現状に満足してしまい、業務の改善まで時間がかかるケースも珍しくありません。
業務を改善したことで逆に業務の効率が低下するということにならないよう注意しましょう。
業務標準化の進め方
業務標準化を進めるステップは全部で5つあります。
1.現状の把握
2.問題点の洗い出し
3.業務フローの設計
4.トラブルが起こった時のマニュアル作成
5.PDCAを回して改善していく
1つずつ見ていきましょう。
1.現状の把握
まずは実際の業務がどのように行われているのか、現状を把握します。
属人化している業務や時間のかかる業務などを確認するために、まずは担当者に業務に関する内容を直接聞いてみましょう。
2.問題点の洗い出し
現状を把握したら、次に問題点を洗い出します。
具体的には、現段階で属人化している業務や効率的にしたい業務を選定してから、その中で業務標準化するための優先順位を決めましょう。
3.業務フローの設計
標準化するための業務が決まったら、実際の業務内容を業務フローとして書き出していきます。
業務フローを設計することによって、属人化していた業務内容が可視化され、誰でも同じクオリティで作業が行えるようになります。
4.トラブルが起こった時のマニュアル作成
万が一のトラブルやイレギュラーな事態が起こった時のためのマニュアルも作成しておきましょう。
トラブルが起こった時の対処方法や責任者を決めることで、実際に発生した場合にも迅速に対応して2次災害を防ぐことができます。
5.PDCAを回して改善していく
業務標準化は導入して終わりではありません。
実際に業務標準化を取り入れて改善する箇所があれば随時更新していきましょう。
PDCAを回して改善していくことで、更に業務標準化の効果を高めることに期待できます。
業務標準化を進める上でのポイント
業務標準化を進める上でのポイントは以下の3つです。
・業務標準化する目的を共有する
・従業員の声も参考にする
・緊急度や重要度などで比較する
業務標準化する目的を共有する
会社全体で業務標準化することが決まったとしても実際に行うのは現場の従業員です。
そのため、現場の従業員が業務標準化する目的などを把握していなければ、思うように定着しません。
業務標準化するのであれば、まずは現場の従業員に業務標準化する目的を共有しましょう。
従業員の声も参考にする
業務標準化することで業務がルーティン化するため、従業員の仕事に対するモチベーションが低下する恐れがあります。
その結果、業務の効率が低下する可能性もあるので、従業員の声も参考にしてより良い業務標準化になるよう工夫しましょう。
緊急度や重要度などで比較する
標準化したい業務がありすぎてどれから先に行えば良いのか分からないというケースも少なくありません。その場合には緊急度や重要度などを比較して決めましょう。
例えば、標準化したい業務の中でも「重要ではあるが緊急度は低い業務」や「今すぐ改善したい緊急度が高い業務」などがあるはずです。
1つずつ比較していくことで、どの業務から標準化していけば良いのか判断できるようになります。
まとめ
今回は業務標準化の意味や実施するメリット・業務標準化の進め方について紹介しました。
業務標準化することで業務の効率化や業務のクオリティを維持することができます。
今後も業務標準化を取り入れる企業が増えてくるでしょう。
しかし、業務標準化を導入するまでに現状を把握したり業務フローを設計したりなど時間がかかるので、導入するまでのリソースが確保できない企業も少なくありません。
そのような際にはアウトソーシングがオススメです。
業務をアウトソーシングすることで、標準化しなくても業務の効率化や業務クオリティを向上させることができますし、一部の業務をアウトソーシングして重要業務の標準化に注力することも可能です。
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参考資料:
Hubspot|業務標準化とは?実施するメリットや基本的な手順を解説
TMJ|業務改善につなげる「業務標準化」の進め方とは?成功事例も紹介