採用ブランディングとは?実践方法や成功事例を紹介!
採用活動の激化に伴い、企業は様々な取り組みをおこなっています。
そのうちの一つが採用ブランディング。企業は採用ブランディングに注力することで、他社との差別化や自社の認知度を向上させることができます。
そこで今回は、採用ブランディングのメリットや実践方法について紹介します。
目次
採用ブランディングとは
採用ブランディングとは、採用活動で自社を「ブランド化」することによって採用力を強化する採用戦略。
採用ブランディングを実施する最大の目的は、応募者を増やして自社にマッチする人材を1人でも多く確保することです。採用ブランディングを行うことで、求職者から自社の存在を認知してもらえるきっかけとなります。
その後、自社の魅力をアピールすることによって、最終的には「この企業で働きたい!」と思わせて人材が確保できるのです。
採用ブランディングが注目されるようになった背景
採用ブランディングが注目されるようになった背景として挙げられるのが、少子高齢化による労働人口の減少です。現代の日本では終身雇用制度が崩壊しつつあり、大手企業であっても定年を迎えるまで働けることが定かではなくなってきました。
そのため、働く人々からの企業に対するジャッジは厳しくなっており、以前に比べて転職するのが当たり前となっています。転職する人が増えたことで人材の定着率が低下し、企業間同士の人材確保が激化しているのです。
そこで企業は自社をブランディングすることで、求職者から認知してもらい、自ら応募してもらえるような攻めの姿勢で採用力を強化しています。
そのほかにも企業と求職者は以下の通り、以前に比べて接点を持つ機会が増えてきました。
・合同説明会
・セミナー
・学生同士のコミュニティサイト
・企業のホームページ
・就職情報サイト
・SNS
・OB・OG訪問
・インターンシップ
・リクルーターなど
また、最近の求職者は口コミや評判などで判断してから、どの企業に応募するか決めるという傾向にあります。これらのことから、企業はより一層、採用ブランディングを行う必要があると言えるでしょう。
採用ブランディングに取り組むメリット
採用ブランディングに取り組むメリットは以下の4つです。
・企業認知度の向上
・競合他社と差別化できる
・採用コストの削減
・従業員のモチベーション向上
順番に解説します。
企業認知度の向上
中小企業やベンチャー企業の多くは広告費や宣伝費に大きな予算を割けないので、求職者に名前すら知られていない企業も数多く存在します。そのため、応募者を獲得すること自体が非常に困難です。
しかし、採用ブランディングに取り組むことで求職者から認知してもらえるようになります。その結果、応募者の数を増やすことができるのです。
競合他社と差別化できる
先ほども述べたように、採用活動は年々激化しています。そのため、採用活動では自社の強みをアピールしなければいけません。
あらかじめ自社をブランディングしておくことで、他社に比べて認知してくれる求職者の割合が多くなり、採用活動も有利に進めることができます。
採用コストの削減
採用活動では、求人の広告費や宣伝費に莫大な費用を投じる企業も少なくありません。しかし、自社をブランディングすることによって、宣伝しなくても求職者自らが集まるようになります。
また、求職者のほとんどが自社の経営方針や企業理念に共感している人です。そのため、離職率が低下し、採用コストそのものを削減することができます。
従業員のモチベーション向上
せっかく働くのであれば、知名度のある会社で働きたいと思う人も少なくありません。知名度があるからという理由だけで大企業を選ぶ人もいます。
自社をブランディングすることで、既存の従業員も働くことにプライドが芽生えます。モチベーションが向上することで、一人一人のエンゲージメントの向上にも期待できるのです。
採用ブランディングに取り組むデメリット
採用ブランディングに取り組むデメリットは以下の3つです。
・長期的に考える必要がある
・会社全体で取り組まなければいけない
・運用コストがかかる
一つずつ解説します。
長期的に考える必要がある
採用ブランディングはすぐに結果が出るものではありません。3年、5年と長期的にブランディングすることで、効果が次第に現れてきます。
そのため、すぐに効果が出ないからといって諦めるのではなく、長期的に取り組む必要があることを念頭に置きましょう。
会社全体で取り組まなければいけない
従業員によって情報やコンセプトがその都度変わってしまっては、採用ブランディングは成り立ちません。採用ブランディングを成功させるためには、全従業員が価値観や意識を統一する必要があります。
そのため、採用担当者だけではなく、会社全体で取り組まなければいけないのです。
運用コストがかかる
採用ブランディングを行うためには、Web広告やSNSを利用して定期的に情報発信をしなければいけません。情報発信していくためには、人件費や広告費がかかります。
先ほども述べた通り、採用ブランディングは効果が現れるまで長期的に実施していく必要があるので、運用コストがかかることを覚えておきましょう。
採用ブランディングの実践方法
採用ブランディングの実践方法は以下の6ステップです。
1.自社の分析
2.ターゲットにする人材の選定
3.情報発信する内容の整理
4.発信方法の選定
5.実際に運用してみる
6.分析・改善する
順番に解説します。
1.自社の分析
まずは自社の分析をしましょう。
「自社ではどんな情報を発信できるのか」、「自社の経営理念や企業方針について」など、改めて分析することで新たな発見が見つかるかもしれません。自社を分析して、ブランディングできる要素をまとめましょう。
2.ターゲットにする人材の選定
自社の分析が終わったら、ターゲットにする人材を選定しましょう。
人材の選定にはペルソナがオススメです。ペルソナとは、目的に合った架空の人物のことです。なるべく詳しくペルソナを設定することで、自社に合った人材の獲得に繋がります。
ペルソナの設定は以下の内容を決めておきましょう。
・年齢
・性別
・性格
・趣味
・特技
・価値観
・家族構成
・居住地
ペルソナによって情報の発信方法なども変わってくるので、慎重に検討する必要があります。ペルソナの設定が難しいのであれば、社内で活躍している従業員をモデルにするのもオススメです。
関連記事:「採用活動における人材要件の定義とは?ペルソナ設計の方法や目的について解説!」
3.情報発信する内容の整理
自社の情報をただ発信するだけではいけません。前のステップで決めたペルソナを基に、どんな人材に情報を発信するのか整理する必要があります。
例えば何事にも挑戦する意欲的な人材をターゲットにするのであれば、キャリアに関係なく個人の積極性に応じて業務を任せられる点などを発信することで、「ここで働きたい」と入社意欲を沸かせることができます。
マッチング度を高めるためにも、なるべく具体的な情報を発信しましょう。
4.発信方法の選定
情報の発信方法を決めましょう。情報を発信する方法として考えられるのは以下の通りです。
・SNS(Twitter・Facebook・Instagram)
・会社説明会
・求人票
ターゲットとなる人材に対して一番効果的な方法を考える必要があります。一度発信しただけでは効果が分からないので、何度も繰り返し情報を発信しましょう。
また、情報発信方法の他にテキストや写真・動画などの発信形式も検討しておく必要があります。なるべく分かりやすくて正確に伝わる発信形式を選ぶことが重要です。
会社説明会の運営方法の参考については以下の記事をご覧ください。
▶「満足度をあげるための会社説明会の運営方法|人事が活用する運営代行を紹介」
5.実際に運用してみる
全ての工程が終了したら実際に運用してみましょう。
先ほども述べたように、採用ブランディングは短期間で効果が現れるものではありません。あくまでも長期的に継続して情報を発信し続ける必要があります。
そのため、情報発信は誰がどのタイミングでおこなうのか、あらかじめ決めておきましょう。
6.分析・改善する
運用していく中で、採用ブランディングが思うように上手くいかないというケースも珍しくありません。そんな時には何がいけないのかを分析し、改善していく必要があります。
分析・改善を繰り返すことによって、ベストな状態で採用ブランディングを運営していくことを目指しましょう。
採用ブランディングによる成功事例3選
採用ブランディングによる成功事例を3社厳選しました。
・日本マクドナルド
・面白法人カヤック
・株式会社GYAO
それぞれ解説します。
日本マクドナルド
世界でも有名なマクドナルドは、日本だけでも2900店舗以上あり、全国で15万人以上の従業員が働いています。
マクドナルドは「人と人のつながりを生み出していく場所」というのを理念としており、企業から従業員へと与える価値を優先することで、従業員が働きやすい職場環境や研修制度を整えています。
その結果、現在でも安定してたくさんの求職者から「マクドナルドで働きたい!」と応募があるそうです。
面白法人カヤック
イベントの企画開発やゲーム・エンタメなどの事業まで幅広く展開している面白法人カヤックでは、通常の採用選考とは別で自分が作ったポートフォリオだけで応募することが可能な「つくったもの選考」というのがあります。
そのほかにもゲームの実力によって採用が決まる「いちゲー採用」や検索履歴による「エゴサーチ採用」など、ほかの企業とは異なる数多くの採用方法を編み出しており、「変わった企業」として採用ブランディングを強化しています。
その結果、業績も右肩上がりで順調です。
株式会社GYAO
動画配信サービス「GYAO!」で有名な株式会社GYAOでは、2017年から情報の発信やエントリーまでを一つにまとめた「新卒採用アプリ」を導入しています。
エントリーや選考に進むためには必ずアプリをインストールする必要があるので、当初は応募者の数も減少していましたが、アプリを導入したことで最初から志望度の高い人材に絞ることができて採用活動の効率化につながっています。
まとめ
本記事では、採用ブランディングの基本情報や実践方法・成功事例について紹介しました。
採用ブランディングに取り組むことで、企業認知度の向上や競合他社と差別化できるなどの豊富なメリットがあります。今後も売り手市場が続くことが予想されるので、企業にとって採用ブランディングは必須と言えるでしょう。
しかし、ほかの業務が忙しくて採用ブランディングにリソースを割けない企業も多いはずです。そんな時には、採用業務を委託できる採用アウトソーシングサービスを利用しましょう。
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本記事を参考に、採用ブランディングに取り組みましょう。