アサーションとは?3つのタイプや身につけるメリット・トレーニング例を紹介!
最近では、相手の気持ちを配慮した上で自身の気持ちを述べる「アサーション」と呼ばれる言葉が注目を浴びています。しかし、具体的にどういう意味なのか理解していない人も少なくありません。また、アサーションを身につけることでどのような効果があるのか気になる人も多いはずです。
そこで本記事では、アサーションの基礎知識や身につけることで得られるメリット・身につけるためのトレーニング例などを紹介します。
目次
アサーションとは?起源について
アサーションとは、相手の気持ちを配慮した上で自身の気持ちを述べることです。
これまでは自身の気持ちを伝えたくても、「相手に嫌な顔されたらどうしよう」「反論されないだろうか」などの不安が勝ってしまい、本心を打ち明けられなかった人も少なくありません。しかし、アサーションを身につけることで、自身の主張を表現できるようになり、ストレスの軽減やトラブルの防止などにつながります。
アサーションは、1950年代のアメリカで行動療法の一環として誕生しました。その後、アメリカで起きた差別の撤廃や人権の拡張などの運動で大きく取り上げられるようになり、1980年代から日本でも普及するようになりました。
アサーションが注目を浴びるようになった理由
アサーションが注目を浴びるようになった理由は以下の3つです。
・退職率の改善
・テレワークによるストレス
・ハラスメント予防
順番に解説します。
退職率の改善
終身雇用制度が崩壊しつつある昨今では、転職するのが当たり前となってきているため、会社を退職するハードルは下がりつつあります。そのため、人間関係が原因で退職する人も少なくありません。
しかし、アサーションを身につけることで自身の気持ちも述べられるようになるため、上司であっても対等な関係として話せるようになり、退職率の改善が期待できるのです。
テレワークによるストレス
新型コロナウィルス感染症の影響もあり、テレワークを導入している企業も少なくありません。
テレワークは自分の好きな場所で仕事ができたり、出勤時間がかからなかったりするなどのメリットがあります。一方、画面越しでの会話となるため、相手の表情を読み取ることが難しく、コミュニケーションしにくいというデメリットもあります。
そのような状況でも、自身の気持ちを相手に伝えられるようにするために、アサーションが注目を浴びるようになってきたのです。
ハラスメント予防
最近ではハラスメントの取り締まりも厳しくなってきていますが、それでも一部の企業では行われています。ハラスメントは、自分よりも立場が上の相手から行われることがほとんどです。
しかし、アサーションを身につけることによって、自身の意見を主張できるようになります。その結果、ハラスメント予防にもつながるのです。
アサーションにおける3つのタイプ
アサーションは主に3つのタイプに分かれています。
・アグレッシブタイプ
・ノン・アサーティブタイプ
・アサーティブタイプ
一つずつ解説します。
アグレッシブタイプ
アグレッシブタイプとは、自身の意見を強く主張するタイプです。
以下のような例が挙げられます。
・相手を強く罵る
・見下すような発言をする
・大声で怒鳴る
アグレッシブタイプは非常に高圧的なため、従業員同士の関係を悪化させる恐れがあります。
ノン・アサーティブタイプ
ノン・アサーティブタイプとは、アグレッシブタイプと真逆で自身の意見を主張するのが苦手なタイプです。そのため、ほかの人の意見に流されてしまう傾向があります。
アサーティブタイプ
アサーティブタイプとは、相手の気持ちを考慮しつつ、自身の意見をはっきりと主張するタイプです。その場の雰囲気を察知して機転を利かせられます。最もバランスの取れたタイプといえるでしょう。
アサーションを身につけることで得られるメリット
アサーションを身につけることで得られるメリットは以下の3つです。
・自身の主張を表現できる
・トラブルを未然に防げる
・ストレスの軽減につながる
順番に解説します。
自身の主張を表現できる
上司の顔色を伺ってしまい、業務で分からないことがあっても聞けなかったり、自分の意見を主張できなかったりする人も少なくありません。しかし、アサーションを身につけることで自身の主張を言葉で表現できるようになります。その結果、コミュニケーションの活性化につながり、業務の効率化が期待できるのです。
トラブルを未然に防げる
自身の意見を主張できないと、上司からハラスメントを受けたり、情報の共有がうまくできずクレームにつながったりすることもあります。しかし、アサーションを身につけることによって、自身の意見をしっかりと主張できるようになるので、それらのトラブルも未然に防ぐことが可能です。
ストレスの軽減につながる
自分の意見を相手に伝えたくても、どのような反応をされるのか不安に感じてしまい、我慢している人も多いはずです。我慢し続けてしまうと、ストレスの原因になります。
ただし、アサーションを身につけることで相手の気持ちを考慮しながら自身の意見を主張できます。その結果、ストレスの軽減につながるのです。
アサーションを身につけるためのトレーニング例
アサーションを身につけるためには、以下のトレーニングを行ってみましょう。
・DESC法を試してみる
・アイメッセージを意識する
・実際の場面を想定してロールプレイングを行う
一つずつ解説します。
DESC法を試してみる
DESC法を試してみましょう。
DESC法とは、以下4つの頭文字を取ってできたコミュニケーションテクニックです。
・Describe(描写する)
・Explain(説明する)
・Specify(提案する)
・Choose(選択する)
DESC法を活用することで、相手の気持ちに配慮しながら自分の気持ちを分かりやすく伝えられます。ただし、強く伝えることはできないので注意が必要です。
アイメッセージを意識する
アイメッセージを意識することも大切です。アイメッセージとは、主語を「私」にして話す表現手法のことであり、意識することで表現が柔らかくなります。
そのため、話しにくい内容であっても関係性が悪化することなく、円満なコミュニケーションを図ることが可能です。
実際の場面を想定してロールプレイングを行う
アサーションを身につけるためには実践も必要ですが、まずは練習して基礎を固めることが大切です。そのため、実際の場面を想定して何度もロールプレイングを行ってみましょう。
まとめ
本記事では、アサーションの基礎知識や身につけることで得られるメリット・身につけるためのトレーニング例などを紹介しました。
アサーションを身につけることで、自分の意見をしっかりと相手に伝えられるようになるため、トラブルの防止やストレスの軽減につながります。本記事で紹介したDESC法やアイメッセージなどを意識しながら、アサーションを身につけてみましょう。
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