OCRとは?活用方法や導入のメリット、成功事例を徹底解説
「OCRってどんなもの?」「自社で使えるものなのだろうか?」
業務効率化に関心のあるご担当者で、このような疑問を持たれている方は多いでしょう。
本記事では、OCRの特徴やメリット、成功事例などについてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
OCRとは
OCRについて、以下の3点についてご説明します。
- OCRの特徴
- OCRの仕組みについて
- OCRの用途例
それぞれについて詳しく紹介します。
OCRの特徴
OCRとは、紙の文字データを電子データに変換する技術のことです。変換されたデータは画像ではなくテキストとして扱えるので、編集しやすいという利点があります。
ペーパーレス化に取り組む企業であれば、OCRによって紙データを電子データに変換することで、効率的に作業を進められます。業務効率化を促進させるためにOCRは大いに活躍するでしょう。
OCRの仕組みについて
OCRが画像データの読み取りからテキストデータを取得するまでの仕組みは以下の通りです。
- 画像データを読み取り
- 文章をブロック単位で識別
- 文字を認識し、誤字を修正
- テキストデータの取得
画像のどこに文字が配置されているかを解析し、各ブロックに仕訳されます。
ブロック毎に1文字ずつ文字を識別し、前後の関係性などから誤字と判断された文字は自動で修正。最終的に読み取れたテキストデータを電子化し、自動で入力されます。
テキストデータとして取り込まれるので、取得データに不備があった場合もすぐに修正が可能です。
OCRの用途例
OCRは、さまざまな実務面において活躍します。例えば、以下のような活用例があります。
- レシートを電子化して経費申請の資料として保存
- 紙の申込書をネット経由の申込書とデータを統合
- 受け取った名刺をオンライン上で管理
新しいシステムの導入は、はじめは使い道やそのメリットがわかりづらいこともありますが、OCRは身近に活用できるので、導入するハードルは低いでしょう。
OCR活用のメリット5選
OCRを活用するメリットは以下の5つです。
- 業務効率化
- 誤入力の減少
- スペースの有効活用
- 検索性の向上
- 編集の容易さ
それぞれについて詳しく説明します。
業務効率化
取引先からの納品書や請求書、経費申請に必要な領収書などを手入力で電子化するとなると多くの時間を要します。
OCRを活用すれば、これまで手入力で作業を行っていた紙の資料から電子データへの変換作業を自動化できるので、業務効率化が進められるでしょう。
業務効率化を進めることで、ノンコア業務にかかる時間を短縮し、コア業務に専念できるため、事業の拡大にも繋げられるでしょう。
誤入力の減少
OCRを導入すると、手入力から自動入力に変わるため、誤入力が少なくなります。
手入力の場合、作業量が多いほど作業の質が落ちる可能性が増しますが、OCRはプログラムのため疲れることがなく、高い質を保ったまま作業を進められるのが強みです。
誤入力が発生すると対応に多くの労力を要するだけでなく、ミスをした社員の精神的な負担も大きくなるので、課題を感じられている方も多いでしょう。
扱うデータ量が多く、ヒューマンエラーの発生に課題があるのであれば、OCRの導入をおすすめします。
スペースの有効活用
紙資料はデータ化すれば場所をとりません。OCRを使った電子化によって書類をクラウド上に保存できれば、必要な倉庫スペースを削減でき、その空間を作業スペースや会議スペースなど別の用途に使えます。
紙の資料での取引が多く、オフィス内にいくつも書庫がある企業こそOCR導入のチャンスです。倉庫がいっぱいになっているなどオフィス内のスペースが足りなくて困っている企業はぜひOCRの導入を検討してみてください。
検索性の向上
OCRによって紙の資料をテキストデータに変換すれば、検索性が向上し、業務効率化に繋がります。
紙の資料の場合、どれほど整理されていたとしても、該当のファイルから特定のページを探すまでに時間を要してしまいます。しかし、テキストデータであれば、データの名称を検索すればすぐに特定のデータを見つけられます。
特定の資料内においても、探したいキーワードが明確であれば、そのキーワードがどこに含まれているかも検索機能を使えばすぐに見つかるでしょう。
編集の容易さ
OCRで書類をテキストデータ化すると、内容を編集しやすくなります。
紙の資料であれば、元データの所持者を探し、修正の依頼をする手間がかかってしまいますが、テキストデータであればすぐに編集できます。
資料作成に要する時間が短縮され、生産性の向上が期待できるでしょう。
OCR活用のデメリット3選
OCRのデメリットは以下の3つです。
- 誤認識のリスクがある
- 柔軟性に欠ける
- 全て自動化できるわけではない
それぞれについて詳しく説明します。
誤認識のリスクがある
OCRは誤認識のリスクがあるので注意が必要です。
日本語は、ひらがなとカタカナに加えて複雑な形の漢字から構成されるため、機械で読み取るには正確性にも限界があります。
精度が上がっていきているとはいえ、まだまだ完全に認識できるとは限りません。ミスが許されない書類の場合は、OCRで効率的に入力を行い、チェックは人の目を通しておくのがおすすめです。
柔軟性に欠ける
OCRは、資料における文字の位置情報を把握してから読み取っていくので、資料ごとに文字の配置がバラバラであれば、文字を認識できないこともあります。
統一感の無い資料を大量にテキストデータに落とし込みたい際は、認識できない可能性があることや効率が悪い可能性があることを理解しておきましょう。
OCRで読み取りを効率化させたいのであれば、統一されたフォーマットの文章を読み込むのが最も効果的です。
全て自動化できるわけではない
OCRは、誤認識が発生する可能性があるので、最終的には人の目によるチェックが必要です。
まずは試験的にさまざまな資料を読み込ませてみて、どれほど正確にデータを取得できるかを確認してみましょう。
「最終的にチェックがいるのであればそこまで効率化できないのでは?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、紙の資料をテキストに入力するのには多くの時間を要するので、チェックと修正だけで済むのは業務効率化につながる可能性が高いです。
全て自動化できるわけでないことを把握した上で、上手にOCRを活用する必要があるでしょう。
OCRの具体例と成功事例
OCRの導入によって成功した事例として以下の3つをご紹介します。
- 辻・本郷税理士法人
- 武蔵コーポレーション
- ロジクエスト
それぞれについて詳しく解説していきます。
成功事例①辻・本郷税理士法人
辻・本郷税理士法人は、OCRの導入により、約8トンもあった紙の資料のデータ化に成功しています。それまでは、紙資料を転記するリソースに課題を感じていましたが、OCRによって作業時間が大幅に短縮されたとのこと。
効率化が進んだだけでなく、紙の資料を保管するコストも減少されています。
成功事例②武蔵コーポレーション
武蔵コーポレーションでは、毎月200枚以上の請求書のデータ入力とチェックを行っていたところにOCRを導入しました。
取得したデータをCSVにすぐに出力できるようになり、丸一日かかっていた業務がたった1時間で作業ができるようになったのです。担当者の負担が大幅に減少し、生産性が向上しています。
成功事例③ロジクエスト
ロジクエストは、物流業界の根強い紙文化をOCRの導入によって脱却しました。
全国のドライバーや取引先から毎月7,000枚もの請求書を処理する必要があるので、多くの労力を要していましたが、OCRによって効率化。
データをクラウド上で管理でき、過去の書類に関する問い合わせにも迅速に対応できるようになったとのことです。
まとめ
本記事では、OCRの特徴やメリット、成功事例などについて解説しました。OCRの特徴や活用方法をイメージしていただけたでしょうか?
OCRの活用によって、多くの時間を要していた書類関係の事務業務を大幅に効率化できる可能性があります。
ご興味のある方は、ぜひ株式会社ニューズベースまでお問い合わせください。
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