研修で目標を設定すべき理由とは?おすすめの方法や意識すべきポイントも解説!

公開日:2023.10.31  更新日:2024.09.30

人材を育成するために、多くの企業ではさまざまな研修を開催しています。

しかし、研修の内容が実際の業務で活かされておらず、あまり効果を実感していないという担当者もいるのではないでしょうか。

その原因は、研修における目標設定にあるかもしれません

そこで本記事では、研修で目標を設定する理由やおすすめの方法・意識すべきポイントなどについて解説します。

効果的な研修を実施したい担当者は、ぜひ最後までご覧ください。

 

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研修における目標は2種類ある

研修における目標は主に2種類あります。

 

1つ目は、研修内の目標です。

これは、研修内でどのようなことを学び、成長したいと考えているか、あらかじめ受講者が立てておく目標のことです。目標があることで、意欲的に受講できます。

 

2つ目は、研修終了後の目標です。

研修は、実際の業務で活かせる知識やスキルを習得することを目的として開催されることがほとんどです。

 

たとえ有意義な研修を開催できたとしても、実際の業務に活かされなければ意味がないので、得たものを研修後にどう活かすかを明確にした目標が必要となります。

 

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研修で目標を設定する理由

研修で目標を設定する理由は、以下の2つです。

  • セルフマネジメント力を向上させるため
  • 研修に対するモチベーションを高めるため

順番に解説します。

 

セルフマネジメント力を向上させるため

目標を設定することで、受講者におけるセルフマネジメント力の向上に期待ができます。なお、セルフマネジメントとは、直訳すると「自己管理」です。

研修の目標があることで、目標達成に向けて受講者は自律的に行動する必要があります。その過程でセルフマネジメント力が養われるのです。

セルフマネジメント力が向上することで、タスク管理やタイムマネジメントが徹底されるようになり、業務の効率化につながります。

 

研修に対するモチベーションを高めるため

目標を設定することで、研修における明確な目的が生まれます

そのため、目標を達成しようというモチベーションが自然と高まるはずです。

また、設定した目標をクリアすることができれば、達成感を得られるだけでなく、自分自身の成長にもつながります。

 

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研修の目標設定におすすめの方法3選

研修の目標設定におすすめの方法として、以下の3つが挙げられます。

  • SMARTの法則
  • HARDゴール
  • ベンチマーク法

一つずつ解説します。

 

SMARTの法則

SMARTの法則とは、以下5つの基準によって定められた、目標を設定するための方法です。

  • Specific:具体的であるか
  • Measurable:目標達成率や進捗度は測定できるか
  • Assignable:役割や権限は割り当てることが可能か
  • Realistic:現実的な目標であるか
  • Time-related:期限はいつまでとなっているか

SMARTの法則はジョージ・T・ドラン氏によって提唱された方法であり、研修以外のさまざまな場面でも利用されています。

SMARTの法則を活用して目標を設定することで、目標を達成できる可能性をさらに高められます。

 

HARDゴール

HARDゴールとは、以下4つの頭文字を取ってできた目標を設定するための方法です。

  • Heartfelt:情熱や感情を心に訴えかけているか
  • Animated:目標達成後の姿が嬉しい様子をイメージできるか
  • Required:必須であるか
  • Difficult:困難であるか

論理的ではなく感情を用いて心に訴えかける目標設定方法のため、研修にも最適です。

ちなみに、HARDゴールに沿って目標を設定する際は、H→A→D→Rの順番で決めましょう。

 

ベンチマーク法

ベンチマーク法とは、ある対象をベンチマークにして目標設定する方法です。なお、ベンチマークとは、「指標」や「基準」といった意味になります。

研修におけるベンチマークの例として、尊敬する先輩社員や上司が挙げられます。ベンチマーク法の設定方法は、以下の3ステップです。

  • ベンチマークを設定する
  • ベンチマークに設定した対象の情報を収集する
  • 目標を設定する

 

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研修の目標を効果的に活用するためのポイント

研修で設定した目標を効果的に活用したいのであれば、以下3つのポイントを意識しましょう。

  • 研修の開催目的を受講者に伝える
  • 目標を明確にする
  • 受講者同士で設定した目標を共有する

順番に解説します。

 

研修の開催目的を受講者に伝える

どのような目的で研修が開催されるのかが把握できていないと、受講者は参加するにあたって何を学ぶか、正しい目標を設定できない可能性があります。

そのため、「なぜ研修を開催する必要があるのか」理解できるように開催目的をしっかりと伝えるようにしましょう。

その結果、目標設定がしやすくなり、研修の効果を高めることができます。

 

目標を明確にする

目標を設定する際には、なるべく明確なものにするよう意識しましょう。

設定した目標の内容が曖昧だと目的意識がブレてしまい、達成感や研修本来の効果を得られなくなる可能性があるからです。

「営業スキルを習得して、毎日1件のアポを獲得する」といった、期間や数値を交えた明確な目標を設定することで、目的意識が強くなり、研修後には成長を実感できるようになるはずです。

 

受講者同士で設定した目標を共有する

設定した目標は、研修内の早めのタイミングにおいて、受講者同士で共有させましょう。実際に口にして発表することで、目的意識や達成意欲が強まります

また、ほかの受講者の目標を聞くことで自身が設定した目標と比較できるようになり、モチベーションの向上につながるはずです。

 

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研修の目標設定例

研修の目標を設定する場合、「研修中の目標」と「研修後の目標」をそれぞれ設定します。

研修中の目標は、研修で何を学ぶのか・どのように成長すべきかを設定します。研修後の目標では、研修で学んだことを現場でどのように活かすかを設定します。

以下で、研修テーマ別の目標設定例を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

新入社員研修

ビジネスの基本や社会人としての心得、報連相の重要性、資料作成方法など、会社で働く上で基本となるものを教える研修です。企業の歴史や経営理念、部署ごとの業務内容といった、会社の基本情報を学ぶことも一つのテーマです。

・研修中の目標例:学んだことを上司に正しく報告を行う。

・研修後の目標例:日々、報連相を意識的に行う。3ヶ月を目安として一人で資料を作成し、顧客へ提案できるようにする。

 

ビジネスマナー研修

名刺交換、電話対応、挨拶・言葉遣いなどビジネスにおける基本的なマナーを学びます。主に新社会人となった新入社員を対象に実施される研修です。

・研修中の目標例:基本的なビジネスマナーを学ぶ。正しい言葉遣いや適切な電話対応を学ぶ。

・研修後の目標例:1日に10件の電話に率先して出る。顧客への挨拶回りや名刺配りをしてビジネスマンとして認知してもらう。

 

コミュニケーション研修

社内および社外に対してのコミュニケーションスキルを高める研修です。部下や同僚とのコミュニケーションが円滑に行われれば、マネジメントが機能して組織の成果が高まります。交渉力やプレゼン力がつけば、顧客ニーズを把握した上での提案ができ、交渉もスムーズに進むようになります。

・研修中の目標例:過去を振り返り、コミュニケーション方法を一から見直す。顧客の考えや気持ちを理解した上でプレゼンする。

・研修後の目標例:研修で得たスキルや気付きを顧客との交渉に活かし、成約率20%向上を目指す。

 

マネジメント研修

マネジメント力を高めるため、管理職・管理職候補に対して行う研修です。マネジメントは幅広い概念であるため、目標管理研修・メンタルケア研修など細分化して行います。また、マネジメントを行うにはリーダーとしてのスキルも求められるため、リーダー研修の要素も含むことがあります。

・研修中の目標例:部下の強み・弱みを把握し、育成ポイントを見極める。

・研修後の目標例:部下との面談により強みを認識させ、それを仕事に活かせた事例を1件以上挙げる。

 

コンプライアンス研修

会社の信頼を失墜させるような不祥事を起こさせないために行う研修です。会社の就業規則を周知させるだけでなく、仕入先との付き合い方や取引ルール、SNSの使い方まで幅広く行います。

・研修中の目標例:さまざまな事例を学び、実際の業務でコンプライアンス違反になりそうなものがないか洗い出していく。

・研修後の目標例:定期的に部門やチームごとに集まり、コンプライアンス情報を共有して意識を高めていく。

 

ハラスメント研修

職場におけるハラスメントを防止するために行う研修です。2022年のパワハラ防止法施行から、ハラスメント研修は注目されています。ハラスメントにはさまざまな種類があるため、細分化して研修を行います。

・研修中の目標例:ハラスメントの事例を知った上でセルフチェックを行い、疑わしい行動・行為がなかったかを確認する。

・研修後の目標例:部門・チームでハラスメント情報についての共有をする。研修内容を振り返り、自らの行動を見直す。

 

コーチング研修

コーチングスキルを学ぶ研修です。ただ指示をするだけでは部下の成長にはつながりません。コミュニケーションを通して部下に気付きや動機を与え、自ら成長しようとする主体性を引き出すコーチング力が大切です。

・研修中の目標例:学んだ事例と照らし合わせ、実際の業務の中で適切なコーチングができていたのかを確かめる。コーチングにつながるコミュニケーションを学ぶ。

・研修後の目標例:部下が自発的に目標を達成できるように、定期的な面談を通してコーチングしていく。

 

チームビルディング研修

チームワークを高めることで、目標に向かって協力できる組織づくりへとつなげる研修です。知識を学ぶだけでなく、ゲーム性の高いグループワークを通して学びます。

・研修中の目標例:コミュニケーションの取り方やサポートの仕方など、チームビルディングのコツを体験的に学ぶ。

・研修後の目標例:前年度の部門別収支を比較してチームの成果を測る。

 

まとめ

本記事では、研修で目標を設定する理由やおすすめの方法・意識すべきポイントなどについて解説しました。

研修における目標は、研修内と研修終了後の2種類あり、目標を設定することでセルフマネジメント力や研修に対するモチベーションの向上につながります。

研修の目標設定におすすめの方法として、SMARTの法則やHARDゴール・ベンチマーク法が挙げられますので、本記事を参考に活用を検討してみましょう。

 

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