セミナー主催と共催のメリット・デメリット
セミナーを開催する場合、すべて自社で準備せねばならず、工数がかかる…とお考えの方もいるかもしれません。
セミナーを開催するには、大きく分けて「主催」と「共催」という2つの方法があります。
共催セミナーとは、同業種の会社や協業先などと組んで開催するセミナーのことです。
本記事では、目的に応じて適切なセミナー開催方法を選択できるように、セミナーを主催する場合と共催する場合のメリット・デメリットについてご紹介します。
目次
主催と共催の違い
「主催」と「共催」は、イベントやセミナーなどを企画・開催するという点で同じ意味合いがあります。そのため、両者を混同している方も少なくありません。しかし、主催と共催には明確な違いがあります。
主催とは、1つの団体が主体となってイベントやセミナーを開催することです。つまり、「主催団体」とされる場合、1つの団体が企画・運営全ての責任を持っています。
一方、共催とは2つ以上の複数の団体が主体となってイベントやセミナーを開催します。そのため「共催団体」は企画・運営の責任を2つ以上の団体で等しく負うわけです。
セミナーを開催する場合、主催・共催のこうした違いを理解しておくことが大切です。
自社セミナーのメリット・デメリット
自社でセミナーを開催する場合のメリットとデメリットについてご説明します。
自社セミナーのメリット
見込み顧客の獲得率が高い
自社セミナーを開催する場合においてもっとも大きなメリットが、リード(見込み顧客)の獲得を独占できることです。共催セミナーの場合は、共催先にリードが偏るリスクもあります。
セミナープラットフォームなどでセミナー告知をすれば、新規リード獲得の大きな助けとなるでしょう。
セミナー運用の自由度が高い
セミナー共催をする場合は、どうしても相手側の企業とすり合わせをする必要が生じます。自社セミナーの場合は、自社内で運用を完結できるため、開催の自由度は高いです。
自社セミナーのデメリット
集客や運用の負担が大きい
メリットにもなりえるのですが、自社開催の場合はすべてを自社で行わなければなりません。当然集客やセミナー運用も自社のみで行う必要があります。共催セミナーに比べると、集客の負担は大きくなります。
共催セミナーのメリット・デメリット
セミナーを共催する場合のメリット・デメリットについてご説明します。
共催セミナーのメリット
集客がしやすい
共催セミナーを開催する場合には、お互いの既存顧客や、過去に獲得した個人情報を共有できるため、告知できる範囲が広がります。また、一社開催のセミナーよりも共催セミナーのほうが話題性も高く、新規の集客がしやすいです。
参加者の満足度が高い
共催セミナーでは一度に複数の公演を聴講できるため、参加者にとって満足度が高いです。また、会社別の切り口で話を聞くことができるので、参加者の理解度を深める点でもメリットがあります。
共催セミナーのデメリット
共催他社と比較される
共催セミナーの場合、複数企業によって開催されるセミナーであるため、参加者は自社以外の他社製品やサービスの知識も同時に得られます。そのため、自社と共催他社で比較されてしまいやすく、自社製品やサービスの印象が薄くなってしまうことがあります。
このようなデメリットを回避するには、サービスや製品にシナジーのある企業と共催をすることや、セミナー内容を綿密に練って参加者に比較されても印象に残せるようなアピールをすることが大切です。
アプローチ先が重なる
潜在顧客層へのアプローチが共催先と重なる可能性があることも、共催のデメリットです。この場合、購買などのゴールへ到達するまでに長期化してしまい、思うように成果が上がりにくくなることが予想されます。さまざまな角度からアプローチする方法を検討しましょう。
コミュニケーションコストがかかる
また、共催先とのコミュニケーションにコストがかかる点もデメリットといえます。主催と違い、共催の場合、関係者が多く存在するためやり取りも必然的に増えます。なるべくスムーズにやり取りする意識はもちろんですが、余裕あるスケジュール設定や遅延・タスク漏れを防ぐ、主導企業を明確にするなどの工夫が必要です。
セミナーを共催する際に押さえておきたいポイント
共催セミナーを成功させるために、ぜひ覚えておきたいポイントを紹介します。
どのような企業と共催するか
共催する企業は重要な問題です。集客力があることは重要な要素ですが、それだけを重視すると、新規顧客獲得に繋がりません。共催先とターゲットが重なっていて、顧客先に提供できるソリューションにシナジーがあることが必要です。お互いの強みを活かしたソリューションを提供することで、双方にメリットのあるセミナーにできるでしょう。
主導企業を明確にする
共催にてセミナーを行う場合、企画立案だけでなく主導企業を明確にすることが大切です。主導企業が明らかになっていないと、指揮系統が不明瞭になりコミュニケーションコストがかかりますし、タスク管理が煩雑になって抜け・漏れが生じやすくなります。
主導企業を決める場合、例えば自社企画のセミナーであれば自社が主導になるのが一般的です。その企画に賛同して参加してもらう企業からは、共催セミナー経験者を担当者として選出してもらいます。その方を窓口としてやり取りしたり、セミナー開催のサポートを依頼したりします。
会場の選定
共催セミナーの場合は、以下の3つの選択肢があります。目的に応じた場所選定をすることが重要です。
・自社のセミナールーム
当日の移動が不要というのが大きなメリットです。移動時間が不要のため、準備を率先して行えます。
・共催先のセミナールーム
移動に時間とコストがかかり、アウェイ感が生じる可能性があります。共催先にとっては前述の「自社のセミナールーム」と同様のメリットがあります。
・外部の貸し会議室
コストはかかりますが、双方にとってアウェイ感がなく、対等な立場で開催できます。環境も整っているため、準備の手間も省けます。
形式の選定
セミナーの開催形式としては、「オフライン」「オンライン」の2つがあります。
オフラインは従来からある開催形式です。参加者と直接触れ合うことができ、自社製品やサービスを紹介できます。また、直接触れ合えることで、参加者との関係構築をしやすいのも特徴です。ただし、実際に会場へ足を運ぶ必要があることから、集客しにくいという課題もあります。
オンラインは現在主流となっている開催形式です。パソコンやスマホから参加できるため、集客しやすいのが特徴です。ただし、セミナーの内容を「ながら聞き」されてしまい、重要な部分が参加者に届きにくい、という課題もあります。
このように、オフライン・オンラインそれぞれでメリット・デメリットがあります。セミナーの目的や企画内容に合わせ、よりマッチする方を選びましょう。
営業フォローのルールを決めておく
セミナー開催後は、参加者に対してお礼の連絡とともにアンケートなどを行って、インサイドセールスを進めます。主催の場合は自社のみなので特に問題はありませんが、共催の場合は営業フォローについて明確にルールを決めておきましょう。
例えば、主導企業が代表してフォローをするのであれば、他の参加企業には同じ内容のメールを送らないように徹底しなければなりません。足並みが揃わず、各社で一斉に同じようなメールなどを送ってしまうと、参加者はマイナスイメージを持ちやすくなります。共催企業全てのイメージダウンになる可能性もあるため注意が必要です。
セミナーを共催の際に注意しておきたいポイント
セミナーを共催する場合、以下の点に注意しましょう。
個人情報を共有する旨を告知すること
自社セミナーの場合、個人情報利用目的の通知は自社のみで行えばよいのですが、獲得したリードの個人情報を共催企業間で共有する場合は、個人情報保護法に準拠してその旨を参加者に通知する必要があります。
どちらか一方のみによる通知だけでは、個人情報の共有ができなくなります。その後のアプローチに支障をきたす可能性があるので、共催セミナーを行う場合は、個人情報利用の通知内容に注意しましょう。
問題が発生したときの責任所在を明確にすること
主催セミナーの場合は自社ですべての責任を被るという方針でよいのですが、共催セミナーの場合は、会場で事故が発生したときや個人情報の漏洩が起こった場合、どこが責任を取るのかを事前に決めておかなければなりません。
また、あらかじめ不測の事態が起こった際にはどのように対応するのかの認識を双方ですり合わせておく必要があります。
まとめ
本記事は、セミナーを開催したいとお考えのご担当者様に向けて、セミナー主催と共催のメリットとデメリットや、共催セミナーを開催する場合の留意点について紹介しました。目的に応じて、より効果の高いセミナー開催方法をご検討ください。
実際にセミナーを開催するにあたってどれだけの費用がかかるかについては、以下の資料でご紹介しておりますので、ご参照いただけますと幸いです。