2014年の調査結果から見える、社内イベントの実施傾向
社員同士のコミュニケーションを促進し、連帯感を高める効果のある社内イベント。社内イベントには、スポーツ大会や食事会、社員旅行などさまざまな種類のものがあります。しかし最近では、「参加者が少ない」「経費がかかる」といった理由から見直されているケースも少なくありません。
一般的には、こうした社内イベントはどのように実施されているのでしょうか。2014年の調査結果から、その実施傾向を探ってみましょう。
目次
1.社内イベントの実施率は、なんと8割以上!
人事や労務に関する調査を専門とする産労総合研究所は、2014年に社内イベントの実施状況に関する調査を行い、「2014年社内イベント・社員旅行等に関する調査」としてまとめました。
この調査によると、スポーツ大会や社員旅行など何らかのレクリエーション行事を行っている企業の割合は82.0%にものぼるとしており、高い関心を集めている現状が明らかになっています。
また、「最近10年でこうした行事の見直しを行ったか」という質問では、45.1%が「見直しや再編をした」と回答しており、そのうち47.3% は「新たな行事をはじめた」、45.5%が「整理・縮小した」としています。
この数字を見る限りでは、社内イベントの実施は、特に縮小傾向というわけではなく、見直しを行いながら、その時流に合わせたイベントが行われているようです。
2.どんな社内イベントが実施されている?
「どのような社内イベントが行われているか」という質問では、「社員旅行(46.0%)」がトップという結果になりました。次いで「ボウリング大会(35.0%)」「ゴルフコンペ(30.0%)」となっており、おおよそ定番といえるイベントが順当にランクインしています。
このなかで注目すべきは「サッカー・フットサル」「潮干狩り・磯遊び・海水浴」「テニス大会」などの項目でしょう。いずれも前回調査を行った2009年の段階では10%を超える実施率でしたが、今回の調査ではその割合を大きく下げています。これらのイベントは、残念ながら最近のトレンドからは外れてしまっていることがうかがえます。
反対に、前回調査時よりも実施割合を増やしたのは「日帰りバスツアー」「花見(観梅・観桜等)」「食事会・ディナーショー」などの項目です。こうして見ると、社員の企画負担が少なく、比較的手軽に行えるイベントが人気となっていることがうかがえます。
3.社員旅行の実施状況は、今後増加傾向に!?
社内イベントのなかでも、実施率の最も高かった社員旅行にもう少しスポットを当ててみましょう。
2014年の社員旅行の実施率は46.0%となっており、なかには予想以上に高いと感じた方もいるかもしれません。しかし、1994年の段階ではこの実施率は88.6%となっており、年々縮小傾向にあることが明らかになっています。特にリーマン・ショック後の2004年の調査では、36.5%にまで減少しました。
しかし、その後は51.6%(2009年)、46.0%(2014年)と推移しており、必ずしも減少傾向とはいえないようです。
その根拠として、現在社員旅行を行っている企業に今後の実施状況についてたずねたところ、73.0%の企業が「これまでどおり実施」、さらに9.0%は「内容を充実させる」と回答しています。このことから見ても、今後社員旅行が見直され、増加に転じる可能性も十分にあるといえそうです。
社内イベントの実施にはさまざまな意見がありますが、社員同士のコミュニケーションを促進させ、社員同士の連帯感や会社への帰属意識を育てる効果があることは間違いないでしょう。こうした効果は社内の雰囲気を明るくし、社員のモチベーションを維持する効果もあります。
今後、あなたの会社で社内イベントの実施を見直す機会があるならば、こうした効果も踏まえながら検討してみるといいでしょう。