キックオフミーティング開催に反対!その声の理由とは
全社キックオフミーティングを開催しようとしたら、反対の意見が出た。そんな体験をしたことはないでしょうか。
一般的にキックオフミーティング実施には、会社へのロイヤリティ向上や社員同士のエンゲージメント強化の効果があるといわれています。
一方で社員の時間的なコストをかけてでも、キックオフミーティングを実施すべきか、会社として判断できないこともあるでしょう。
また、ロイヤリティやエンゲージメント、モチベーションは効果がなかなか見えづらいものです。成果が目に見えないことに対しては、会社としてコストをかけられないという場合もあるのではないでしょうか。
そこで今回は社内イベントに反対意見が出た場合に、どう対処するかについて解説します。
目次
1.社内イベントとモチベーションの関係性
2015年に JTBが実施した調査で、好評な社内イベントと不評だったイベントの特徴が明らかになりました。
・好評だった社内イベントの特徴
好評だったイベントは、「社員全員が集まる」「参加型で楽しめる」「会社や同僚・上司について知る」という3つの特徴があることがわかりました。
・不評だった社内イベントの特徴
一方で失敗するイベントは、好評だったイベントとは対照的に「一方的に聞くだけの内容」「一部の社員のみ参加」「話が長い」特徴があります。
この調査からは、社内イベントには「全員参加」「社員参加型・双方向型」「社員同士の距離感」という要素が必要であることがわかります。
また、社内イベントに「感動した」人は仕事に対するモチベーションが高いことが判明しました。
好評だった社内イベントではほかにも「上司と話しやすくなった」「他の部門と仕事がしやすくなった」というような、コミュニケーションの改善効果が見られました。
つまり、社内イベントの成否が社員のモチベーションを左右するといっても過言ではないでしょう。
2. 反対意見がある社内イベントとは
反対意見が出るイベントには必ず理由があります。
一番の失敗要素は参加者のニーズや事情を無視して、主催者側のやりたいことをやってしまうことです。
以下のような社員にメリットのないイベントは、反対意見が出るどころか、参加者が少なくなるリスクがあります。
・無理な内容や強行スケジュール
社員の体力や予定、経済力を考慮しないイベントが行われることがあります。
例えば、一部の体育会系社員が盛り上がってスポーツイベントを開催する場合です。
急に社内マラソン大会を開催することになり、大会に向けて練習のスケジュールも決まってしまう。
体力のない社員にとってはとても辛いものです。できれば参加したくないと思うでしょう。
・強制参加の飲み会
断りづらい雰囲気の飲み会。
欠席する選択肢が存在しない。
参加しなければ後から何かを言われそうな雰囲気。
こうした強制参加の雰囲気は、場合によってはパワハラで訴えられてしまいます。参加しやすく断りやすい雰囲気をつくりましょう。
・接待の強要
社長や役員との社員旅行や、懇親会は特に注意が必要です。
主催者側が気にしていなくても、社長や役員を目の前にすると若手社員は接待せざるを得ない状況になります。
社内イベントはあくまでも社員同士の交流を図るものであることを、経営陣にもきちんと説明しましょう。
3.好評な社内イベントを作るためにやるべきこと
好評な社内イベントを作るには、いくつかのポイントがあります。
・事前に参加者の意見を聞く
事前に簡単なアンケートで、参加者に社内イベントで何をしたいのかをヒアリングするとイベントの双方向性が高まります。少しヒアリングするだけでもイベントの満足度が高まります。
主催者側が独りよがりで企画することはなるべく避けましょう。
・集まりやすいスケジュールで開催する
社内イベント開催で内容の次に重要なのが日程です。なるべく全社員が集まれる日程を調整しましょう。
土日など会社の休日は家族の予定がある社員もいるので、可能であれば営業日にイベントを実施するのが望ましいでしょう。
・社員が主体になって企画する
社内イベントは経営陣の想いから始まることも多いでしょう。しかしその場合でも、企画は社員が主体的になって行うべきです。可能であればプロジェクトメンバーをつくり、社内イベントの企画に関しては社員へ権限移譲するようにしましょう。
こうすることで会社の独りよがりではないイベントを作り上げることができます。
4.まとめ
社内イベントの実施には少なからず反対意見が出るものです。しかし、社内イベントの目的をよく考え、実施する際の注意点に気をつければ非常に効果のあるものにできます。
また、単にイベントの実施自体でエンゲージメントやモチベーション向上効果を狙うのではなく、イベントの企画から実行、そしてフォローまでのすべてのプロセスを活用しましょう。
イベントの企画から経営陣や社員を巻き込むことで、生み出される一体感はより深くなります。
全社員でイベントを作り上げる、という気持ちを大切にしましょう。