展示会出展のメリットとは?成功するために必要なポイント4つ
オンラインでのマーケティング手法が数多く登場する現代においても、展示会への出展は貴重な顧客獲得の機会の一つであり続けています。
多くの企業が展示会への出展を行っていますが、まだ展示会出展の経験が少ない企業の場合は、具体的にどのような効果が得られるのかわからず、出展を迷っているという方も多いかもしれません。
そこで本記事では、展示会に出展する目的やメリット・成功させるためのポイントなどについて解説します。
目次
展示会とは?出展する目的について
展示会とは、特定の場所で企業が自社の商品やサービスを展示する機会のことです。
展示する側として展示会に参加することで、来場者から自社の商品やサービスを認知してもらうきっかけとなり、商談につなげることにも期待できます。
また、見込み顧客の獲得やブランディングの向上にもなるため、展示会に注力している企業も少なくありません。
国内の展示会の規模
日本では毎年数多くの展示会が開催されており、その件数は年間でおよそ800件にのぼるといわれています。開催される展示会の業界は幅広く「産業機械」「環境」「食料品」などさまざまです。
従来は、BtoB向けの展示会が数多く開催されていましたが、近年では傾向も変化してBtoBtoC向けの展示会も増えています。そのような場合、対象者に合わせて日程や会場を分けることが少なくありません。
例えば、世界最大級のゲーム展示会である東京ゲームショウは、ビジネスデイと一般公開日といった形で日程を分けて開催しています。
展示会来訪者の特徴・傾向
BtoB向けの展示会の場合、来訪者は次のような方です。
- 商品やサービスの導入を検討している企業担当者
- 業界の情報収集を目的とした業界関係者
他にも、展示会のテーマに惹かれた人、自社の業績アップにつながるヒントを得たいと考えている人、良いものがあればと探しに来た人なども少なくありません。展示会来訪者にはこうした特徴があることから、出展企業は来訪者が興味を持って足を止めてくれるようなブースづくりやデザインを心がけることが大切です。
展示会の開催場所の例
展示会を開催できるイベント会場は全国各地にあります。アクセスや立地、キャパシティ、レンタルできる機材・設備、電波状況、使用ルール、料金などを確認した上で、展示会の規模や目的にあったものを選ぶことが大切です。
代表的な展示会を開催できるイベント会場には以下のようなものがあります。
- 関東:東京国際展示場(東京ビッグサイト)、幕張メッセ、東京国際フォーラム、横浜国際平和会議場(パシフィコ横浜)など
- 中部:中部では愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)、名古屋国際展示場(ポートメッセなごや)など
- 関西:大阪国際見本市会場(インテックス大阪)、神戸国際会議場・神戸国際展示場(神戸コンベンションセンター)など
展示会の種類
展示会といっても、さまざまです。主に下記のような3つに分類されます。
商談展:企業向けに行われる展示会
パブリックショー:一般のお客様を対象にした展示会
プライベートショー:一つの企業だけで開催する展示会
「商談展」の場合、主に情報収集目的で来場するビジネスマンがほとんどです。「バブリックショー」では、購入目的で来場する人も多く、東京ビックサイトで開催されるコミケが代表的な例です。
最後の「プライベートショー」は、大企業が自社の商品やサービスを大々的にアピールする目的で開催されます。そのため、当日は会場を貸し切ることも珍しくありません。
展示会によってそれぞれ特徴が大きく異なるので、最低でも上記の3つは把握しておきましょう。
展示会に出展することで得られる効果やメリット
展示会に出展することで得られる効果やメリットは以下の4つです。
- 特定分野に既に関心のある層に接触できる
- 見込み顧客と対面接触ができる
- 商品やサービスの認知度向上
- 顧客との関係構築
順番に解説します。
特定分野に関心のある層に接触できる
展示会に来場するのは、その特定分野のテーマにすでに関心がある人たちです。つまり、テーマに沿って出展している自社商品やサービスに興味を持ってくれやすい人たちが訪れます。
また、主催者や自社はもちろん、展示会に参加している他の企業も展示会を宣伝しています。そのため、自社単独で行うセミナーやイベントよりも、興味を持つ人を幅広く集められます。
さらに、テーマに興味がある層と接触できるため、将来の購買や口コミの拡散などにつなげやすくなることでしょう。テーマに関する知識を持つ人が集まるため、商品やサービスの特徴を一から説明する必要がなく、スムーズな紹介がしやすいのもメリットです。
見込み顧客と対面接触ができる
展示会では、見込み顧客と対面接触ができます。最近では新型コロナウイルスの影響によって、オンラインでしか見込み顧客と接することができませんでしたが、直接話すことで、相手の反応が伺いやすくなります。また、どのような企業なのかを知ってもらいやすくなるので、更なる信頼関係が構築できるはずです。
商品やサービスの認知度向上
展示会の規模によっては、数千〜数万人以上の来場者が訪れます。そのため、展示会をキッカケに自社の商品やサービスの認知度向上に期待できるのです。また、来場者がSNSを通して第三者に情報を共有することによって、ブランディングの強化にもつながります。
顧客との関係構築
これまで顧客と直接話し合う機会を設けてこなかった企業も少なくありません。
しかし、展示会に出展することで、直接顧客と話すことができるため、購入者に対しての日頃の感謝の気持ちを述べたり、新たに発売する商品やサービスの宣伝をしたりすることも可能です。その結果、これまで以上に顧客と深い関係が構築できることは間違いありません。
展示会の出展にデメリットはある?
展示会の出展にはさまざまな効果やメリットがありますが、注意しなければならないデメリットもあります。主なものは以下の通りです。
- 出展料や会場設営、告知や運営などに費用がかかる
- 配布物や商材などの搬入や準備のための時間が必要
- 出展するための人員確保が必要
- 効果測定をしにくい
展示会に出展する場合、こうしたデメリットを踏まえておきましょう。そのうえで、デメリットを上回る成果を出すための施策を講じることが大切です。
例えば、事前に明確なKGIを設定し、それに合わせて名刺獲得数や来場者数といったKPIを設定します。そうすれば、効果測定に関するデメリットは対策可能です。また、開催前の念入りな準備、人員確保のための根回し、より効果的な告知をするための工夫なども行いましょう。
近年ではオンライン展示会・バーチャル展示会も増えている
オンライン展示会とは、バーチャル空間にて開催される展示会で、実際の会場に人が訪れるものではありません。ウェブ展示会やバーチャル展示会とも呼ばれます。機器の進化や感染症対策などを背景に、国内外でさまざまな分野のオンライン展示会が開かれています。
オンライン展示会のメリットは、会場費・配布物の準備や搬入などのコストを削減できることです。また、バーチャル空間で行うため開催キャンセルが起きにくく、天候や住んでいる場所に左右されずに来場者数が安定するというメリットもあります。物理的な制約がないという特性を活かし、オンライン展示会ならではのコンテンツも用意できます。
一方で、オフライン展示会のような対面式のコミュニケーションは取れません。また、来場者が物理的な体験をできないこともデメリットです。バーチャル空間で商材を見ることはできるものの、リアルな質感を感じることや実際に手に取るといったことができず、商材によってはオフラインよりも訴求力が弱くなる可能性があります。
オンライン展示会の開催を検討する際は、こういったデメリット面にも注意しましょう。デメリットを払拭する案として、オフラインとオンラインを併用するのも有効な戦略のひとつです。
展示会に出展する際の手順
展示会に出展する際の手順は以下の通りです。
- 出展に向けての目標を決める
- 資料の作成
- 展示ブースの設営
- 当日の対応
一つずつ解説します。
出展に向けての目標を決める
展示会に出展する効果やメリットを拡大するためには、KPI(重要業績評価指標)を明確にすることが大切です。KPIを適切に設定すれば、展示会に出展したことでどのような成果があったのか、費用対効果はどうだったかなどを効果測定によって数値で把握できます。
企業や展示会によって異なりますが、例えば以下のようなKPIを設定しましょう。
- 名刺獲得数
- アポイント件数
- 商談獲得数
- 受注数
このようにKPIを設定してから展示会に出展すれば、展示会出展の効果が明確にわかります。展示会出展後はこれらの数値とブース設営・配布物・広告宣伝・運営メンバーの人件費などを比べて、費用対効果を明らかにしましょう。
また、これらの数値は次回の出展時につながる指標としても重要な役割を発揮します。効果測定によって明らかになった良い点・悪い点を洗い出し、改善ポイントを明確にしましょう。そのうえで出展に向けての目標を決め、必ずKPIを設定するようにしましょう。
資料の作成
目標が決まったら、展示会当日に配布する資料を作成します。資料は誰が読んでもわかりやすいよう、テキストだけではなく、画像やグラフなどを用いて作成しましょう。
また、当日は1人でも多くの来場者が訪問するよう、ホームページやSNSなどで広報活動を積極的に行うのがおすすめです。
展示ブースの設営
本番前日には、展示ブースの設営を行います。展示ブースの飾り付けによって、来場者から興味を持ってもらえるかどうかが決まるといっても過言ではありません。
企業によっては人手が足りず、展示ブースの設営に時間がかかることも予想されるので、アウトソーシングサービスも積極的に活用してみましょう。
当日の対応
展示会当日は、来場者の対応をしていきます。来場者は、展示会当日の担当者の対応で企業や商品・サービスの購入を判断することもあるので、忙しくても元気よく笑顔で対応しましょう。
展示会を円滑に進めるためには、担当者同士の連携は必要不可欠です。スムーズに連携するためにも、マニュアルを作成しておきましょう。
展示会の出展を成功させるためのポイント
展示会の出展を成功させるためのポイントは以下の3つです。
- 来場者の目的を知る
- 来場者へのフォローアップを欠かさない
- 費用対効果の確認
- 必要ならプロのサポートを受ける
順番に解説します。
来場者の目的を知る
来場者を知るには主催者側と密なコミュニケーションを取ることをおすすめします。なぜなら展示会に出展することは、獲得した見込顧客、リードへの営業活動のスタートとなるからです。
展示会がこの目的に沿って具体的にどんな規模でどう来場者を誘導しようと考えているのか、事前にアンケートを取るなどして来場者の目的を把握し、自社の企画に活かします。次に一元管理した見込客、リードのデータを元に、フォローのシナリオを組むことが重要です。顧客を育成するナーチャリングは、企画部門だけでなく、営業の現場からも声を吸い上げる体制を作ります。
このナーチャリングは、展示会の翌日からすぐに電話する、後日ゆっくり電話する、メルマガなどネット部隊に任せる、営業の直接訪問などに分け、フォローのレベルを分けておくのも効果的です。
見込み客を顧客にする案件化までには長期の時間がかかることも想定しておきます。そうすれば展示会自体は好評だったが、売上に貢献していないといった批判を避けることにもつながります。
来場者へのフォローアップを欠かさない
展示会終了後は、必ず来場者へのフォローアップを行いましょう。適切にフォローアップを行えば、自社や商材への関心を保つことができ、受注につながるためです。
まずは、展示会でもらった名刺や書いてもらったアンケートを整理しましょう。例えば、業種別や購買意欲の関心度合いなどで振り分けると効果的にフォローアップを行えます。
振り分け後は、以下のような流れでフォローアップを進めましょう。
- 名刺交換や連絡先を教えてもらった方へお礼のメールを送る
- メールには追加情報を盛り込む
- 成約・受注につなげる
- 見込み客・顧客へ継続してフォローアップする
フォローアップは展示会終了後、その熱が冷めてしまう前に行うことがポイントです。お礼メールが遅くなると、自社や商材に対する温度感が下がってしまうため、アポや受注につながりにくくなります。速やかに確実にフォローアップすることを心がけましょう。
費用対効果の確認
ここで展示会の費用対効果も検討しておきましょう。展示会出展が決まれば、出展に見合う費用対効果を見なければなりません。投資効果(ROI:Return On Investment)の有無を確認しましょう。
まず、費用としては、当日のブース設営やノベルティ費用、パンフレットの制作、スタッフ人件費などのほか、プロモーション費用なども加算されます。これらの費用に対して、利益は、商談化した売上額に相当します。しかし展示会では金額では表せないような企業イメージの向上、長期に渡る顧客醸成効果などもあり、これらも金銭換算を行ったうえで利益として計上します。
また、金額面以外のROIの指標としては以下のようなものがあり、より効果がはっきり見えるようになりますので参考にしましょう。
- 来場者に対する投資額(総投資額/総来場者数)
- 販売に対する来場者数の目標達成率(総来場者/目標来場者数)
- 来場者数に対する販売率(販売数/総来場者数)
必要ならプロのサポートを受ける
展示会に出展して目的を達成するには、さまざまな事前準備とともに綿密な計画が必要です。
すでに何度も展示会に出展しているのであれば、ノウハウが蓄積しているかもしれません。しかし、出展経験が少なく、自社で専門知識やノウハウがない場合もあることでしょう。そのようなケースだと、自社のみで準備・計画すると多くのリソースが割かれますし、不十分な状態での出展となって目的が達成できないかもしれません。
負担を抑え、目的を達成の確実性を高めたいとお考えなら、経験豊富なプロのサポートを受けるのがおすすめです。例えば、「ブースデザイン」「当日のサポート」「アフターフォロー」など、自社でリソースやノウハウが足りないと思われる部分だけでもかなり負担が減ります。企画で悩んでいるのであれば、企画立案の段階からサポートしてもらうのも良いでしょう。より効果的な演出、集客方法などプロならではの提案を受けられます。
「初めての出展でノウハウがない」「コア業務が忙しい」とお悩みなら、必要な部分をプロに依頼することを検討しましょう。
まとめ
本記事では、展示会に出展する目的やメリット・成功させるためのポイントなどについて解説しました。
展示会に出展することで、見込み顧客との対面接触が可能となり、商品・サービスの認知度向上や顧客との関係をさらに深めることができます。売り上げにも直結するので、企業にとっても非常に重要な機会です。
しかし、日頃の業務が忙しく、展示会に出展したくても時間が確保できないという企業も少なくありません。そんなときには株式会社ニューズベースにお任せください。
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本記事を参考に、展示会への出展を検討してみましょう。