キックオフミーティング開催までの一連の流れやアジェンダ資料を作成するコツなどを解説!
新規プロジェクトの立ち上げに伴い、キックオフミーティングを開催する企業も少なくありません。キックオフミーティングの開催によって、どのような効果に期待できるのでしょうか。また、キックオフミーティングにおいてアジェンダが重要視されているので、作り方が気になる人も多いはずです。
そこで本記事では、キックオフミーティングが開催されるまでの一連の流れやアジェンダ資料を作成するコツなどについて解説します。
目次
キックオフミーティングとは
キックオフミーティングとは、新規プロジェクトを発足するにあたって、目標やスケジュールの詳細・仕事内容などをメンバー同士ですり合わせするために開催する会議のことです。
会社の規模やプロジェクト内容によってメンバーだけで開催する場合もあれば、プロジェクト関係者全員が参加することもあります。
キックオフミーティングを開催する目的について
キックオフミーティングは単なるプロジェクト前の顔合わせではありません。
開催にはさまざまな意味があり、それを理解しておくことで、その後のプロジェクトを効率よく進めやすくなります。
以下で、キックオフミーティングを開催する目的について解説します。
メンバーの顔合わせ
メンバーの顔合わせは、キックオフミーティングの第一の目的です。
プロジェクトを進める上で、「本当に顔合わせは必要なのか?」と疑問に思われる方もいるかもしれません。
しかし、プロジェクトの規模が大きくなればなるほど、関係者同士の信頼関係が重要になります。
また、プロジェクトメンバーは必ずしも同じ部署だけでなく、他部署や社外の方も入ることがあります。顔合わせをしないでプロジェクトを進めてしまうと「この人は誰だろう?」「どんなことができる人だろうか?」と不安になってしまいます。
キックオフミーティングで顔や名前、どのようなスキルを持つ人なのか知っておけば、安心感を持てます。ミーティングを通して少しでも交流を深めておけば、信頼関係も生まれ、プロジェクトをスムーズに進めやすくなることでしょう。
認識のすり合わせ
キックオフミーティングでは、認識のすり合わせを行うことも大切な目的です。
プロジェクトの概要や目的、スケジュールや予算、どのような体制で進めていくのかなどの全体像をメンバー全員で確認して共有していきます。
認識をすり合わせておかないと、プロジェクトの途中でさまざまな問題が起きる可能性があります。
例えば、スケジュールや予算の認識がズレていれば、工期や納期が大幅に遅れたり、少ない予算で現場に無理をさせたりしてしまうかもしれません。そうなれば、プロジェクトはスムーズに進められなくなります。
そうしたトラブルを防ぐため、関係者全員が同じ状態で同じ情報を持ってスタートラインに立てるように認識をすり合わせておくことが大切です。
合意形成
キックオフミーティングでは合意形成も行われます。
前述の通り、認識のすり合わせの段階で、メンバー全員にプロジェクトの目的、スケジュールや予算などについて情報共有が行われます。
これは単にメンバー内に情報を周知するという意味だけでなく、「異論がなければ、プロジェクトはこの内容で進めます」という意味も込められています。
つまり、疑問・不明点がなければすり合わせされた情報は、メンバー全員が合意したとみなされるわけです。
合意形成が行われることで、メンバー全員が同じ方向を向いてプロジェクトを進めることとなります。そのため、プロジェクトを効率的に進めやすくなります。
エビデンスを残す
エビデンスを残しておくこともキックオフミーティングの大きな目的です。
中長期にわたる、もしくは多くの人が関わるプロジェクトの場合、「このケースではどう進めれば良いのだろう」など、進める上で疑問やトラブルが生じてしまいやすいものです。
こうしたときにキックオフミーティングで合意されたというエビデンスがあると、方向性がブレることなくプロジェクトを進められ、トラブルに対処しやすくなります。
疑問や不明点を減らし、スムーズにプロジェクトを進めるために、キックオフミーティングのエビデンスは重要な役割を果たします。
チームの士気を高める
キックオフミーティングは、プロジェクトチームの士気を高める意味もあります。
プロジェクトは規模が大きくなればなるほど、メンバーの人数も増えていきます。トラブルなくプロジェクトを進めるためには、全員が一丸となって取り組むことが大切です。
キックオフミーティングを行うことでメンバー同士がお互いを知ることができます。そのため、プロジェクト遂行中に何らかの課題があったとしても、自然と助け合える関係性が生まれやすくなります。
また、意欲的なメンバーの姿を見て「自分も頑張ろう」という雰囲気が生まれ、チーム全体の士気も向上させやすくなります。
キックオフミーティングのアジェンダとは
アジェンダとは、キックオフミーティングの進め方・議題などをまとめた資料のことを指します。
アジェンダには、キックオフミーティングをスムーズに進める目録という役割があります。そのため、キックオフミーティングを行うにあたって必ず準備しなければなりません。
作成するにあたって意識したいのは、キックオフミーティングの目的や流れを明確に示すことです。また、パッと見て大まかなスケジュールが把握でき、時間通りに進められるようになっていることも大切です。
メンバーに最初に共有する資料がアジェンダとなるので、誰が見てもわかりやすいように作成する必要があります。
例えばアジェンダには、以下のような項目を盛り込みましょう。
開催日時:◯◯:◯◯~◯◯:◯◯
参加者:◯◯、◯◯、◯◯……
議題:
- 代表者による挨拶(◯◯分)
- メンバーの紹介(◯◯分)
- プロジェクトの目的・ゴールなど概要の説明(◯◯分)
- プロジェクトの工程・体制など詳細の説明(◯◯分)
- タスクやスケジュールの説明(◯◯分)
- 質疑応答(◯◯分)
このように、各項目・議題ごとに所要時間を記載しておくと、大まかにスケジュールが把握できます。
キックオフミーティングにおけるアジェンダ作成前にするべき重要ポイント
キックオフミーティングにおけるアジェンダ作成前にするべき重要ポイントは以下の3つです。
- キックオフミーティング・アジェンダを作成する意味を理解する
- 関係者が参加できるようスケジュールするための情報収集
- 関係者にとってミーティングを意義あるものにするための情報収集
順番に解説します。
キックオフミーティング・アジェンダを作成する意味を理解する
アジェンダの内容は「いつ・どこで開催され、だれが参加者なのか、議題は何でどの議題が特に重視されているのか」などを記載します。
ミーティングが開催される前にアジェンダを関係者にメールなどで届けるのが一般的になっていますが、これには大きく2つの意味があります。
ひとつは「事前にどのようなミーティングなのか把握し準備を促す」という意味と、もうひとつ「事前に予定を確認してもらい必要なもの、不要なものをフィードバックしてもらう」という意味合いが含まれています。
複数部署から参加者が集まるような場合には特に、事前に見たアジェンダの内容に不足している部分や、逆にそれほど重要ではない部分など重要度合いもそれぞれに異なります。
関係者が参加できるようスケジュール調整するための情報収集
参加者が参加しやすいタイミングでミーティングを開催するということは必要不可欠ですが、実現するためにはアジェンダ作成前の準備として、関係者の状況を把握することが重要になります。
「この日にこのミーティングを予定していますが大丈夫ですか?」と声掛けするなど気配りを忘れないようにしたいもの。
参加者が多い場合にはメールやWEBアンケートを活用することで効率よくスケジュール調整することも可能なので覚えておいてください。
関係者にとってミーティングを意義あるものにするための情報収集
上でも簡単に解説していますが、ミーティングを参加者にとって意義あるものにするためには、どのような議題を中心としてまとめていくかということはとても大切なポイントです。
各部署やチームごとに新しいプロジェクト・企画を立ち上げるにあたり重要なポイントが異なることもありますが、その温度感を把握して重要なポイントに注力できるようなキックオフミーティングのアジェンダを作成したいところ。
そのためにはまずアジェンダの内容について確認してもらい、議題について適切なものになっているかフィードバックをもらえるように依頼するということも忘れずに行いましょう。
キックオフミーティングにおけるアジェンダ作成のポイントは「5W1H」
キックオフミーティングのアジェンダを作成する場合は、「5W1H」を意識することが大切です。
Why(なぜ):プロジェクトを発足した理由
まず、プロジェクトを発足した背景やビジネス上の理由を明らかにします。参加者がイメージをしやすくするために、中長期の事業戦略におけるプロジェクトの位置づけ、利益や効果などを具体的にします。発足理由が明確になれば、進むべき方向性がはっきりするためチーム全体のモチベーションが高まります。
What(何を):プロジェクトの目的
プロジェクトでの業務内容や作業範囲、品質目標などといった目的を明らかにします。キックオフミーティングの段階では、詳細まで分かっていないケースも少なくないため、おおよそでもかまいません。
ただし、「やるべきこと・やらなくて良いもの」を明確に分けておくことが大切です。そうすれば、メンバーが作業ボリュームをイメージしやすくなり、作業効率を高められます。
When(いつ):プロジェクトのスケジュール
プロジェクトの開始日から終了日までのスケジュールを記載します。スケジュールにおいて大切なことは、各工程のマイルストーンや重要になるイベントなどを明らかにすることです。
スケジュールのみだと全体像がぼんやりしてしまい、スケジュールに遅れが出ることもあります。しかし、マイルストーンなどをはっきりさせておけば、スケジュールのポイントや道順が明らかになり、流れを理解しやすくなります。
Where(どこで)Who(だれが):組織体制や役割・プロジェクトをどこで行うか
プロジェクトに関わる関係者を全て書き出します。ピラミッド状の体制図だと組織体制が分かりやすいです。また、役割・権限・責任についても一緒に記載しておけば、どの部署・どの人がどのように動くべきかがはっきりします。
組織体制・役割を明らかにすることで、各グループの小ミーティングもスムーズに行えます。小ミーティングでは、グループリーダーを中心にメンバー間で作業についての確認や疑問の解消を行い、作業の割り振りも実施します。これにより、キックオフミーティング後、迷うことなく次の行動に移れるでしょう。
How(どのように)How much(いくら):プロジェクトを遂行のためにどんなツールや施策が必要か・予算はいくらか
プロジェクトごとにどのような目的があり、その成功のためにはどんなツールや施策が必要なのかを明らかにします。例えば、プロジェクト実行中のコミュニケーションツールではどんなチャットツールを使うのか、送信するファイル形式はどうするのかなどを示します。そうすることで、プロジェクト実行中の混乱や行き違いを防げます。
また、すでに予算がいくらまで(How much)認可されているのか、その内訳も明らかにします。例えば、導入予定のツールがあれば、予算内に収まるのかなども明らかにします。
キックオフミーティングにおいてアジェンダ以外に作成しておくべき資料
アジェンダ以外に用意しておくべき資料は以下の3つです。
- プロジェクト概要や目的がわかりやすくまとまっている資料
- プロジェクトの体制図
- キックオフミーティング開催時のスケジュール表
プロジェクト概要や目的・キックオフミーティング開催時のスケジュールなどは、アジェンダにも記載しているかもしれません。しかし、さらに詳しく知りたいという方もいるので、準備しておくのがおすすめです。
キックオフミーティング開催する一連の流れ
キックオフミーティング開催する一連の流れを、準備〜当日まで解説します。キックオフミーティングの開催経験がない・経験が乏しい担当者は参考にしてみてください。
準備までの流れ
キックオフミーティングを開催するにあたって、以下の内容を準備する必要があります。
- 参加者の選定
- 開催する日時の決定
- 参加者へ開催する日時の連絡
- アジェンダやプロジェクト体制図などの資料作成
- 当日の流れの確認
参加者にもそれぞれスケジュールがあるので、開催日時に関しては決まった時点ですぐに連絡しましょう。遅くても1ヶ月前には告知できるように準備していきましょう。
当日の流れ
当日は、以下のような流れで進めていきます。
- キックオフミーティングを開催するにあたって代表者より挨拶
- プロジェクトに携わるメンバーの紹介
- プロジェクトの目的とゴールの説明
- プロジェクトにおける現状の課題を説明
- 具体的なタスク配分の説明
- 質疑応答
プロジェクトに携わるメンバー同士がこれまで一度も仕事をしたことがない場合には、自己紹介の時間を長めに取ったり交流の機会を設けたりするなど工夫しましょう。
また、質疑応答に関しては質問が多いと予定していた時間を大幅に超える可能性もあるので、なるべく長めの時間を設けるのがおすすめです。
キックオフミーティングを成功させるためのポイント
キックオフミーティングを成功させるためには、タイミングを見定めて開催をしましょう。企業によって繁忙期や閑散期などがあるはずなので、あまり忙しくない閑散期に開催するのがおすすめです。
また、いきなりメンバーを招集してしまうと、当日のキックオフミーティングで数多くの質問が飛び交う可能性があります。その結果、予定していた時間を大幅に超えてしまうことにもなりかねないので、事前に資料を共有して打ち合わせを済ませておきましょう。
まとめ
本記事では、キックオフミーティングが開催されるまでの一連の流れやアジェンダ資料を作成するコツなどについて解説しました。キックオフミーティングにおけるアジェンダは、最初にメンバーへと共有する資料のため、画像やグラフなどを用いてわかりやすく作成することが重要です。
また、キックオフミーティングを成功させたいのであれば、開催タイミングを見定めて、メンバーとあらかじめ打ち合わせを行ってから開催するのが望ましいです。
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本記事を参考に、納得のいくキックオフミーティングを開催しましょう。