今更聞けない!セミナー企画書の書き方全てがわかる
セミナー企画の第一歩となるのがセミナー企画書です。
「とりあえず通ればいい」という気持ちで作成した企画書は中身が乏しく、結果として通りにくい企画書になってしまいます。
そこで、この記事ではセミナー企画書の書き方を解説します。
目的設定から構成、細かいデザインの整え方まで、セミナー企画書のすべてを網羅した内容となっています。企画書作成に悩む方はぜひ参考にしてください。
目次
1.失敗する企画書とは?
企画書の一番の狙いは、的確な目的設定と現実的な達成方法を明記することで、企画者と承認者が共通認識を持つところにあります。
「なぜ今回企画に至ったか?」
「企画を通して達成したい目的は何か?」
「その目的をどのように達成するか?」
企画書とは、これらの抽象的な質問を具体的に数値化し、課題や解決方法を明確にデータとして記載した文書のことを指します。
そのため、企画書は読んだ人間が開催理由と目的、達成方法に納得できるものでなければなりません。
失敗する企画書とは、企画書本来の目的を見失い、「通ればいい」という感覚でテンプレート通りに作成された企画書のことです。このような企画書は独自性が薄いため、企画としての魅力がなく、結果として通りにくい企画書となってしまいます。
テンプレートを活用すること自体は良いのですが、目的や課題を掘り下げていかなければ、セミナーを開催する必然性が生まれてきません。
どんなに優れた構想があったとしても、企画書が通らなければ、すべては机上の空論になってしまいます。逆に言えば、第一段階である企画書の作成を綿密に行うことで、セミナーの質が高まり、成功に近づくことができるのです。
2.目的を明確にしよう
企画書の中心テーマは「目的設定」です。
まずは目的を明確に設定すること。そして、その目的を達成するための方策を具体的に設定します。この作業なしに、成功するセミナー運営はありえません。
「新規リード(見込み客)の獲得」「リードの育成」「顧客へのフォローアップ」など、セミナーは柔軟に目的を設定することができ、しかも直接的なアプローチが可能なオフライン・マーケティング手法といえます。
目的設定をする上で大切なのは、「目的の共有」と「目的と企業戦略の一致」の2点です。
2-1.目的の共有
企画者だけが目的を理解しているだけでは十分とは言えません。
その目的がチーム全体、及び責任者である会社や上司に理解され、共有されている状態を目指すべきです。
この目的を具現化し、共有するものこそが「企画書」です。
セミナー企画には様々な人たちが横断的に関わります。そのため、曖昧な表現方法はNGです。全員が目的を共有するためには、シンプルかつ数値化された目的設定が必要です。
集客数や見込み客数、販売目標、費用対効果などのデータによって目的を具体的に数値化し、人によって理解の幅が生まれないようにしましょう。
目的が曖昧でなく、きちんとデータで示されている企画書は実現性が高く、会社や上司も安心してGOサインを出すことができるでしょう。
2-2.目的と企業戦略の一致
目的設定においてもう1つ大切な点があります。それは、セミナーの目的が企業戦略と一致していることです。
どんなに優れたセミナーであっても、自社の現状の課題や達成したい経営目標からあまりにもかけ離れた内容であれば、会社側としてはそのセミナーを開催する意義はありません。
例えば、大量のリード(見込み客)が存在するのに顧客が少ないのであれば、必要なのは新規リードの獲得ではなく、リードの育成です。
こうした自社のニーズをしっかり把握し、それに沿った目的設定を心がける必要があります。
企業戦略に一致したセミナーは会社や上司から歓迎され、協力的な態度を引き出します。
3.6W2Hを決めよう
実際的に伝わりやすい企画書を書く際に有効な思考方法の一つが「6W2H」を意識することです。
6W2Hとは、中学生で習う英語の疑問詞「5W1H」から派生したマーケティング用語です。
あらゆる角度からの疑問と、それに対する答えが網羅されている企画書は説得力があります。6W2Hをセミナーの企画において考えてみると、以下のような内容になります。
– Why(なぜ):なぜこのセミナーを開催するのか
– What(何を):どのような趣旨のセミナーなのか
– Where(どこに):マーケットはどこなのか
– When(いつ):いつセミナーを行うのか
– Who(誰が):主催・責任者は誰なのか
– Whom(誰に対して):ターゲットは誰なのか
– How to(どうやって):どのような方法で実施するのか
– How much(いくらで):無料セミナー・有料セミナーなのか
下に行けば行くほど、具体的な細かい内容になっていることに気づいたでしょうか?
このように、6W2Hを網羅することで、読み手の疑問を解消することができるため、説得力の高い文章ができあがります。
以下に一例として、6W2Hに沿って企画書を作成したアウトラインを紹介します。
企画書を作成する型として参考にしてください。
1.表紙
2. まえがき
3. セミナーを実施する背景(データ)
4. セミナー実施の目的(Why)
5. セミナーのコンセプト(What、Where、Whom)
6. セミナーの実施案(How to、Who)
7. セミナーの要件(How to)
8. セミナースケジュール(When)
9. セミナー実施予算(How much)
10. あとがき
4.デザイン全体に気を配ろう
企画書を作成する上で重要なのは、内容がスムーズに相手に伝わることです。デザインの体裁が崩れていると、無意識レベルで読みにくさを感じてしまいます。
以下のような点に注意すると、読み手がすっと内容を理解できる企画書を作成できます。
4-1.目次を入れる
目次は企画書の地図です。
目次を見るだけでも内容を大まかに把握できるようにするのが理想的。企画書のボリュームが大きくなった場合にも、読み手が迷わなくなります。
4-2.文字体は全て揃える
文字体(フォント)を全て揃えることで、企画書に統一性が生まれます。
強調表現として文字体を変える人もいますが、文字体の変化はデザイン的にも読みにくく、信頼性が損なわれます。
おすすめの文字体は「ゴシック体」です。ゴシック体の特徴は線の細さが一定であり、シンプルだということです。文字の大きさが均一で、見た瞬間に頭に内容が入ってきやすいので、どんな文章を作るにも向いている文字体といえます。
4-3.全体デザインカラーはシンプルにわかりやすくしよう
企画書全体の色合いは、多くても3色までに抑えましょう。また、メインカラーは薄い色にするのがおすすめです。
原色は目を疲れさせるだけでなく、文字の背景色として使った際に、白黒印刷にすると見えにくくなってしまいます。
原色を使うのであれば、文字と被らない場所にワンポイントで使いましょう。
4-4.読みやすい文章遣いにしよう
読みやすく、誤字脱字のない文章を心がけましょう。自分で丁寧に見直すことはもちろん、人に見てもらうことでミスに気づくことができます。
一文が長いと読みにくくなるので、最大70~80文字くらいで読点(。のこと)を打ちましょう。
また、誤字脱字は信用性を損ないます。誤字脱字をなくすには、ワードに備えられているチェック機能やネットにある無料のサービスなど活用しましょう。
4-5.写真を使用したり、グラフ化しよう
文章だけの企画書はわかりにくく、一目見ただけで読む気が失せてしまいます。
画像やグラフを使うことで、さっと見るだけでも大体の内容が頭に入ってくるようになり、企画書が格段に伝わりやすくなります。
5.企画書構成テンプレートご紹介
企画書を書くのに慣れていない人は、何から始めれば良いかすらわからないという状態かもしれません。
そこで、企画書の構成テンプレートを使う方法をおすすめします。構成テンプレートがあると、企画書作成を大幅に楽にしてくれます。
ただし、前述したように、構成にテンプレートを活用するのは良いですが、目的設定はしっかりと掘り下げて、セミナーに独自性を付加するのを忘れないようにしましょう。
「企画書の書き方Navi」というサイトでは、「企画書の書き方」や「企画書テンプレート」が紹介されており、企画書の書き方がとてもわかりやすく体系的に説明されています。
やや専門的な内容にはなりますが、「企画の発想アイデア」というコンテンツもあり、初心者から上級者まで企画書についての理解を深めることができます。
企画書の基本構成がわかるため、参考にしてみるといいでしょう。
6.まとめ
セミナー企画書の書き方について解説しました。
記事の内容をまとめると、以下のようになります。
・企画書とはアイデアを具体化したものである
・誰が見てもわかるように、目的は数値化すべきである
・企画の目的は企業戦略と一致しているべきである
・6W2Hを使うと良い企画書が書ける
・デザインを工夫して企画書を読みやすくすべきである
チームが共通の目的を目指して企画・運営するためには、目的をしっかり数値化して共有することが大切です。
目的設定ができたら、6W2Hを効果的に配置して読み手の疑問を払拭し、企画書の説得力を高めます。そして、デザインを見やすくして、メインテーマが伝わるようにします。
これらの要素を踏まえることで、通りやすい企画書作成につながります。わかりやすい企画書はチーム内の連携を高め、セミナーをぐっと成功に近づけるでしょう。
企画書の次は、実際の「企画」が重要です。
企画担当者は自然とイベント全体のディレクションにも携わることになり、全体を見渡す視野の広さが求められます。
企画書がどれだけ優れていても、その内容を形にするパートである企画・運営には、様々な不安や懸念事項がつきまとうものです。
下記の記事ではイベント企画のプロが”企画の重要性”と”押さえておくべきポイント”について解説しています。
イベント企画・運営のノウハウや、実際の事例から問題解決のアイデアを紹介していますので、企画担当者の方はぜひ参考にしてください。
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