キャンペーンを成功に導く企画書の書き方とテンプレート集まとめ
社内向けにしろ、社外向けにしろ、キャンペーンを提案する際には企画書が必要です。しかし、どうやって企画書を書けばよいのかわからないこともあるでしょう。そんな時は手っ取り早くキャンペーンの企画書テンプレートを見つけたいものです。
そこで、今回はキャンペーン企画書のつくり方とテンプレートのリンク集をご紹介します。
目次
企画書とは
キャンペーンを成功に導くためには、企画書を作成することが必要不可欠になります。
そこでここでは、企画書について解説していきます。
企画書とは、アイデアなどをまとめた資料のことです。企画書は主にキャンペーン開催の準備段階等で利用されるものであり、良い企画書の作成により、良いキャンペーン開催につながります。そのため、企画書はキャンペーン開催の土台であり、成功に直結してくる部分になるので、とても重要です。また、企画書を作成することでキャンペーンの概要を周囲に認識してもらえるようになります。
企画書と似たものとして提案書がありますが、大きく異なる部分があります。それは、企画書は主に社内向けの書類であり、提案書は顧客や取引先に対する書類であることです。そのため、企画書は社内向けに作成する必要があり、提案書は社外向けに作成する必要があり、文章の書き方等も変える必要があります。
このように、企画書を作成することでキャンペーン等の概要について社内で共通のイメージを行えるようになるため、キャンペーン開催を効果的に行うためには必要不可欠です。また、キャンペーンを成功させるための企画書の作成方法はこの後の項目で解説しています。
成功するキャンペーンとは?
まずキャンペーンを考える前に、キャンペーンで何を実現したいのかを考えてみましょう。
どんな優れたアイディアでも、目標や目的がなければそれは企画とは呼べません。企画は「企てる」「画策する」という2つの漢字から成り立っています。何を狙って企画するのかを事前に決めましょう。
成功する企画を考える際には、ODSCというフレームを使うと便利です。
・Objective(目的)
なんのためにキャンペーンを行うのかを考えます。顧客の獲得なのか、売上アップなのか、何かを訴えたいのか、最終的に達成したい目的を考えましょう。また、目的が明確であればあるほどキャンペーンの成功につながるため、時間をかけて行うことがおすすめです。
・Delivertive(成果物)
キャンペーンを通じて最終的にできあがる成果物を考えましょう。成果物は、例えばキャンペーンのDMができあがるという具体的かつ物理的なものに加え、お客様の笑顔という抽象的で無形的なものでもかまいません。このように、さまざまなものが成果物になりえますので、企画書の作成の際に成果物についても触れることがおすすめです。
・Success Criteria(成功基準)
どうなればこの企画が成功なのかを決めましょう。社員のやる気が向上する、売上がXX%向上するなど、具体的に思いつくものをできる限り挙げておきましょう。
このように成功するキャンペーンは、目的、成果物、成功基準がはっきりとしています。反対に企画前の段階でこれらの要素を考えていないと、キャンペーンを実施することが目的になってしまいます。キャンペーンを成功させたいなら、企画書づくりの前にODSCのフレームを活用して頭を整理しておきましょう。
キャンペーンがうまくいく企画書の書き方・作り方
キャンペーンがうまくいく企画書にはコツがあります。それは、デザインが優れている企画書ではなく内容に漏れがなくきちんと必要な情報が網羅されている企画書です。
多くの人がカッコいいデザインの企画書をつくろうとします。しかし、企画書作成よりも企画書の内容が整理されていることが重要です。ただ、これから解説するフレームを利用したうえでデザインもこだわると効果は高まります。
良い企画をつくることは難しいと思う方も多いでしょう。しかし良い企画を作成することはとても簡単です。5W2Hのフレームを活用すれば情報に漏れやダブりのないロジカルな企画書をつくることができます。
・Why(背景)
まず、なぜこの企画を行うのか、背景を説明しましょう。実施する理由のないキャンペーンは説得力に欠けます。また多くの人を巻き込むなら、背景があることで共感してもらえる可能性が高くなります。そのため、キャンペーンを実施する背景を明確に設定することがとても重要です。
・What(目的)
なんのためにキャンペーンを行うのかを明確にしましょう。どんな課題を解決したいのか、何を達成したいのかを明文化しておくことで本当にキャンペーンが効果的だったか、あとから効果測定を行うこともできるでしょう。また、目的をより鮮明に決定することでより良いキャンペーンを実施できるようになるため、とても重要になります。そのため、目的を決定するこの段階は時間をかけることがおすすめです。
・Who(誰に対して)
残念ながらターゲットが明確でないキャンペーンが少なからずあります。ターゲット像は単に男性、女性といった大分類ではなく、XXに困っている20代男性のようにターゲットがイメージできるまで具体化しましょう。そのため、誰に対してキャンペーンを行うか明確に決定することが重要になります。
・When(いつ)
ビジネス上でいつ、という場合は単に瞬間的な時間ではなくスケジュールや期間も意味します。キャンペーンを実施する日時だけでなくいつからいつまで、いつまでに何をするかという内容も整理しましょう。また、スケジュールに余裕を持っておくことで予想外のことが発生したとしても対応できるようになります。
・Where(どこで実施するのか?)
どこで、というのは物理的な空間に限定されません。WEB上やテレビ等のマスメディアなど、非物理的な空間も含みます。キャンペーン効果を最大化できる空間を選びましょう。また、Whereは目的や誰に対して行うかを明確にしておくことで、決定することが楽になります。そのため、WhatやWhoを明確に決定しておきましょう。
・How(どうやってやるのか)
5つの「W」が埋まったら、最後に2つの「H」を考えます。目的や対象によって効果的な手法が異なるからです。5つの「W」が決まっていれば、「H」は限定的になる可能性もあるでしょう。そのため、5つの「W」をより明確に決定することがとても重要です。
・How Much(いくらかかるのか)
最後にコストとしてどのくらいかかるのかを試算します。コストは金銭的コストだけでなく人的コストや時間的コストも含みます。それぞれのコストがどれくらい必要になるのか検討しましょう。
このように、5W2Hのフレームを利用することで簡単に企画書を作成できるようになります。まずは、このフレームに当てはめてキャンペーンの企画書を作成してみてください。
企画書の基本的な構成
企画書は一般的に以下のような構成で作ります。
・表紙、タイトル
・目次
・与件整理
・現状分析や背景
・目的や問題提起
・ターゲット
・コンセプト
・企画アイディアとプラン
・スケジュール
・予算
それぞれ簡潔に解説します。
与件整理
与件整理とは、提案者からの前提条件をまとめた上で、満たすべきものを明らかにすることです。6W2Hにて整理していきましょう。
- Why(なぜ):企画実施理由
- What(何を):企画趣旨
- Where(どこで):想定される市場
- When(いつ):プロモーション実施のタイミング
- Who(誰が):誰か企画を行うのか
- Whom(誰に対して):ターゲットは誰なのか
- How to(どうやって):アイディアやプラン(具体的に)
- How much(いくらで):使える予算と見積り
与件整理の内容は、誰が見ても分かるようにシンプルにまとめるのがコツです。
現状分析や背景
市場データや数値などを用いて、企画が必要である理由・背景を説明します。客観的かつ信頼できるデータを取り入れましょう。
目的や問題提起
分析・背景に基づいて、問題提起をします。そして目的を明確に示すことで、企画実施が必要であることを伝えやすくします。
ターゲット
どのような人を対象にする企画なのかを示します。
コンセプト
企画全体のコンセプトを大まかに伝えます。詳細には触れる必要はありません。
企画アイディアとプラン
具体的なアイディアやプランを示します。より伝わりやすい企画書にするならば、最初にアイディアを総括するようなキャッチを入れ、詳細を解説すると良いでしょう。
例えば、「農業体験をすることで、自然に触れる機会がない都会の子どもたちに体験価値を与え、地元農家とのふれあいを通して、人と心を通じ合わせる大切さを育む企画です」だと長くて伝わりにくいかもしれません。そこで「泥だらけで輝く笑顔の子どもたち」というキャッチを最初に入れます。
これによって、企画書を読んだ人がイメージする余地が生まれ、興味を持ちやすくなります。その後、企画詳細を書いていきましょう。
スケジュール
企画実施のスケジュールを具体的に流れで記載しましょう。
予算
企画ではどれくらいの予算が必要なのか、大まかな内訳と合計金額を記載します。予算オーバーしてしまうようであれば、なぜそうなったのか理由を記載したり、それでも実施すべきなら説得に向けて情報をまとめたりしましょう。
おすすめ企画書テンプレートサイト
ODSCと5W2H で企画を整理できたら、やっとここで初めて企画書作成にとりかかります。
いきなり企画書作成に取り組むと、フレームを作成することに時間がかかってしまったり、上司からのやり直しの指示が出る可能性が高くなり時間的ロスも増えるので注意しましょう。
そのため、企画書作成にはあらかじめ作成されているテンプレートを活用するのもおすすめです。そこで、インターネット上で公開されているおすすめのテンプレートをご紹介します。
・テンプレートバンク
https://www.templatebank.com/category/proposal-templates
WordとExcelのキャンペーン企画書テンプレートがあります。パワーポイントのテンプレートはありませんが、社内向けの企画書であれば十分に使えるものです。また、見やすくテンプレートが作成されているため、時間的コストの削減につながります。
・ビズ研「すぐに使える企画書テンプレート|書き方・見本例付き」
https://biztemplatelab.com/template/kikakusyo/
様々なテンプレート・ツールを、無料・登録不要で紹介しています。「イベント企画書」「新商品企画書」などのテンプレートが用意されており、Excel、PDFなどの編集しやすいシンプルな設計のデータが豊富です。必要最低限のアウトラインを活用し、自社で作成したい希望の情報を追加しながら編集することができます。
こうしたテンプレートも活用しながら、企画書を完成させていきましょう。
企画書作成のポイント
企画書を作成する際のコツは以下の通りです。
- 情報の抜け漏れがないようにする
- 簡潔な文章でコンパクトに
- イメージしやすいようにグラフや図を使う
それぞれ解説します。
情報の抜け漏れがないようにする
企画書が作成できたら、必ずチェックしましょう。6W2Hが網羅されているか、伝えるべき情報は入っているか、その他抜け漏れがないか見直してください。
簡潔な文章でコンパクトに
企画書とは小説やコラムとは違い、相手に理解してもらうことが第一です。あまりに文章量が多かったり、ページに厚みがあったりすると、企画書を読む前に意欲をそいでしまうかもしれません。
そのため、できる限りコンパクトに収めることはもちろん、文章もなるべく簡潔になるように心がけましょう。例えば文章は一文をなるべく短くする、箇条書きを多用するのがおすすめです。
また、ページごとに適度な余白を持たせると、簡潔な印象になって理解しやすくなることがあります。
イメージしやすいようにグラフや図を使う
文章しかない企画書は味気ないだけでなく、理解までに時間がかかってしまいます。誰もが分かりやすい企画書にするには、目で見てイメージしやすいように工夫すると良いでしょう。例えば、シンプルなグラフや図を使って、視覚的に理解できるようにするのがおすすめです。
まとめ
キャンペーンの企画は誰もが悩むものです。とりあえず企画書のテンプレートについて調べ、とりあえず企画書を作成しようとしても、思いつきでつくられた企画書だけでは成功しません。必ず企画の目的や趣旨を整理してから企画書を作成しましょう。