BPOサービスの内容とは?活用するメリットやサービスの料金相場
会社のマーケティング・事務部門をマネジメントしているご担当者は、次のようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
「自社のノウハウが少なくて業務効率や業務品質が悪い」
「ベテラン社員が離職してしまい人手が不足している」
「業務委託には人材を管理するための工数がかかる」
これらのお悩みを持つご担当者に最適なのがBPOサービスです。外部から業務量に応じて人員を確保できるだけでなく、ノウハウを流入して業務効率化を進められるメリットがあります。
本記事ではアウトソーシングを検討している読者に向けて、BPOサービスの内容や事例をお伝えします。
目次
1.BPOとは何か
自社業務の一部を外部の専門企業に委託する方法がBPO(Business Process Outsourcing)です。1990年代にコスト削減を目的としたBPOが始まり、国内でもBPOサービスを活用する企業は増えています。
一般的な業務委託では自社業務を処理してもらうために、外部業者の代行や人材派遣を活用。実際に業務を行ってもらうためには指示する必要があり、育成や管理などの工数がかかります。
一方、BPOサービスでは専門企業が業務フローを見直して、委託された業務をすべてサポート。人材の育成やマネジメントも代行してくれるから、自社社員の工数を大幅に削減できます。
「自社にとってBPOが役に立つのか分かりにくい」と思った読者もいるでしょう。便利なBPOサービスの効用を知ってもらうために市場規模やメリット、デメリットを解説します。
1.1.BPOの市場規模
最近では少子化で若い人材を採用するのが難しくなり、BPOで人員を補う企業は多数います。専門調査会社「IDC」のBPOサービス市場予測によると、2020年以降の市場規模は以下のように推移する見込みです。
・2020年:約8,200億円
・2021年:約8,500億円
・2022年:約8,900億円
・2023年:約9,100億円
また、2021年~2026年までの年間平均成長率は3.9%であり、2026年のBPO市場規模は1兆717億円と予測されています。
※参考:IDC「国内BPOサービス市場予測を発表」
BPOサービスの市場規模が成長していく背景には以下の事情があります。
・生産性向上などを目的に優秀な人材を確保するため
・会社で働く従業員の健康維持や向上を実現するため
・非正規労働者の待遇を改善するため
最近では人材不足でカスタマーサービス担当者の人件費が高まり、BPOサービスの価格に影響を与えている状況。BPOが普及することで異業種に参入しやすくなることが推測されています。
1.2.BPOのメリット
では、BPOの具体的なメリットとは何なのでしょうか。
会社の業務をBPOサービスに任せることで、以下にある3つのメリットを得られます。
1.業務効率化
2.コスト削減
3.生産性強化
例えば、BPO企業は事務や経理など特定業務に特化していて、ノウハウと経験でアウトソーシング先の業務フローを見直します。手順を改善することで効率が高まり、無駄な仕事を削減することが可能です。
また、業務効率化により少ない人員で業務を対処できれば、人員数を減らして人件費を削減できます。対応できる業務量を維持しつつコスト削減することで利益率が向上するのもメリット。
付加価値を生み出しにくい業務をBPO企業に任せると、自社の経営資源をより重要な業務に集中できる利点もあります。経営資源の集中により会社の生産性を強化できるでしょう。
1.3.BPOのデメリット
コスト削減や業務効率化などのメリットがBPOサービスにはあります。ただし、会社にBPOサービスを導入することには2つのデメリットもあるため注意しましょう。
1.委託業務を対応しにくくなる
2.セキュリティのリスクがある
例えば、BPO企業に経理を一括して任せた場合、自社社員が経理業務を経験する機会がなくなります。教育機会の損失や自社対応の困難を防ぐにはBPO企業に丸投げしないことが重要です。
また、外部スタッフが会社の情報を取り扱うため、BPOサービスにはセキュリティリスクもあります。セキュリティ意識の高いBPO企業を選定して、前もって情報の取り扱い方を相談しておくことがオススメです。
2.BPOのサービス内容とは
本記事ではBPOサービスの重要性を知ってもらうために市場規模やメリット、デメリットを解説しました。では、具体的なサービス内容にはどういったものがあるのでしょうか。
BPO企業であるニューズベースではアウトソーシングを検討している企業に向けて5つのサービスを提供しています。
1.研修運営事務アウトソーシング
2.施設管理アウトソーシング
3.セミナー・シンポジウム運営事務局アウトソーシング
4.採用事務局・運営アウトソーシング
5.説明員代行
それぞれのサービスについて詳しく紹介します。
2.1.研修運営事務アウトソーシング
ニューズベースでは効率的に社員を教育したい企業のために研修運営事務アウトソーシングを提供しています。研修業務をアウトソーシングして得られるメリットは以下の3つです。
1.研修運営業務に必要となる社員の工数を最大80%削減
2.研修時期に応じて規模を増大・縮小することで柔軟にコストを調整
3.外部の運用チームにより研修実施回数を増加
実際に研修運営事務アウトソーシングを導入する企業は以下のサービスを活用できます。
・業務可視化コンサルティングサービス
・研修会場検索・手配サポートサービス:施設の予約管理、会場検索、支払業務
・受講生・講師連絡サポートサービス:事前課題の連絡、謝金対応業務など
・備品・印刷手配サポートサービス:備品・飲食などの手配、印刷業務
・当日運営サポートサービス:会場設営、受付、司会、スタッフ手配など
・データ集計サポートサービス:アンケート集計、コンテンツ制作など
「研修回数を増やすためのリソースが足りない」と悩んでいるご担当者に研修運営事務アウトソーシングはオススメです。
2.2.施設管理アウトソーシング
ニューズベースでは貸会議室など自社施設を運用する企業のために施設管理アウトソーシングを提供しています。施設管理を外部に任せることで得られるメリットは以下の3つです。
1.施設の繁忙期や閑散期に合わせてコストを調整
2.管理に必要なスタッフの採用・マネジメント工数を削減
3.施設の収益性を高めるための施策検討時間を創出
実際に施設管理アウトソーシングを導入する企業は以下のサービスを利用できます。
・運営スタッフ代行サービス:受付スタッフや運営スタッフの派遣
・コールセンターサービス:商品の発注やお問い合わせを専門電話やメールで対応
・商品発送、返品対応代行サービス:消耗品の在庫管理、返品個別対応指示
・システム管理・運用サービス:受発注システムや予約システムの運用代行
・運営母集団形成管理代行サービス:スタッフの採用・教育・管理
・施設イベント企画サービス:ターゲット分析、イベント企画、準備代行
「マネジメントが大変で業務負担が大きい」と悩んでいるご担当者に施設管理アウトソーシングはオススメです。
2.3.セミナー・シンポジウム運営事務局アウトソーシング
ニューズベースでは自社セミナーを開催したい企業に向けてセミナー・シンポジウム運営事務局アウトソーシングを提供しています。本サービスにより得られるメリットは以下の3つです。
1.属人化していた運用業務を標準化して業務負担を軽減
2.セミナー・シンポジウムの運営に必要な対応工数を削減
3.自社セミナー・シンポジウムの開催数を増加
実際にセミナー・シンポジウム運営事務局アウトソーシングを導入した企業は以下のサービスを利用できます。
・業務可視化コンサルティングサービス
・プログラム企画・集客サポートサービス:ペルソナ設定、媒体運用などを代行
・会場検索・手配サポートサービス
・運営デスク業務サポートサービス:問合せ窓口、LP作成、業者指示などを代行
・当日運営サポートサービス
・データ集計サポートサービス
「セミナーを開催するためのリソースやノウハウが不足している」と悩んでいるご担当者にセミナー・シンポジウム運営事務局アウトソーシングはオススメです。
2.4.採用事務局・運営アウトソーシング
ニューズベースでは優秀な人材を採用したい企業に向けて採用事務局・運営アウトソーシングを提供しています。本サービスを導入することで得られるメリットは以下の3つです。
1.会社に相応しい人材を採用するための戦略立案、施策検討時間の創出
2.採用活動で発生する煩雑な業務の工数を大幅に削減
3.インターンや内定者座談会など採用イベントの開催数を増加
実際に採用事務局・運営アウトソーシングを導入した企業は以下のサービスを利用できます。
・業務可視化コンサルティングサービス
・採用デスク業務サポートサービス:応募者からの問合せ窓口、採用コンテンツ制作
・合同説明会出展サポートサービス:資材の在庫管理、当日準備や運営業務
・説明会・面接回運営サポートサービス:説明会内容企画、面接回部屋割り
・採用イベント企画運営サポートサービス:内定式や入社式などの会場手配
・各種コンテンツ作成サポートサービス:採用活動に必要なパンフレットなどの制作
「説明会の運営に必要な人手が不足している」と悩んでいるご担当者に採用事務局・運営アウトソーシングはオススメです。
2.5.説明員代行
ニューズベースでは各種説明会を開催したい企業に向けて説明員代行サービスを提供しています。企業は説明員代行を活用することで主に3つのメリットを得られるのがポイントです。
1.優良見込み客との意見交換やコミュニケーション時間の創出
2.業務のアウトソーシングで顧客との接触機会を増加
3.説明会運用に必要なスタッフの採用・マネジメント工数を削減
実際に説明員代行を導入した企業は以下のサービスを利用できます。
・採用説明会での説明員代行サービス
・面接での説明員代行サービス
・展示会での説明員代行サービス
・入塾説明会での説明員代行サービス
・入学説明会での説明員代行サービス
・店舗での説明員代行サービス
「優良顧客と接触機会を増やすためのリソースが足りない」と悩んでいるご担当者に説明員代行サービスはオススメです。
3.BPOサービスの活用事例
コスト削減や業務効率化などを目的として、国内では多くの企業がBPOサービスを活用しています。課題解決のためにBPOサービスを検討している読者が見ておくべき事例は以下の5つです。
3.1.セミナー受付事務局
日本住宅リフォーム設備協会では会員向けセミナーを開催するためにBPOサービスを導入。アウトソーシング前はセミナーの人員やノウハウが不足して、運営負担が大きい課題がありました。
ニューズベースが運営スタッフを手配やオペレーション構築を代行したところ、セミナーの安定運営や工数削減を実現。BPOサービスにより来場者との接触機会が増加したメリットがあります。
3.2.展示会出展サポート
ニューズベースでは特定職業紹介事業や派遣事業を行う株式会社リンクスタッフをサポート。リンクスタッフでは100団体以上が集まる展示会イベントを運営していて、プロジェクト管理などに課題がありました。
会場手配から運営まで一括支援や全体進捗管理などをニューズベースから提案。そして運営・事務局代行を実現したことで、リンクスタッフの社員が企画や営業といったコア業務に専念できる環境を作り出しました。
3.3.スタッフ母集団管理代行
東京で不動産業を行う大手不動産会社の管理運用業務をニューズベースではサポート。BPOを導入する前は施設管理するための人員が少なく、社員が毎日夜中まで作業する必要がありました。
ニューズベースからスタッフ母集団形成を提案して、スタッフ採用から教育まで一括して管理。そしてBPOを導入した後には必要なスタッフを安定して確保でき、残業代の削減に成功しました。
3.4.入学説明会代行
株式会社NEXT EDUCATION「坪田塾」では入学説明会の人員を減らすためにBPOを実施。ニューズベースにアウトソーシングする前は人員が不足してしまい、担当者の負担が増加する課題がありました。
説明員の母集団を形成して土日に働けるスタッフを確保したところ、社員の工数削減や品質担保を実現。入学説明会に必要な人員数が5人から1人になり、業務効率化に成功しました。
3.5.新卒・中途採用の事務局運営
ニューズベースではユニクロで有名な株式会社ファーストリテイリングの採用運営業務をサポート。BPOサービスを導入する前は採用コア業務に集中できず、マネジメントコストが大きい課題がありました。
「説明会スタッフの母集団形成」「スタッフの固定化」「労務・管理の代行」などの施策を実施したところ採用説明会の安定運用を実現。
スタッフの管理から運用業務までアウトソーシングしたことで、マネジメントコストの削減や請求処理の簡易化を達成しました。
4.BPOサービスの料金相場
「BPOサービスは料金が高そう」と思った読者はいるかもしれません。アウトソーシングする業務や人員数で料金は変動するため、一部のBPO企業では料金を掲載していない場合があります。
今回は料金例をインターネットに公開しているBPO企業を参考にして、BPOサービスの料金相場を紹介します。
4.1.HELP YOUの場合
HELP YOUではバックオフィスや営業サポートを請け負っています。担当者が選んだプランに応じて料金が変動する仕組みです。
・3ヶ月プラン:毎月10万円から
・6ヶ月プラン:毎月9万円から
・9ヶ月プラン:毎月8万円から
契約期間が長くなるほど料金が安くなる特徴があります。
4.2.日本シナプスの場合
日本シナプスではスタッフの派遣から研修、実務指導などをサポートしています。ご担当者が選んだ請負業務内容やエリアなどにより料金が変動する仕組みです。
・専門店・施設運営業務請負:運営スタッフ1人あたり1日12,800円から
・商品管理・屋内軽作業請負:運営スタッフ1人あたり1日12,400円から
・催事・販促・調査業務請負:運営スタッフ1人あたり1日14,800円から
また、以下のオプションを利用した場合は追加の費用が発生します。
・早朝・土日祝日勤務の依頼:1時間あたり100円から150円
・深夜業務割増:1時間館残額×1.25の料金
・スタッフケアマネージャーシステムサポートシステム費:毎月9万円から
「より安い料金でアウトソーシングできるBPO企業を見つけたい」と思ったときは、複数のBPO企業に見積もりを依頼することがオススメです。
5.まとめ
本記事ではリソース不足など課題を解決したいご担当者に向けて、BPOサービスの内容や事例をお伝えしました。
限られた経営資源をコア事業に集中させて、生産性を高めるためにBPOの導入を検討していただけると幸いです。何か分からないことがありましたら、お気軽にご連絡下さい。