BPOを導入する意味とは?種類や事例、委託企業の選び方

公開日:2020.03.05  更新日:2022.09.30

会社の営業やマーケティングを管理しているご担当者は、次のようなお悩みをお持ちではないでしょうか。

「あまり重要ではない業務の負担が大きく自社の生産性が悪い」

「外部に業務委託するBPOのメリットや事例が分からない」

BPOとは自社業務を委託する手段であり、専門業者に仕事を任せることで業務効率化を実現できるのがポイント。本記事ではBPOを検討している読者に向けて意味やメリット、事例をお伝えします。

 

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1.BPOの意味とは

外部の専門業者に自社業務の一部を委託する方法をBPOと言います。「Business Process Outsourcing」の略称であり、国内では概してアウトソーシングと呼ばれる場合が多いです。

業者に自社業務を対応してもらう方法として業務委託もありますが、BPOと業務委託では意味合いが異なります。業務委託は人手の足りないときに自社業務の一部を外部に任せる手法です。

一方、BPOでは専門業者が自社業務を対応してくれるだけでなく、業務効率化や標準化を支援。より良い方法で仕事を進められるようサポートしてくれるため、生産性の向上にBPOは役に立ちます。

「BPOを自社に導入する意味があるのか気になる」と思った読者もいるかもしれません。本項目ではBPOの重要性を知ってもらうために、委託できる業務例や将来性を解説します。

1.1.BPOが拡大している理由

最近では少子高齢化により若い人材が少なく、人手不足に悩んでいる企業が増えています。リソースを補うためにアウトソーシングの需要が大きくなるため、BPO市場も拡大していく状況です。

IT調査会社「IDC」の国内BPOサービス市場予測によると、2018年のBPO市場規模は7,600億円超を達成。2023年までの年間平均成長率は3.5%であり、2023年には9,147億円もの市場規模に到達する見込みです。

BPO市場が拡大する背景には人手不足のほかに優秀人材の誘致、非正規労働者の待遇改善などの要素があります。人件費が高騰していることからBPOサービスの価格が上昇しているのも市場規模拡大の理由です。

最近では消費者に直接商品を提供するD2Cが人気となり、ノウハウのないカスタマー業務をBPOによって対策したい企業が多数存在します。専門業者へのアウトソーシングにより異業種への参入ハードルは低くなる傾向です。

1.2.BPOで委託できる業務例

外部業者に委託できる業務は限られており、全ての自社業務をアウトソーシングすることは不可能です。生産性を高めるには価値をあまり生み出さないノンコア業務の外部委託をオススメします。

BPOの導入により外部委託できる業務例は以下の通りです。

・受付業務:貸会議室やコワーキングスペースなど商業施設の運営

・採用業務:応募者の対応や説明会の実施、採用コンテンツの作成

・研修業務:研修会場の手配や関係者との連絡、備品の調達

また、これらの業務を効率化するためにニューズベースでは業務可視化コンサルティングを提供。業務の流れを可視化したうえで最適な手段の導入や業務マニュアルの提供をサポートします。

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2.BPOを導入する3つのメリット

「サービス価格が上昇しているBPOの導入メリットを知りたい」と思った読者もいるでしょう。BPOにより自社業務の外部委託や効率化を実現することには3つのメリットがあります。

・無駄なコストの削減

・コア事業にリソースを集中

・セキュリティの強化

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

2.1.無駄なコストの削減

BPOでは社員やスタッフが効率的に働けるよう、業務フローの見直しや改善を実施する場合がよくあります。業務方法の改善により余計な人件費などのコストを削減できるのがメリットです。

例えば、事務を効率化するための手段やツールがなく、5人のスタッフで事務を担当しているとします。もしBPOにより業務見直しや効率化ツールの導入を実現できれば、今までよりも少ない人数で事務を対応することが可能です。

平成30年度の平均年収は441万円であり、人員を減らすことで1人あたり毎月約40万円もの人件費を削減できます。業務量を維持しつつ人件費を削減することで生産性を改善できるのがBPOの魅力です。

2.2.コア事業にリソースを集中

多くの企業は自社商品・サービスを顧客に提供して売上を伸ばすことで経営できています。より売上を拡大して企業規模を成長させていくには、売上に影響を与えるコア事業に注力することが重要です。

例えば、自社で働いている社員が経理やデータ入力などの事務で労働時間を奪われているとします。事務は売上に貢献しにくい性質が強く、社員があまり重要ではない業務に集中すると売上を伸ばしにくいです。

BPOを導入して価値の低い業務を外部に任せることで、社員がマーケティングや商品開発などのコア業務に集中できます。より大きな付加価値を生み出すためにもBPOは有効です。

2.3.セキュリティの強化

誰でもインターネットを使える今では、企業の機密情報が流出して問題となる事例が増えています。ほとんどのBPO業者は安全性を考慮しているため、アウトソーシングによるセキュリティ強化が可能です。

例えば、ニューズベースでは個人情報保護の体制や運用が適切であることを示すプライバシーマークを取得。プライバシーマーク付与事業者としてアウトソーシング先の情報を大切に取り扱います。

 

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3.BPOの導入事例

日本国内では既に多くの企業がBPOを導入して、業務品質の改善や業務フローの効率化を達成しています。課題解決のためにBPOを検討しているご担当者が見ておくべき事例は以下の9つです。

1.研修サポートデスクの運営

2.採用事務・イベント企画運営

3.100名規模の日本企業対象セミナー

4.有料セミナー管理業務

5.コンテスト・コンクール事務局

6.レンタルオフィス運営管理

7.貸会議室レイアウト変更作業

8.シンポジウム事務局業務

9.eラーニング申し込み管理

それぞれの事例について詳しく解説します。

3.1.研修サポートデスクの運営

ニューズベースでは自動車部品の製造や販売、自動車機器などの輸入販売を行っているボッシュ株式会社を支援。研修運営や研修施設の管理を安定化するため、ボッシュでは以下の業務をアウトソーシングしました。

・受講者からの問い合わせや申込みの対応、窓口を維持するためのシステム運用

・研修に必要な資料の作成・印刷と備品の発注・発送管理

・研修当日の運営と研修実施後の報告書作成

事務局の英語対応や応対力に課題があり、他の委託業者からニューズベースに変更しました。そしてニューズベースから分業制の支援体制やサービスレベル評価を提案して、委託された業務を適切にサポート。

アウトソーシングの導入後には受講生の満足度が向上しただけでなく、業務工数の削減も実現できました。BPOの導入により年間5,000名規模の研修運営の安定化を達成しています。

3.2.採用事務・イベント企画運営

ニューズベースではオフィスプロダクトやソリューションを提供する富士ゼロックス株式会社をサポート。採用時に応募者との接触機会を増やすために以下の委託業務を対応しました。

・採用事務のマニュアル作成

・申込者からの問合せ・申込みの窓口対応

・採用事務に便利なツールの企画・制作

・システムの運用・管理

・採用イベント当日の運営

富士ゼロックスでは人事スタッフの業務負担や大量の個人情報管理に課題がありました。業務効率化により課題を解決するため、ニューズベースがツール制作から運用までの一括支援を提案。

アウトソーシングにより人事スタッフの工数を削減したほか、運用の自動化を実現できました。BPOにより採用コンセプトを確立したことで優秀な人材を集めやすくなったメリットもあります。

3.3.100名規模の日本企業対象セミナー

ニューズベースではスイスの公的代表機関である在日スイス大使館のスイス外国企業誘致局をサポートしています。日本企業が集まるセミナーを開催できるよう「マニュアル作成」と「当日運営」を担当。

スイス大使館では来場者との接触機会が少なく、運営業務の負担が重い課題がありました。安定した運営を実現するために、ニューズベースが運営オペレーション構築や経験豊富な運営スタッフの手配を提案。

BPOを導入したことで来場者との接触機会が増えたほか、セミナーの安定運営を実現できました。参加者とのコミュニケーション増加により大使館の目標達成に近づいたことが推測できます。

3.4.有料セミナー管理業務

ニューズベースでは工業用製品やオフィス・家庭向け商品を取り扱うスリーエムジャパン株式会社をサポート。1ヶ月間に20回程度開催される有料セミナーの受付を対応するために以下の業務を担当しています。

・受講者からの問合せ・申込みの対応、必要に応じてシステム管理

・セミナーの入金管理、受講者への督促、領収書の発行

・セミナーに必要な備品の発注、発送管理

・受講者から集めたアンケートの入力・集計

BPOの導入前は社員の業務負担が大きく、業務効率に課題がありました。スムーズにセミナー運営を移行できるよう、ニューズベースがマニュアル整備やオペレーションフローを構築。

そしてスリーエムジャパンはBPOを導入した後に事務局運営の安定化や工数削減を実現できました。なるべく時間をかけることなくアウトソーシングできるのもBPOの魅力です。

3.5.コンテスト・コンクール事務局

応募者からの投稿件数が2,000件を超えるコンテスト・コンクールの事務局をニューズベースでは代行。業務委託した企業はとある新聞・出版社であり、メディア運営を事業として行っています。

BPOを導入する前は問合せ窓口の人員や受付ノウハウが不足している課題がありました。事務局運用を安定化するために、ニューズベースが管理オペレーションや支援体制を構築。

事務局業務の多くを委託したことで運用安定化に成功し、情報管理の円滑化を実現できました。業務効率の改善により固定費を削減できたのも新聞・出版社にとってメリットです。

3.6.レンタルオフィス運営管理

ニューズベースでは経営コンサルティングを行っている株式会社ALMACREATIONSのレンタルオフィス運営をサポート。施設管理運営を代行するために以下の業務を担当しています。

・利用者からの問合せ・申込み対応、備品管理

・マニュアル作成、シフト管理

・運営スタッフの採用・教育

BPOの導入前は施設管理ノウハウや人員が不足して、固定費が膨らんでいた課題がありました。顧客のコスト削減のために、ニューズベースでは管理システムの構築やスタッフの母集団形成を提案。

そしてレンタルオフィス運営のフルアウトソーシングを実現したことで、固定費を大幅に削減できました。外部からノウハウを流入して施設運営の安定化を達成しているのもポイントです。

3.7.貸会議室レイアウト変更作業

東京で貸会議室を提供する運営会社の管理運用をニューズベースでは代行しています。貸会議室運営会社では管理会場の拡大で人手が不足してしまい、毎日の夜間作業が続いていました。

マネジメントコストや残業代を削減するために、ニューズベースがスタッフの母集団形成やシフト管理代行を提案。貸会議室運営会社の課題を解決するために以下の委託業務をサポートしました。

・運営スタッフ向けのマニュアル作成

・運営スタッフの採用・教育及びシフト管理

BPOの導入によりマネジメントコストと残業代の削減だけでなく、管理業務の標準化を実現できました。運営ノウハウを確立することで従業員の労働時間短縮につながります。

3.8.シンポジウム事務局業務

情報セキュリティ支援を行っている一般社団法人のシンポジウム事務局をニューズベースではサポートしています。350名規模のシンポジウムを運営するために以下の業務を担当。

・スタッフ向けのマニュアルを作成

・来場者・関係者からの問合せや申込みの対応窓口

・シンポジウム開催当日の運営

BPOの導入前は大規模催事の運営ノウハウが少なく、ノンコア業務の負担が大きい課題がありました。より良いシンポジウムを開催できるよう、ニューズベースが問合せ窓口から運営対応まで一括支援。

そして外部のノウハウを活用したことで、安定運営や講演者とのスムーズな連絡を実現できました。事務局業務をアウトソーシングすることで企画などの重要業務に専念できます。

3.9.eラーニング申し込み管理

スリーエムジャパン株式会社では会員向けにeラーニングを提供しています。BPOの導入前は個別対応により業務の工数が多く、関連会社との対応精度が悪い課題がありました。

eラーニングの申込対応から機材管理、関連会社の対応などを1本化するためにニューズベースが運営業務を代行。以下の業務を担当してeラーニングヘルプデスク業務を改善しました。

・会員からの問合せ・申込みの窓口対応

・eラーニングの受講キットの配送・管理

・システムの運用・管理

・eラーニング用の資料作成・印刷

BPOを導入したことで業務フローが大幅に改善して、ヘルプデスクの安定運用を実現。既存の事務局との併用運用によりコスト削減や効率化といったメリットもあります。

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4.BPO企業の選び方

「何を基準としてBPO企業を選ぶべきか気になる」と思ったご担当者はいるかもしれません。自社業務をアウトソーシングするときは以下の3項目を重視してBPO企業を選びましょう。

1.専門性と実績

2.価格

3.セキュリティ

それぞれの項目について簡単に解説します。

4.1.専門性と実績

アウトソーシングを実施するときは専門性や実績のある企業を選ぶことが重要です。実績の少ないBPO企業はノウハウがあまりない場合が多く、委託業務を改善できない可能性があります。

ほとんどのBPO企業ではコーポレートサイトに実績を公開。例えば、アウトソーシング会社ニューズベースでは事例紹介で多数のアウトソーシング事例を公表しています。

4.2.価格

実績や専門性からいくつかのBPO企業を見つけたら、お問い合わせをして価格を確認しましょう。費用対効果の高いBPOサービスを活用することで、より自社の課題を解決しやすくなります。

4.3.セキュリティ

BPO企業のプライバシーポリシーやセキュリティ方針を見て、機密情報の取り扱いに問題がないか確認することも大切です。セキュリティ対策が緩いと自社の情報漏洩リスクが大きくなります。

 

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5.まとめ

本記事では人手不足やコストでお悩みを持つご担当者に向けて、BPOを導入するメリットや9つの事例をお伝えしました。

従来の業務委託とは異なり、BPOでは委託した業務を外部の業者が改善します。業務フローの見直しやマニュアル作成、スタッフの育成により業務効率を改善できるのがメリットです。

業績を伸ばすために重要なコア業務にリソースを集中させるために、BPOの導入を検討していただけると幸いです。もし分からないことがありましたら、お気軽にご連絡下さい。

 

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