補助金と助成金はどう違う?相違点・共通点や受給の際の注意点について解説
助成金と補助金の違いとは何なのでしょうか?それらを申請する際、それぞれの特徴を押さえておくことで、勘違いなどによる申請時のケアレスミスが減ります。
本記事では、助成金と補助金の違いを解説し、それらの共通点やそれぞれの特徴、注意すべきポイントについてお伝えします。これから助成金や補助金を申請しようと検討されている方は、本記事の内容をぜひ参考にしてみてください。
目次
助成金と補助金の4つの違い
助成金と補助金の違いは以下の4つ。
・取り扱う機関
・給付される確率
・対象となる金額
・公募される期間
それぞれについて詳しく解説していきます。
取り扱う機関
助成金と補助金は、取り扱う機関が異なります。助成金は厚生労働省、補助金は経済産業省や地方自治体が管轄することがほとんど。
管轄が異なる理由は、目的が異なるからです。助成金は労働環境などの整備を支援し、補助金は事業の促進を支援する目的で定められます。
これらの特性の違いを押さえておき、目的に応じた支援を選択しましょう。
給付される確率
給付される確率も異なります。助成金は応募条件を満たしていればほとんどの確率で給付されるのに対し、補助金の給付率は低いです。なぜなら、助成金は労働者を保護する目的のものが多く、補助金は採択件数などの条件が厳しい傾向があるからです。
例えば、補助金申請時に求められる条件には、以下のようなものがあります。
・最新技術を活用すべきもの
・地域の活性化につながるもの
・福祉との連携が可能なもの
など、補助金によって求められることが異なります。補助金の趣旨に沿った事業内容でないと採用されないので、補助金を獲得するのはハードルが高いです。
対象となる金額
対象となる金額の規模も異なります。助成金は数十万〜数百万円の規模ですが、補助金は数百万〜数十億円のものまであります。補助される金額が大きいほど、事業計画・収支計画、運営体制などが厳しくチェックされるので、しっかりと準備して申請に臨む必要があります。
公募される期間
助成金は公募期間が長期または随時募集に対し、補助金は限られた期間での募集となります。先ほどお伝えしたように、補助金には採択件数の上限があるため、期間を設けて採択の有無を決定しなければならないからです。
補助金の申請を検討している方は、申請期間がスタートするまでに情報をキャッチするために、日頃からアンテナを張っておきましょう。
助成金と補助金の2つの共通点
ここまで、助成金と補助金の違いについてお伝えしてきました。次に、両者どちらにおいても共通している以下の2点についてお伝えします。
・公的機関からの支援なので安心
・返済する必要がない
それぞれについて解説していきます。
公的機関からの支援なので安心
いずれの支援も、公的機関からのサポートなので安心して活用できます。但し、事業報告書などの提出が求められるため、そこに労力がかかることを踏まえた上で検討しましょう。安心して活用できるということは、それなりに堅い規則も守らなければいけません。
返済する必要がない
助成金や補助金は、ほとんどの場合は返済する必要がありません。返済が求められるのは、不正受給などの違反をした場合に限られます。また、返済という形でなくても、利益の一部を還元する特約付きのものも中にはあります。
いずれにせよ、助成金・補助金の募集要項に記載があるので、申請前にチェックしておきましょう。
補助金の3つの特徴
補助金には、以下の3つの特徴があります。
・公益性の高い新規事業を支援する
・支援対象の事業期間が定められている
・公募から給付されるまでの手順
それぞれについて詳しく解説していきます。
公益性の高い新規事業を支援する
補助金は、公益性が見込める事業を支援するという特徴があります。
公益性が高い事業とは、国や地方自治体が掲げる目標につながる事業のこと。行政の立場上、特定の企業や個人が得をする事業の後押しできません。そういった事情を踏まえると、公的機関が支援する補助金に公益性が求められることも自然なことでしょう。
支援対象の事業期間が定められている
補助金が採択されたとしても、定められた事業期間内の支出にのみ支給されます。補助金は、公募の際に定めた期間においての支援を目的としているからです。事業に関わる経費であったとしても、定められた期間内の経費でなければ補助金の対象として認められないので注意が必要です。
また、事業内容から外れた支出においても対象外となるので、事業に関する支出の際はタイミングや内容に気をつけましょう。
公募から給付されるまでの手順
補助金が公募されてから支給されるまでの手順は以下の通り。
①公募
②申請書提出
③審査
④採択
⑤事業実施
⑥事業報告
⑦給付
補助金は、公募期間内に申請書を提出し、審査を受けなければいけません。公募情報は、経産省や地方自治体のサイトに掲載されるのでチェックしておきましょう。公募のタイミングは年度頭になることが多いです。
公募期間は短く、その間に関係機関と調整しながら申請書類を作成するのは大変です。可能であれば、公募する前に補助金の情報を入手し、準備を進めておくのがいいでしょう。もし申請したい補助金があれば、地方自治体に相談してみるのもおすすめです。
給付のタイミングは、事業報告後です。報告書類に不備があると支給されない可能性もあるので、注意しましょう。
助成金の3つの特徴
次に、助成金の特徴についてお伝えします。助成金の特徴は以下の3つ。
・事業の課題解決に対して支援する
・随時行われていることが多い
・申請から給付までの手順
それぞれについて詳しく解説していきます。
事業の課題解決に対して支援する
助成金は、課題解決に対する支援がメインです。労働環境の整備や雇用の改善などの課題が対象となります。
これらの課題は、売上に直結しないので後回しになりがちのもの。経営状況に余裕が無ければ手が回りにくいのが現実です。労働環境や雇用に関して手が回らない企業が増えると、国民の生活面に支障をきたす可能性があります。そのため、助成金という形で公的機関から企業支援を行っているのです。
随時行われていることが多い
助成金の募集は随時行われていることが多いです。先ほどお伝えしたように、従業員の生活面の向上を目的としてものが主なため、必要な企業に必要なタイミングで支援するのが好ましいからです。
どのような助成金が募集されているか気になる方は、厚生労働省のサイトにてチェックしてみましょう。
申請から給付までの手順
助成金の申請から給付までの手順は以下の通り。
①助成金申請
②事業の実施
③事業報告
④給付
助成金には補助金と違い、審査や採択がないため、給付までの手順が少なくて済みます。給付のタイミングは補助金と同様、事業報告が終わってからなので、報告書に不備がないように注意しましょう。
助成金は条件を満たしていれば受給しやすいですが、どのような内容でも給付されるわけではありません。募集要項をよく読み、助成金の目的に沿った申請をしなければいけません。
助成金・補助金を受給する際の注意点
助成金や補助金を受給する際、以下の4つについて注意しましょう。
・受給は報告書の提出後
・申請内容を忠実に守る
・不備のない資料作成
・受給後も検査の可能性
受給するには報告書を提出し、その内容が認められてからになります。事業を行う前に支給されません。また、申請した事業内容とのずれが生じていた場合、受給できない可能性があるので注意しましょう。
そのため、報告書の作成も慎重に行いましょう。申請内容を忠実に守っていても、報告書でその旨がしっかり伝えられなければなりません。給付後に不正がないかどうかの検査が入ることもあるので、申請した内容には誠実に向き合うべきです。
まとめ
本記事では、助成金と補助金の違いや共通点、受給する際の注意点についてお伝えしてきました。
助成金は労働環境などの課題解決、補助金は公益性が見込める事業の促進などが目的であり、それによって支援金額の大きさや受給率が異なります。助成金や補助金申請を検討している方は、本記事の内容を参考にしてみてください。
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