チームビルディングの効果とは?具体例を基に成功のポイントを解説!
会社員として働く場合、個人ではなくチームとして1つの目標に向かって行動します。しかし、プロジェクトメンバー同士で関係が上手くいかないことや個々のスキルや能力を存分に活かしきれていないと感じる従業員も少なくありません。
また昨今のリモートワークやオンラインの浸透による「組織への帰属意識の低下」や「組織内のコミュニケーションの希薄化」に悩む企業も多いのではないでしょうか?そんな問題を解決するのが『チームビルディング』です。
今回は、チームビルディングの効果や目的・実際の事例について紹介していきます。
目次
チームビルディングとは
チームビルディングとは、各メンバーのスキルや強みを活かした上で、目標を達成できるチームづくりを行う取り組みです。
特定のリーダーの意思に依存した役割分担や、一方向の指示だけが発生するようなチームでは最良の体制とは言えません。同じ目標に向かうためには、各々の関係性を築き、各々の個性や強みを把握し合えている状態が理想です。
「自分の強みを十分に活かせている」とメンバーが実感できる環境は、個人のパフォーマンス向上だけに留まらず、結果的にチーム全体のパフォーマンスの最大化へ繋がるのです。
チームビルディングのメリット
この章ではチームビルディングを行うことによる4つのメリットを、具体的にご紹介していきます。
コミュニケーションの活発化
チーム内、ひいては組織全体としてメンバー間の関係性を強化するためには、コミュニケーションは不可欠です。
チームビルディングでは先述の通り、自身も他者も尊重し合える関係構築を行うことが前提にあります。メンバー同士が信頼し合えるチームづくりを目指すことで、主体的にコミュニケーションをとれる環境づくりの実現が期待できます。
適切な役割分担によるモチベーションの向上
各自の能力を最大限に活かすためには、各メンバーの能力や適性、価値観などを把握することが重要です。理解を深めた上で、組織内での適材適所な人材配置を目指します。
個々の適性に合った役割分担を行うことで、従業員満足度の向上が期待できます。さらには、自身の強みでチームや組織に貢献したという自己効力感にも影響し、メンバーの成長速度が早まるのです。
目標意識の醸成
そもそものチーム形成を行う大きな目的は、個々では達成できない目標を、協力して達成するためです。そのため、チームビルディングの体制下にあることで、必然的に共通の目標やビジョンを意識する環境が生まれます。
多様な働き方が生まれている今こそ、目先の業務だけを意識するのではなく、チームビルディングを通してメンバーが主体的に共通目標を意識できる環境を作ることができます。
チームの生産性の向上
個々の業務では得られないノウハウやナレッジを共有しあえるのは、チームビルディングの大きなメリットの1つです。チームビルディングでは互いの能力を補い合いながら目標達成を行うことからも、個人では気付けない新たな発見や効率化手段を捻出できます。
結果的に個々人の多様面でのスキル向上が見込めることから、全体としてのパフォーマンスや生産性に大きな影響を与えることができます。
チームビルディングへと導く5つのステップ
チームビルディングにおける発達プロセスを5つの段階に分け、チームの状態を表したものを「タックマンモデル」と呼ばれています。1965年に心理学者のブルース. W. タックマンが論文にて提唱したモデルです。
それぞれのプロセスは、以下のように定義されています。
2.混乱期
3.統一期
4.機能期
5.散会期
1.形成期
形成期はチームが形成されたばかりの段階です。お互いがどのような人物か把握しておらず、それぞれが様子を伺っています。そのためチームリーダーが指揮を執りながら、まずはお互いの理解を深めることを目指し、共通目標へ向かう意識を醸成していきます。
2.混乱期
混乱期では、ある程度の時間が経過し、現状の課題も明確化されてくるため、チームメンバー同士で対立が生じやすい時期です。意見が食い違う場合でも、お互いの意見を受け入れながら丁寧に議論を重ねることが大切です。
3.統一期
統一期では、お互いの考え方や価値観の理解が進み、チームが安定化に向かう時期です。一人一人に適した役割分担を行うことで、全員がより良いパフォーマンスを発揮できる環境づくりを行い、目標達成を目指します。
4.機能期
機能期は、一人一人が役割を果たしながらも、メンバー同士でお互いをカバーできるような信頼関係が構築される時期です。主体的なフォローや俯瞰した状況判断も行えることで、チームとしての一体感が増加し、成果も徐々に現れてきます。
5.散会期
散会期は、プロジェクトの終了や人事異動などにより、チームメンバーとも解散する時期です。目標達成の確認がとれることで、ようやくチームビルディングは成功したと言えるでしょう。
チームビルディングにオススメの手法や事例を紹介
この章では、チームビルディングに効果を持つ手法や具体的な事例を2つご紹介します。
グループワーク研修
グループワーク研修は、決められた時間の中で役割分担を行いながら、制作やプレゼンテーションといった、グループ共通の目標達成を目指すプログラムが中心です。協調性やコミュニケーション力の強化に加え、自然とチームビルディングの過程を実践できるため、非常におすすめの手法の1つです。
グループワークについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
▶【人事向け】研修でグループワークを行う効果とは|活用方法を解説
<実際の事例>
ソフトバンクでは、ブロック玩具「レゴ」を使った「LEGO® SERIOUS PLAY®(レゴ®シリアスプレイ®)」と呼ばれる研修を導入しています。
研修内容では、『あなたにとっての理想の働き方』といった潜在的・抽象的なテーマを、ブロックを組み立てて表現します。イメージを具体化することで思考整理をした後は、その作品を用いた会話を通じて細部のニュアンス共有までを行います。
「共通の納得できるビジョンを形成し、メンバー全員で共有する」という組織やチームにおけるビジョン共有を、この研修では体現しています。言語化が難しい抽象的なテーマを全体で考えることで、組織の活性化や一体感の醸成を期待できる内容です。
参考資料:ソフトバンク人事担当者オススメ!自己理解を深め、今後のキャリアを考えるための意外なメソッドとは?
企業型ワーケーション
ワーケーションとは、「ワーク(work)」と「バケーション(vacation)」を組み合わせてできた造語で、仕事と休暇を組み合わせた働き方のことを指します。
BIGLOBEが「ワーケーションに関する調査」を行った結果、経営者の約7割がワーケーションを実施してみたいと回答しています。コミュニケーションの充実やチームビルディングの手法として高い関心を寄せています。
さらに従業員の約7割が、同僚と同行するワーケーションに肯定的な結果でした。「従来の社員旅行よりもワーケーションに参加したい」と回答する割合が多かったことから、新たな社員交流イベントとして浸透するかもしれません。
<実際の事例>
JTBでは、ホテルのガーデンなどの野外テントでオフサイトミーティングが体験できる「キャンピングオフィス」を実施しています。非日常の環境を活用したチームビルディング型ワーケーションプログラムです。
実際に大手小売のダイバーシティ推進室プロジェクトメンバー15人が訪れた際には、テントの設営や焚火といった様々な野外アクティビティを経て、期待以上の刺激と成果を得られたと体験者は語っています。
オンラインのコミュニケーションは今後も定着が予想されますが、リアルでしか得られない経験を取り入れることで、普段の環境では得られないチームビルディングの形が期待されています。
参考資料:チームビルディングワーケーションでプロジェクト会議を!JTBワーケーション総合情報サイト
まとめ
チームビルディングには、コミュニケーションの活性化や、パフォーマンスの向上など、組織成長には欠かせないメリットが詰まっています。また、組織によって、適したチームビルディングの手法は様々ですので、自社の状況に応じた環境づくりが求められます。
自社のチームづくりに課題を抱えている方は、今回の記事を是非参考にしてみてください。
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