オンライン/Web研修でグループワークを導入するメリットや注意点などを解説!
オンライン(Web)研修は、参加者同士のコミュニケーション不足が懸念されていますが、グループワークを導入することで解決可能です。しかし、グループワークを導入することでの注意点もあります。
そこで本記事では、グループワークのメリットやデメリット・グループワークを行う際のコツなどを解説します。
目次
オンライン/Web研修実施時の課題点とは?
まず始めに、オンライン(Web)研修を実施する上での課題点を紹介します。
人財育成事業のサービスを展開しているMON株式会社は、社員が100名以上在籍している企業の人事や採用担当者に対して研修に関するアンケートをおこないました。
その結果、コロナ禍においてオンライン(Web)で研修を実施した企業は64.1%と、過半数以上という結果になりました。一方で、オンライン(Web)研修を実施した企業の中で、オンライン(Web)研修に対して満足していない割合は45.5%。約半数にも及びます。
オンライン(Web)研修に満足していない理由としては、「社員同士の関係性が強くならない」、「他者からの発見、気づき、刺激がない」、「実施できる内容に限りがある」などが挙げられています。
これらの理由から研修担当者によっては、「オンライン(Web)で研修することには限界があるのではないか」と思う人もいるかもしれません。しかし、オンライン(Web)の特性を理解した上で研修内容の設計をおこなうことで、先ほどの課題点を解決することは十分に可能です。
その方法の一つとして挙げられるのが、「グループワーク」の導入になります。
オンライン/Web研修でグループワークを導入するメリット
オンライン(Web)研修でグループワークを導入するメリットは以下の3つです。
・受講者が研修に意欲的に参加できる
・コミュニケーションが活発になる
・より実践的な研修がおこなえる
順番に解説します。
受講者が研修に意欲的に参加できる
オンライン(Web)研修の場合は、コミュニケーションが難しいという理由で、ほとんどが講義型でおこなわれます。講義型の場合は、講師が受講者に対して一方的に話をするので、受講者は受け身になりがちです。
しかし、グループワークを導入することで自分で考えて意見を述べる機会を設けることができるので、研修に対しても意欲的に参加できます。意欲的に参加することで記憶にも残りやすく、実際の現場でも研修で教わった内容を実践できるようになるのです。
コミュニケーションが活発になる
オンライン(Web)研修は対面での研修と違い、近くに受講者がいません。そのため、集団での研修にも関わらず孤独感を感じてしまう人も多いはずです。
そこで、グループワークの導入により、受講者同士のコミュニケーションを図ることができます。コミュニケーションをおこなうことで緊張がほぐれるだけではなく、自分以外の意見を聞くことで、あらゆる角度から物事を分析できるようになります。
より実践的な研修がおこなえる
グループワークを導入することで、実際の仕事現場を想定したロールプレイングも可能です。ロールプレイングをおこなうことによって、実際の現場を想定したシミュレーションがおこなえるので、研修終了後からすぐに業務に役立てるスキルを培うことができます。
新入社員、中途社員への研修へ導入する場合にも、より実務に沿ったディベートや思考力を養うことで、早期戦力化としての育成観点での効果も期待できます。
オンライン/Web研修でグループワークを導入するデメリット
オンライン(Web)研修でグループワークを導入するデメリットは以下の3つです。
・発言しづらい
・グループワークの様子がわかりづらい
・ネット環境によって進行に差が生じる
順番に解説します。
発言しづらい
オンライン(Web)で行うグループワークは、対面でのときと比べて受講者同士の雰囲気や表情が汲み取りづらいので、発言するタイミングがわからないという人も少なくありません。
自分が発言しようとした瞬間にほかの人が発言してしまうと、お互いが気まずくなってしまい、その後のグループワークがやりづらくなってしまいます。そのため、あらかじめ発言する順番を決めるなどの策を講じる必要があります。
グループワークの様子がわかりづらい
オンライン(Web)でグループワークを開催する場合、講師は様子を確認するために一つずつ部屋に参加してチェックしていきます。グループが少なければ問題ないのですが、受講者の参加人数が多く、5つ以上のグループがある場合には全てのグループの様子まで把握できない可能性があるのです。
その結果、グループごとに正確な情報を収集することができず、フォローが疎かになってしまうことにもつながります。グループの数が多い場合には、時間ごとに区切ってグループの様子を把握しましょう。
ネット環境によって進行に差が生じる
オンライン(Web)研修において、一番発生しやすい問題がネットトラブルです。
通信速度が遅い場合や不安定な状況でグループワークを開催してしまうと、発言している途中で通信が途切れてしまい、グループによって進行に差が生じてしまう可能性があります。
そのため、受講者にはオンライン(Web)研修に参加してもらう前に、通信環境が安定しているかどうかを確認しましょう。通信環境が不安定な場合には、通信環境が良い場所で参加してもらったり会社側で会議室を貸し出したりするなどの対策が必要です。
オンライン/Web研修におけるグループワークの種類
オンライン(Web)研修におけるグループワークの種類は以下の4つです。
・討論・プレゼン型
・ロールプレイング型
・ブレインストーミング型
・ゲーム型
討論・プレゼン型
討論・プレゼン型は、一つの議題について話し合うグループワークの中でも最もメジャーな形式です。
議題の内容は特に決められていないので、研修ごとに自由に決めることができますが、なるべく研修のテーマや目的に沿った内容を議題にすることをおすすめします。
ロールプレイング型
ロールプレイング型とは、グループ内で実際の現場を想定して対応方法を学ぶグループワークです。新入社員を対象にした研修の場合には、電話の受け取り方や名刺の渡し方などをお客様側と実際に対応する側に分かれて行います。
オンライン(Web)研修の場合には、対面でのグループワークと比べて、できる内容が限られているので、可能な範囲で行いましょう。
ブレインストーミング型
ブレインストーミング型とは、議題に対して受講者同士でアイディアを出し合うことによって、1950年ごろに生まれたといわれている最適な答えを見つけ出すグループワークです。
それぞれ考え方が異なるので、お互いがアイディアを出し合うことによって刺激をもらうことができます。ただし、10人以上など人数が多すぎる場合には、アイディアがまとまらないことがあるので、注意しましょう。
ゲーム型
ゲーム型とはその名の通り、ゲーム感覚で楽しむことができるグループワークです。最近では、ゲーム型のグループワークを導入する企業も増えてきており、受講者同士で楽しみながらコミュニケーションを図ることができます。
ヒントを頼りに出口を目指していく「脱出ゲーム」やグループで協力しながら謎解きを行う「リモ謎」など、さまざまあるので、気になる人は一度調べてみましょう。
オンライン/Webでグループワークをおこなう際のコツや注意点
オンライン(Web)でグループワークをおこなう際には以下のようなコツや注意点を意識しましょう。
・通信環境を整えておく
・役割を決めて時間管理を意識する
・すべてのブレイクアウトルームに入室する
一つずつ解説します。
通信環境を整えておく
オンライン(Web)では通信環境が何よりも重要です。通信環境が良くないと、受講者同士の声が聞き取りづらかったりタイムラグが発生する可能性があります。その結果、会話が上手く噛み合わず、話し合いができないまま時間だけが過ぎてしまうこともあるのです。
担当者は研修が始まる前に、自分たちと受講者の両方の通信環境が整えられているか、必ず確認しましょう。事前の接続テストや、ツールに慣れていない受講者へのマニュアル作成や質疑応答など、サポートの機会を与えることは、オンライン(Web)上でも円滑に進めるために重要です。
役割を決めて時間管理を意識する
オンライン(Web)の環境下では、空気がつかみにくい、意見を出しづらいなど、発言のしづらさにも課題があります。そのため、進行役のファシリテーターや、時間管理のタイムキーパー、議事録作成役など、役割は事前に決めておくように案内しましょう。
また、グループディスカッションに制限時間の指定がない場合には、結論が出ないまま終わってしまうなどの実施効果を得られない場合や、他の研修スケジュールへ影響が出る場合もあります。オンライン(Web)で効果的なグループワークを行うためには、「役割分担」「時間管理」によるスムーズな進行が重要になります。
すべてのブレイクアウトルームに入室する
担当者は受講者を評価しなければいけないので、グループワークをおこなう時には、全てのブレイクアウトルームに入室し、受講者の様子や発言が確認できるようにしましょう。
特に人数が多い場合には、数十個のグループが作成されることもあります。そのため、一人で担当することが難しいのであれば、複数人で数個ずつ振り分けて担当する方法もオススメです。その際には、担当者によって評価が属人化されないように、事前に評価基準の認識を合わせられるように話し合いましょう。
グループワークに役立つツールを紹介
グループワークに役立つツールを2つ紹介します。
ブレインストーミングに役立つツール(マインドマップ)
グループワークでのディスカッションの中で、自由にアイディアを出しあうブレインストーミングの手法はとても効果的です。その際にオススメのツールとしてマインドマップがあります。
マインドマップとは、一つのキーワードを中心に関連するキーワードなどを書き出していき、線でつなげていく方法です。
1970年代に英国人作家「トニー・ブザン」が確立した方法です。マインドマップは「アイディアマップ」、「メモリーツリー」などと呼ばれることもあります。マインドマップをおこなうことで、自分が頭で考えている内容を書き出して整理することができます。
グループワークでマインドマップを活用することによって、より実践的な議論による問題解決が可能になります。実務上で活用出来る思考整理力を養うことができるため、研修への導入は非常に効果的です。
ツールを選ぶ際におすすめなのは、共同編集やグループ共有がWeb上で可能なクラウド型、またGoogleドライブなど日頃の業務との互換性などで選ぶことです。オンライン環境でも使い勝手の良いツールを検討しましょう。
上記の条件を満たすツールには、操作が直感的に行える「MindMup」、タスク管理なども行える「MindMeister」、共同編集がしやすい「Coggle」などがあります。
Web会議ツールでのブレイクアウトルーム機能
ブレイクアウトルーム機能とは、参加者を少人数のグループに分けることができるWeb会議ツール上の機能です。
研修参加者が5人など、少人数の場合には特に問題ありませんが、10人以上参加している場合、グループを分ける必要があります。そこでブレイクアウトルーム機能を利用することで、簡単に任意の人数でのグループを作成し、効率よくグループディスカッションを行うことができます。
代表的なWeb会議ツール「Zoom」を例に紹介すると、「Zoom」では、ブレイクアウトルーム機能の他に、残り時間が分かるタイマー機能やグループ毎にメッセージが送れる機能、ルームの入退室が自由におこなえる機能なども搭載されています。
もちろん、ツールによって搭載されているブレイクアウトルーム機能が異なるので、使用する前に確認してみましょう。最大ルーム数、参加人数定員、ルームの事前割り当て、時間設定方法などはツールによって特徴がある場合が多いです。
まとめ
本記事では、オンライン(Web)研修におけるグループワークのメリットやデメリット・グループワークを行う際のコツなどについて解説しました。
グループワークを取り入れることによって、受講者が研修に対して意欲的に参加できたりコミュニケーションが活発になったりするなどのメリットがあります。ただし、対面時とは異なり発言しづらかったりネットの環境によって進行に大きく差が生じたりすることがあるので、担当者は工夫してグループワークを導入しなければいけません。
オンライン(Web)研修でグループワークの導入に不安を感じているのであれば、株式会社ニューズベースにお任せください。
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本記事を参考にオンライン(Web)研修にグループワークを導入してみましょう。