【研修転移】基礎知識やメリット・実現させるためのポイントを紹介!
研修をただ開催するだけでは、思うような効果には期待ができません。
効果的な研修を開催したいのであれば、「研修転移」について考える必要があります。
研修転移という言葉は聞いたことがあっても、具体的にどのような意味なのか把握していないという方もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、研修転移の意味やメリット・実現させるためのポイントを紹介します。
目次
研修転移とは?
研修転移とは、研修で学習した内容を実際の現場で活用して成果を出すことです。
著者である中原 淳氏が出版した『研修開発入門 「研修転移」の理論と実践』という本で取り上げられたことで、一般的にも広く認知されるようになりました。
学習転移との違い
研修転移と似ている言葉として、「学習転移」があります。
学習転移とは、これまで習得した知識やスキル・経験などが今後の学習に影響を与えることです。
研修転移は学習する場所を研修のみに絞っていますが、学習転移は学習する場所を特に限定していません。
そのため、研修転移は学習転移における一例であると覚えておきましょう。
研修転移が注目されている理由
研修転移が注目されている理由として、昨今の時代背景が挙げられます。
最近は世界情勢の変化やAIをはじめとするデジタルテクノロジーの急速な発展により、先行きが不透明な「VUCA時代」となっています。
VUCAとは、以下4つの単語の頭文字を取ってできた造語であり、将来の予測をするのが困難な状態のことです。
- Volatility(変動性)
- Uncertainty(不確実性)
- Complexity(複雑性)
- Ambiguity(曖昧性)
VUCA時代を乗り越えるためには、時代の変化に対して柔軟に対応し、実行力のある優秀な人材が必要です。
そのためにも、現在は多くの企業で研修転移が注目されているのです。
研修転移のメリット
研修転移のメリットは、以下の2つです。
- モチベーションの向上につながる
- 業務が効率化される
順番に解説します。
モチベーションの向上につながる
研修転移が実現することで、従業員は自身の成長を次第に感じられるようになります。
その結果、モチベーションの向上につながり、業務や新たなスキルの習得に対する意欲が高まるでしょう。
最終的にはほかの従業員にも熱量が伝播していき、組織全体の活性化に期待ができます。
業務が効率化される
研修転移が実現することで、従業員は成果に直結するような行動を自然と取るようになります。
その結果、業務のムダが少しずつなくなっていき、効率化されることで売り上げの向上に期待できるでしょう。
研修転移を実現させるためにクリアすべき3つの壁
研修転移を実現させるためにクリアすべき壁は、以下の3つです。
- 記憶の壁
- 実践の壁
- 継続の壁
一つずつ解説します。
記憶の壁
1つ目は、記憶の壁です。
記憶の壁とは、実際に研修で学習した内容を受講者の記憶に定着させるのが難しいことを表しています。
いくら有意義な研修を開催したとしても、研修内容が記憶に定着していなければ意味がありません。
ドイツの心理学者であるヘルマン・エビングハウス氏は、時間の経過と記憶の関係性を示した曲線「エビングハウスの忘却曲線」を提唱しています。
エビングハウスの忘却曲線によると、人間は1日経過しただけで7割程度の記憶を忘れることが明らかとなっています。
そのため、研修転移を実現させるためには、研修で学習した内容をインプットするだけでなく、実際に活用してアウトプットしていく必要もあるのです。
実践の壁
2つ目は、実践の壁です。
実践の壁とは、研修で学習した内容を実際の業務で活用することの難しさを表しています。
研修で学習した内容を実践で活用するためには、従業員の意思はもちろん、周囲がその機会を提供することも求められます。
何度でも実践できる環境を整えることが研修転移を実現するための一歩ですので、社内全体で協力することが大切です。
継続の壁
3つ目は、継続の壁です。
継続の壁とは、実際に研修で学習した内容を実践し、継続することの難しさを表しています。
研修転移を実現するためには、実践を長期で継続することが何よりも重要です。
しかし、継続させることは決して容易ではないので、担当者は従業員のモチベーションを維持するための工夫を凝らす必要があります。
研修転移を実現させるためのポイント
研修転移を実現させるためには、以下のポイントを意識しましょう。
- 研修の目的やゴールを共有する
- 行動計画を立てさせる
- 研修効果を測定・管理する
順番に解説します。
研修の目的やゴールを共有する
「なぜ研修を受講する必要があるのか」「研修を受講したことで、最終的にどのような姿になれるのか」など、研修の目的やゴールがわからない状態では、受講者は研修に対するモチベーションを維持できません。
その結果、思うような結果が得られず研修転移は実現できないでしょう。
研修転移を実現させたいのであれば、まずは受講者に研修の目的やゴールを共有することから始めましょう。
行動計画を立てさせる
研修転移を実現させるためには、受講者に行動計画を立てさせることが大切です。
「研修で学習した内容をどのように活かしていくのか」「いつまでにどのような状態になっていたいのか」など、具体的な行動計画を立てさせることで、研修に対するモチベーション向上に期待ができます。
研修効果を測定・管理する
研修転移を実現させたいのであれば、研修効果を測定・管理することが大切です。
なぜなら、研修転移が実現しない要因の一つに、そもそも研修のクオリティが低く、受講者
にとって有意義な研修ではないことが挙げられるからです。
そのため、定期的に研修効果を測定・管理して、効果的な研修であるかをチェックしましょう。
決して「やりっぱなし」の研修にするのではなく、PDCAを回して改善することが重要です。
まとめ
本記事では、研修転移の意味やメリット・実現させるためのポイントを紹介しました。
研修転移を実現させることでモチベーションの向上につながったり、業務が効率化されたりするなどのメリットに期待ができます。
しかし、研修転移を実現させるためには、記憶の壁・実践の壁・継続の壁をクリアする必要があります。
3つの壁をクリアして研修転移を実現させるためにも、受講者に研修の目的やゴールを共有したり、行動計画を立てさせたりしましょう。
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