【アンラーニング】メリットとは?推進するためのステップや注意すべきポイントも解説!
先行きが不透明な現代において、最近注目を集めているのが「アンラーニング」です。
直訳すると「学習棄却」と訳されますが、具体的にどのような意味なのか、あまり把握していないという人もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、アンラーニングの基礎知識や企業がアンラーニングを推進するメリット・推進する上で注意すべきポイントなどについて解説します。
目次
アンラーニングとは?
アンラーニングとは、これまで身につけていた知識やスキルのなかで不要なものを捨てて、新たな知識やスキルを習得することです。
最近はITやデジタルテクノロジーが急速に発達しているということもあり、以前までの知識やスキルが突然使えなくなることも珍しくありません。
このように変化が激しい時代であっても、アンラーニングを行うことで、時代の流れに沿って柔軟に対応することが可能となります。
そのため、多くの企業でアンラーニングが注目されてきているのです。
リスキリングとの違い
アンラーニングと似ている言葉として挙げられるのが「リスキリング」です。リスキリングとは、業務を遂行する上で必要な知識やスキルを新たに習得することを指します。
新たに知識やスキルを習得するという意味では、アンラーニングも同じです。
しかし、リスキリングはアンラーニングと異なり、これまで習得した知識やスキルを取捨選択することはありません。
また、アンラーニングは時代や環境の変化に対応するために新たな知識やスキルを習得します。一方のリスキリングは、業務を遂行するために新たな知識やスキルを習得します。
実施目的もそれぞれ異なるので、言葉の意味を間違えないようにしましょう。
企業がアンラーニングを推進するメリット
企業がアンラーニングを推進するメリットは、以下の3つです。
- 新しい価値観が生まれる
- 業務の効率化につながる
- 従業員のさらなる成長に期待ができる
順番に解説します。
新しい価値観が生まれる
アンラーニングを推進することで、新たな知識やスキルが習得できるため、従業員一人ひとりの意識改革となり新しい価値観が生まれるきっかけにもなります。
その結果、これまでにはないアイディアが創出されることで、新たなサービスや商品が誕生する可能性もあるのです。
業務の効率化につながる
アンラーニングに伴い、これまでの業務フローや業務手順を見直す企業も少なくありません。
業務フローや業務手順を見直すことによって、不要な工程を減らしたり代替案が出されたりするようになるため、業務の効率化につながります。
その結果、業務時間を短縮できるため、従業員満足度を向上させたりコストを削減したりすることが可能です。
従業員のさらなる成長に期待ができる
変化が激しい現代で活躍するためには、これまで習得してきた知識やスキルだけでは限界があります。
しかし、企業がアンラーニングを推進することで、新たな知識やスキルを習得できるため、さらなる成長に期待ができます。
その結果、従業員は業務に対するモチベーションが向上し、帰属意識が高まることで、定着率の改善にもつながるはずです。
企業がアンラーニングを推進するためのステップ
企業がアンラーニングを推進するための流れは、以下の4ステップです。
- 従業員一人ひとりに内省を促す
- 自分の考えや価値観を取捨選択する
- 学習できる環境を提供する
- 振り返りを行う
一つずつ解説します。
1.従業員一人ひとりに内省を促す
まずは従業員一人ひとりに内省を促しましょう。内省とは、過去に習得した知識やスキルを棚卸ししたり、自身の価値観を振り返ったりすることです。
自身が考える仕事における価値の基準やこだわりといった部分についても洗い出しておくとよいでしょう。
内省を促すために、自己を評価する機会を設けたり、ワークショップ等で内省の手順をレクチャーしたりすると効果的です。
2.自分の考えや価値観を取捨選択する
内省が完了したら、自分の考えや価値観について要るものと要らないものに分ける取捨選択を行います。
時代に即しているか、現在や今後の業務内容に合っているかなどを考えて選別していきましょう。
取捨選択する際には、物事を主観的ではなく客観的に捉える必要があるので、自分1人で決めるのは難しい場合もあるでしょう。
そのような場合には、上司やチームメンバーのサポートを得ながら進めましょう。
3.学習できる環境を提供する
従業員が自分の考えや価値観を取捨選択したあとは、新しいスキルや知識を学習できる環境を提供するようにしましょう。
社内研修を実施したり、外部のセミナーに参加させたりするなど、企業によって方法はさまざまです。
4.振り返りを行う
アンラーニングを推進してからある程度の期間が経過したら、振り返りを行います。
振り返りの方法としては、自己評価や面談の実施などが効果的です。
アンラーニングは一度実施したら終わりの施策ではないため、振り返りを行って問題点があった場合には、早急に改善しましょう。
企業がアンラーニングを推進する上で注意すべきポイント
企業がアンラーニングを推進する上で注意すべきポイントは、以下の4つです。
- 個人ではなくチームや複数人で行う
- これまで関わりのなかった人との交流を図る
- 学習すること自体は否定しない
- モチベーションを低下させないようにする
順番に解説します。
個人ではなくチームや複数人で行う
アンラーニングを個人で行うと、業務フローや業務手順を勝手に見直してしまい、業務の属人化が発生する可能性があります。
また、アンラーニングは長期的な施策であり、モチベーションを維持するのも大変なので、個人ではなくチームや複数人で行うようにしましょう。
これまで関わりのなかった人との交流を図る
アンラーニングで新たな知識やスキルを習得するにあたって、自分にはない価値観や考え方に触れることが大切です。
そのため、これまで関わりのなかった人との交流を図ってみましょう。
そうすることで、交流の幅が広がり、新たな人脈形成にも期待ができます。
学習すること自体は否定しない
アンラーニングは、これまで身につけていた知識やスキルのなかで不要なものを捨てて、新たな知識やスキルを習得するという取り組みです。
そのため一部の人は「新しく学習した知識が、今後のアンラーニングで不要になってしまうのではないか?」「学習する意味が無いのでは?」と考えてしまうかもしれません。
しかし、アンラーニングは学習を重ねることで成り立つ施策であり、そもそも新しい学習をしなければ、知識やスキルが深まりませんし、のちに取捨選択をすることすらできません。
そのため、学習そのものを否定してしまうことのないよう、注意しましょう。
モチベーションを低下させないようにする
アンラーニングは、最初に内省を促すことからスタートするため、「自分がこれまでやってきたことは正しかったのだろうか」という疑問が浮かび、これまでの仕事のスタイルが変わることに抵抗を感じる従業員もいるはずです。
その結果、モチベーションが低下する恐れがあるので、担当者はアンラーニングが従業員一人ひとりが成長する上で必要な施策であることをしっかり伝え続けましょう。
まとめ
本記事では、アンラーニングの基礎知識や企業がアンラーニングを推進するメリット・推進する上で注意すべきポイントなどについて解説しました。
企業がアンラーニングを推進することで、新しい価値観が生まれたり、業務の効率化につながったりするなどのメリットが期待できます。
アンラーニングを推進する際には、チームや複数人で行ったり、これまで関わりのなかった人との交流を図ったりすることを意識しましょう。
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