3つの事例から学ぶ、カンファレンス開催のポイントとは
社会人になると改めて何かを勉強する機会は、大変貴重なものです。変化のスピードが速い現代において、知識のアップデートはビジネスパーソンにとって必要不可欠です。そこで今、企業イベントの中でも着目を集めているのが「カンファレンス」です。
ビジネスの場ではカンファレンスは、「会議」や「協議」のことを指します。1日あるいは複数日開催され、参加人数も数十人~数百人、多い時には数千人にものぼる一大イベントです。専門的な知見を持つさまざまなゲストやスピーカーの話が聞けるため、学ぶ意欲のある方には最適の場です。
また、カンファレンスは開催企業にとっても、企業のブランディングや新たな顧客の獲得など、大きなメリットがあります。この記事では、カンファレンスについて、成功事例を交えて説明いたします。
目次
1. カンファレンスとは
具体的な事例について説明する前に、そもそもカンファレンスとは、何を指すのかを解説します。
★詳しくは先日掲載しましたブログ「カンファレンスイベントの意味とは?どういうことをやるのか」をご覧ください。
カンファレンスは「会議」や「協議」を現す、「conference」という英単語が語源です。ビジネス分野では、何らかの目的を持った会議や協議の事を指します。例えば、「経営カンファレンス」の場合、「経営のための会議」を指し、経営方針の決定や経営改善など経営についての今後のビジョンや課題を話し合う場になります。
同じく「会議」という意味を持つ単語として「ミーティング」がありますが、両者には決定的な違いがあります。それは会議の規模。ミーティングの場合、小規模な会議を指し、参加人数は数人~数十人程度です。一方、カンファレンスの場合は、まれに数人で行うこともありますが、数百人~数千人、時には数万人と大規模なものが多いです。
2. 成功したカンファレンス事例
カンファレンス特徴は上記の通りです。ではカンファレンスをより効果的で実りの多いものにするには、どうしたらよいのでしょうか。今までに成功し、話題になったカンファレンスの事例をもとに、くわしく説明いたします。
アジア最大級の企業イベントである「Tech In Asia Tokyo」は、自社メディアの「TECH IN ASIA」により、世界中の起業家、投資家、テクノロジー業界関係者を集客。有名企業社長による講演やパネルディスカッション、投資家とスタートアップ企業によるミーティングなどを実施しました。
イベントの最大のポイントは、普段はアポイントメントが取れないほどの著名人に、企業の規模に関係なく、アピールできるチャンスがあること。世界的なビッグネームを招聘するなど、参加者にとって大きなビジネスチャンスとなるよう、イベントを作っているのです。
また、イベント会社の活用も注目すべき点です。日本だけではなく各国のビジネスパーソンが参加するため、会場にはさまざまな文化やビジネス上の慣習を持つ人たちが集まります。ですので、全ての出展者や参加者が、気持ちよく利用できるイベントにするためには、グローバルなイベントの運営経験を多く持つイベント会社との協力が不可欠です。
このイベントが成功した主な理由は大きく2点あります。
・集客の工夫をした
こういったイベントの良し悪しは集客で決まる部分が大きいです。人が集まれば集まるほど、ビジネスチャンスや新たな知見を得る機会が増えるからです。また、集客の成功はイベントのネームバリューをあげる効果があります。このイベントの場合、自社メディアを活用し、ビッグネームを招聘することで集客に成功し、参加者にとって有益な場となりました。
・グローバルなイベントにふさわしい運営
イベントの満足度を向上させるには、配慮の行き届いた運営が不可欠です。特にグローバルなイベントの場合、参加者のバッググラウンドは様々です。誰もが安心して場を活用できるようにすることで、商談が活発になり、ビジネスチャンスも増えます。「また来たい」と思えるようなイベントにすることで、リピーターが増え、集客にも繋がります。
2-2.事例2~FileMaker(ファイルメーカー)カンファレンス2018~
FileMakerは、2018年11月に「FileMakerカンファレンス2018」を開催。FileMakerは、業務効率化のためのカスタムApp開発のプラットフォームを提供している企業です。
オープニングセッションでは、ビル・エプリング社長自ら、FileMakerの現状を紹介。Appleの100%子会社である点、主力製品のデータベースソフトのユーザー数やFileMakerに携わるデベロッパーの会社数など、具体的な要素を上げて、自社の信頼性をアピールしました。
その他、アンドリュー・ルケイツ氏によるスペシャルセッションでは、FileMakerの今後のビジョンを説明。カスタム Appの開発環境という従来の在り方から、仕事環境における課題解決のプラットフォーム「ワークプレイス・イノベーション・プラットフォーム」を目指すことをアピールしました。
このような充実したセッションを行う一方、会場内では公認デベロッパーを中心としたスポンサー企業によるミニブースの展示なども実施。デベロッパーと各企業の出会いの場も提供していました。
FileMakerカンファレンス2018の例から分かるように、カンファレンスは自社のブランディングや将来のビジョンを提示する場として非常に有効です。興味を持って来場した参加者に強くアピールできますし、WEBなどの文字情報では伝えきれない、熱意や誠意をしっかいり伝えることができます。カンファレンスの場は、多くの見込み客に対する売り込みのチャンスなのです。
このイベントの優れた点は次になります。
・デベロッパーと各企業の出会いの場を提供した
FileMakerを扱える社員を各々の企業で用意するのは難しく、導入にあたっての壁となります。しかし、このような出会いの場を提供することで、その壁はなくなり、自社製品の導入へと入り口が広がります。
「THE AI 2nd」とは、レッジが主催する大型AIカンファレンス「THE AI」の第2回目となるカンファレンスです。レッジとは、AI導入の現場の「発想と実装の間をつなぐ」ことを目的に、AIプロジェクトのコンサルティングや、AI特化型Webメディア「Ledge.ai(https://ledge.ai/)」などを行う、AIビジネスの最先端を走る企業です。
「THE AI 2nd」のコンセプトは、「未来ではなく、今のAIを話そう。」です。このカンファレンスでは「今」のAIのビジネスにおける活用について学ぶことが出来ます。登壇企業は、日本マイクロソフトやソニー、サイバーエージェントなど、日本のIT領域のトップランナーである企業ばかりです。
また、大学教授やメディアアーティストとして幅広く活躍している落合陽一氏による「超AI時代における、企業のあり方」というテーマの基調講演もあり、非常に充実した内容でした。
「THE AI 2nd」のポイントは、「未来ではなく、今のAIを話そう。」というキャッチコピーをつけている点です。どうしてもAIというと未来の技術というイメージがつきものですが、このキャッチコピーをつけることにより、「今役立つもの」というイメージを喚起することに成功しています。これまでAIに関心が薄かったビジネスパーソンにも訴求し、カンファレンスの集客に効果を上げています。
このように「この企業や人の話を聞きたい」と思わせるような魅力的なコンテンツを用意することが、カンファレンス成功の要因の一つといえます。
3.まとめ
カンファレンスとは、何らかの目的を持った「会議」や「協議」のことを指します。少人数で行われるミーティングとは異なり、数百人~数千人、時には数万人にものぼる参加者を集める大規模なものもあります。
専門的な知見を持つゲストやスピーカーの話を聞けるカンファレンスは、ビジネスパーソンが知識をアップデートする貴重な機会です。また、参加者同士やゲスト、スピーカーの交流や企業ブランディングの場としても非常時に有効です。
この記事では、カンファレンスの成功事例を3つ紹介しました。それぞれのイベントの成功のポイントは、以下の通りです。
(1) Teach In Asia Tokyo
・ビッグネームを招待し、参加者のビジネスチャンスの場を用意した
・さまざまな国からの参加者が快適に過ごせるよう、経験豊富なイベント会社の協力を仰いだ
(2)FileMakerカンファレンス2018
・自社のブランディングにつながるよう、会社のトップの講演会を実施した
・自社製品の導入を促すため、各企業と自社製品のデベロッパーの出会いの場を提供した
(3)THE AI 2nd
・「未来ではなく、今のAIを話そう。」というキャッチーなコンセプトで、興味喚起に成功した
・著名な登壇企業や登壇者をアサインし、集客につなげた
自社でカンファレンスの開催を検討される際は、ぜひ参考にしてください。
参考
・TRANS.Biz~「カンファレンス」の意味は?英語・医療・ビジネスの使い方を解説~
・kuguru~「カンファレンス」意味は?どう使う?ミーティングとの違いも解説!~
・newsbase,inc.~日本のスタートアップ企業を世界につなぐ~
・マイナビニュース~IoT時代も見据えた進化を続ける「FileMakerカンファレンス2018」開催~
・ニコニコニュース~レッジが主催する「今」のAIを語るカンファレンス「THE AI 2nd」全登壇企業が決定~
・PR TIMES~レッジが主催する「今」のAIを語るカンファレンス「THE AI 2nd」全登壇企業が決定~