社内イベントを企画する方法。職場のコミュニケーションを活性化するアイデアとは
「お客様じゃないし、社内の人間同士だから」「売り上げに関係するわけではないから」
といって、社内への気配り、心配りを忘れていませんか?
企業における従業員満足度や生産性向上のために「社内イベント」の有用性が注目されています。「社内イベント」とはいえど、周年イベントや表彰式、レクリエーションや飲み会などその形態はさまざまです。
社内イベントの真のメリットとはいったい何でしょうか?また、社内メンバーが本当に満足を得られるイベントにするには、どうしたらよいのでしょうか?
イベント運営者のプロの視点から、実際の成功事例を踏まえて社内イベントのメリットとその魅力を解説します!
目次
社内イベントは社員にどう思われている?
まず、JTBグループのJTBコミュニケーションデザインが実施した「社内イベントに関するコミュニケーション調査」の結果をご紹介します。
この調査は、社員同士の交流の場となる社内運動会やパーティー、周年記念イベントなどの「社内イベント」について分析したものです。
全体の58%が社内イベントに肯定的
調査の結果によると、「社内イベント」について全体の58%が肯定的でした。
その理由として「人と直接会って話ができる良い機会」という意見が多く、「職場コミュニケーション」「部門間連携」「モチベーション」の向上に効果があるとの意見もありました。
特に、性別では女性の67%、年代別では30代の73%が「良い機会」と回答しており、「社内イベントは、社長など経営陣から直接話を聞く良い機会だと思う」と思っていることがわかりました。
そして、参加したいイベントとは、「感動する社内イベント」が68%と最も多く、以下、「豪華な施設や食事などが設定された社内イベント」(67%)、「社内のいろいろな人と話ができるイベント」(67%)、「何かを学んだり、学びを仕事に活かしたりできる社内イベント」(66%)という回答がほぼ同じ割合で挙げられました。
この結果からみると、社内イベントに求められることは、会場や食事のインパクトだけでなく社員同士で話したり学んだりという「主体的なコミュニケーション」のようです。
社内イベントに参加したくない理由は「めんどくさいから」
一方、参加したくない社内イベントとしては、「社員が、自分の手で作り上げる社内イベント」が55%と最も多い回答でした。
以下、「体を動かしたり、スポーツなどをする社内イベント」(48%)、「会社の方向性と一致したテーマやコンセプトの社内イベント」(47%)、「最新のテクノロジーを使った目新しい社内イベント」(46%)が、ほぼ同じ割合で挙げられています。
この結果に対し、JTBコミュニケーションデザインでは、「プロジェクトに巻き込まれたら嫌だ」と、業務の多忙さから「めんどくさい」と危惧している可能性があると推測しています。また、手作りのイベントに対して、イベントの質や内容に満足できていない可能性があるとしています。
※引用)「社内イベントに関するコミュニケーション調査」JTBコミュニケーションデザイン
社内イベントで何を得られるか?
「社外」ではなくあえて「社内」にコストを費やす社内イベントは、どのような効果が期待できるのでしょうか?
社内イベントのメリットを大きく3つに分けてご紹介します。
社員同士の”社内コミュニケーション”が活性化
社内イベントを開催することで、部署や役職を分け隔てなく交流できる「コミュニケーションの場」を提供、いわゆる社内活性化を目指すことができます。
通常業務であれば、上司や部下の「タテ」の関係、部署間で業務をおこなう「ヨコ」の関係など、に狭まりがちなコミュニケーションに、社内イベントでは「ナナメ」の交流を生み出し、凝り固まった関係性を緩和しやすくなります。
さらに、近年ではメールや電話のやりとりが増え、顔を合わせたリアルコミュニケーションの機会が減っています。メールや書面でしかやりとりのないメンバー同士が、イベントで互いに顔を認識することで、日常における自然なコミュニケーションを促進します。
社内イベントを通して生まれた社員同士のコミュニティは、業務面においても依頼や相談を円滑に進める役割を果たし、業務効率改善の一助となります。
経営方針・事業ビジョンの共有
社内イベントでは、企業経営における方向性やビジョンの共有が可能です
とくに、仕事上でリアルコミュニケーションが少ない経営陣や役職者のことばを直接届けることができるため、末端社員にとっても会社の経営状況や方針を知る貴重な機会になり得ます。
普段はそれぞれの担当業務に専念する社員が、企業経営の一端を成しているという実感を持つことができれば、企業全体の一体感や連帯感の醸成に大きく寄与します。
一人一人の力があつまり、企業として高いパフォーマンスを発揮するという共通認識によって、組織力の強化が見込まれます。
従業員モチベーションの向上
働く人々が主役のイベントを開催することで、従業員のモチベーション向上を図ることができます。
とくに表彰式やコンテストといった社員がメインで参加する社内イベントでは、より直接的にモチベーションへ働きかけることができます。
イベントの内容が充実しているほど、社員は会社への愛着が湧きやすく、結果として離職率の低下や業務生産性の向上の効果も期待できます。
社内コミュニケーションが、今重要視されている理由
なぜ社内イベントなどを通じた組織内のコミュニケーションの活性化に注目が集まっているのでしょうか。
そこには、組織としてビジネスを円滑に進めるための大切な要素が含まれているからです。重要視される理由をご紹介します。
人材不足による人材難の解消
社内コミュニケーションを活性化させる目的の一つに、日本国内企業が抱える「人材不足」を解消させる効果が期待されています。
現在国内では、有効求人倍率が高く、多く企業が求人を出すものの、労働者が集まらない「働き手不足」が顕著に表れています。また大手企業でも人材難による対策は急務となっており、こうした中で社内コミュニケーションは絶大な効力を発揮します。
社内コミュニケーションは、今いる人材の自律性を保ちつつ、互いに協調し合い、組織全体に秩序や競争力を生み出す効果をもたらします。これは社内コミュニケーションが円滑に行われているからこその体系化となります。
単に「社内でのコミュニケーション」と短絡的に受け取るのではなく、広範囲にわたって効果を発揮する1つのツールとして社内コミュニケーションを捉える必要性があります。
迅速な情報共有による生産性の向上
社内コミュニケーションは、従業員個人に対してだけでなく、チームや部署などのグループにも一定の効果を発揮します。
コミュニケーションが円滑になることで、不要なミスが減り、結果として生産性の向上や、業務の効率化が図れます。
また従業員「参加型」の社内イベントを開催することで、新たなコミュニケーションや企業風土が醸成され、日々の業務においても新たなイノベーションやクリエイティブな発想など、これまで生まれなかった画期的なアイデアに繋がる可能性も秘めています。
人材の多様性を認め合う風土作り
これまでの経営や仕事であれば、従業員間に階層的な階級や関係性を設けて、単純な業務を「縦割り」や「横割り」など部門別にわけて仕事をしてきました。
しかし現在では多くのグローバル企業が、多種多様な人材や価値観を受け入れ、単一的な仕事から、創造的(クリエイティブ)な仕事を遂行することにシフトしている風潮が見受けられます。
そのため、一昔前より濃密な関係性とともにフラットな組織づくり、多様性を受け入れる雰囲気作りが急務となっています。これまで社内コミュニケーションに重きを置いていなかった組織でも、コミュニケーションの見直しや、経営スタイルの変更が余儀なくされています。
離職率の改善
企業における喫緊の課題として常態化している問題が、社員の離職率の高止まりになります。そのため社員の定着率を上げるには下記に記載する内容が必要となります。
「相談しやすい人間関係の構築」
「自闊達な社風の醸成」
組織や職場における従業員間のコミュニケーションが円滑になることで、社員の満足度が高まり、組織に対する帰属意識が深まることで、離職率の低下に繋がっていきます。
そのツールの一つとして社内イベントを活用することで、社員間の接点を設けて、仕事の満足度だけでなく、会社に対する満足度も同時に高めることができます。
職場のコミュニケーション活性化
社内コミュニケーションを正しい方法で取れれば、職場のコミュニケーションの活性化につながります。職場のコミュニケーションが活性化することで連絡等が円滑になり、業務の効率化にもつながり、社員の業務へのモチベーションも高く保てるようになります。そのため、社内コミュニケーションがとても重要です。
休憩時間などに社員がコミュニケーションがとりやすくなるように社内のレイアウトを変えてみることもおすすめです。中でもコミュニケーションを取るためのフリースペースなどを用意することも職場のコミュニケーション活性化につながります。
現在はITツールを駆使してコミュニケーションを取ることも可能な時代になっているため、社内コミュニケーション用のITツールの導入もおすすめです。また、ITツールを駆使してコミュニケーションを取る場合は、ITリテラシーの低い社員でも利用が可能な設計がシンプルなものを選ぶようにすることで、より多くの社員がITツールを駆使してコミュニケーションをとることが可能になります。
このようなことから、職場のコミュニケーションを活性化させるためにはさまざまな方法があります。ぜひ一度試してみてください。
社内イベントの企画案やアイデアをご紹介
社内イベントを行うのであれば、コミュニケーションが活性化しやすいイベントを企画するのがおすすめです。
社内イベントは、別の部署・部門など、話す機会が少ない社員同士が話すきっかけとなります。そのため、社内コミュニケーションの活性化や社員のモチベーションアップなどの効果が期待できます。それは結果的に、業務効率アップにもつながることでしょう。
従来はどこか会場を借りて行う、いわばオフラインの社内イベントが中心でした。一方、近年ではインターネットの普及や技術進歩もあり、オンラインで社内イベントを行うケースも増えてきています。
オンライン、オフラインはそれぞれ違った特徴があるため、企画案もそれぞれに合ったものを考えることが大切です。ここでは、オンラインとオフライン、それぞれの社内イベントで定番の企画案やアイデアを紹介します。
オンライン開催の場合
オンラインイベントは、チャットツールなどを使ってリモートにより行うのが一般的です。以下ではオンラインでよくある社内イベントの企画を紹介します。
■オンライン表彰式
まずは、オンライン表彰式についてご紹介します。オンライン表彰式は、オンラインで行うため、社員が参加しやすいことが特徴です。オンライン表彰式の内容としては、Zoom等のITツールを駆使することで社員がリモートで参加します。そして、業務で結果を残した社員をオンラインで表彰するのです。
オンライン表彰式の良い点は、リモートワークによって分かりづらくなった社員の業務貢献度を把握できることです。自分は会社から見られている、ということも表彰式を通じてわかるため、受賞するしないにかかわらず社員と会社にとって良い企画です。
■オンライン社員総会
オンライン社員総会は、その名の通り、オンラインで行われる社員総会です。従来の社員総会は、社員全員が入る場所を借りる必要がありましたが、オンラインで行うことで場所を借りる必要がなくなります。また、従来の社員総会では会場まで足を運ぶのが面倒という方が多かったのが事実ですが、オンラインで行うため、このようなことも心配する必要がありません。
社員総会を行うことで会社が目指していることやこれからやりたいことなどを社員全員で認識できるため、業務が円滑になり、効率的にもなるため、とてもおすすめです。オンラインで開催できるため、一度試してみるのはいかがでしょうか。
■オンラインゲーム大会
普段は業務をしている仲間たちとオンラインでゲーム大会を行うことで、普段とは別の一面も見られるため、社内の雰囲気が良くなります。オンラインで行うため、だれでも自由に参加できます。また、部署の違う方とも共通のゲームの話題でコミュニケーションが取れるようになったりと良いことが多いです。
オンラインゲーム大会は、先ほどご紹介した2つとは異なり、業務という感覚ではなく遊びという感覚で参加できることもよいところです。オンラインゲーム大会を行うことで、家にいながらも普段の業務でのストレスなども発散できますし、気分転換をすることができます。家事の合間に参加する、というようなこともできるのでおすすめの社内イベントです。
オフライン開催の場合
続いてオフラインでおすすめの社内イベント企画を紹介します。
■運動会
オフラインイベントとして根強い人気を誇るのが、社内運動会です。規模が大きい・歴史ある企業を中心によく行われています。
運動会を実施する場合、参加規模によっては会場手配などに手間や費用が多くかかります。しかし、身体を動かして適度に汗をかけるので、リフレッシュになりやすいイベントです。また、部署ごとにチーム分けをすれば、社員同士でコミュニケーションが活性化しやすいのも運動会の特徴です。
自社で会場の手配などが難しい場合は、イベント開催をサポートするサービスなどを活用することをおすすめします。
■ファミリーデー
ファミリーデーとは、社員の家族を自社に招いて、企業見学を中心にさまざまなコンテンツで楽しんでもらうイベントです。
誰でも会社での姿と家族に見せる顔は違いがあります。イベントをきっかけに、企業の取り組みや仕事内容を家族に知ってもらえば、家族関係はこれまでと違った盛り上がりを見せることでしょう。社員も自らの仕事に改めて誇りを持てるようになり、モチベーションを高めて仕事に臨めるというメリットもあります。
イベントの準備はそれほど手間がかかりませんが、実施のメリットは数多くあるためおすすめです。
■スポーツ観戦
スポーツ観戦も社内イベントとして人気のあるコンテンツです。
前述の社内運動会だと、「運動が苦手…」という社員にとっては面倒なイベントだと思われてしまうかもしれません。しかし「動くのは嫌だけどスポーツを観るのは好き」という人は意外と多いものです。そのため、より多くの社員が楽しみやすい企画といえます。
一つのスポーツに固執するのではなく、種目ごとに希望者を募れば幅広く楽しめます。また、同じスポーツが好きな社員同士でコミュニケーションも活性化することでしょう。
観戦費用を企業側が負担すれば良いので、会場準備の手間はかからない点も大きなメリットです。
■ランチ会
近年、多くの企業で実施されている社内イベントといえば、ランチ会です。食事をしながら気軽に社員同士でコミュニケーションを取れるのが特徴です。
似たような飲食を伴う社内イベントとして飲み会がありますが、こちらは夜に開催するため「仕事の時間以外も付き合いがあるのは嫌」という社員に敬遠される傾向にあります。しかし、ランチ会であれば、職場で過ごす時間内で行えるため、社員にとってはハードルが低く参加しやすいイベントといえるでしょう。
部署や上下関係が異なるグループで行うシャッフルランチであれば、社内コミュニケーションがより活性化されやすくなるので検討してみてください。
社内イベントを成功させるためにすべきこと
社内イベントをおこなうにあたり、企画・運営をするにはどのような準備や体制が必要なのでしょうか?
はじめての社内イベントでも安心の、事前に知っておきたいイベント運営のポイントをお伝えします。
社内イベントの目的を明確化する
まずは社内イベントを実施するにあたり、中核となる目的を決定しましょう。
そもそも会社組織の目的は、「会社の業績を上げ」「売り上げに貢献する」ことです。社内イベントの開催は、これら「会社組織の目的達成する」ことの一助として位置付けられるものです。
社内イベントを介して、会社組織の目的にどのように成果をもたらすのか、しっかりと認識をしておくことが何よりも大切です。社内イベントは多方面のメリットがありますが、可能なかぎり一つの目的に絞り、軸のブレない運営体制が理想的です。
<社内イベントの目的例>
- 懇親会やコミュニケーションの機会の増加
- 表彰式や大会などモチベーション向上
- 経営報告や方針発表で社内の共通認識を醸成
社内イベントはあくまで「手段」であり、「目的」ではありません。
開催や運営に注力しすぎて、企業組織の本来の目的を見失いなわないよう、社内イベントが課題解決や、業績向上のための一手段として適合する目的を設定しましょう。
また、目的が明確になることでイベント内容も企画しやすく、費用対効果の向上にもつながります。
運営メンバーの体制を整える
社内イベントを運営するには、複数人の運営メンバーをあつめることが必要です。
自薦他薦は問いませんが、できる限り広報、人事、総務など社内で広範囲に交流を持てる部署メンバーがいると心強いです。
また、多様な社員の意見が取り入れるため、年齢や性別、入社歴など幅広いメンバーをバランスよく配置できれば、より満足度の高いイベント企画につながるでしょう。
集まったメンバーは、中核となるメンバーをメインに各部門との調整役や事務方・実行部隊など、それぞれのセクションを割り振りましょう。
運営の役割
運営メンバーには、以下のような役割を担当してもらうようにしましょう。
- イベント内容の企画
- 当日の段取り、スケジュール作成
- 参加者名簿作成
- 参加の案内や告知
- 会場のマップや案内図作成
イベント内容の企画を練る
どのようなイベントを実施するか、イベントの目的に応じて企画を練りましょう。
社内イベントにはさまざまなパターンがあるので、例をご紹介します。
<イベント内容例>
- 表彰式やコンテスト
- 勉強会やセミナー
- キャンプ、バーべキュー
- 運動会
- 遠足
- ハロウィンやクリスマスといった季節ごとのパーティー
- 新年会、忘年会
- 周年記念パーティー
社内イベントといえど、その規模やバラエティは多種多様です。
イベント企画の大まかな流れは以下の通りになります。
- ① 運営メンバーの配置
- ② イベント概要作成
- ③ 会場手配
- ④ イベントの企画検討
- ⑤ イベントの企画準備
- ⑥ 当日の案内および告知
- ⑦ 当日のアテンド、運営
上記の一連の動きを見える化し、各担当ごとに準備を進めます。
また、どこまでの業務を自社でおこない、外注するかどうかの検討も必要です。
コンテンツのデザインや食事の手配、イベントの司会やレクレーションなど、予算に合わせて外注すべき費用をイベント企画段階で洗い出しておきたいところです。
参加人数や日取りを合わせ、運営メンバーと検討を重ねましょう。
会場やコンテンツを用意する
また、イベント開催には必ず場所やツールの準備が必要となります。特に会場の選定はイベントの良し悪しを左右しかねません。
段取りがスムーズとなるよう、「アクセス利便性」や「日時」の都合がつく場所を選びましょう。
大人数を収容する会場であれば、貸会議室やホテル、レストランなど人気の高い会場は、予約が埋まりやすいので注意が必要です。
また、下見をしないまま闇雲に会場を決めてしまうことは避けましょう。イベント当日になって、アクセスの悪さや、照明の暗さ、会場の狭さなど不備が見つかる可能性があります。
イベント会場を選定する際は、複数の候補地を挙げ、なおかつ下見をすることが懸命です。もし万が一希望の会場が予約で埋まっていたとしても、他の候補地があれば安心です。
また、会場の準備だけでなく、イベントに必要不可欠なコンテンツの用意も忘れてはなりません。コンテンツは、式典スタイルものから、イベント参加型のもの、バンド演奏や運動会など幅広くありますので、最初に掲げた「社内イベントの目的」に照らし合わせたコンテンツを用意しましょう。
また、内容の企画だけでなく、当日使用する備品も含め、マイクやひな壇、音響やスクリーンなど事前に会場担当者と打ち合わせをし、追加料金や予約の有無などを確認しておきましょう。
社内イベントを企画する際に注意すること
さて、ここで社内イベントを行う上での注意点がいくつかご紹介します。
目的を明確にすることが最大の注意点
まず、イベント開催において最も注意すべき点は、目的を明確にすることです。ただ単に、「他の会社がやっているから」、「毎年開催しているから」、など明確な目的を持たないイベントを開催しても、全く効果がないと言っていいでしょう。
業務の片手間で企画・運営することもNG
また「社内イベントの企画・運営」を業務の片手間として行うこともNGです。そもそも、社内イベントとは、従業員のモチベーション向上させるためのものです。それが、企画・運担当者の本業務の時間を割いてしまい、阻害する要因となってしまっては、本末転倒です。逆に、従業員のモチベーションが下がってしまいます。
さらに、そうなってしまうとイベントの目的が変わってしまう可能性もでてきます。つまり、企画・運営を任された従業員にとっての目的が、「本業務に時間を割くために社内イベントの企画・運営をする」といったことになってしまうからです。
このため、社内イベントの企画や運営を他の従業員に任せる場合は、「従業員のモチベーションを上げる」や「この欲求を満たす」といった目的を明確にして伝えることが必要です。
そして、担当者に「片手間でやらされている」と思わせない工夫や配慮も大切です。
参加者の満足度を上げるには
企画通りに社内イベントを実施しても、参加したメンバーの満足度が低ければ、せっかく費やしたコストや労力も無益となってしまいます。
社内イベントがより有益性を増すために、イベント参加者の満足度を高めるポイントをご紹介します。
社員の負担が少ない
イベントに参加する社員の負担を考えたイベント内容を企画しましょう。
社内イベントのすべてが業務時間内におこなえるとは限らず、場所の移動も含め、社員の都合を考慮して、負担にならない日時・場所の調整をしましょう。
特に以下の点に留意して下さい。
・介護や育児など家庭の仕事を抱えている社員
・遠方から通っている社員
・普段から会社でのコミュニケーションが少ない社員
以上のような社員がいた場合も、参加のしやすい場づくりが重要となってきます。
日取りやアクセスの悪さ、参加のしにくさから実際のイベント参加率にも影響を及ぼす可能性があるため、社員の負担が少ないイベント条件を吟味しましょう。
社員を巻き込む参加型のイベント
社内イベントの満足度を上げるには、メンバーを巻き込み「参加型」のイベントであることがポイントです。
経営陣や司会者が一方的に話をするセミナー形式のイベントでは、社員にとってただの退屈な時間になる可能性があります。
もちろん会社のメッセージを伝えることは重要ですが、参加者の満足度を上げるためには、アンケートやゲームといった、参加者が主体性をもって楽しめるコンテンツを導入しましょう。
たとえば、各部門担当者のトークセッションや、各社員を特集した映像制作など、参加者自体が主役となるコンテンツは特に有効性が高いです。
会社と社員の双方参加型であることが、社内イベントを成功させるカギです。
イベント前の告知を徹底
参加者の興味関心を高めるために、社内イベントの事前告知を工夫しましょう。
早い段階で告知するなどしてイベントの事前告知に力を入れることで、社員のスケジュールを押さえやすくなるうえ、イベント内容を魅力的に伝えれば社員の参加意欲を高めることにつながります。
また、日々の業務に追われているなか、一度の告知だけでは全社員には浸透しにくいのも事実です。
複数回に分け、徐々にイベントに対する関心度が高まるようなアプローチが有効でしょう。
一例としては「カウントダウンメール」で、イベント数日前から社員紹介やアンケートを実施し、参加者にイベントの意識付けをおこなった企業もあります。
社内メンバーを上手に巻き込み、情報発信による参加意識の醸成を目指しましょう。
社内イベントの参加率に課題がある場合は、以下の記事もご参考ください。
関連記事:【社内イベント】参加率を上げるためのポイントや開催するメリットについて紹介!
各企業の社内イベント事例
イベント会社ニューズベースでは、過去さまざまな企業様においてオリジナリティあふれる社内イベントを実施してきました。
最後に各企業の社内イベントの事例をご紹介します。
株式会社ドミノ・ピザ ジャパン
株式会社ドミノ・ジャパンでは、25周年を記念する社内イベントをおこないました。
イベントテーマ「オアシス」のコンセプトをもとに、日々働く社員メンバーがやすらぎを感じ、その仕事に誇りを抱いてもらうアイデアをふんだんに取り入れたイベントとなりました。
周年イベントによる社員への労いが、組織の一体感を醸成する社内イベントの例です。
株式会社柿安本店
株式会社柿安本店では、年に1回「柿安本店料理コンテスト」を実施しています。
社員・パートの区別なく全員参加型の本イベントは、メンバーの「味」へこだわりが、新しい商品開発の一助となるほか、参加者の成長意欲ややりがいを促す双方のメリットが生じます。
それぞれの日々の取り組みや感性が評価される場が与えられ、メンバーが日々成長をしつづけることができます。
社内イベントは、このように企業の目的に合わせてカスタマイズが可能で、会社・社員一体となったオンリーワンの空間を実現することができます。
今回ご紹介した社内イベント成功のポイントを、ぜひ取り入れていただければ幸いです。
まとめ
社内イベントは、時間や費用をかけてでも、企業運営に有益なメリットをもたらす大切なツールとなります。しかし、ただありきたりなイベントを定型に当てはめて企画運営しても、本当に企業の求めるメリットが得られるかどうかわかりません。
企業の目的をしっかりと明確化し、そのために社員が主体性をもって参加できる場づくりが重要です。また、ITツールを駆使することでオンラインでのイベントを開催も行えるため、より多くの社員がコミュニケーションを取ることが可能です。ぜひ一度試してみてください。