イベント開催での制作費用はいくらかかる?予算や内訳を解説
研修、セミナー、会社説明会やキックオフ、表彰式、周年イベントなどの企業イベントを企画運営されたことはありますか?おそらく、ほとんどの方がイベント担当者、イベント運営経験がないと思います。
もし上記のような企業イベントを企画・運営することになった際に、社内にイベント運営経験者がいないとなると、企画や制作物かかる費用計算や、イベントの費用対効果がどれほどあるか、などの計算判断は難しいでしょう。また、最近はITツールなどを利用したオンラインでのイベント開催も増えてきています。
本記事では企業イベントを運営する際に重要となる制作コストについて、4つのポイントに注目して解説していきます。
目次
イベントの費用構造
イベントを開催する場合「いつ、何を、どこで、どのようにどれだけやるのか?」といった企画を立案しなければなりません。
小規模なイベントやセミナーから数千人、数万人単位で集まる展示会や説明会まで種類や参加者人数は様々ですが、どの場合にも必要不可欠なのが「場所」「人」「モノ」です。それでは会場費、運営費、講演関連費、機材費に焦点をあてて説明していきたいと思います。
また、最近はオンラインでのイベントやセミナーの開催が注目されています。オンラインでのイベントやセミナーの場合には、従来のイベントとは費用の掛かる部分が変わってきます。オンラインでのイベントやセミナーの開催にかかる費用も考慮して説明していきます。
イベント開催にかかる費用の相場とは?
イベント開催にかかる費用は、そのイベント内容・規模の大きさ・特別な要望の有無などさまざまな要因で変動します。以下でよくあるイベントとその相場目安について解説します。
セミナーや講演会
セミナーや講演会などでかかる費用相場は、50~80万円くらいが目安です。主にかかる費用は会場費で、その他に音響機材・映像機材のレンタル費用、出演者への謝礼などが挙げられます。
会場の規模によってかかる費用は大きく変動し、例えば公共施設を使用するのであれば、相場よりも費用を抑えてイベント開催可能です。
周年イベント・パーティー
企業の周年パーティーなどの各種パーティーを開催する場合の費用相場は、100~200万円くらいが目安です。主に費用がかかるものとして会場費、飲食費、記念品、レンタル器材費用などがあります。
また、ゲストとして芸能人などの著名人を呼ぶ場合は、その費用もかかります。
商品・サービスのPRイベント
商品・サービスのPRなどのイベントを開催する場合の費用相場は、200~350万円くらいかかるかもしれません。会場費用、試供品費用、レンタル器材費用、演出家の手配、コンパニオンの人件費などが主にかかる費用です。
アンバサダーやゲストとして著名人や芸能人を招待している場合はさらに費用が上乗せされます。
項目別の費用一覧・内訳
イベントやセミナーで必要不可欠な会場費、運営費関連、講演費関連、機材関連費に焦点をあててどのくらい費用がかかるのか説明していきます。また、オンラインでのイベントやセミナーの開催の場合にかかる費用も説明していきます。
イベントやセミナーを成功させるためには、かかる費用が具体的な程よいので参考にしてください。
会場費
会場費は主に以下の3つの条件によって変動します。
1. 参加者数(イベントの規模)
2. 立地条件(場所)
3. 季節(繁忙期・閑散期)
例えば参加者100名規模のセミナーの場合は、一般的な会場費は15万~30万円程度と言われております。このように、どのようなイベント・セミナーを開催したいかによって条件も変わってくるため、金額が大きく変動していきます。
具体的な費用を知るには、参加者人数と開催日時を使用したい会場へ連絡し聞いてみるのが一番ですが、ここで注意をしなければならないことがあります。
それは、会場費はイベント本番に使用する時間帯だけにかかるものではない、という事です。
例えば、会場を予約する際に
「1日利用した場合の会場費はおいくらですか?」
と聞いて
「30万円です。」
と答えが返ってきても、その金額が会場を準備する時間を含めたトータルの費用なのか、またはイベント本番のみに掛かる費用なのかによって大きく金額が変わってくるため、必ず確認する必要があります。また、会場がホテルの場合は会場費に別途サービス料が加算される場合があるので気をつけなければなりません。
会場を予約するタイミングについて補足させて頂くと、イベント実施計画のごく初期段階で会場を予約するというのが一般的です。使用してみたい会場があれば、6ヶ月前には仮予約をいれると良いでしょう。1年後に予約をいれようとしても、そもそも予約が出来ない会場が多くあります。
オンラインでのイベントやセミナーの場合には、ITツールを利用してリモートで行うため、会場の予約などの必要がなくなります。そのため、オンラインでのイベントやセミナーの開催の場合には、会場の予約やレンタルにかかる費用が不要になり、他の部分に費用をかけられるようになります。
また、オンラインでのイベントやセミナーの開催の際、特別な雰囲気を出すため、会場の予約やレンタルが必要になったとしても、開催者とスタッフが入れる広さの会場で済むため、コストの削減につながります。
詳しくは弊社ブログ「企業イベントは「会場選択」が重要!失敗しないイベント会場の探し方」を参考にしてみて下さい。
企画費
企画費は、イベント会社などに企画・立案を依頼するケースでかかる費用です。費用相場は10~50万円くらいかかることがあります。実際の金額は企画立案をどこまで依頼するか、イベントの規模、準備にかかる期間なども踏まえた上で決まります。大規模で準備期間が長いイベントは、企画費も大きくなるのが一般的です。
人件費
イベントを開催する場合、スムーズに進行するためにも運営スタッフは欠かせない存在です。
イベント運営スタッフは大きく「運営関係」と「進行関係」の2つのグループに分けられます。
運営関係:受付、各種誘導、接客、配布物対応などのオペレーションを行うポジション
進行関係:司会進行、司会サポート、登壇者アテンダント、ステージアシスタントなど主にステージ関係でのオペレーションを行うポジション
イベントの規模などにもよりますが、受付や誘導などの運営関係のスタッフは自社社員でもまかないやすいです。
一方、司会進行やステージアシスタントなど、イベントの進行に携わるスタッフは、経験者でないと対応が難しいものです。そのため、ほとんどの場合は外部委託します。スタッフ1人あたり、1日25,000~35,000円くらいが費用相場と言われています。
また、各種スタッフが効率的に動くために指示を出すディレクターも必要です。運営ディレクターは一般スタッフよりもスキルがあるため費用も高く、1日に35,000~50,000円ほどが相場となります。
さらに、大規模なイベントになるとそのディレクターを統括する統括ディレクターが必要になります。こちらの費用感をさらに詳しく知りたい方は、「企業イベント費を計算しよう。プロが教える見積内容と費用感」に詳細を掲載しておりますので、御覧ください。
制作物にかかる費用
各種制作物にかかる費用については、イベントの規模感によって変動します。制作物としてよくあるのは、以下のようなものです。
- 工程表:プロデュース費に含まれることが多く別途支払うことは少ない
- 運営マニュアル・計画書:10~30万円くらいが相場
- 進行台本:10~30万円くらいが相場
- 進行スライド:5~15万円くらいが相場
- 動静表やスケジュール:5~15万円くらいが相場
講演費関連
イベントによっては自社代表や自社講師だけではなく、外部講師への講演依頼をする場合も多くあります。一般的な講演の相場は、おおよそですが5~10万円程の費用となりますが、絞られている、限られているジャンルの権威者であったり業界で有名な方になると、20~30万円、さらにテレビや雑誌などで有名な方をゲストスピーカーとして呼ぶ場合は、50~200万円と、認知度が高さ、講演者のランクによって大きく金額が上がります。
また、講演費の内訳は、謝礼金だけではありません。講演費には、交通費(宿泊が必要な場合は宿泊費)などの諸経費は含まれていない事が多く、仮に海外から講師を招聘する場合は渡航費用まで加算し想定しておかなければなりません。
ただ注意が必要なのが、講師の知名度や費用だけで直感的に判断してしまうとイベント全体の満足度が下がってしまう可能性があります。ただ有名だから、といって高い金額を出して有名な方をゲストとして呼んだとしても、イベントとセミナーのテーマに合わなければ、主催者が望む効果的なイベントを開催することはできません。
まずは、その人物に講師を依頼する目的をはっきりとさせ、「イベントの目的」「参加者に伝えたい点」などを伝えて講演者を選定しましょう。
オンラインでのイベントやセミナーの開催の場合でも、講演費関連に費用がかかります。従来のイベントやセミナーでは、講師の方が会場に足を運ぶ形で行われていましたが、オンラインでのイベントやセミナーの開催の場合には、講師の方をリモートで呼ぶことが可能です。そのため、講師の方にかかる負担や交通費などのコストの削減にもつながります。
しかし、オンラインでのイベントやセミナーの開催では、従来のイベントやセミナーのように直接的ではないため、内容が伝わりにくいというデメリットもあります。コストの削減によって余った費用をイベントやセミナーがより良くなるように利用することがオンライン開催でも成功させる秘訣になります。
このようなことから、妥協してはいけないところにはとことん費用をかけ、良いイベントやセミナーが開催できるようにしましょう。
機材関連費
イベントを運営するのに欠かせないもの、それは音響や映像の機材手配です。
例えば会場の様子を会場のどの場所にいても見やすいように投影するスクリーンやプロジェクター機材、ライブカメラを設置する工夫や、ステージ周辺の機材などにかかる映像機材費、照明機材費、音響機材費など、イベントの内容によってあらゆる機材が必要となってきます。また、スモークをたきたい、スポットライトを設置したい、など実現したいコンテンツの演出によって必要な機材が変わってきます。
もし以上のような機材が必要になる場合、機材に必要な電源を工事して設営しなければならない可能性などもあるので注意しましょう。また、設営する準備のための人件費、機材運搬費用、レイアウト図面の作成費、設営が夜間になる場合に必要なスタッフの宿泊費や出張費、交通費なども必要になってきます。
オンラインでのイベントやセミナーの開催の場合には、従来のイベントやセミナーで利用する機材に加え、高性能なWebカメラや通信環境が必要になります。リモートでトラブルが発生しないようにするためにも機材や通信環境の確保のために余裕のある予算取りをおすすめします。
また、オンラインでのイベントやセミナーを開催する前に何度かリハーサルを行い、機材のトラブルが起こらないのか慎重に確認しておきましょう。
広告宣伝費
イベントに伴い、広告や宣伝を行う場合にかかる費用です。例えば、DMの送付、フライヤーのデザイン・製作・配布などに費用がかかります。自社で制作・配布する、SNSを活用するといった施策を行えば、費用を抑えることができます。
逆に、広告に芸能人を起用するなど、かけようと思えばいくらでもかけられるのが広告宣伝費です。
その他費用
他にもイベント開催時には以下のような費用がかかります。
- 造作・施工費:会場の見た目に関するさまざまな費用です
- ケータリング:出演者や関係者、運営スタッフにドリンクやお弁当などを手配する場合の費用です
- 宿泊手配:出演者や招待ゲストのための宿泊にかかる費用です
- 警備関連:大規模なイベント開催時に警備会社へ依頼する場合にかかる費用です
- イベント管理システム:受付やチケット発行などの管理を行うシステムの利用料です
- 運営雑費:運営に関するさまざまな費用です
- 管理費:イベント会社に支払う費用です
イベント費用内訳
イベントやセミナーの開催にかかる費用は、会場費や運営費関連、講演費関連、機材関連費以外にもさまざま場面で費用がかかります。ここでは、イベントやセミナーの開催にかかる費用の内訳をオフラインとオンライン開催別に紹介します。
まずは、従来のオフラインイベントやセミナーの開催にかかる費用の内訳からです。必要な項目とそれを用意するためにかかる費用の内訳の相場が以下になります。
・会場費:約15万円~25万円(外部施設使用時の費用例)
・企画などの運営関連費:約10万円~50万円
・会場の装飾:約10万円~30万円
・装飾品等の制作費:約10万円~20万円
・講演費関連:約10万円~50万円(タレントなどを呼ぶ場合はさらに費用がかかります)
・機材関連費:約10万円~50万円
・その他:約10万円~50万円
このようにイベントやセミナーの開催する場合には、少なくとも数百万円の費用が必要になります。
次に、オンラインでのイベントやセミナーの開催にかかる費用の内訳の相場です。
・会場費:約5万円~10万円(外部施設使用時の費用例)
・企画などの運営関連費:約10万円~50万円
・講演費関連:約10万円~50万円(タレントなどを呼ぶ場合はさらに費用がかかります)
・オンライン配信機材:約5万円~50万円
・オンライン配信ツール:(zoomの場合参加人数1,000人)月額45,700円
・その他:約5万円~10万円
このようにオンラインでのイベントやセミナーの開催にかかる費用は、従来のイベントやセミナーの開催にかかる費用と比べると安価で済みます。そのため、できる限りコストを削減してイベントやセミナーを開催したい場合には、オンラインでの開催がおすすめになります。
また、オンラインでのイベントやセミナーの開催では、オフラインイベントやセミナーの開催とは異なる準備が必要なため、プロの手を借りることがおすすめです。
まとめ
イベント会社ニューズベースには「どういった実績があるのか」「準備の進め方は誰がどのように行うのか?」「打ち合わせは今後何回ぐらい実施する?」「オンラインでのイベントやセミナーの開催はどうすればよいのか?」などといった問い合わせが多く寄せられています。
企業イベントについてのお悩みがある際にはお気軽にお問い合わせ下さい。