人材育成方針を立てるメリットとは?手順やポイントについても紹介!

公開日:2023.12.05  更新日:2024.08.17

人材育成を成功させるためには、「人材育成方針」を立てる必要があります。

人材育成方針という言葉は聞いたことがあっても、「どういった意味なのか」「具体的にどのような効果が期待できるのか」など、あまり把握していないという担当者もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、人材育成方針の基礎知識やメリット・人材育成方針を立てる際の手順などについて解説します。

人材育成方針について詳しく知りたい担当者は、ぜひ最後までご覧ください。

 

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人材育成方針とは

人材育成方針とは、「具体的にどのような人材を求めていて、そのためにはどういった取り組みを行う必要があるのか」を定義したものです。

人材育成方針がないと、途中で方針がブレてしまいます。その結果、理想とする人材を育成できない可能性があるため、人材育成方針は全ての企業に必要不可欠であるといっても過言ではありません。

しかし、独立行政法人 労働政策研究・研修機構が公表した「人材育成と能力開発の現状と課題に関する調査」によると、人材育成方針を定めていない企業が29.6%と約3割にも上ることが判明しています。

特に従業員数が少ない企業ほど人材育成方針を定めていないという割合が高く、9人以下の企業では、42.2%が人材育成方針を定めていないということが明らかとなりました。

 

人材育成の方針が明確ではない場合のリスク

人材育成計画の方針が明確でない場合、以下のようなリスクがあります。

  • 一貫した人材育成ができない:目的・目標が不明瞭な場合、一貫した人材育成が難しくなります。そのため、意図しない結果につながったり、人材育成が非効率化したりします。
  • 成果を評価しにくくなる:方針が明確でないと、社員の成長度合いがわかりにくくなります。また、自社の目的が不明瞭であるため、成長度合いと期待値のギャップが把握できず、人材育成の成果を評価しにくくなります。
  • 社員のモチベーション低下:方針が明確でなければ、社員たちは「なぜ人材育成を受けなければならないのだろう」と不安や疑問を抱きます。その結果、社員のモチベーションが低下し、人材育成の効率が低下します。
  • 求めている人材育成ができない:目的・目標が不明瞭であれば、社員は何を求められているのかが分からないため、業務に必要なスキルや能力を身につけるのが困難になります。その結果、人材育成の成果があがりにくくなります。
  • 人材流出の恐れ:方針が不明瞭であるため、成果を適正に評価しにくくなります。その結果、社員自身も成長を実感できなくなり、離職へとつながることがあります。

このように、人材育成計画が明確でないとさまざまなリスクが生じます。こうしたリスクを回避し、自社で人材育成を効果的に進めるためにも、方針を明確にすることが大切です。

 

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人材育成方針を立てるメリット

人材育成方針を立てるメリットは、以下の3つです。

  • 自社が求める人物像を周知できる
  • 人材育成の効率化につながる
  • 企業全体の成長に期待ができる

順番に解説します。

 

自社が求める人物像を周知できる

人材育成方針を立てることで、「どのような人材を必要としているのか」自社が求める人物像を社内に周知できます。

自社が求める人物像を社内に周知することで、従業員は「自社が求める人物像に近づくことができれば、これまでよりも評価してもらえるだろう」と、自然と考えるようになるはずです。

これまで以上に目標が明確になるため、業務に対するモチベーションの向上につながります。

 

人材育成の効率化につながる

人材育成方針を立てることで、自社が求める人物像が明確になるため、企業はそれをもとに人材育成が行えるようになります。

「自社が求める人物像に必要な知識やスキルだけを習得させる」という方向性で人材育成を行うことで、従来よりも余計なリソースを割く必要がなくなるため、人材育成の効率化につながります。

また、開催する研修の内容や育成プログラムなどにも一貫性を持たせられるので、従業員は実施する目的をしっかり理解できるようになり、さらなる効果に期待ができるでしょう。

 

企業全体の成長に期待ができる

人材育成方針を立てることによって、効率よく自社が求める人材を育成することにつながります。

その結果、優秀な従業員が増えることで業績が向上し、これまで以上に企業全体の成長が期待できるようになるはずです。

 

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人材育成方針を立てる手順

人材育成方針を立てる手順は、以下の4ステップです。

  • 従業員一人ひとりの現状を把握する
  • 経営戦略を確認する
  • 目標を明確にする
  • 人事戦略を練る

一つずつ解説します。

 

1.従業員一人ひとりの現状を把握する

人材育成計画を立てるには、従業員一人ひとりの現状把握から始めていきます。具体的には、以下の項目をチェックしていきましょう。

  • 個人のスキル
  • これまでの経験
  • 年齢
  • キャリア志向
  • 業務に対するモチベーション
  • 現在所属している部署
  • 保有資格やスキルの有無
  • OJTやプロジェクトにおける評価

自社が抱える課題を明確化し、より効果的な人材育成方針を立案するには、こうした従業員の現状把握が重要になります。

 

2.経営戦略を確認する

従業員一人ひとりの現状把握が完了したら、経営戦略を改めて確認し、認識を揃えておきましょう。

経営戦略とは、企業が抱えている経営目的や経営目標を達成するための計画のことです。

経営戦略を再確認する理由として、経営戦略についてしっかり把握していないと、経営陣と担当者で自社が求める人物像に対して認識のズレが生じてしまう可能性があるからです。

その結果、せっかく人材育成方針を立てたとしても、一からやり直しとなってしまうこともあるので、注意しましょう。

 

3.目標を明確にする

経営戦略の再認識が完了したら、「どのような人材へと育成していくのか」目標を明確にします。

また、「自社が求める人材へと育成するためには、どのような方法で育成すべきか」についても併せて考えましょう。

 

4.人事戦略を練る

目標を明確にしたら、最後に人事戦略を練ります。

人事戦略とは、採用活動や人材育成などの人事業務全般を改善して、生産性を高めることです。

人事戦略を練るにあたって、人事戦術も必要となるため、一緒に考えましょう。

 

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人材育成方針を立てる際の4つのポイント

人材育成方針を立てる際には、以下4つのポイントを意識しましょう。

  • 現実的に達成可能な内容にする
  • 社内に浸透させる
  • さまざまな育成手法から最適なものを取り入れる
  • 定期的に改善する

順番に解説します。

 

現実的に達成可能な内容にする

人材育成方針を立てる際には、現実的に達成可能な内容にしましょう。

なぜなら、あまりにも非現実的な人材育成方針を立ててしまうと、従業員は人材育成が行われる前から達成するのが困難だと感じてしまうからです。

その結果、モチベーションの低下につながってしまい、失敗する可能性が高くなります。

また、達成できなかった場合に自身の評価が下がってしまえば、自社そのものに対して不信感を抱いてしまい、退職につながってしまう恐れもあるので、十分に注意しましょう。

 

社内に浸透させる

人材育成方針は、社内にしっかりと浸透させることが大切です。

人材育成方針というと、人事部や経営陣だけが把握して主導すればよいと思われることがあります。しかし実際には、育成対象である現場の従業員の理解・協力を得ることが何よりも大切です。

従業員たちが理解していなければ、前述の人材育成方針が明確化されていない状態と同じリスクが生じる可能性があります。そのため、社内への浸透は必要不可欠であるといえます。

人材育成方針を浸透させるためには、説明会の開催やオンライン配信などの活用、社内SNSや社内報による発信などが有効です。

これらを組み合わせ、継続的に行うことで人材育成方針を社内に浸透させていきましょう。

また、経営陣や人事担当者だけでなく、管理職や各部署のリーダーが人材育成方針について正しく理解しておくことも大切です。

業務を通して部下やメンバーにも伝えやすくなり、社内への浸透がよりスムーズになります。

 

さまざまな育成手法から最適なものを取り入れる

人材の育成手法は、さまざまなものから自社にとって最適なものを取り入れることが大切です。

従業員は一人ひとりで性格・特性・習熟度・スキルなどが異なります。そのため、たった一つの学習法だけでは効率よく育成できません。また、近年は在宅ワークなど労働環境も変化しています。そのため、さまざまな育成手法を取り入れなければいけません。

  • OJT:職場内訓練の略で、上司や先輩から仕事を通した直接指導により育成をはかる手法です。実践的スキル・知識が身につき、職場に慣れやすいのがメリットです。ただし、指導者の能力によって学習効果が左右されます。また、指導者の業務負担が多くなるのもデメリットです。
  • OFF-JT:セミナーや研修など、社外にてスキル・知識を身につける方法です。専門性の高いスキル・知識を身につけやすいのがメリットです。ただし、自社に則した実践的能力は身につけにくいため、OJTと組み合わせることが必要です。
  • 自己啓発:社内外のセミナー、書籍などによって従業員が自主的にスキル・知識を身につける手法です。従業員一人ひとりの興味関心に応じて学習できるため、ストレスが少なくなります。ただし、学習効果は不確実であり、能力を高めるまでに費用や時間が必要です。

こうしたさまざまな手法からより最適なものを選び組み合わせることで、より良い人材育成方針を立てていきましょう。

 

定期的に改善する

現代はVUCA時代ということもあり、いつ何が起きるかわからないような状況です。

なお、VUCAとは将来を予測するのが困難な状態のことを指し、以下4つの頭文字を取ってできた言葉です。

  • Volatility(変動性)
  • Uncertainty(不確実性)
  • Complexity(複雑性)
  • Ambiguity(曖昧性)

そのため、人材育成方針は一度立てて終わりではありません。時代の流れに適応するためにも、定期的に改善しましょう。

 

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まとめ

本記事では、人材育成方針の基礎知識やメリット・立てる手順などについて解説しました。

人材育成方針とは、自社が求める人物像を定めて、それを実現するためにどのような取り組みを行う必要があるのかを定義したものであり、立てることで人材育成の効率化や企業全体の成長に期待ができるといったメリットがあります。

ただし、注意点として人材育成方針を立てる際には、現実的に達成可能な内容にしたり、社内に浸透させたりすることが重要です。

人材育成を成功させる上で人材育成方針は必要不可欠ですので、本記事を参考に人材育成方針を立ててみましょう。

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