【AI活用イベント事例4選】今後のAI活用ポイントも解説!AIで進化する演出・運営・参加者体験の最前線

近年、イベント業界でもAI(人工知能)を活用する取り組みが急速に広がっています。
AIを活用することで、従来のアプローチでは実現が難しかった新しい価値を提供し、「よりパーソナライズ」「より効率的」「より記憶に残る」ものへとイベントを進化させることが可能です。
本記事では、そうしたイベントの演出や運営にAIを取り入れた具体的な事例をご紹介いたします。
これからのイベント運営を考えるヒントとして、是非ご覧ください。
目次
なぜ今、イベントでAIが求められるのか?
AIは、単なる業務効率化のツールではありません。むしろ、AIは“来場者体験”そのものを変える力を持っています。
たとえば、ライブ演出を来場者の感情に合わせて動的に変化させたり、チャットボットで会場案内を最適化したりと、これまでのイベントでは実現が難しかった体験を可能にしています。
加えて、運営側にとってもAIは強力な味方です。
データ分析、翻訳、顔認証による入場管理など、業務をスムーズにしながら質の高い運営が可能になります。
このように、参加者側・運営側双方にとって大きな利点のあるAIは、イベント業界でも急速に活用が広まっています。
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イベントでのAI活用方法
イベントにおけるAI活用方法をカテゴリー分けすると、以下のように分類できます。
- イベントの演出
- 参加者体験の向上
- イベント運営の管理とサポート
順番に解説します。
イベントの演出
生成AIを活用した場面解説や演出感情分析を利用したライブ演出などが該当します。
人間が細かく判断しなくても、リアルタイムでその場に適した演出をAIが選択・実行します。
これにより、イベントを盛り上げるのはもちろん、楽しむために専門性が求められるイベントも気軽に観覧してもらえるようになります。
参加者体験の向上
キャラクターとの対話型AIコーナー、イベント参加者へのガイドなどが該当します。
難しい操作なしに、まるで人間とやり取りをしているような対話を実現します。
単純な人件費削減だけでなく、分析×言語化というAIの得意分野を生かし、相手の意図とデータを掛け合わせ、より的確な案内ができるAIも増えてきました。
また、サポートサービスとしてだけでなくキャラクターとAIを掛け合わせ、対話機能そのものを「キャラクターとの会話体験」として楽しんでもらう使い方も登場しています。
イベント運営の管理とサポート
AI顔認証を活用した入場管理や決済、翻訳AIを活用した多言語カンファレンスなどが該当します。
従来、人の手で対応が必要だった運営や管理をAIに任せることで、運営負荷が軽減し、参加者にとってもよりシームレスなイベント参加が実現できるようになりました。
こうしたAI導入により、作業の簡易化や人的リソースの削減ができるだけでなく、人の手だけでは実現が難しかった幅広い対応も可能になっています。
AI活用事例4選
実際に具体的なAI活用イベントの事例を4つ紹介いたします。
ライブイベント:観客の感情を読み取り、演出を最適化
マイクロソフトが開発したAI DJが、ライブイベント「花の宴」で音楽や映像の演出を行いました。
ライブステージに設置したカメラで来場客を撮影し、観客の人数や年齢、感情をAI DJが解析。それに合わせてリアルタイムで楽器の音や映像の演出をします。
年齢層やその時々の感情に応じて演出が変化するため、参加者がより高感度・満足感の高いライブ体験を得やすい状況を生み出すことが可能になります。
出典:「マイクロソフトの“ AI DJ”が、来場者の感情に合わせ「花の宴ライブ」を演出」
大規模展示会:AIチャットで会場案内をスマート化
「ビジネスIT & SaaS EXPO 2024 -営業マーケDX 比較・導入展-」の会場案内チャットボットが導入されました。
来場者は来場登録を行い、イベントサイトへログインをすることで「生成AIによる会場ガイド」を体験することができます。
いわゆるFAQだけでなく、企業レポーティングなども作成してくれるので、どのブースにいけばいいのか迷っている場合でも効率的に企業情報を収集できるほか、出展企業や製品の特長をまとめることもできるため、展示会で見聞きした情報を社内に共有するための報告書作成などにも役立ててもらうことができます。
こうしたチャットボットは、開催側にとっても、チャット履歴を分析することで「来場者がよく迷うポイント」や「興味を持つカテゴリ」などの傾向を把握し、次回のイベント設計にも活かせるというメリットがあります。
出典:「「ビジネスIT & SaaS EXPO(BIS)2024 」の会場案内チャットボットに生成AIチャットシステム『Kasanare』が採用されました」
大阪万博にも導入:顔認証で入退場・決済をスムーズに
2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)では、NECの顔認証システムを導入しています。
万博会場の顔認証による店舗決済と入場管理の顔による追加認証により、手ぶら決済による利用者の利便性向上と、なりすまし防止による安全・安心で効率的な万博運営が実現できるとされています。
実際に、一般の入場列が1時間以上待たなければならない中、顔認証レーンではおよそ20分ほどで入場ができたという例もあったようです。
出典:「NEC、大阪・関西万博の店舗決済と入場管理に顔認証システムを導入」
スタートアップカンファレンス:AI翻訳で多言語カンファレンスの壁を超える
沖縄科学技術大学院大学が開催したスタートアップカンファレンスでは、AI翻訳が使用されました。
今回使用されたAI翻訳サービスは、参加者自身の端末で翻訳された言葉を確認できるため、専用レシーバーを用意する必要がなく、準備の負担を減らしながら多言語対応を提供することが可能になっています。
海外登壇者や海外からの参加者がいるカンファレンスでは、AI翻訳がその力を最大限に発揮します。
離島のような通訳者の手配に時間やコストの負荷が高くなる場所でも使用できるのも利点です。
出典:「教育機関沖縄科学技術大学院大学(OIST)様の場合」
その他の事例も知りたい方は
こちらの資料ではその他のAI活用事例や、ARやVRを活用したイベントの事例もご紹介しております。
参考としてご覧ください。
「AIで進化するイベント体験~他社事例に学ぶAIトレンド集~」ダウンロードはこちら
AI活用の注意点
AIは非常に強力なツールである一方で、「過信」や「丸投げ」による失敗例も増えています。
導入時にはAI性能を過信せず、どんなリスクや注意点があるかにも配慮が必要です。
こちらの記事ではAI活用の注意点やメリットを解説しています。合わせてご参考としていただけますと幸いです。
AIを活用したイベントの今後
AIの進化と共に、イベント業界におけるAIの活用方法もさらに多様化し、これまでにない可能性を切り拓くと期待されています。
AIを活用することで、イベント体験はよりパーソナライズされ、効率的かつ効果的に進化していくでしょう。しかし、AIはあくまで「手段」のひとつに過ぎません。
演出の仕掛け、ブランド体験の設計、参加者の心を動かす一言や、現場での柔軟な対応など、最終的に参加者の記憶に残るのは「人」の力です。
今後、AIをイベントに活用していくうえで、
・生成AIが作った案を、イベント企画者が実現する
・チャットボットの履歴から来場者傾向をAIで分析し、それを加味した次回の演出を人が設計する
・AIで可視化された課題を、現場スタッフが即座に対応する
などといった“AI × 人”のハイブリッド設計こそが、イベント並びにイベントでのAI活用を成功に導くカギとなると言えるでしょう。
まとめ:AI時代のイベント成功法則とは?
AIはすでに、イベントの「演出」「体験設計」「運営効率化」に広く浸透しつつあります。そして今後も進化し続けることでしょう。
一方で、技術だけに依存せず、常に「参加者にどんな体験を届けたいか?」という本質を問い直すことが、これからのイベント設計において最も重要になります。
『テクノロジーとクリエイティビティの融合こそが、次世代のイベント運営の鍵を握る』
そんな時代が、いよいよ本格的に始まっています。
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