学会を進行する司会アナウンス係の原稿例を紹介!
学会の進行係というと、各セッションの進行や質疑応答を導く座長が真っ先に思い浮かびます。
しかし、学会にはもう一人の進行係が必要です。それが、学会全体の案内やアナウンスを行う「司会アナウンス係」です。
司会アナウンス係は学会全体のプログラムを案内する重要な係です。そのため、正確な原稿を作って本番に臨む必要があります。
今回は、学会の司会アナウンス係用の原稿を作成するポイントと原稿例を紹介します。
目次
1.司会アナウンスの原稿作成で押さえるべきポイント
学会の司会の仕事は、主に下記のようなものがあります。
1.学会開会のアナウンス
2.開会式の案内
3.講演開始時の座長紹介
4.講演終了時の挨拶
5.休憩や次のプログラムのアナウンス
6.学会閉会のアナウンス
司会といっても、セッションの進行は座長が行うため、司会アナウンスはあまり余計な言葉を挟む必要がありません。セッションの合間のアナウンスや会場案内が主な仕事になります。
学会の司会アナウンスの原稿作成におけるポイントは下記の2つです。
・すべてのアナウンスを原稿に起こす
・名前を間違えないようふりがなを記載する
順番に見てみましょう。
1-1.すべてのアナウンスを原稿に起こす
表立って学会をリードする役目は座長が務めてくれるので、司会係はアナウンスを暗記する必要がなく、原稿を見ながらアナウンスすることができます。
そのため、必要なアナウンスはすべて原稿に起こし、それを読み上げるだけの状態にしておきましょう。
記念品や感謝状の手渡しなどの動作が入る場合、それらも原稿に記載しておくとスムーズです。
1-2.名前を間違えないようふりがなを記載する
学会の司会アナウンスでは人名や学会名など、名前を紹介する機会が多くなります。
そのため、原稿を作る際のポイントは、学会名や座長名、学会長名、所属などを正確に記載することです。
人名は地方によって読み方が変わったりするため、読み慣れている名前であっても事前に正しい読み方を確認し、括弧内にふりがなやカタカナで記載しておきましょう。
1-3.正しい敬語を使う
当然ですが、司会アナウンスは正確な敬語を使う必要があります。
敬語に自信がない人は、アナウンスの原稿ができたら、敬語がおかしくないか第三者の視点からチェックしてもらうと良いでしょう。
2.司会アナウンスの原稿例
この章では、司会アナウンスの原稿例を紹介します。
アナウンス原稿
案内
「会場の皆様にご案内申し上げます。まもなく第〇回〇〇学会のプログラムを開始いたします。会場内では携帯電話の電源をお切りいただくか、マナーモードにしていた だきますようお願いいたします。
10時より、本会場におきまして、第〇回〇〇学会 開会式を行います。会場内の皆様はご着席下さい。 開始まで今しばらくお待ち下さい。」
10:00 開会式
「大変お待たせしました。ただいまより、第〇回〇〇学会 開会式を行います。」
学会長挨拶
「はじめに、学会長 〇〇病院 田中次郎(たなか じろう)よりご挨拶がございます。」
終了
「 ありがとうございました。以上を持ちまして、第〇回〇〇学会 開会式を終了いたします。」
10:10 一般演題①
「それでは、ただいまより一般演題①を始めます。
座長は〇〇病院 山田一郎(やまだ いちろう)先生です。先生、よろしくお願いいたします。」
10:50 終了
「 座長の山田一郎(やまだ いちろう)先生、ならびに演者の先生方、ありがとうございました。以上を持ちまして、一般演題①を終了いたします。」
11:00 一般演題②
「それでは、ただいまより一般演題②を始めます。
座長は〇〇病院 高橋三郎(たかはし さぶろう)先生です。先生、よろしくお願いいたします。」
11:40 終了
「座長の高橋三郎(たかはし さぶろう)先生、ならびに演者の先生方、ありがとうございました。以上を持ちまして、一般演題②を終了いたします。」
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16:20 閉会式
「お待たせしました。ただいまより、第〇回〇〇学会閉会式を行います。」
学会委員長挨拶
「はじめに、学会委員長 〇〇センター 佐藤四郎(さとう しろう)よりご挨拶がございます。」
次期学会長挨拶
「続きまして、次期学会長 〇〇センター 森田五郎(もりた ごろう)よりご挨拶がございます。」
終了
「ありがとうございました。以上を持ちまして、第〇回〇〇学会閉会式を終了いたします。みなさまのご協力ありがとうございました。
引き続き、会場の皆様にご案内いたします。〇〇会場にて17時から懇親会を開催いたします。出席される皆様におかれましては、会場を出たロビーに誘導係がおりますので、そちらの案内に従って会場へ移動されるようお願いいたします。」
3.まとめ
学会の司会進行係の仕事と、アナウンス原稿の例を紹介しました。
学会においては、司会は裏方係といえます。しかし、厳かな学会の雰囲気に押されると、たとえ裏方であっても緊張するものです。事前にすべてのアナウンスを原稿にしておけば、本番も落ち着いて進行することができます。原稿を作る際には、今回ご紹介した原稿例もぜひ参考にしてください。