イベントマーケティングとは?メリットやデメリット・開催する上でのポイントを徹底解説!
多くの企業は少しでも売り上げを伸ばそうと日々努力しています。売り上げを伸ばす目的として最近注目されているのがイベントマーケティング。イベントマーケティングとは、自社で展示会やセミナーなどのイベントを開催することによってリードの獲得や商品やサービスの認知力を向上させるマーケティングです。
そこで本記事では、イベントマーケティングを開催するメリットやデメリット・開催する上でのポイントについて解説します。
目次
イベントマーケティングとは?
イベントマーケティングとは、「各会社自らが主催するイベントを活用して、企業のマーケティングまたは営業活動をPRし、オンライン・オフライン問わず、多くの顧客との接点を作り、リアルな体験とともに、会社又は商品をPRするマーケティング活動」のことを指します。
これだけを切り取ると「古典的なマーケティング手法ではないか?」と思われる方もいるとは思いますが、現在のマーケティングにおいては、「イベントマーケティング」に求められる役割にも少しずつ変化が見られます。
従来であれば、近年急速に拡大するデバイスの普及や伝達手段の多様化に対応する形で、自社のSNSやオウンドメディアなどの施策に注力すればよいとされてきました。しかし、オンラインで全て伝えようとすると、伝達する情報量に限界があり、企業や商品の良さが希薄化する可能性も否めません。
また現代では、1人ひとりがSNSを活用する時代に突入しており、ソーシャルメディアの拡大によって、これまでとは比較できないほど「拡散率」や「レスポンスの速さ」は格段に変化しました。
そこで効果を発揮するのがイベントマーケティングです。
実際の顧客に対して「リアルな体験」を提供することで、漠然としたPRになることを防ぎつつ、画像や音声、動画、SNSなど、あらゆるコンテンツに対して、PR効果の高いマーケティングを期待することができます。
オンライン全盛期だからこそ、オンラインツールの施策に特化するのではなく、同時に「オフラインだからこそ提供できる価値」にフォーカスすることが注目され、イベントマーケティングには、一定の価値があると再評価されるようになりました。
イベントマーケティングを始める前に知っておきたいこと
イベントマーケティングは、顧客との接点を作り出し、商品やサービスを直接体験してもらえるという高い効果を生み出せますが、必ずしも万能な手法とはいえません。苦労してイベントを開催しても、運営に不手際が目立ってしまえばイメージダウンにつながります。
また、たとえイベントそのものは成功したとしても、その後のアフターフォローがなければ反響を得られず、マーケティング効果は非常に低いものとなってしまうでしょう。
イベントマーケティングを実践する際は、イベントの企画から運営や事務局対応、イベント後の顧客管理や営業活動へのフィードバックなど、そもそもイベントを開催するうえでの受け皿があるのかを十分に検討する必要があります。
イベントマーケティングを導入することで得られる3つのメリット
イベントマーケティングを導入することで得られるメリットは以下の3つです。
・顧客にリアルな体験を提供できる
・PR効果が高い
・短時間で多くの顧客にリーチできる
順番に解説します。
顧客にリアルな体験を提供できる
製品やサービスを顧客が実際に手に取ったり、使ってみたりと体感することができるのが大きなメリットです。リアルな体験を伴うことによって顧客が受け取る情報は、マス広告やデジタルマーケティングなどを利用した場合よりもはるかに濃いものになります。
特に、体験してみることで違いが明らかになるような付加価値の高い商品では、非常に高い効果を期待することができます。
PR効果が高い
来場客がその場に足を運ぶイベントは、雑誌やインターネットなどで目にする広告に比べて記憶に残りやすく、情報を拡散しやすい状態となります。イベントを開催する上で、工数や時間、手間はかかりますが、その分大きなPR効果を期待できます。
また、イベント自体がマスメディアに取り上げられれば、来場者以外へのさらなるPR効果が期待できます。
短時間で多くの顧客にリーチできる
イベントマーケティングを開催する魅力は、なんといっても見込み度の高いと思われる多くの顧客にアプローチできる点にあります。
イベント会場に足を運ぶ人は会社が提供する製品やサービスに興味があると考えられ、その後のコンバージョンが期待できます。こうした優良な見込み客に、短期間で多くリーチできるのがメリットといえるでしょう。
イベントマーケティング3つのデメリット
イベントマーケティングのデメリットは以下の3つです。
・イベントのROIは集客に左右される
・イベントを知ってもらうための告知活動が欠かせない
・イベント実施はコストと手間がかかる
一つずつ解説します。
イベントのROIは集客に左右される
イベントを行ううえで最も大切なROIは、一般的に集客といわれています。大きな反響があった場合はいいのですが、予想に反して来場者数が少なかった場合、費用対効果として考えると赤字になってしまうケースも珍しくありません。
一方で、集客をあげようとして、本来のターゲットとかけ離れた人にアプローチしても、その後のクロージングに結びつく可能性は低く、本来の目的である購買活動に至らないケースもあります。
イベント開催を考えるうえでは、来場見込みのターゲット層がどれだけいるのか、また、その人達が来場したくなるにはどのような仕掛けが必要なのか、シビアな視点で検討する必要があるでしょう。
イベントを知ってもらうための告知活動が欠かせない
どんなに優れたイベントの内容でも、そのイベントが開催されることを知ってもらえなければ、期待した集客目標は達成できません。顧客を集めるためには、自社のリードへのアプローチに加えて、雑誌や新聞、テレビ、Webといったメディア露出による告知活動が必須となります。
これらメディア露出は、費用が多く発生します。イベント開催前には、自社でできるリードへのアプローチとメディア露出とを、どう組み合わせて告知していくのが最適なのかプランニングしないと、コストが無駄に多くかかってしまう可能性があります。
イベント実施はコストと手間がかかる
イベントマーケティングを行ううえでのデメリットの一つとして、イベント自体の運営に大きな手間がかかってしまうことがあげられます。
内容や規模にもよりますが、イベント会場や備品の手配、来場客への告知、イベントスペースの空間デザイン、運営スタッフのマネジメントなど、基本的な準備項目だけでも多岐に渡ります。
これらを自社の社員だけでまかなうのは、リソースの面でもノウハウの面でも簡単なことではありません。また、調達項目の多さから、イベントマーケティングは、他のマーケティング手法と比べてコストがかかる傾向にあります。
イベントマーケティングの手法5選
イベントマーケティングの手法を以下の5つ紹介します。
・セミナー
・展示会
・ミートアップ
・体験型イベント
・ユーザー交流会
セミナー
セミナーとは、数十人の受講者と講師がとあるテーマについて話し合うことです。
セミナーには、受講者からのフィードバックをもらってセミナー自体のブラッシュアップにつなげる「情報提供型セミナー」と自社が提供している商品やサービスの購入につなげる「顧客獲得型セミナー」の2つがあります。自社がイベントマーケティングを開催する目的を考えた上でどちらにするか選びましょう。
また、新型コロナウイルスの感染予防対策としてオンラインで行う「ウェビナー」を開催するのもおすすめです。
展示会
展示会もイベントマーケティングでは代表的な手法の一つです。
展示会を主宰している企業に出展料を支払えば参加できるので、自社で集客する必要がないのがメリットと言えるでしょう。また、見込み顧客との距離が近くなり、リードの育成にも期待できます。
しかし、出展するためにはあらゆる準備をしなければいけません。展示会の規模によって出展料も異なるので、展示会の出展を考えているのであれば、あらかじめ予算を確保しておきましょう。
ミートアップ
ミートアップ とは、共通の趣味や興味がある分野に対してネット上で集会の告知が行われて参加者が集まるイベントのことを指します。セミナーや勉強会よりもカジュアルなイベントであると覚えておきましょう。
明確なスタイルが確立していないので、一方的に講師のような人が受講者に対して話す形式もあれば、グループディスカッションのような形式で参加者全員で一つのテーマに沿って話す形式もあります。
イベントマーケティングの一環としてミートアップ を取り入れることで、企業と顧客の関係をさらに深めることに期待できるはずです。
体験型イベント
体験型イベントとは、企業が提供している商品やサービスを実際にユーザーに体験してもらうイベントです。
例えば、車の試乗会では実際に乗車してもらうことで車の性能や乗り心地を体験してもらい、購入につなげています。特にBtoB向けの商品やサービスなどは高額である場合が多いので、体験型イベントが必要不可欠です。
ユーザーに体験してもらい、購入した後のビジョンをいかに明確に見せることができるかが重要といえるでしょう。最近では、最新機器であるVRを用いて商品やサービスを体験してもらう企業も増えてきています。
ユーザー交流会
ユーザー交流会とは、自社の商品やサービスを既に使用していたり購入していたりするユーザー同士で話し合うコミュニケーションの場です。
参加するユーザーのほとんどは自社の商品やサービスに満足していることが多いので、解約の防止や利用頻度の増加・オプションの追加などにも期待できます。
イベントマーケティングを開催する一連の流れ
イベントマーケティングを開催する一連の流れは以下の通りです。
・開催する目標や目的を明確にする
・イベントマーケティングの開催内容や場所を決める
・イベントマーケティング開催当日のスケジュールを決める
・集客の方法について決める
・イベントマーケティング終了後のフォローアップ
・イベントマーケティングを振り返る
順番に解説します。
1.開催する目標や目的を明確にする
まずはどのような目標や目的を持ってイベントマーケティングを開催するのかを明確にしましょう。
イベントマーケティングを開催する目的のほとんどは、見込み客であるリードを獲得して商品やサービスの購入につなげることです。しかし、どれくらいのリードを獲得して売り上げはどの地点まで到達させるのかが明確に分からないと、その後の効果検証も上手くいきません。
そのため、まずは具体的なKGIやKPIを決めておきましょう。
2.イベントマーケティングの開催内容や場所を決める
次に、イベントマーケティングを開催する内容や場所を確保します。
イベントマーケティングは先ほども説明した通り、展示会やセミナーなど、さまざまです。開催する内容によって、会場を抑えたり広告をあらかじめ打ったりする必要があります。
イベントにはそれぞれ特徴があるので、イベントマーケティングの開催内容や場所をあらかじめ決めておきましょう。
3.イベントマーケティング開催当日のスケジュールを決める
イベントマーケティング開催当日のスケジュールを決めます。具体的には、イベント全体のスケジュールやポジションごとにおけるスタッフのスケジュールです。
イベントによっては予定がぎっしりと詰められており、タイトなスケジュールになることも多いので、時間通りに進行させるためにもチームワークが必要不可欠になってきます。
そのため、当日はスムーズに進めるためにも人材配置をしっかり行いましょう。人材が足りないのであれば、当日に対応できるイベントスタッフの雇用もおすすめです。
4.集客の方法について決める
イベントマーケティングを行う上で、集客は重要なポイントです。集客がうまくいかなければ、イベントを開催しても効果的なマーケティングにつながらないためです。
集客を行う際には、まずイベントの目的に応じて、見込み客となるターゲットを設定しましょう。その上で、ターゲットに合わせた媒体・方法・内容でイベントの告知を行います。
集客手法としては、SNSやホームページ・メルマガ、チラシやDMなどがあります。最適な手法を選定するためには、ターゲット像を具体的にイメージできているかが重要になります。
告知内容はできるだけ具体的に伝えることが大切です。具体性があれば、ターゲット自身で内容をイメージしやすく参加意欲を掻き立てやすいためです。
また、ターゲットに向け、参加することでどのようなメリットが得られるのかを明確に訴求することも重要です。例えば「サービス1ヶ月無料」「無料相談会実施」「ノベルティプレゼント」などの明確なメリットがあれば、反響を得やすくなります。
5.イベントマーケティング終了後のフォローアップ
イベントマーケティングは、イベントを開催して終わりではありません。イベントを開催してからのフォローアップが非常に重要となってきます。
フォローアップの具体的な方法としては、イベント参加者に対してお礼のメールを送信したり、イベント内容をわかりやすくまとめた資料を送ったりするなど、さまざまです。
イベントを開催してから期間が空いてしまうと効果が薄れてしまうので、なるべく期間を空けずにフォローアップを行いましょう。
6.イベントマーケティングを振り返る
最後に、これまでのイベントマーケティングを振り返りましょう。
イベントマーケティングの準備段階から開催するまでの一連の流れを振り返ることで、良かった点や改善しなければいけない点が見つかるはずです。
PDCAを繰り返し回していくことによって、さらに効果的なイベントマーケティングが開催できるようになります。
イベントマーケティングの効果はどうやって測る?
イベント開催後は効果測定を行い、イベント実施による効果を把握しましょう。正確な効果測定は、その後も続く幅広いマーケティング活動に欠かせません。
イベントマーケティングの効果測定では、以下の数値を必ずチェックしましょう。
- イベント参加者の総数:イベントの成功度合いや集客の貢献度を測るために、必ず測定したい数値です。
- 名刺獲得数:名刺獲得数は、自社または自社商品に興味がある見込み客につながる数字です。
- 獲得したアンケートの数:来場者がイベントにどれだけ積極的に参加してくれたかの指標になります。またアンケートの回答内容も次回に向けた改善に活かすことができます。
- イベント後のフォローメール開封率:ノベルティ目当てだけの人はメールを開封せずスルーし、見込み客は積極的に開封してくれます。
- 商談・案件数:その場で受注とはならなかったものの、前向きな見込み客の存在が分かります。
- 受注件数:自社商品が売れた数を把握することで、イベント実施による費用対効果の算出が可能です。
- メディアの露出数:メディアに露出した数が多ければ多いほど、自社や商品が幅広い人の目に触れたという指標になります。
これらは事前に目標数値を決めておきましょう。効果測定時にどれくらい達成できているか、または達成できていないかをすぐに把握するためです。また、効果が明確になり、次回以降のイベントマーケティングに役立ちます。
KGIとKPIを決めておこう
精度の高い効果測定を行うために、イベントマーケティング開催前にはKPIやKGIを設定しておきましょう。設定しておけば、効果測定によって具体的な改善点を見つけやすくなります。
KPIとは「重要業績評価指標」のことで、「Key Performance Indicators」を略したものです。簡単に言えば、目標達成のための中間的な指標です。例えば年間売上目標を達成するためには、顧客とアポを取る、できるだけ高く売るなどの過程があります。KPIは、そうしたプロセスにおけるアポイント件数・リピート率・平均受注単価などを数値化して達成度を評価・把握することです。複数のKPIを適切に設定すれば目標が明確になり、目標達成に向けて進みやすくなります。
KGIとは「重要目標達成指標」のことで、「Key Goal Indicator」を略したものです。KPIは中間目標でしたが、KGIは最終目標を指します。先ほどの例で言えば、アポイント件数やリピート率などの先にある年間売上目標がKGIとなります。
イベントマーケティングでは、事前にKGIを設定し、そのKGIを適切に分解して複数のKPIに落とし込んでおくことは重要です。KPIの指標については、イベント内容や企業によって適したものが異なりますが、前述の効果測定に関する部分を参考にしてみてください。
イベントマーケティングを開催する上でのポイント
イベントマーケティングを開催する上でのポイントは以下の2つです。
・事前準備を入念に行う
・6W2Hを取り入れる
順番に解説します。
事前準備を入念に行う
イベントマーケティングには数多くの手法がありますが、イベントにおいてイレギュラーな事態やトラブルはつきものです。
そのため、どんなことがあっても冷静に対応できるよう、事前準備を入念に行っておきましょう。イレギュラーな事態やトラブルが発生したときのマニュアルをあらかじめ用意しておくのがおすすめです。
6W2Hを取り入れる
イベントマーケティングを行う際は、「6W2H」のフレームワークを取り入れましょう。このフレームワークを用いることで、イベントに必要な事項の抜け漏れを防ぎやすくなります。
6W2Hは以下のようなフレームワークです。
・Where(どこで):イベントの開催場所や集客用媒体など
・Who(だれが):イベントの主催者や協力者
・Whom(だれに):アプローチするターゲット
・What(なにを):イベントの種類や手法、商材など
・Why(なぜ):イベント開催の目的
・How(どのように):イベント内容
・How much(いくらで):イベント開催予算
イベントマーケティングを行う上で特に重視したいのは「Whom」、つまりターゲットです。ターゲットを明確化すれば、イベントのコンテンツ内容や集客方法を決定しやすくなります。
例えば、Whomを中心にすれば、いつ・どこで開催するのか、なぜイベントを行うのか、何を商材にしてどのようなコンテンツにすべきか、いくらで開催できるのかなどが明確になります。ぜひ6W2Hを活用しましょう。
まとめ
本記事では、イベントマーケティングを開催するメリットやデメリット・開催する上でのポイントについて解説しました。イベントマーケティングはPR効果が高く、短時間で多くのリード獲得にも期待できるため、売り上げを伸ばしたいのであれば、開催するべきです。
しかし、イベントマーケティングを開催するための準備や目標設定などを行わなければいけないので、人手が足りずに困っている企業も多いのではないのでしょうか。
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本記事を参考に、イベントマーケティングの開催を検討しましょう。