企業のマーケティング活動における、社外向けイベントの役割と効果
企業のマーケティング活動の一環として、日々たくさんの企業や団体が、思考をこらしさまざまなイベントを行っています。イベントを考えるとなると、どうしても目新しいアイデアに偏ってしまうものですが、そもそものイベントの目的を失ってしまっては元も子もありません。
今回は、基本に立ち戻り、イベントの役割と効果についてポイントをしぼってお伝えします。
目次
1.マーケティング活動におけるイベントの役割
企業のマーケティング活動には、マーケティングの4P(Product、Price、Promotion、Place)と呼ばれる基本的な要素がありますが、この4Pの中で、イベントはどの位置にあたるかご存じですか?
イベントは、4Pの中のPromotion(広報・広告・販売促進)の販売促進に位置づけられます。一般的に、Promotionは販売促進と和訳されますが、マーケティングの分野では、広く、広報・広告・販売促進活動などをまとめたコミュニケーション活動全体を示します。イベントは、企業のコミュニケーション活動の1つです。
そのことを踏まえ、実際にイベントの企画を考える際には、そのイベントが企業の活動においてどのような効果や役割を果たすのか、または期待されているのかを、きちんと整理した上で企画を考え、良し悪しを判断しなければなりません。以下に、イベントに期待される効果について、主なものを2つあげてみました。
2.イベントに期待する効果
2-1.販売促進
企業が行うイベントのなかでも、商品の販売促進を目的としたものが最も多いと思います。しかし一口に販売促進のイベントといっても、対象となる商品の属性や、企業内での位置付けなど、さまざまなことを踏まえたうえで企画・実行する必要があります。
商品の属性で考えてみた場合、イベントの対象商品が、「最寄品」か「専門品」かがあげられます。最寄品は、お菓子や飲み物など、価格が低く購入する頻度が多い商品をいい、専門品は、車をはじめ、値段が高くさまざまなお店を見てまわるような商品のことをいいます。
最寄品の販売促進を行う場合は、イベント参加者にじっくりと商品を案内するのではなく、サンプルや試食などを数多く行い、商品を体感してもらい購買につなげることが重要になります。特に、対象商品が発売されたばかりならば、サンプリングや試食は効果があります。
一方専門品の場合は、高額な商品が多いため、イベント参加者にじっくりと商品を見てもらったり、しっかりと説明できるスペースを確保したり、簡単に案内できる説明用のパンフレットなどが必要になってきます。
2-2.ブランディング
ブランディングというと、新聞広告やテレビCMなどのマス広告でイメージ広告を出したり、新しいロゴマークやスローガンをつくったりということを思い浮かべるかもしれません。しかし、実はイベントもブランディングに大きく影響を及ぼします。
イベントを実施する機会の多い企業や団体などは、それだけ消費者と接点を持つ機会が多いということです。そのため、イベントによって企業や商品のイメージが良くも悪くも大きく変わってしまう可能性がある点を踏まえなくてはなりません。
単純に、珍しい、おもしろい、かっこいいという理由でイベントの企画を採用してしまうと、ブランディングにマイナスの影響を及ぼしてしまうかもしれません。
このような理由から、イベントの企画の検討には注意が必要です。企業や商品のイメージや目指すべき方向などをきちんと議論したうえでイベントを企画するようにしましょう。