読んで得する、知っておくべき”BPOサービス”とは

公開日:2022.09.30

近年、BPOサービスが注目を集めています。

BPOサービスとは、総務や会計といったバックアップ部門を外部企業に委託する業務形態の1つです。

「派遣やアウトソーシング(業務代行)とどう違うの?」と首をかしげる人もいるでしょう。

BPOサービスは特定の業務すべてを外部委託するという点で、人的資源を補給する派遣や、業務フローの一部を切り取って委託するアウトソーシングとは全く異なります。

少子高齢化による働き手不足が懸念される現代において、BPOサービスという選択肢は経営課題を解決する手段として、極めて強力な切り札です。

この記事では、BPOサービスとはどんな委託形態なのか、BPOサービスが広まった背景やBPOサービスのメリット、対象となる業務範囲まで網羅し、解説します。

 

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1.BPOサービスとは”アウトソーシングの1つ”

BPOサービスとは「ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の略です。

名前を見てもわかるように、BPOサービスはアウトソーシング(業務委託)事業の一種と位置付けることができます。

ただし、BPOサービスはアウトソーシングの一種でありながら、アウトソーシングより広い業務範囲を扱うという点が特徴的です。

一般的なアウトソーシングサービスは、業務プロセスの一部分を切り取って外部業者に委託します。

ところが、BPOサービスは特定の業務プロセス全体を外部業者にまるごと委託してしまいます。

コールセンターを例に取ってみましょう。

「カスタマーサポートの電話応対のみを外部に委託する」のがアウトソーシング。「コールセンターの設立・運営すべてを外部業者に委託する」のがBPOサービスです。

BPOサービスが取り扱う主な業務は「間接業務」とも呼ばれるバックアップ部門です。

事務・経理などの間接業務は成果や売上に直結しないわりに、多くの時間と手間を要するという特徴があります。本来であれば企業独自の技術やノウハウにリソースを割きたくても、間接業務に圧迫され、コア業務がなおざりにされている企業は多いでしょう。

BPOサービスを活用することで、間接業務の圧迫から解放され、経営的資源を自由な配置することが可能になります。その結果、企業は人的資産・ノウハウなどのリソースをコアとなる業務に集中できるようになります。

 

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2.なぜBPOサービスが求められているのか

BPOサービスは2017年から高い成長率を見せており、その成長率を維持したまま今後も発展していくと考えられています。

BPO事業を展開したことで企業全体の業績を押し上げたIT企業もあります。りらいあコミュニケーションズ、トランス・コスモス社などはその一例であり、この経営路線は現在も成功しているといえます。

2017年度にBPOサービス市場が成長した背景には、マイナンバーに関係する業務の増加がありました。マイナンバー管理は正確な知識と厳重な管理の下で行わなければならず、通常業務を行いながら自社で管理するのは大変な労力を必要とします。そんな中、マイナンバーの収集から管理までの業務を一括して受諾する事業が現れ、BPOサービス市場が伸びる一因となりました。

2018年以降は、国が提唱する働き方改革や少子高齢化、高齢者の仕事継続など、働き手が減るとともに働き方の多様化が進んでいます。企業が経営の効率化・多角化・人件費の削減といった方向性にシフトしつつある中、特定の業務を全て外部に委託するBPOサービスは、今後益々需要が増えていくことが予想されています。

 

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3.メリット

冒頭で述べたように、BPOサービスを利用することで企業は様々なメリットを享受できます。

具体的なメリットとして、大きく次の6点が挙げられます。

3-1.人的・物的資源に余力が生まれる

定型業務が多い間接業務を外部委託することで、社内の人的・物的資源に余力が生まれます。リソースを適材適所に活用できるようになり、無駄な業務を削減できます。

3-2.コア業務に集中することで企業のブランドが高まる

企業の中核となるコア業務により多くのリソースを集中することができます。人材採用条件が変化し、よりシャープな能力を持つ人材を獲得しやすくなります。結果として、企業の競争力が強化され、ブランドが高まります。

3-3.バックアップ部門の業務フロー改善につながる

BPOサービスの中心となるのは、総務・経理・人事といったバックアップ部門です。

これらは間接業務とも呼ばれ、成果や売上に直結しません。営業や販売といった業務と異なり、結果を可視化しにくいため、業務フローに無駄が発生しやすくなります。そのような状態が慢性化すると、業務改善を図るのも難しくなってしまいます。

BPOサービスを活用することで、そのような状況にメスを入れることができます。単純な業務委託にとどまらず、非効率的な業務フロー全体の改善を実現することも可能です。

3-4.専門的ノウハウを高いコストパフォーマンスで活用できる

BPOサービスを提供する企業は、専門的な知識を持ったエキスパートと最新のシステム、分野に特化したノウハウをそろえています。社内研修等の教育システムなしに、専門的ノウハウを即時に高いコストパフォーマンスで活用できるのもBPOサービスの強みです。

3-5.事業コストを固定費から変動費へと移行することで柔軟な戦略立案が可能になる

人件費や施設費等をはじめとした固定費は、生産量の変化にかかわらず常にかかるコストであり、事業の資金運用において大きな位置を占めます。BPOサービスの活用は、業務にかかるコストを固定費から変動費へと移行できるというメリットをもたらします。

変動費であれば、生産量に合わせてコストを調節できるため、経営状況に応じた柔軟な戦略立案が可能になります。

3-6.制度改革やグローバル化などに対応することができる

BPOサービスの専門的ノウハウを活用することで、多様な状況の変化に素早く対応することができます。

マイナンバーを例に挙げて見てみましょう。

自社でマイナンバー管理を行っている場合、マイナンバー制度の改革が行われるたびに業務変更をする必要があり、新たな業務の対応に追われます。これに対して、マイナンバー管理を外部委託している場合、制度改革への対応は委託業者がすべて行ってくれるため、自社への負担はほとんどありません。

このようなBPO事業者の対応力は、企業の海外進出に伴うグローバル化といった状況においてもプラスに働きます。

事業を多角化する企業が多い中、BPOサービスの対応力は今後益々注目されていくことでしょう。

 

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4.BPOサービスの役割

次に、具体的にどのような業務範囲においてBPOサービスを活用できるのかを見てみましょう。

企業は多様な部門を抱えていますが、大別すると下記の2つにまとめることができます。

・直接業務

顧客対応に代表される、売上や業績に直結する業務。直接部門。

・間接業務

直接的業務をサポートする裏方業務。間接部門。

BPOサービスの主な分野は後者の間接業務ですが、分野によっては直接業務のサービスも存在します。

間接業務としては、「総務・会計・人事・法務・税務・警備・労務・採用・教育」などが挙げられます。

直接業務としては、コールセンター、営業、売上の請求や回収といった業務などが挙げられます。その他、広告や制作、デザイン、翻訳や通訳、物流、設計や製造など多様なBPOサービスが存在します。また、イベントやセミナー等、不定期的な顧客獲得・顧客育成を得意とするBPO事業も存在します。

 

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5.BPOサービスに強い企業紹介

この章では、BPO事業を展開している企業を3社ご紹介します。

企業ごとにそれぞれの特色があり、対応業務や得意分野が異なります。

5-1.株式会社パソナ

株式会社パソナは人材派遣のイメージが強いですが、BPOサービスも提供しています。人材ビジネスによって蓄積してきたノウハウを別事業にうまく転用し、成功している会社と言えるでしょう。

その企業柄、間接業務全般、特に人事業務のBPOサービスが充実しています。官公庁や自治体などにも対応しており、幅広い実績があるのも特徴です。

人数規模が大きいので、多くの人数を確保したい業務が発生した場合でも優れた対応力を発揮します。

5-2.株式会社ニューズベース

ニューズベースは研修運営事務代行や、セミナー・シンポジウム、展示会など不定期的に発生するイベント系業務のアウトソーシングが可能なBPOサービス企業です。

通常業務を抱えながら不定期のイベントを企画・運営するのは従業員に大きな負担を課します。ニューズベースはこの分野のアウトソーシングにおいて年間300案件以上の実績を持っているため、高い品質でイベント系業務を代行してくれます。

イベント関連業務の印象が強いですが、研修サポートや採用業務などの幅広い対応力を兼ね備えています。単純な業務代行にとどまらず、これまでのノウハウを活かして業務の改善提案も行ってくれます。

5-3.株式会社リアルゲート

ITエンジニアの紹介を行っているリアルゲート。BPOサービスにおいては、クライアントとなる企業の文化や独自のサービスを活かしながら、最適な委託形態を構築するコンサルティングチームを派遣。多様な業務に対応しており、戦略立案からアウトソース後の運用管理まで一貫してサポートします。

中国・大連に現地法人を設立した実績があるなど、海外展開にも強い企業です。

 

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6.まとめ

BPOサービスの全体像を把握できたでしょうか。

働き方改革が提唱されている現在、それに伴って企業経営の形態も変化しつつあります。すべてを自社で内製するのではなく、代替可能な業務はBPOサービスに委託し、コア業務を研ぎ澄ませていくという戦略は、現代を反映した企業経営の在り方だといえます。

BPOサービスとして委託できる主要な業務は事務的業務を中心としたバックアップ部門ですが、コールセンターのカスタマーサポートをはじめとした直接的な顧客対応の委託も可能です。

社内リソースの活用、業務改善、制度改革時の対応など、様々なメリットがあるBPOサービスへの理解を深め、企業が抱える経営課題の解決に役立てましょう。

 

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