アウトソーシング会社を決める際に重要なチェックポイントとは
業績の拡大やコスト削減、新規事業の立ち上げ、働き方改革など…日々の業務に生産性や効率化が求められる昨今では、他社に業務をアウトソーシングすることは必要不可欠です。しかし、単に専門企業に業務を委託したからといって、作業の効率化やコア事業に注力できるわけではありません。また、社内でアウトソーシング化が決定しても、多数あるアウトソーシング会社から基準もなく一つに絞ることは一苦労な作業になります。
そこで今回は、アウトソーシング会社を選ぶ際におさえておきたいポイントについて、項目ごとに細分化して解説していきます。提携する企業を漠然と選ぶのではなく、自社にマッチしたアウトソーシング会社を選択し、時間やコストの削減に繋げていきましょう。
目次
1.アウトソーシング会社の“強み”を知る
・ノンコア業務や突発的な業務に対処させる
・経理や経費の人員を補う
・コールセンター対応の充実
業務をアウトソーシングするためには、上記に記載したよう項目を洗い出し、どんな作業を外部に委託するかを選定することも重要ですが、得たい成果をアウトソーシングに求めるためには、自社に不足しているリソースや戦力を明確に見極める必要があります。
そして、その上で自社内に欠けているリソースや戦力を補ってくれるアウトソーシング会社を選ぶことが重要です。
具体的には、「煩雑な業務フローをどこまで外部に委託するか」や、「定型的な業務のみ、またはシステム開発及び運用業務」といった業務範囲の選定から、得たい人員の業務の洗い出し、自社のカラーや規定と照らし合わせながら、それらの条件を満たしてくれるアウトソーシング会社を選ぶようにしましょう。
2.導入できるアウトソーシング業務一覧
自社内にアウトソーシングに導入することができるアウトソーシング業務は以下の通りです。
2-1.事務センター・バックオフィス業務
・事務センター業務
・データの入力及び照合、突合
・シェアード事務(財務/経理/人事/総務/購買/情報システム/法務監査/データセンターなど)
・事務作業(医療機関/教育機関)
・顧客情報の取得
・ターゲットリストの作成
・情報発信
・レスポンスの分析など
2-2.テレマーケティング・コールセンター業務
・コールセンター(インバウンド)
・テレマーケティングセンター(アウトバウンド)
・Eメール受発信業務
・オーダーセンター
・ヘルプデスク
2-3.採用業務
・募集活動
・応募者対応
・エントリー受付
・説明会運営
・データの一元管理
・連絡対応
・選考サポート
2-4.イベント・ショップ・複合型施設などの運営業務
・株主総会の運営
・施設案内、接客、物販
・受付
・マーケティング
・デモンストレーション
・施設運営の代行業務
・会場設営、搬出入
2-5.社内環境の構築業務
・社内マニュアルの作成
・研修業務
2-6.現場管理業務
・工場での商品製造
・在庫整理や梱包
・発送業務
・ピッキング
・在庫管理
・定期報告
・ラベル貼業務
2-7.システム開発・管理・運営業務
・問い合わせフォームの設計及び作成、対応、運用
・対応履歴の記録、管理、報告
・データベース(ネットワーク、情報システム)の設計開発及び運用
・ITコンサルティング
・データ処理
・スキャニング
・エラーチェック
・データスクリーニング
・データの集計及び分析、伝送
アウトソーシングできる業務は、基本的にはルーティン化(定型化)できる業務がアウトソーシング可能な業務範囲になります。
3.費用
アウトソーシングする会社を選ぶ際に押さえておきたいポイントとして、アウトソーシングする上での費用面を考慮するということが挙げられます。
作業の効率化や簡素化を目的とするあまり、予算面にかなう費用にならず、結果的にアウトソーシングした方がかえって高くコストがついてしまい、委託する必要性が乏しくなってしまいます。
そのため、費用面について検討する場合は以下のような項目を前提に検討することをおすすめします。
・自社の正社員の給与(人件費)と比べ高く感じやすいか
・発生頻度や処理量はどうか
・納期や品質は適正か
・人員を常駐させるか、業務自体を社外に切り出すか
アウトソーシングすることで、業務を委託することができるだけでなく、各部門のプロフェッショナルに任せることができるため、正確に業務を遂行することができますし、人員の退職リスクや、一から教育やリソースを捻出する必要がないため、コア事業に注力したい場合は、ぜひ費用見積もり算出を検討してみましょう。
4.提案力・計画性
アウトソーシング会社を選定する時は、依頼内容をただ遂行するだけではなく、品質や成果を高めるために必要な方法や手段を提案することができるかも大切な要素です。
しかし、品質や提案力が高まることに比例して、費用面が高くなっては求める費用対効果を得ることはできません。
そのため、「効率的・低コスト」で品質を高めるための提案力や計画性を能動的に行ってくれるアウトソーシング会社を選ぶようにしましょう。指示されたことだけを行う受動的な会社だと、提案力が疎かだったり、改善のスピードが遅くなったりする可能性があるため注意が必要です。
5.信用・実績
近年アウトソーシング会社は外資系も含めるとかなり多くの企業が参入しています。
そのため、アウトソーシング会社を選ぶ際には、「これまでどのような企業と提携していたのか」、「アウトソーシング業務のどの領域を得意としているか」、また「自社のケースに類似した事例を請け負っているか」など、これまでの実績や信用を確認しておくことが重要です。
これらの情報を事前に把握することで、提案のミスマッチを事前に防ぐことや、専門的かつ高度な提案を受けることができるため、より提案力の密度や業務の効率化を実現しやすくなるメリットがあります。
6.セキュリティ
企業内部の個人情報や機密事項を多く扱うため、アウトソーシングを依頼する際は、しっかりとしたセキュリティ対策が実施される会社を選ぶことも重要です。
セキュリティを得意とする会社は以下の2点に集約されます。
6-1.金融機関
銀行等の金融機関から派生したアウトソーシング会社で、蓄積した業務スキルで培ったデータ処理の正確性や、セキュリティレベルの高さに長けていることが特徴です。
長年お金を取り扱うことで磨かれたサービス内容や安心感の高さがポイントと言えます。
6-2.システム開発会社
システム開発及び運営・保守など、幅広い業務内容と一貫したサービスが特徴で、総合的なアウトソーシングを行うことができます。独立型のシステム開発会社であれば、データ管理等もしっかりしているため、セキュリティ対策も万全でアウトソーシングには適しています。
7.人材の専門性
アウトソーシングする業務内容によっては、業務を任せる人材に専門性や高い知見を有している人材が含まれているかも大切な要素になります。
例えば経理や財務・人事などの業務をアウトソーシングする場合、法改定に伴う税金や社会保障の変更点の把握や専門性は必要不可欠なスキルです。しかし、専門性や経験を積ませるためには、労力や時間など、かなりのリソースを投下することが求められます。
そのため、適切にアウトソーシングを導入できるか、人材が豊富であるか、資格保有者の有無などの項目は、効果がきちんと出るかどうかを左右する要素になるため、アウトソーシング会社を選ぶ際は、人材の専門性もチェックしておきましょう。
8.アウトソーシング業務に強い会社をご紹介
最後にアウトソーシング業務に特化している企業を紹介します。
8-1.株式会社ニューズベース
株式会社ニューズベースは、年間400案件を超える実績を誇り、企業規模や業種を問わずクライアントに応じてオーダーメイド型のアウトソーシングを提供しています。主な業務としては、研修の運営事務代行を始め、セミナーやシンポジウム、販促キャンペーン、展示会など、各種イベントの事務や運営業務のアウトソーシングが可能です。
上記に記載通り、イベント関連業務のアウトソーシングに長けていますが、その他にもシステム管理・運用や、コールセンター業務、採用関連業務など、幅広いサービスに対して、多くのノウハウや知見からサポートしてくれるため、企業ごとのアウトソーシングのフェーズに応じて改善提案を行っています。
8-2.NOCアウトソーシング&コンサルティング株式会社
NOCアウトソーシング&コンサルティング株式会社は、30年以上の歴史の中で1000社以上のアウトソーシングを手掛けているため、業務に関するノウハウや実績、人材のスキルはもちろんですが、万全のバックアップ体制とサポート支援でクライアントの導入作業を手助けしてくれます。
業務の特徴としては、経理や総務、人事といった各部門のノンコア業務をアウトソーシングできるだけでなく、幅広い知見を活かしたコンサルティング業務や人材サービスまで行っているため、安心してアウトソーシングを任せることができます。
まとめ
業務の効率化や簡略化を目的とするだけでは、アウトソーシングの効果を最大限得ることはできません。
アウトソーシングを導入する際は、表面化している課題や不足しているリソースを見極めて、課題や戦略にマッチしたアウトソーシング会社を選ぶことが重要です。委託する候補が複数見つかった場合には、この記事で記したように、提案内容や費用面、実績や専門性などの項目を細分化して、アウトソーシング会社を見極めましょう。
最適なアウトソーシング会社を決めることも大切な業務の一環です。チェックポイントの確認を怠らず、自社にとって多くのメリットを獲得できるアウトソーシング会社を検討してみてください。