業務改善の事例6選!効率化が進む取組・アイデアもご紹介
「業務効率化ってどんな方法があるの?」 こんな悩みをお持ちの方向けに、業務効率化の取り組み事例やアイデアなどをご紹介します。これから業務効率化を進めていきたい担当者の方はぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
業務改善とは?
業務改善とは、日常業務のプロセスの中で課題点を発見・改善して、効率化を図る取り組みのことです。
簡単にいえば、業務の中の「ムリ・ムダ・ムラ」を取り除いて、スムーズに仕事を進められるようにすることです。
日本は少子高齢化が進み、多くの企業が人手不足になってきています。そして、これまで人力に頼ってきた部分を、少しでも効率化することが求められています。
そのためには、ITツールの導入、自動化、アウトソーシングといった施策が必要です。また、会議時間の短縮や社内コミュニケーションの活性化なども求められています。
業務改善を進めるメリット
業務改善を行うことで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、3つのメリットについて解説します。
コスト削減
業務改善を行えば、さまざまなコストを削減できます。 例えば、ムダな作業を削減すれば、人的リソースに余裕が生まれますし、人材育成のコストを削減できるでしょう。電子化を進めれば、紙によるムダなアウトプットが減り、経費削減も見込めます。 また、ムラのあった業務を改善して均一化できるようになれば、残業時間の削減といった時間的なコストも減らせます。
社員のモチベーションアップ
社員のやる気を高められるのも業務改善のメリットです。 ムリ・ムダ・ムラを取り除いていけば、労働時間は短縮されて働きやすい職場環境を実現しやすくなります。それは結果的に社員の負担を減らし、モチベーションアップにつながります。その結果、社員たちは仕事にやりがいを感じやすくなり、より価値の高い業務を進められるようになるでしょう。
効率化・利益増大
業務改善によって、効率化による利益増大も見込めます。 慣れた作業やルーティン、ルールというのは、誰でも安易に変えたくないものです。しかし、ムリやムダな工程は改善すべきです。 そういったムリ・ムダな工程を改善していけば、業務は効率化されていきますし、それに伴って利益も増大していきます。人的リソースにも余裕が生まれ、新たなチャレンジができるチャンスも生まれやすくなるでしょう。
事務職の業務改善事例6選
ここでは、事務職の方が参考にできる業務改善事例を以下の6つご紹介します。
- RPAによる業務の自動化
- チャットサービスによるコミュニケーションの円滑化
- スマホアプリによる棚卸しの効率化
- 顧客管理システムによる顧客管理の効率化
- ツール導入によるペーパーレス化
- 業務のアウトソーシング
それぞれについて詳しく解説していきます。
RPAによる業務の自動化
RPAとは、「Robotic Process Automation」の略で、作業を自動化する技術のことです。 エアコンなどを製造する会社が、RPAの導入によって業務プロセスを自動化し、年間10万時間もの業務効率化を達成しました。特に多くの時間を要していた資料作成が自動化できたことが大きな要因だったといいます。
チャットサービスによるコミュニケーションの円滑化
チャットサービスの利用を促進して業務の効率化を図った企業もあります。 冷凍食品を製造するその会社の従業員は平均年齢が高く、ウェブサービスを介したコミュニケーションが滞ることが度々ありました。そこで、チャットサービスの利用を促進し、慣れ親しんでもらうことで、円滑で具体的なコミュニケーションが実現したのです。
スマホアプリによる棚卸しの効率化
スマホアプリを活用することで、40万件の棚卸しを大幅に効率化した事例もあります。 ファインセラミック部品を製造するある会社は、手作業で行っていた棚卸しの効率化を検討し、独自のスマホアプリを導入しました。これにより、入出荷の記録や在庫データがすぐに確認でき、棚卸の完了報告までスムーズに行えるようになったのです。
顧客管理システムによる顧客管理の効率化
研磨用の砥石を製造する会社が、顧客管理システムを構築することで、顧客管理の効率化を実現した例もあります。 この会社は、もともと自前のシステムで顧客管理をしていましたが、利用者の増加とともに検索に要する時間が増加してしまいました。そこで、新たに独自で顧客案件管理システムを構築し、顧客管理の効率化を実現させたのです。
ツール導入によるペーパーレス化
ツールを導入してペーパーレス化すれば、事務職の業務は大きく改善します。 例えば、会議で必要書類を人数分印刷しようとすると、何十枚もコピーが必要ですし、製本作業にも手間がかかります。タブレットなどを活用すれば、ペーパーレス化できてコスト削減や事務作業の削減が可能です。また、事前にデータを共有すれば良いだけなので、参加者も会議を進めやすくなるメリットがあります。
業務のアウトソーシング
アウトソーシングも業務改善策として、とても有効です。 近年はネットを通じて、さまざまな専門的な業務を外部に委託できるようになってきています。自社の人的リソースが不足しているなどの課題があるならば、その道のプロに任せたほうが、スムーズですし高い成果をあげやすいでしょう。 また、アウトソーシングを活用すれば自社の教育時間の短縮や固定人件費の削減なども見込めます。
業務改善のための7つの取組
それでは、現状の業務を改善するにはどのような取組が必要なのでしょうか?ここでは、業務改善のための取組例を以下の7つご紹介します。
- 情報共有の習慣化
- 日常業務の見える化
- フローチャートの作成
- 業務スケジュールの明確化
- ノンコア業務の見直し
- 人員配置の最適化
- 適切な目標設定
それぞれについて、具体的に解説していきます。
情報共有の習慣化
情報共有の習慣化は、取り組んでいる業務の遂行や、課題の早期抽出に繋がります。情報共有をしておけば、スタッフ間の認識の違いによるミスなどを防ぐことができるからです。 これには、情報共有しやすいシステムの構築や、なんでも相談しやすい雰囲気作りが大切です。
日常業務の見える化
日常業務を見える化することで、改善点を洗い出せるようにしておきましょう。日常業務は無意識のうちにこなしてしまいがちですが、毎日時間をかけるものなので、改善できると大幅な業務効率化に繋がります。 業務を見える化するには、業務の種類や、取り組む時間、シチュエーションなどにグループ化し、ひとつひとつの作業を洗い出していきます。改善点が見つからなくとも、仕事の順序や優先度の見直しなど、見える化すると新たに気づくきっかけになるかもしれません。
フローチャートの作成
もし業務の現状をしっかりと見直したい場合、フローチャートを作成するのもおすすめです。 業務ごとのプロセスのフローチャートを作成すると、全体像を俯瞰でき、業務間の繋がりも明確になります。個別で見ても出てこなかった課題が、繋がりを意識すると見えてくるものもあり、よりスムーズな業務フローを検討できるようになります。
業務スケジュールの明確化
業務スケジュールを明確にし、社内の誰でも閲覧できるようにしておけば、他の社員との仕事を進めやすくなります。該当の業務の進捗をひと目で確認できますし、緊急のミーティングなどを開催する際、いつ・誰を集められるのかが個別に尋ねなくても明確になります。 Googleカレンダーを利用してスケジュールを共有している場合、複数人のスケジュールでも瞬時に合わせられるのでとても便利です。
ノンコア業務の見直し
ノンコア業務は、事務作業などの単純で変化の少ない業務が多いので、見直ししやすいです。もし、外注化ができそうであれば、検討してみるのもおすすめ。ノンコア業務を手放すほどコア業務に専念できるので、事業の更なる成長が期待できるでしょう。
人員配置の最適化
人員配置を的確に行うことで、従業員のパフォーマンスやモチベーションが上がり、業務効率は自ずと向上していくでしょう。 ただし、業務の適性は目に見えず、やってみないと分からないことも多く、見極めは難しいです。チームが行き詰まってしまった時などは、人員配置を見直してみるのもいいでしょう。
適切な目標設定
適切な目標設定をすることで、従業員のパフォーマンスは向上します。目標があることで、それに合わせた姿勢で業務と向き合えるからです。 しかし、目標が低すぎたり、高すぎたりすると効果が薄れてしまうので、チームの状況に適切な目標を定めることが大切です。
業務効率化のアイデア8選
では、ここから、業務を効率化するためのアイデアとして以下の8つをご紹介します。
- 作業の自動化
- 業務のマニュアル化
- 業務の担当を変える
- 優先順位の見直し
- 業務の委託
- 業務ごとのタイムマネジメント
- PC作業の時短テクニック活用
- AIの導入
それぞれについて詳しく解説していきます。
作業の自動化
日々の作業を自動化できないかを検討してみましょう。 例えば毎日使っているエクセルの入力を自動化できる関数がないか調べてみるのもおすすめ。一度関数を入力しておけば、コピーして使えるので、その後はずっと自動化の機能を楽に使えます。いつもこなしている業務を少しでも自動化できないかという視点で見てみると効率化の道が見えてくることがあります。
業務のマニュアル化
日常業務は、マニュアル化しておくと、誰が担当でもスムーズに対応ができるので業務が滞りません。マニュアルがあると、万が一担当者が体調を崩した場合でも安心です。マニュアルを共有する際は、その場所をしっかりと共有者に伝えておきましょう。
業務の担当を変える
業務の担当を変え、適切な配置を行うことは業務改善につながります。 社員は一人ひとり異なる特性を持っています。それぞれの得意・不得意を見極めて、人員を配置すれば、業務効率はこれまで以上に向上することでしょう。ただし、いきなり配置換えをすることは社員のモチベーション低下につながります。じっくりとコミュニケーションを重ねた上で配置換えを行いましょう。
優先順位の見直し
業務改善ではムダの排除だけでなく、残された業務の優先順位を決める・見直すことも大切です。 例えば、時間のかからない作業は後に回し、ある程度まとまった時間が必要な作業を優先して行うと効率が高まりやすいです。内容にもよりますが、時間がかかる業務の合間に短時間でできる業務をこなせるかもしれません。そうすれば、結果的にトータルの作業時間を減らせます。 このように業務の優先順位を見直すことは、業務効率アップにつながりやすいのでおすすめです。
業務の委託
専門的なスキルを要する業務など、自社人材で補うのは難しい業務の場合、その分野の専門スキルを持った人材に委託するといいでしょう。時短にも繋がりますし、クリエイティブの質も高くなることが多いでしょう。
業務ごとのタイムマネジメント
業務ごとにタイマーを使用してタイムマネジメントするのが効率化のコツです。業種によっては難しいかもしれませんが、例えば、50分間の集中時間と10分間の休憩時間をとるなど、メリハリをつけると集中力も続きやすくなります。
PC作業の時短テクニック活用
代表的なPC作業の時短テクニックとして、ショートカット機能があります。MacやWindowsなど、PCの種類によって方法は異なりますが、調べるとたくさん出てきます。最低限、コピーペーストや、太字、全選択などのショートカットは覚えておくといいでしょう。
AIの導入
AIというと、莫大な費用がかかると思いがちですが、中小企業も導入する、手軽なAIサービスも普及してきました。AIだからこそ高速化できる業務はたくさんあるので、AIツールの導入も検討してみるのもおすすめです。
業務改善で意識したい「QCD」とは
業務改善では、「QCD」を意識することが大切です。
業務改善は、業務プロセスを見直し、利益向上のために会社全体の生産性を高めることを目的として行います。業務プロセスの問題点やより良くできるポイントを見つけ、業務の効率化、時間やコストの削減、人手不足の解消などさまざまな対策を講じていくものです。
しかし、何の指標もなく施策を行っても業務改善は実現できません。そこで意識したいのがQCDです。
- Q……Quality(品質):商品またはサービスが、顧客が求める水準に達しているかどうかを示すもの。
- C……Cost(コスト):商品やサービスの開発にかかる、人件費・経費・材料費などの費用。
- D……Delivery(納期):業務の開始から商品の納品、サービスのリリースまでの期間を示すもの。
中でも、業務改善を実現する上で最も優先すべきなのはQuality(品質)です。品質が高い商品やサービスは、常に顧客から求められています。しかし、品質だけ優先してコストや納期をないがしろにして良いわけではありません。それぞれはトレードオフの関係であり、バランス良く改善することが大切です。
業務改善の始め方4ステップ
では、業務改善のステップについてご紹介します。以下の4ステップで業務改善を始めていきましょう。
現状把握
まずは現状把握から始めましょう。 どの業務にどれだけ時間がかかっているのかを把握しましょう。この段階では課題が見つからなくていいので、できるだけ広範囲の業務について検討します。
課題の洗い出し
次に、それぞれの業務に対して課題を洗い出していきます。 その業務に対しての作業時間は妥当なのか?効率化する方法は何かありそうか?などを検討します。改善すべき業務がいくつか出てきたら次のステップへと進みます。
スケジューリング
改善すべき業務が洗い出せたら、それぞれの優先順位をつけて、何をいつまでに改善するのかをスケジューリングします。計画を立てずに進めてしまうと、つい後回しになってしまうことがあるので、無理のない計画を立てて実行していきます。
施策の実行
実際にやってみて明確になることもあるでしょう。改善前の方が良かったものもあるかもしれません。無理に効率化ばかり重視せず、現場の声に耳を傾けて計画を実行していきましょう。
効果の検証
業務改善を実施したならば、必ず効果検証を行いましょう。検証を行うことで、どこが改善されたか、修正すべき点はないか、新たな追加項目はあるかなどが分かります。 それらを踏まえてブラッシュアップしていけば、更に効果的な業務改善を行えるようになります。
社内で業務改善を進めるのが難しい場合は?
業務改善の進め方は頭で分かっていても、いざ実行するとなるとさまざまな困難に直面するものです。
そのため、思うように業務改善が進まないとお悩みの企業も多いのではないでしょうか。
もし、業務改善を進めるのが難しいと感じたならば、以下のような方法も検討してみましょう。
業務改善助成金の活用
業務改善に多くのコストがかかることでお悩みであれば、業務改善助成金を活用してみましょう。
業務改善には、ちょっとした工夫で大きな成果を出せることもあります。しかし、ほとんどの場合はコストがかかり、その額が想定以上に多くなってしまうものです。そのような場合、まずはどれくらいのコストがかかるのか、業務改善の段階ごとに費用を洗い出してみましょう。
その上でどうしてもコスト面で二の足を踏まざるを得ないのであれば、業務改善助成金を検討してみてください。業務改善助成金は、中小企業や小規模事業者の生産性向上を支援するための助成金です。支給には条件がありますが、コスト面で悩んでいるのであれば検討の価値があります。
コンサルタントやアウトソーシングの活用
業務改善のノウハウがない、リソースが足りないといったケースならば、コンサルタントへの依頼やアウトソーシングの活用も検討してみましょう。
コンサルタントは、専門知識を活かして業務プロセスを客観的な立場から可視化して問題点を抽出し、業務改善のサポートを行います。改善案の提案や問題点の指摘だけでなく、改善策の実行や効果測定に至るまで、トータルサポートを受けることも可能です。
業務改善のノウハウを豊富に持っていますので、業務改善を進めながらそのノウハウを習得できるというメリットもあります。
アウトソーシングとは、一部の業務を外注することです。特定業務のプロ集団に業務を任せられるため、負担のかかっていた業務の処理速度や品質向上に役立ちます。また、自社の組織の肥大化を防ぐこともできるため、将来的な問題を未然に回避することも可能です。
業務改善ならニューズベース
業務改善でお悩みなら、ニューズベースの事務業務支援サービスの導入もご検討ください。
人事・総務・営業事務・システム運用など、企業における煩雑な事務作業の効率化やリソース支援、さらには採用代行や各種研修・セミナーのプロデュースなどのサービスを提供しています。
業務改善の豊富なノウハウや経験を持つ担当者によって、課題や問題点の洗い出しから、業種に合わせた最適な業務フローの構築、運用体制のカスタマイズまで、多岐にわたる対応が可能です。また、業務をスムーズに進められる運用体制の安定化や、アウトソーシングの活用によるコア業務時間の捻出などを実現します。
業務改善でお悩みがございましたら、幅広く業務サポートを行うニューズベースにご相談ください。
まとめ
この記事では、業務効率化のための事例や取組、アイデアなどを紹介してきました。取り入れられそうなものがあれば、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
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