タコツボ化で生産性が低下する?3つの原因や防ぐポイントを解説
「タコツボ化」という言葉をご存知でしょうか?もし、あなたの会社の社員同士が、うまくコミュニケーションを取れていないことに課題を感じているのであれば、タコツボ化が起こっている可能性があります。
タコツボ化は、社員の生産性を下げ、サービスや商品の質を落とす一因にもなるもの。この記事では、タコツボ化の定義や生じる原因、防ぐためのポイントなどについてご紹介します。
目次
タコツボ化とは?
タコツボ化とは、ある組織において他部門に対して無関心になり、関係性が希薄になることを指します。
タコツボ化が進むと、部門間の連携が取りにくくなり、業務に支障をきたす可能性も出てきます。生産性を著しく低下させる原因となるため、対策を講じる必要があります。
タコツボ化の語源
タコツボ化は、他部門と関わらず、自分の殻に閉じこもる様子が、タコが閉鎖された空間である壺の中に入るのに似ていることが語源です。
タコツボ化の言い換え
タコツボ化の言い換えとして、「サイロ化」、「セクショナリズム」という言葉があります。サイロとは、保管するものごとに区切られている倉庫のことで、セクショナリズムは、「分派」という意味を持つ言葉を含んでいます。
タコツボ化が生じる3つの原因
タコツボ化が生じる原因は以下の3つ。
・他部門への無関心
・他部門への責任転嫁
・安全思考
それぞれについて詳しく解説します。
他部門への無関心
他部門への関心が無くなってしまうと、タコツボ化が生じてしまいます。関心がないと、交流も生まれづらくなり、関係性が薄くなってしまうからです。
他部門への関心が無くなるというのは、必ずしもネガティブな感情を含んでいるとは限りません。その部門の専門性を高めようと専念しすぎた結果、関心を持つ余裕が無くなっているだけの場合もあります。専門性を磨くのは必要なことですが、その状況を放っておくとタコツボ化を招いてしまうので、対策しておくべきでしょう。
他部門への責任転嫁
他部門への責任転嫁もタコツボ化を引き起こす原因のひとつです。
他部門に対して、以下のようなことを思ったことはないでしょうか?
「そもそも商品が売れないのは、売れる商品を作らない製造部門の責任だ」(営業部門の社員)
「うちの部門は黒字なんだから、会社の赤字は他部門の責任だ」
そもそも会社で起きている問題は、全部門に関係すること。特定の部門だけが悪いなどというケースは少ないのです。そんな時こそ、部門間の連携を強化し、解決策を探らないといけません。
例えば、上の営業部門の例で言えば、営業部門と製造部門が連携し、営業の際に顧客とのやり取りで得られたデータを元に商品開発をすればもっと売れる商品が作れるかもしれません。
会社で起きた問題は、どの部門もその責任の一端を担っていると自覚する必要があります。他部門へ責任転嫁をしているのであれば、タコツボ化を起こす原因となるので改善しましょう。
安全思考
安全思考は、いい面ばかりではありません。安全思考が進むと、組織を現状のまま維持する働きが生まれ、タコツボ化を引き起こします。組織を守ることを優先しすぎると、場合によっては他部門を敵対視してしまうからです。自部門だけを守ることは、会社全体としてはマイナスに働きことも多々あります。すると、回り回って自部門の存続も危機に晒される可能性もあるのです。
柔軟な考え方を持ち、常に会社全体を俯瞰して見るのがポイントです。
タコツボ化を防ぐポイント
では、タコツボ化はどうすれば防げるのでしょうか?ここでは、タコツボ化を防ぐポイントとして以下の2つについてお伝えしていきます。
・外部との交流の機会を増やす
・外部に関わるチームづくり
それぞれについて詳しく解説していきます。
外部との交流の機会を増やす
部門外の人と交流の機会を増やすことは、タコツボ化防止に非常に有効です。そもそもタコツボ化とは、他部門の人との交流が少なくなることが原因。交流の機会さえ作れば起きる可能性を少なくできるのです。
オフラインでの交流が難しければオンラインでの交流会を設けてみるのもおすすめ。費用や時間の制約が少なく、気軽に開催できます。他部門との交流の機会を増やすと、自然とタコツボ化は徐々に解消されていくでしょう。
外部に関わるチームづくり
タコツボ化を防ぐには、部門ごとのチーム作りが大切になります。環境によって働き方や価値観が大きく異なるからです。
特に、タコツボ化を防ぐためのチーム作りとは、外部と積極的に関わることを大切とするチームの雰囲気を作ることです。具体的には、リーダーが外部と関わることの重要性や、外部との関わり方をチームメンバーに共有することです。
外部と関わるメリットは、会社のことを俯瞰した視点で捉えないとなかなか見えてこないため、チームをまとめ、上層部にもより近い存在であるリーダーの役割が大きいです。経営者は、各部門のリーダーにタコツボ化に陥る危険性や、タコツボ化を防ぐメリットを十分に伝え、部門同士の連携についての意識のすり合わせをしておきましょう。
タコツボ化のための取り組み事例
では、具体的に、どのような取り組みを実施すればタコツボかを防げるのでしょうか?ここでは、タコツボ化防止のための取り組み事例を以下の4つご紹介します。
・ランチ会
・オンライン飲み会
・1 on 1
・セミナー
自社に取り入れられそうな事例はあるかどうかを検討しながらお読みください。
ランチ会
ランチ会は、最も手軽に外部との交流を促せるチャンスです。なぜなら、ランチタイムはもともと多くの社員が休憩時間であり、都合をつけやすいからです。とはいえ、せっかくの休憩時間を取られてしまうのに抵抗がある社員もいるかもしれません。そんな社員にも楽しんでもらえるよう、特別なランチを会社側で用意するなどの工夫をしてみるのもいいでしょう。
他部門の社員が遠隔で業務を行なっているのであれば、リモートでランチ会を開催する方法もあります。社員の働き方や、交流に対する考え方などの違いを考慮した上でそれぞれに適したランチ会を企画してみるのがポイントです。
オンライン飲み会
オンライン飲み会も、他部門との交流に適しています。社員同士で集まると、どうしても仕事の話ばかりになりがち。しかし、飲み会となるとお酒も入るので、ざっくばらんに交流できます。オンラインで開催することで、費用や時間など、社員の負担も減るので業務に支障も出にくいです。
ただし、オンライン開催のデメリットは一度に複数人が発言できないこと。それを踏まえて、一人ずつ発言しやすいテーマを設けたり、ファシリテーターを設けたりと工夫が必要です。
1 on 1
1 on 1は、マンツーマンでの会話となるので、より相手のことを深く知るのに最適です。どうしても複数人いる場では話せないこともありますが、1 on 1では、よりプライベートなことについても話せるようになります。
なかなか他部門の社員とマンツーマンを設定するのは大変かもしれませんが、連携をより強固にしたい部門があれば、1 on 1をうまく回すことでチーム間の関係性は深くなり、タコツボ化の防止にも繋がります。
セミナー
セミナーの開催もタコツボ化の防止に有効です。特に、社員同士が交流できるセミナーがおすすめ。例えば、「コミュニケーション」に関するセミナーなど。セミナー内で、良いコミュニケーションを取るワークショップなどの内容があると、セミナー内で多くの交流が生まれます。
座る席にも注意を払いましょう。工夫をしなければ、つい部門ごとに固まってしまいがちなので、部門関係なく多くの他の社員と交流できる席順になるようにしましょう。
まとめ
本記事では、タコツボ化の定義や原因、防ぐポイント、実際の取り組み事例をご紹介しました。
タコツボ化は、部門間の連携を弱め、さまざまなリスクを生じる原因になりかねません。ご紹介したポイントを踏まえ、タコツボ化を防ぐための取り組みを行なっていきましょう。
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