採用活動における人材要件の定義とは?ペルソナ設計の方法や目的について解説!
採用活動は優秀な人材を確保し、最終的には会社の一員として会社の規模を拡大させるという目的があります。しかし、最近では転職するということが当たり前となってしまい、採用してもすぐに辞めてしまうなど離職率が非常に高く定着率が悪いと頭を抱えている採用担当者も少なくありません。
現代の風潮もあるかもしれませんが、それ以上にもしかしたら採用する前段階である人材要件の設定に問題があるのかもしれません。
そこで今回は採用業務の中でも最も重要とされている人材要件の設定する意味や目的、実際の作成方法についてご紹介します。
目次
採用活動における人材要件とは
採用活動における人材要件とは、自社の求めている人材を判断する基準のことです。
採用する人材がどのようなスキルでどういった性格や価値観を持っているのか、どのくらいのポテンシャルがあるのかなどを定義する必要があります。
採用活動において明確な判断基準を設定しておくことによって、採用担当者や面接官の主観をなくすことができ、自社に必要な人材を確保することができるのです。
人材要件を設定する2つの目的
人材要件を設定する目的は以下の2つです。
・採用のミスマッチを防げる
・再現性のある採用活動が可能となる
一つずつ解説します。
採用のミスマッチを防げる
採用活動を行う上で多くの採用担当者が課題としているのが「採用のミスマッチ」。
せっかく採用したのにも関わらず、会社に馴染むことができずに早期離職になってしまっては、採用に費やした時間や労働力が水の泡となり、会社にとって大きな痛手となります。
しかし、人材要件を設定することによって自社に必要な人材の定義を明確にできるため、採用のミスマッチを防ぐことが可能です。
再現性のある採用活動が可能となる
人材要件は、これまで習得したスキルや価値観・実績などを定義して設定します。
一度人材要件を設定することで、会社の方針が変わらない限りは必要とする人材の定義も変更する可能性は低くなるため、再現性のある採用活動が可能となるのです。
人材要件の設定手順や作成方法について
人材要件の設定手順や作成方法は以下の順番で行われます。
1.自社の企業理念や経営戦略を確認する
2.ペルソナの設定
3.競合他社の分析と自社のポイント把握
4.PDCAを繰り返しおこなう
順番に解説します。
1.自社の企業理念や経営戦略を確認する
まず初めに自社の企業理念や経営戦略を今一度確認するようにしましょう。
いくら優秀な人材を求めていると言っても、職種や業種によって優秀の定義が異なります。そのため、自社の企業理念や経営戦略に合った優秀な人物を採用する必要があるのです。
確認し終えたら、「MUST」と「WANT」に区別しながら人材要件を決めるようにしましょう。
ちなみに優先度が高いのが「MUST」で、採用する上で絶対に必要な条件を設定します。「WANT」は必須条件の他に歓迎するスキルや、あれば尚良い資格などを設定します。
採用担当者や人事部内で決めるのも良いのですが、配属される部署などにもヒアリングすると、より詳細な条件が設定できるので実際に試してみましょう。
2.ペルソナの設定
次におこなうのがどのような人材を採用するのかのペルソナ設定になります。
ペルソナの設定にはどのような性格でどういうスキルを持っているかなど、以下の内容を参考にして詳細に決めるようにしましょう。
・労働条件
・どのような性格か
・どんなスキルを持っているか
・これまでの経験
・どういう人柄か
先ほどの「MUST」と「WANT」を参考にしながら決めるようにしましょう。
また、自社のコンピテンシーモデルを活用するという方法もオススメです。コンピテンシーモデルとは、実際に会社で活躍する社員の考え方や特徴、行動特性などを探し出してモデル化したものです。
企業や職種によって活躍する社員の特徴はそれぞれ異なります。そのため、自社で活躍している優秀な社員に共通している点を言語化、認識することが、どういった人材を必要としているのかを理解する一番の近道となります。現場にこそ、自社が採用するべき人物像の答えが眠っているのです。
例えば、面接の段階では求めているスキルを完璧には満たしていなかった場合でも、社内のハイパフォーマーの価値観や思想にフィットしており、成長意欲などが十分に期待できる場合には、将来的に自社で活躍する人材にも十分になり得ます。
コンピテンシーモデルは今後の採用活動においても繰り返し使うことができる重要な指針となる他、人事評価の観点でも活用することができます。まだ設定していないのであれば早めに決めておくようにしましょう。
3.競合他社の分析と自社のポイント把握
ペルソナの設定までおこなったら競合他社の分析と自社の強みなどを、それぞれしっかりと把握しておくようにしましょう。
特に同業他社においては、採用活動において優秀な人材を確保する上でライバルになってきます。そのため、どのような方法で応募者に対してアプローチをしているのかなど分析して把握することが重要です。
また、自社の強みや弱みもしっかりと理解することによって他社とは一味違ったメッセージを伝えることができます。
4.PDCAを繰り返しおこなう
一通り人材要件の設定が終わったらPDCAサイクルを繰り返しおこなうようにしましょう。
PDCAとは、「Plan(計画)」・「Do(実行)」・「Check(評価)」・「Action(改善)」のことです。
人材要件の設定は一回でうまくいくことはなかなかありません。実際に採用活動を繰り返し行い、修正を重ねていく必要があります。修正を重ねることで、より自社にマッチする人材要件を設定することができ、その後安定した採用を実施することができます。
人材要件を設定する際に気をつけるべき2つのこと
人材要件を設定する際に気をつけるべきことは以下の2つです。
・あらかじめリソースを確保しておく
・MUSTとWANTの設定をバランス良くする
順番に見ていきましょう。
あらかじめリソースを確保しておく
人材要件が少しでもブレてしまうと、自分たちが求めていた人材とは異なる人材を採用してしまい、早期離職や採用ミスマッチの原因となってしまいます。そのため、人材要件は慎重に設定しなければいけません。
人材要件を設定した後も採用担当者や面接官と人材要件の内容を共有する必要があるので、ある程度のリソースをあらかじめ確保しておきましょう。
MUSTとWANTの設定をバランス良くする
人材要件は詳細に設定すればするほど、今自社が求める最も理想な人物像が完成していきます。しかし、全ての理想を満たすような完璧な人材は存在しません。
MUST条件やWANT条件を厳しくしすぎてしまうことで、そもそも採用人員を確保できないという事態に陥ってしまうのです。そのため、歓迎条件の中でもいくつか優先順位をつけて絞り込むようにしましょう。
「どの条件は譲れないのか」という軸となるMUST条件を定めた上で、今募集する部門で求められている人物像に近づくWANT条件を当てはめていくと良いでしょう。
人材要件を定義するのは非常に重要ですが、あくまでも採用担当者が望むような理想像として作り上げてはいけません。そのためにもPDCAを何回も繰り返し行いながら、自社に最適なMUSTとWANTの条件バランスを上手くかけ合わせるようにしましょう。
人材要件を基に採用活動を行う際のポイント
採用活動を行う上で人材要件は確かに重要ですが、人材要件だけに囚われすぎないよう注意しましょう。
人材要件だけで採用活動を進めてしまっては、面接の必要性が失われてしまいます。人材要件は、性格やこれまで積み上げてきた実績などを判断するための基準にしかなりません。
たとえ人材要件の基準を満たしていたとしても、入社に対する意欲がなければ、結局は早期離職へとつながり採用のミスマッチが発生してしまうので、人材要件はあくまでも採用する上で一つの指標でしかないということを覚えておきましょう。
人材要件は採用活動において非常に重要
今回は採用活動における人材要件の目的や設定方法などについて説明しました。
採用活動は求人票の作成や面接などの業務はもちろん大事ですが、それ以上にどのような人材を採用していくかなどの人材要件をしっかりと設定することが重要となります。
そのため、採用担当者や人事の方が中心となって時間をかけて考える必要があるのです。
しかし、普段の業務が忙しくてなかなか人材要件の設定に時間をかけられない採用担当者も少なくありません。そんな時には採用代行(RPO)サービスがオススメです。
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