アンケート結果をまとめるための効果的な方法3選!分析手法や精度を高めるコツも
ユーザーの評価や感想など、反応を伺うためにアンケートは実施されますが、ただ集計しただけでは意味がありません。集計したアンケート結果をまとめて、次のアクションに活かすことが何よりも重要です。
しかし、集計したアンケートの規模が大きいと、どのようにまとめればいいのか分からないという担当者も多いはずです。そこで本記事では、アンケート結果をまとめる方法や分析手法・精度を高めるためのコツなどを紹介します。
目次
アンケートを実施する一連の流れ
アンケートは、以下のような流れで実施します。
- アンケートを実施する目的を明確にする
- アンケートを作成する
- アンケートを実施する
- アンケートを集計して結果をまとめる
順番に解説します。
アンケートを実施する目的を明確にする
アンケートを実施しても、目的が明確でなければ、正確な調査ができません。
そのため、「なぜアンケートを実施する必要があるのか」目的を明確にしましょう。
アンケートを作成する
実際にアンケート内容を作成します。
アンケートでは、自分たちが知りたい内容を必ず質問項目に入れましょう。
また、アンケートには以下のような形式があります。
- 複数選択式:該当する項目を複数選択する
- 段階形式(リッカート形式):段階方式となっている項目から一つ選択する
- Yes/No形式:項目にYesかNoのどちらかを選択する
- 自由記述形式:選択肢はなく、項目に対して自由に記述してもらう形式
それぞれに特徴があるので、自社に合ったアンケート形式を選択しましょう。ただし、回答者への負担が大きくなると、回答率が下がってしまうので注意が必要です。
アンケートを実施する
アンケートを実施します。アンケートを送っても後回しにされてしまうことが多いので、必ず回答期限を設けましょう。また、回答率を上げるために回答者に対してプレゼントを進呈するなどの施策を講じるのがおすすめです。
アンケートを集計して結果をまとめる
アンケートの回答期限となったら、集計して結果をまとめていきます。正確な結果を導き出すためにも、一つひとつ丁寧に確認しながら集計しましょう。
アンケートの結果をまとめる方法は、主に3種類あります。次項で詳しく解説します。
アンケート結果をまとめる3つの方法
アンケート結果をまとめる方法は、以下の3つです。
- 単純集計
- クロス集計
- 自由記述集計
一つずつ解説します。
単純集計
単純集計とは、一つひとつの質問に対してどれくらいの回答者がどの項目を選んだのかを集計していく方法です。一番スタンダードな集計方法といえるでしょう。
クロス集計
クロス集計とは、単純集計によって判明した回答結果にプラスで性別や年齢・住んでいる場所などを組み合わせる集計方法です。クロス集計を行うことによって、単純集計では把握できなかったデータを詳しく分析することが可能となります。
自由記述集計
自由記述集計とは、名前の通り自由記述をアンケート項目に設定した場合にのみ適用可能な集計方法です。
自由記述は回答者によって答えが異なるので、効率よく集計するためには、以下のような手法を用いましょう。
・アフターコーディング:似たような回答を一つの意見としてまとめること
・テキストマイニング:回答に出現する単語や文節などをまとめること
アンケート結果を分析する5つの手法
アンケート結果を分析する手法として、以下の5つが挙げられます。
- クラスター分析
- アソシエーション分析
- 決定木分析
- 主成分分析
- 時系列分析
順番に解説します。
クラスター分析
クラスター分析とは、グループのなかから似ているものを抽出する分析手法です。クラスター分析を行うことで、ユーザーの思考や行動パターンが把握できるようになるので、売り上げの向上に直結させることが可能です。
アソシエーション分析
アソシエーション分析とは、行動における関連性を分析する手法です。「Aという行動が起こったときには、Bという行動も発生する可能性が高い」と結びつけることで、ユーザーの行動パターンを把握してアップセルやクロスセル効果が期待できます。
決定木分析
決定木分析とは、樹形図を作成することで予測や検証を行う分析手法です。予測や検証した内容は樹形図として可視化できるため、どのような効果が表れたのか把握しやすいです。そのため、膨大な量のアンケート結果でも容易に分析できます。
主成分分析
主成分分析とは、多変量解析の手法の一つで、複数ある項目を置き換えて要約する方法です。簡単にいえば、項目をまとめて見やすくすることです。
例えば国語、数学、英語などさまざまな科目を「文系」「理系」と2つにまとめるように、大きな要素で項目をまとめて分析効率を高め、影響力の大きい要素を把握します。おもに顧客の分類や満足度調査、ブランドイメージ調査などで用いられています。
注意点としては、主成分分析はすべてのデータをカバーできる分析方法ではないことです。
主成分分析は、まとめることで多量のデータ分析を容易にしますが、その過程で一部のデータが排除されてしまいます。
そのため、深い分析を行いたい場合は向いていないといえます。また、データ量が少ない場合も主成分分析が成り立たちません。
時系列分析
時系列分析とは、時間の経過によってどのようにデータが推移しているかを分析する手法です。
週ごと月ごとなど一定期間ごとにデータを集計し、時間とともにどのように数値が変化したかを見極めることで、状況の変化を把握しやすくします。
また、時間の経過と数値の推移にある規則性が分かれば、そのタイミングに合わせた施策も行えます。さらに、急激な変動があった場合、その要因を調べることでビジネスに役立つこともあるでしょう。
このように、時系列分析は、トレンドの推移測定や将来の需要予測などを行えます。
そのため、自社商品・サービスの認知度における傾向の把握、飲食業界での季節ごとの発注量の最適化などに役立てられています。
アンケート結果を正確にまとめるために意識すべきポイント
アンケート結果を正確にまとめるためには、以下の3つを意識しましょう。
- グラフとして表してみる
- 無回答に対しての扱い方を決めておく
- 集計を効率化するツールを導入する
一つずつ解説します。
グラフとして表してみる
アンケート結果はグラフとして表すことで見やすく分析しやすくなります。
数値やテキストのみでアンケート結果をまとめると、読みづらいだけでなく分析時にミスを生じやすくなります。そのため、誰が見てもひと目で分かりやすいグラフにして表すのがポイントです。
たとえば、アンケート結果をまとめるのによく使われるのが円グラフです。
円グラフでは、各要素の構成比を円の中の扇形の面積で示します。要素ごとの割合が視覚化されるため、誰もが直感的に割合の大小を理解できるようになります。
回答の合計が100%になる単一回答のデータであれば、円グラフが最も分かりやすいグラフの一つといえるでしょう。
他にも、グラフには帯グラフ、棒グラフ、折れ線グラフ、散布図などがあります。それぞれ特徴が異なりますので、アンケートの種類にあったものを選びましょう。
無回答に対しての扱い方を決めておく
アンケートが無回答で提出されることも珍しくありません。無回答の内容も反映するかどうかによって、アンケート結果が大きく異なってきます。そのため、あらかじめ無回答に対しての扱い方を決めておきましょう。
集計を効率化するツールを導入する
アンケートの集計を効率化するならば、ツールやシステムの活用がおすすめです。
アンケートの調査規模が大きい場合、手作業で集計・分析するのは困難ですし、ヒューマンエラーも発生しやすくなります。アンケート集計のためだけに人的リソースを割くことは、コスト面から見ても合理的とはいえません。
そこで活用したいのが、アンケートを集計するのに適したツールです。たとえば、ExcelやGoogleスプレッドシートは、無料で使えるアンケート集計に適したツールの代表格です。自動計算をうまく活用して、アンケートの集計をスムーズに行っていきましょう。
また、アンケートフォームの作成や集計を行える専用の有料ツールもあります。単純な集計だけでなく、グラフ化や分析まで簡単に行えるものもありますので、自社に合ったものを導入してみてもよいでしょう。
アンケート結果の精度を高めるためのコツ3選
アンケート結果の精度を高めるためには、以下の3つのコツが重要です。
- 答えやすいようなアンケートを作成する
- リマインドメールを送る
- アンケートに答えたユーザーへの特典を用意する
順番に解説します。
答えやすいようなアンケートを作成する
アンケートに時間をかけたくないというユーザーがほとんどです。そのため、記述式が多いようなアンケートの場合、回答するまで時間がかかると判断されてしまうと、回答率の低下につながります。
そのため、なるべく答えやすいようなアンケートを作成しましょう。
リマインドメールを送る
アンケートメールを送っても、回答されないことは多々あります。そんなときには、リマインドメールを送りましょう。ユーザーによっては、アンケートメールが送られてきたこと自体に気づかないということもあるので、リマインドメールを送ることによって回答率の向上が期待できます。
アンケートに答えたユーザーへの特典を用意する
アンケートに回答してもらうためには、何かしらの特典を用意しましょう。特典を用意することで、アンケートに答えてくれるユーザーを増やすことが可能です。
ただし、アンケートの回答数が多いほど特典を用意するのも大変になってきます。そのため、なるべく費用や手間がかからないものを特典にしましょう。
まとめ
本記事では、アンケート結果をまとめる方法や分析手法・精度を高めるためのコツなどを紹介しました。
アンケート結果をまとめる方法や分析手法は数多くあります。そのため、アンケートを行う目的を考慮した上で、自社に合った方法や分析手法を選びましょう。
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