教育と研修では何が違う?それぞれの意味や教育体系・社内研修についても徹底解説!
人事担当者は「教育」と「研修」という言葉をよく使用しますが、どちらも言葉の意味が非常に似ています。そのため、上手く使い分けができていない担当者も多いのではないのでしょうか。
そこで今回は、「教育」と「研修」それぞれの意味や、関連する言葉として登場する「教育体系」、「研修体系」についても紹介します。
目次
「教育」と「研修」の意味と違い
「教育」と「研修」は似た言葉ですが、さまざまな違いがあります。まず、言葉のそのものの意味として以下のような違いがあります。
- 「教育」:対象の人物へ働きかけ、その人物をより良い方向へと成長を促す。
- 「研修」:講師が生徒たちへ、特定の知識やスキルを伝えること。
このように、「教育」の方が言葉としては意味の幅が広いことがわかります。つまり、「研修」は「教育」の中のいち要素であるといえます。
さらに深堀りして、「教育」と「研修」の違いを、以下の3点から見ていきましょう。
- 目的の違い
- 実施内容・期間の違い
- 効果測定の方法
目的の違い
「教育」と「研修」では、目的に違いがあります。
「教育」の目的は、社員個人や組織を成長させることで、企業の成長を図ることです。たとえば、新入社員に挨拶や名刺の渡し方を教えることはよくあることでしょう。こうした一般的なビジネスマナーを教えることは、顧客対応を学んで将来的な企業の発展へと繋げる教育であるといえます。他にも、企業の成長というゴールに向け、さまざまな教育が行われます。
一方「研修」の目的は、特定の知識や技術を習得させて業務効率をアップすることにあります。「教育」は「企業の成長」という幅の広いゴール設定ですが、「研修」はよりゴールが絞られます。たとえば、業務上必要なツールを活用するためのスキルを習得させる場合は、「研修」となります。
実施内容・期間の違い
実施内容や期間にも「教育」と「研修」では違いがあります。
「教育」は将来的な成長をゴールとしています。実施期間を特に設定せず、時間をかけて長期的に行います。たとえば「教育」では、「社会人としてのマインド育成」「企業理念やコンプライアンスへの深い理解」「自社の社員として相応の振る舞いができる人材育成」など、すぐに成果が現れにくいものを実施します。
「研修」は、一定期間内に目的に沿った学習を完了させます。たとえば、「新入社員向けにITツールの使い方について、複数回で学習させる」という場合は「研修」といえます。「教育」と比べ、より実践的で短期間で学習効果が現れやすい傾向にあります。
効果測定の方法
「教育」と「研修」は目的や実施内容・期間が異なるため、効果測定の方法も異なります。
「教育」は長期的に行うものであり、その効果は短期的にはわかりません。教育効果が出ているかどうかは、数ヶ月~数年かけて対象となる社員の成長を見ていかなければなりません。定期的な面談の実施などによりその効果を図ることになります。
「研修」の効果測定は段階ごとに学習者の反応を測る「アンケート」、学習の定着度を測る「テスト」、実践度を測る「回顧調査」が一般的に行われます。さらに業績への貢献度を測ることもあります。ただし、貢献度の結果は必ずしも「研修」の効果のみが現れるわけではない点に注意が必要です。
「教育」と「研修」の意味と違い
まず始めに「教育」とは、知識やスキル・人間性を伸ばすために相手に働きかけることです。例えば、新入社員に対してビジネスマナーや挨拶・名刺の渡し方などを教えることは教育という意味になります。
一方の「研修」とは、一定期間で知識やスキルを高めることです。新入社員を1週間〜1ヶ月など、あらかじめ期間を決めて指導する場合には研修と呼びます。逆に、期間が決まっていない場合は研修と呼びません。
知識やスキルを伸ばすという点では「教育」と「研修」は同じ意味ですが、期間の有無によって異なるので覚えておきましょう。
社内教育のメリット
社内教育のメリットは以下の通りです。
- 自社に合った教育ができる
- いつでも自由にできる
- 企業理念など共有しやすい
1つずつ解説します。
自社に合った教育ができる
社外で教育する場合には、基本的に外部の講師が指導してくれますが、講師や教育内容によって自社の方針と合う合わないがあります。しかし、社内教育であれば全て自社に合った教育を行うことが可能です。
いつでも自由にできる
外部講師に依頼して教育を行ってもらう場合、講師のスケジュール調整などを行わなければいけません。一方、社内教育では教育担当者の時間さえ確保できればいつでも自由に教育することができるので、スキマ時間の有効活用にも繋がるのです。
企業理念など共有しやすい
社内教育では、OJTのように上司が教育担当者としてマンツーマンで教育することもあります。社外教育と比べて企業理念などが共有しやすくなり、帰属意識の向上になります。帰属意識を高めることで、離職率の低下にも期待できるのです。
社内教育のデメリット
一方、社内教育のデメリットは以下の2つです。
- 教育担当者の負担が大きい
- 教育内容に差が生じる
順番に見ていきましょう。
教育担当者の負担が大きい
社内教育では、教育担当者に選ばれたら通常の業務に加えて指導の時間を確保する必要があります。そのため、普段の業務が忙しい人にとっては負担が大きいと感じるかもしれません。
教育内容に差が生じる
OJTの場合、教育担当者によって指導方法やペースが異なります。そのため、同じタイミングで一緒に社内教育を始めたのにも関わらず、教わっている内容やペースが全く違うというケースも珍しくありません。
社内研修のメリット
社内研修のメリットは以下の3つです。
- コストを削減できる
- 短期間で効果が実感しやすい
- 社内講師のスキルアップにも繋がる
1つずつ見ていきましょう。
コストを削減できる
外部講師に研修を依頼する場合、交通費や宿泊費などの研修費用がかかってしまいます。しかし、社内研修では講師を社内の中から選ぶので、研修費用が一切かからずコストを削減することが可能です。
短期間で効果が実感しやすい
研修は期間を定めて行います。短期集中型の場合が多く、短時間でスキルやノウハウを習得することができるので、効果が実感しやすいのも特徴の1つです。
社内講師のスキルアップにも繋がる
社内研修では講師も社内で選びます。社内講師に選ばれることで、受講者に理解してもらうためのプレゼン力や対応力などを磨くことができます。
社内研修のデメリット
メリット同様にデメリットも3つあります。
- 社内講師を探すのが難しい
- 社内講師への負担が大きい
- 社内講師によって差が生じる
順番に解説します。
社内講師を探すのが難しい
社内研修では講師も社内で選びますが、選定基準が非常に難しいです。同じ職場で働いている従業員が受講者に教えるので、日頃の勤務態度が悪かったり尊敬できる人物ではなかったりする場合には受講者も聞く耳を持ちません。人事担当者によっては他の部署とあまり関わりがないというケースもあるので、社内講師を探すのであれば、部署ごとにアンケートを取ってふさわしい人物を選びましょう。
社内講師への負担が大きい
社内講師に選ばれた人は、他の業務に加えて研修に必要な資料の作成やプレゼン練習など、あらゆることを行わなければいけません。社内講師の負担が非常に大きいので、社内講師を選んでも他の業務が忙しくて断られるというケースも少なくないのです。
社内講師によって差が生じる
社内講師の中でも人前で話すのが得意な人もいれば苦手な人もいます。そのため、同じ内容の研修であっても受講した後の理解度や満足度に差が生じてしまう可能性があるのです。
「教育体系」・「研修体系」とは?
「教育」「研修」に関連するものとして、「教育体系」と「研修体系」があります。
「教育体系」とは、自社で行う教育の位置づけを図で表すものです。将来的に目指す人物像、組織像、教育のスタンスなどを図表化します。「教育」は長期スパンのものであり、なおかつその意味は幅広いものです。
「教育体系」を示すことには、「教育」の下にある「研修」を開催しやすくするという目的があります。たとえば、「研修」を開催する場合、経営陣などから実施目的や理由を説明しなければなりません。「教育体系」があれば、それらが明確になっていますので説明を省けます。また、将来的に行う「研修」に一貫性をもたせられます。
「研修体系」とは、社員に対して知識やスキルを習得させるのに必要なプログラムやカリキュラムのことです。計画的かつ効率的に人材を育成する目的で作成されます。
たとえば、「研修」のたびにカリキュラムを作っていては担当者に大きな負担がかかります。しかし、プログラムやカリキュラムの土台があれば、計画的・戦略的な人材をスムーズに行えます。
また、時代に合わせてアップデートするのも容易です。
近年は、その企業の「研修体系」が整備されているかどうかによって、入社を判断する求職者が増えています。そのため、「研修体系」の構築は、企業にとって重要であるといえます。
研修体系についてはこちらの記事もぜひご覧ください。
まとめ
今回は、「教育」と「研修」それぞれの意味や関連する言葉として登場する「教育体系」、「研修体系」について紹介しました。
社内教育や社内研修は自社に合った内容にすることができたりコストを削減できたりするなどのメリットがあります。しかし、担当者の負担が大きいなどというデメリットも生じるので、内製化するというのは非常に難しいです。
そんな時には「アウトソーシング」を利用しましょう。アウトソーシングでは、担当者以外でも対応できる定型的な業務を委託することができます。そのため、リソースの確保が可能です。
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自社に合った無理のない方法で教育や研修を行いましょう。