階層別研修とは?基礎知識や実施するメリット・デメリットについて解説!
最近は「階層別研修」を実施している企業が増えてきています。
名前は聞いたことがあっても、具体的にどのような研修内容なのかあまり把握していないという方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、階層別研修の基礎知識や実施するメリット・デメリットなどについて解説します。
階層別研修について詳しく知りたい担当者は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
階層別研修とは?
階層別研修とは、役職や年齢・勤続年数などに応じて従業員を分けて、それぞれの階層で必要な知識やスキルを習得してもらうための研修のことです。
新入社員や若手社員・中堅社員など、さまざまな階層があり、階層別研修を実施することで教育コストの削減や現状の把握が可能となります。
選抜研修との違い
階層別研修と似ている言葉として、「選抜研修」があります。
階層別研修は、それぞれの階層で必要な知識やスキルを習得してもらうための研修ですが、選抜研修は次の階層へとレベルアップするために必要な知識やスキルを習得するための研修です。
それぞれの目的について間違えないように気をつけましょう。
階層別研修を実施するメリット
階層別研修を実施するメリットは、以下の3つです。
- 教育コストの削減につながる
- 現状を把握できる
- 必要なスキルや知識を習得できる
順番に解説します。
教育コストの削減につながる
一人ひとりの従業員に合わせて人材育成をしようとすると、それぞれに最適な教育カリキュラムを作成しなければいけません。そのため労力や手間がかかります。
一方、階層別研修の場合には、同じ階層の従業員に合わせた教育カリキュラムを作成するので、大幅な教育コストの削減につながるのです。
現状を把握できる
階層別研修では、同じ立場や経験年数の従業員が受講者として参加するため、お互いの現状について共有するきっかけにもなります。
その結果、足りないスキルや知識などが明確となり、自身の現状を把握することが可能です。
必要なスキルや知識を習得できる
新たな階層に昇格した際にスキルや知識が不足していると、階層ごとに定められている役割を達成することができず、精神的に疲弊してしまいます。
このような事態を防ぐために、階層別研修を実施し、階層ごとに必要なスキルや知識を伝える必要があります。
階層別研修を実施するデメリット
階層別研修は、メリットだけでなくデメリットもあります。
主なデメリットは、以下の2つです。
- 既に必要なスキルや知識を習得している可能性がある
- 受講者のスケジュール調整が難しい
一つずつ解説します。
既に必要なスキルや知識を習得している可能性がある
階層別研修は、それぞれの階層において必要な知識やスキルを習得してもらうことを目的とした研修です。
そのため、既に必要なスキルや知識を習得している受講者にとっては得られるものが少なく、退屈な時間だと感じるかもしれません。
これは主に、その階層の中で既に高いレベルで活躍している人に起きやすいデメリットです。
こういったケースでは、該当の社員を研修のリーダーに任命するなど、与える役割を工夫してみましょう。
受講者のスケジュール調整が難しい
階層別研修は、それぞれの階層における従業員が対象となるため、大手企業の場合には数百人規模になることも少なくありません。
その結果、受講者のスケジュールを調整するのが難しいケースもあるはずです。
どうしてもスケジュールが調整できないという場合には、対面ではなくオンラインで実施する、参加が難しい人は録画形式で見てもらうなどを検討してみましょう。
必要不可欠な「階層別研修体系図」とは
階層別研修を開催する上で必要なのが、階層別研修体系です。
階層別研修体系図とは、階層別に求められる役割やスキル・目標・研修内容などを明確化した図のことを指します。
階層別研修体系図があることで、考えていることを言語化し、スムーズに研修カリキュラムを作成することが可能です。
作成方法については、次項で詳しく解説します。
階層別研修体系図の作成方法
階層別研修体系図の作成方法は、以下の4ステップです。
- 横軸と縦軸の項目を決める
- 階層別における従業員の役割を定義する
- 研修のニーズを調べる
- 研修内容を考える
順番に解説します。
1.横軸と縦軸の項目を決める
階層別研修体系図を作成するにあたって、まずは横軸と縦軸の項目を決めましょう。
一般的には横軸に研修内容を設定し、縦軸に役職や等級といった階層を設定します。
役職や等級などが明確にわかれていないのであれば、一度細分化してみるのがおすすめです。
2.階層別における従業員の役割を定義する
横軸と縦軸の内容が決まったら、次に階層別における従業員の役割を定義します。
具体的には、以下の通りです。
- 若手社員:必要な知識やスキルを習得し、業務を遂行する
- 中堅社員:リーダとしてチームを引っ張る
- 管理職:部下の育成やマネジメント・組織全体の業績を向上させる
なるべく明確な役割を定義しましょう。
3.研修のニーズを調べる
階層別における従業員の役割を定義したら、研修のニーズを調べます。
研修のニーズは、人事担当者と実際の現場で働いている従業員で認識に相違が生まれている可能性があります。
階層別研修を受講するのは、現場で働いている従業員です。そのため、研修のニーズは現場で働いている従業員から直接聞き出しましょう。
しかし、研修のニーズを聞いても答えられないという従業員もいるはずなので、「階層別研修では〇〇について深掘りしていこうと思うのですが、いかがでしょうか。」というように、こちらから具体案を出してみるのもおすすめです。
4.研修内容を考える
研修のニーズをもとに研修内容を考えます。
階層によっても異なりますが、将来的にリーダーとしてチームを引っ張っていけるような人材を育成したいのにもかかわらず、全く異なる内容の研修を実施してしまっては、意味がありません。
受講者のモチベーションが下がる要因にもなりかねないので、経営戦略や経営理念・キャリアパスなども参考にしながら、最適な研修内容を考えましょう。
研修内容が決まったら、階層別研修体系図にまとめて問題がなければ、完成です。
まとめ
本記事では、階層別研修の基礎知識や実施するメリット・デメリットなどについて解説しました。
階層別研修を実施することで、教育コストの削減につながったり、必要なスキルや知識を習得できたりするなどのメリットがあります。
ただし、受講者のスケジュール調整が難しかったり、既に必要なスキルや知識を習得していて、退屈な時間だと思わせてしまったりするなどのデメリットもあるので、注意が必要です。
階層別研修を開催する上で、階層別研修体系図が必要不可欠ですので、本記事を参考に作成してみましょう。
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