研修計画とは?作り方やポイントについて徹底解説!
研修を開催する上で重要なのが研修計画。研修計画が作り込まれていなければ、研修を成功させることは難しいでしょう。
しかし、研修の開催経験が乏しい場合、どのように研修計画を作成すればいいのかわからないと感じる担当者も少なくありません。
そこで本記事では、研修計画の作り方や作る上でのポイントを解説します。
目次
研修計画とは
研修計画とは、研修を開催する年間スケジュールや人材を育成していく上での計画のことです。
研修計画は大きく分けると、以下の3つに分類されます。
- 会社全体で1年間に取り組む人材育成計画
- 特定の従業員を対象に期間を定めて育成する計画
- 限定したテーマや対象者を絞って実施するための研修計画
研修計画=研修に限定した計画というわけではないので覚えておきましょう。
研修計画を立てる前に抑えておくべき2つのポイント
研修計画を立てる前に抑えておくべきポイントは以下の2つです。
- 研修対象者の選定
- 研修の目的
一つずつ解説します。
研修対象者の選定
例えば新入社員研修の場合、マナー研修やOAスキル研修などがメインとなり、管理職に向けての研修では、マネジメント研修や目標管理研修などを実施します。
研修といっても対象者によって内容が大きく異なるので、一概には言えません。そのため、研修内容を決めるよりも先にまずは研修対象者を誰にするのかを決めましょう。
研修目的の明確化
研修の開催において研修目的の明確化も重要です。研修目的が明確化されていなければ、参加者は研修を受講したことで得られる効果がイマイチわからず、研修そのものが無駄になってしまいます。
また、研修担当者も研修目的を把握していないと研修のゴールがわからないので改善点が見えず、効果の低い研修を繰り返し行ってしまう可能性につながるのです。
そのため、研修を開催する前に必ず「何のために研修を開催するのか」、目的を明確化させましょう。
これらの項目を決める際は、「5W1H」を活用すると決めやすくなります。
5W1Hとは、「Where」「Why」「Who」「What」「When」「How」の5つの言葉を合わせた造語。5W1Hに当てはめてみると、以下の通りになります。
- Where …研修を通してどこを目標にするのか現状と理想の確認
- Why …なぜ研修を行うのか、研修を開催する目的の確認
- Who …誰に対しての研修なのか、受講者の確認
- What …研修を通して受講者に何を伝えるのか、研修内容の確認
- When …いつ研修を行うのか、スケジュールの調整確認
- How …どうやって伝えるのか、研修方法の確認
研修担当者はぜひ、活用してみましょう。
研修計画の作り方
研修計画の作り方は以下の5ステップです。
- 研修予算の決定
- 研修方法や場所の確保
- 研修に関わる担当者や業者との打ち合わせ
- スケジュール調整
- 研修の準備・実施
順番に解説します。
1.研修予算の決定
まず始めに、研修計画では予算の確保が必要です。
先ほども説明した通り、研修計画は直近の研修計画を決めるのではなく、年間を通しての研修スケジュールや人材育成計画を設定します。
そのため、研修計画に必要な予算をある程度、把握しておかなければいけません。前年度にかかった費用を参考にして研修予算を決めましょう。
2.研修方法や場所の確保
研修計画の予算を決めたら、研修方法や場所を確保します。
さきほど5W1Hをもとに考えた中の「How(研修方法)」の部分や、「Who(受講者)、「When(スケジュール)」なども踏まえながら決定しましょう。
3.研修に関わる担当者や業者との打ち合わせ
企業によっては研修の開催にあたって、研修業務の一部を業者に代行するケースも少なくありません。
業者に代行する場合、綿密なコミュニケーションが必要となるので、研修に関わる担当者と業者で打ち合わせを行います。
そのため、企業は研修に関わる担当者を打ち合わせ前までに決めなければいけません。また、業者に依頼する業務内容もあらかじめ決めておきましょう。
4.スケジュール調整
研修を開催するスケジュールを調整します。企業によっては毎年開催している年間行事やイベントなどがあるので、注意が必要です。
また、研修によっても優先度があります。例えば新入社員に向けての研修の場合には、入社してからすぐに行わなければいけません。
そのため、研修の優先度を一通り確認し、優先度が高い研修から順番に入れていきます。研修のスケジュールが決まったら、いち早く担当者に連絡しましょう。
5.研修の準備・実施
スケジュールの調整が終了したら研修の準備を行います。
会場の準備や資料の作成・当日の細かい流れなど、さまざまです。最近ではオンラインでの研修を開催する企業も増えてきており、オフラインに比べて機材のトラブルが頻発しています。
そのため、万が一のトラブルが発生した場合に備えて、マニュアルも作成しておくと安心です。準備万端の状態で研修に臨みましょう。
6.効果測定・研修内容の見直し
研修を行ったら効果測定や内容の見直しを行いましょう。研修により受講者がどのような変化・成長があったのかが可視化されるだけでなく、次回の研修をより良いものにできるためです。
効果測定をする目的としては以下のようなものがあります。
- 研修の継続・廃止を見極める
- 研修が目的に合っていたか見極める
- 実施した研修の改善点を洗い出す
- 予算に見合った内容と効果があったか見極める
- 研修は受講者にどのような効果をもたらしたか
効果測定をすることで、研修の効果が可視化されます。可視化された内容をもとにブラッシュアップを行い、以降の研修をより良いものにしていきましょう。
研修後の効果測定の評価方法は以下の通りです。
- 研修後のアンケート:アンケートにより受講者の反応や満足度を可視化します。
- 理解度のテスト:研修内容を受講者がどのくらい理解しているかを可視化します。
- 行動量調査:受講者が研修で学んだことを実行できているかを可視化します。
- 業務の成果確認:受講者が研修で学んだことを実践し、その上でどのような成果が出ているかを可視化します。
研修計画を作る上でのポイント
ほとんどの企業では「従業員のスキルアップ」を研修の目的としています。そのため、研修計画を作る場合、受講者である従業員が実際の現場において、研修で学習した内容を実行できているかどうかが重要なポイントです。
学習内容が実際の業務で活かせるようにするためには、研修担当者がPDCAを回して研修内容をブラッシュアップすることが大切です。研修内容がスキルアップできるもの、実践的であるもの、「使ってみたい」と思えるものであれば、従業員は自然と業務に役立ててくれます。
また、承認されやすい研修計画であることも大切です。どんなにしっかり練り上げた研修計画でも、承認されなければ意味がありません。承認されやすい計画を作るために、以下のポイントを意識しましょう。
- 段階ごとに承認を得つつ作成する:段階ごとに承認を得ることで、1から全部やり直しという状況を避けられます。
- お試しとして提案する:「お試し」「効果検証のため」ということであれば、承認ハードルが下がることが少なくありません。
- 分かりやすく伝わりやすい説明:承認権限を持つ上司に説明する際には、研修の効果や解決できる課題、予算などを分かりやすく伝えることが大切です。
よくある研修計画の失敗例
研修計画の失敗例としてよくあるのが以下の3つです。
- 時代に合わせて内容が更新されていない
- 研修の振り返りができていない
- 内容を詰め込み過ぎてしまう
それぞれ詳しく見ていきましょう。
時代に合わせて内容が更新されていない
研修計画は、企業の経営計画や事業計画と連動して作られなければなりません。経営計画・事業計画とのすり合わせをせず、アップデートしていない研修は古い内容のままとなり、効果的な研修にならない可能性があります。
また、現代はVUCAの時代と言われ、未来予測が難しくなっています。ビジネス環境が常に変化し続ける中で、柔軟かつ迅速に対応できる人材育成が求められているのです。このような状況下では、過去に作った研修コンテンツが、現在では役に立たないといったことも珍しくありません。
研修計画を作る場合、現在企業に求められていることは何なのか、自社の経営戦略とマッチするかという点を考慮し、アップデートすることが大切です。
研修の振り返りができていない
研修内容の振り返りがなければ研修計画を作る意味がありません。
研修計画の目的は、従業員のスキルアップを通して自社の業務に寄与することです。研修の振り返りがないと、たとえ研修の成果が出たとしても一過性のものとなり継続性がなくなります。前回のフィードバックがなければ、次回以降の研修計画は失敗する可能性が高まります。
継続的により良い研修を行うためにも、研修計画を作る際には、あらかじめ成果を定義づけておき研修後に効果測定や振り返りを行うことが大切です。
内容を詰め込み過ぎてしまう
内容の詰め込みすぎは、研修計画でよくある失敗です。
研修計画を立てていると、受講者たちに教えたいこと・伝えたいことがたくさん出てきます。しかし内容を詰め込み過ぎてしまうと、受講者はそれを飲み込みきれずに中途半端な学習で終わってしまいます。
研修計画を立てる場合、まずは研修の目的・目標を明確にしましょう。そして、受講者を意識して、「確実に伝えるべき・教えるべきこと」を絞ることが大切です。
まとめ
本記事では、研修計画の作り方や作る上でのポイントについて解説しました。
研修計画は研修や人材育成の効果を最大限に発揮するためには欠かせません。そのため、これから研修に対して注力したい企業は、まず始めに研修計画を立てる必要があります。
しかし、人手不足の影響によって研修計画や研修の開催が思うようにできない企業も少なくありません。そんなときにはアウトソーシングサービスがおすすめです。アウトソーシングサービスを利用することで、リソース不足を解消し、研修計画の作成に注力できます。
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本記事を参考に、研修計画を作成してみましょう。
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