OFF-JTとOJTの違いとは?メリットやデメリット・ポイントについても解説!
人材育成における王道の手法として、OJTを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、最近はOFF-JTも注目されてきています。
このOFF-JTという手法について、聞いたことがあっても、具体的にどのような意味なのかあまり把握していないという人もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、OFF-JTの基礎知識やメリット・デメリットなどについて解説します。
目次
OFF-JTとは?OJTとの主な違い
OFF-JTとは、「Off The Job Training」の略称であり、職場から離れて外部の研修やセミナーなどに参加して学習することです。
厚生労働省が公表した「令和4年度 能力開発基本調査」によると、OFF-JTに支出した企業は46.3%となっており、実施した内容の割合は以下の通りであることが判明しました。
- 新規採用者など初任層を対象とする研修:75.1%
- 新たに中堅社員となった者を対象とする研修:47.8%
- ビジネスマナー等のビジネスの基礎知識:44.8%
OFF-JTと似ている言葉として挙げられるのが、「OJT」です。
OJTとは「On The Job Training」の略称であり、実際に業務を進めながら先輩社員や上司から教わることです。
OFF-JTとOJTはどちらも意味が大きく異なるので、間違えないよう注意しましょう。
OFF-JTが注目されている理由
OFF-JTが注目されている理由として、以下の3つが挙げられます。
- 人的資本経営に取り組む企業の増加
- 企業における人手不足の深刻化
- VUCA時代の到来
順番に解説します。
人的資本経営に取り組む企業の増加
最近は人的資本経営に取り組む企業が増加してきています。
人的資本経営とは人材を「資本」として捉えることであり、その価値を最大限に引き出すことで、企業価値の向上につなげる経営手法のことです。
人的資本経営によって、企業は従業員に対して積極的に投資するようになりました。その投資先の一つとして、OFF-JTが注目されてきているのです。
人的資本経営について詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
企業における人手不足の深刻化
少子高齢化による労働人口の減少によって、多くの企業は人手不足が深刻な問題となっています。
OJTを実施するためのリソースを確保するのが難しい場合、代替案としてOFF-JTを選択する企業が増えてきているのです。
VUCA時代の到来
OFF-JTが注目されている理由の一つに、VUCA時代の到来も考えられます。
なお、VUCAとは将来を予測するのが困難な状態のことであり、以下4つの頭文字を取ってできた言葉です。
- Volatility(変動性)
- Uncertainty(不確実性)
- Complexity(複雑性)
- Ambiguity(曖昧性)
VUCA時代だからこそ、臨機応変に対応できるようなスキルを身につけるために、OFF-JTが必要となってきています。
OFF-JTのメリット
OFF-JTのメリットとして、以下の4つが挙げられます。
- 従業員の負担を軽減できる
- 均一化した教育が行える
- 体系的に学習できる
- 交流する機会が生まれる
一つずつ解説します。
従業員の負担を軽減できる
OJTの場合は、指導する側の従業員に大きな負担がかかっていましたが、OFF-JTは外部の研修やセミナーなどに参加して学習します。
そのため、従業員の負担軽減につながります。
また、プロの講師が教えてくれるので、効率よく学習することが可能です。
均一化した教育が行える
OFF-JTは、複数人が同じ講師から同じ内容を学習するため、均一化した教育が行えます。
その結果、習得した知識やスキルにばらつきがなくなり、人材の管理がしやすくなります。
体系的に学習できる
OJTは、実際の業務で活用できる知識やスキルの習得がメインですが、OFF-JTは体系的に学習できます。
基礎から時間をかけてじっくりと学べるため、業務に対する理解を深められます。
交流する機会が生まれる
研修やセミナーの内容によっては、グループディスカッションといったチームで話し合うこともあるため、その際に参加者同士で交流する機会が生まれます。
横のつながりができることで、お互いが切磋琢磨しあえるようになるため、モチベーションの向上に期待ができます。
OFF-JTのデメリット
OFF-JTは、メリットだけでなくデメリットもあります。
主なデメリットは、以下の2つです。
- コストがかかる
- 実施中は業務に携われない
順番に解説します。
コストがかかる
OFF-JTは、外部の研修やセミナーなどに参加して学習してもらうため、その度にコストがかかります。
そのため、予算を確保するのが厳しいのであれば、参加する回数を減らしたり人数を厳選したりするといった、対策を講じましょう。
実施中は業務に携われない
外部の研修やセミナーなどに参加している最中は、業務に携われなくなります。
そのため、ほかの従業員が代わりに業務を行うことで企業全体の生産性が低下したり、受講した後に業務に取り組むことで長時間労働となり、本人の負担が大きくなったりする恐れがあります。
効果的なOFF-JTにするためのポイント
効果的なOFF-JTにするためには、以下2つのポイントを意識しましょう。
- OJTと組み合わせる
- 自発的な学びを推進させる
一つずつ解説します。
OJTと組み合わせる
OFF-JTは体系的に学べることが強みですが、実際の業務で学習した内容を活かすのが難しいと感じる従業員も多いはずです。
そのようなときには、OJTとの組み合わせを検討しましょう。
OJTと組み合わせることによって、OFF-JTで学習できなかった実践的な部分を補完することが可能です。
自発的な学びを推進させる
OFF-JTに限った話ではありませんが、どうしても研修やセミナーの場合は教わるという立場となるため、受け身になりがちです。
研修やセミナーの内容をインプットしただけでは、知識やスキルの習得に時間がかかるため、自発的な学びを推進させることが大切です。
学習できる環境を整えたり、資格取得を支援するための制度を導入したりするなどの取り組みを行ってみましょう。
まとめ
本記事では、OFF-JTの基礎知識やメリット・デメリットなどについて解説しました。
OFF-JTは人的資本経営に取り組む企業の増加や、VUCA時代の到来により注目されてきており、導入することで従業員の負担を軽減できたり、均一化した教育が行えたりするなどのメリットが期待できます。
ただし、コストがかかったり実施中は業務に携われなかったりするといったデメリットがあるので、注意が必要です。
効果的なOFF-JTにしたいのであれば、OJTと組み合わせたり、自発的な学びを推進させたりしましょう。
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