【リバースメンタリング】導入するメリットや導入手順・ポイントについて解説!
人材育成における一つの手法として、「リバースメンタリング」を導入する企業が増えてきています。
リバースメンタリングという言葉を聞いたことがあっても、具体的にどのような内容なのか、あまり把握していないという担当者もいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、リバースメンタリングの基礎知識や導入するメリット・成功させるためのポイントについて解説します。
目次
リバースメンタリングとは?
リバースメンタリングとは、上司や先輩社員と若手社員の立場を入れ替えて、若手が上司・先輩に対して助言や指導を行うことです。
これまでは上司や先輩社員がメンターで、若手社員がメンティーという立場だったと思いますが、リバースメンタリングでは、若手社員がメンター・上司や先輩社員がメンティーとなるため、「逆メンター制度」とも呼ばれています。
なお、リバースメンタリングは、アメリカのゼネラル・エレクトリック社の元CEOであるジャック・ウェルチ氏が導入したことが始まりです。
リバースメンタリングを導入するのがおすすめな企業の特徴は、以下の通りです。
- 上下関係に厳しい企業
- 年功序列の企業
- さまざまな人材を採用するために多様性を重視したいと考える企業
- 離職率が高い企業
リバースメンタリングを導入する3つのメリット
リバースメンタリングを導入するメリットは、以下の3つです。
- 上司や先輩社員の新たな知識・スキル獲得につながる
- コミュニケーションの活発化が期待できる
- 若手社員のモチベーションが向上する
一つずつ解説します。
上司や先輩社員の新たな知識・スキル獲得につながる
最近はデジタルテクノロジーの発展が著しいこともあり、最新の情報についていけてないという人も多いはずです。
一方、若手社員は最新の情報に対して敏感な傾向にあるため、リバースメンタリングを導入することで、上司や先輩社員の新たな知識・スキル獲得につながります。
その結果、企業全体が最新トレンドに追いつけるようになることで、競合他社との差別化が図れるようになり、新たなアイデアの創出に期待ができます。
コミュニケーションの活発化が期待できる
テレワークが普及したことによって、社員同士のコミュニケーション不足を課題とする企業も少なくありません。
このような場合に、リバースメンタリングを導入することで、上司や先輩社員と若手社員の間で自然とコミュニケーションの機会が生まれるようになります。
これまで以上にフラットな関係が築けるようになるため、コミュニケーションの活発化にも期待ができるはずです
若手社員のモチベーションが向上する
リバースメンタリングを導入することで、若手社員は上司や先輩社員に教えるという立場を経験できます。
これにより「誰かの役に立っている」と実感できるはずです。
その結果、若手社員の業務に対するモチベーションが向上し、社内全体の雰囲気も自然と明るくなります。
リバースメンタリングを導入する手順
リバースメンタリングを導入する手順は、以下の6ステップです。
- 導入目的を定める
- 対象者を選ぶ
- リバースメンタリングの内容を共有する
- オリエンテーションを行う
- 関連のある部署から同意を得る
- リバースメンタリングを実施する
順番に解説します。
1.導入目的を定める
リバースメンタリングを導入することで、コミュニケーションの活発化や若手社員のモチベーション向上など、さまざまな効果が期待できます。
しかし、どのような目的でリバースメンタリングを導入するのか、導入目的が定まっていないと、明確な効果を実感できない可能性があります。
そのため、まずは導入目的を定めましょう。
2.対象者を選ぶ
導入目的を定めたら、次にメンターとメンティの対象者を選びます。
メンティが直属の上司や親しい先輩社員だと、若手社員はやりにくいと感じるため、関わる機会の少ない上司や別部署の先輩社員を選びましょう。
3.リバースメンタリングの内容を共有する
対象者を選んだら、リバースメンタリングの内容を共有します。
共有する主な内容は、以下の通りです。
- リバースメンタリングの実施内容
- 実施期間
- 実施する目的
- メンターに期待すること など
4.オリエンテーションを行う
内容の共有が完了したら、オリエンテーションを行います。
リバースメンタリングをどのように実施すればいいのか、不安に感じる若手社員は多いはずなので、担当者はオリエンテーションで不安を払拭してあげましょう。
5.関連のある部署から同意を得る
オリエンテーションが終わったら、取り組みに関わる部署からの同意を得ます。
事前に同意を得ることで、スムーズなリバースメンタリングの実施につながります。
6.リバースメンタリングを実施する
1〜5まで完了したら、実際にリバースメンタリングを実施します。
途中でイレギュラーな事態が起きても柔軟に対応できるよう、担当者は万全の体制を整えておきましょう。
リバースメンタリングを成功させるためのポイント
リバースメンタリングを成功させたいのであれば、以下4つのポイントを意識しましょう。
- 若手社員の負担を考慮する
- まずは短期間で実施してみる
- お互いの考えや意見を否定しない
- メンターとしての活躍を評価に落とし込む
一つずつ解説します。
若手社員の負担を考慮する
若手社員は、これまで上司や先輩社員に対して指導するという経験はほとんどないため、不安に感じる人も多いはずです。
若手社員にとって精神的に大きな負担となる可能性もあるので、配慮を忘れないようにしましょう。
まずは短期間で実施してみる
いきなり長期間のリバースメンタリングを実施しても、思った通りの成果が得られない可能性があります。
まずは参加者が取り組みに慣れる必要があるため、短期間でのお試し実施から始めてみましょう。
実施によって見えた課題をもとに改善を重ね、効果が得られる見込みが出てから、期間を伸ばして開催するとよいでしょう。
お互いの考えや意見を否定しない
リバースメンタリングにおいて、お互いの考えや意見を否定してしまうと、メンターとメンティの関係を維持するのが困難となり、失敗につながります。
リバースメンタリングは、お互いの理解を深める機会でもあるため、参加者に対してどのような考えや意見であっても、まずは受け入れることが大切と伝えましょう。
メンターとしての活躍を評価に落とし込む
リバースメンタリングは、若手社員にとって負担がかかる施策であるため、メンターとしての活躍をしっかり評価に落とし込みましょう。
そうすることで、若手社員のモチベーション向上につながります。
担当者によって評価が大きく変わらないようにするためにも、具体的にどのような基準で評価するのか、事前に評価基準を設定しておきましょう。
まとめ
本記事では、リバースメンタリングの基礎知識や導入するメリット・成功させるためのポイントについて解説しました。
リバースメンタリングを導入することで、コミュニケーションの活発化や若手社員のモチベーション向上などが期待できます。
リバースメンタリングを成功させたいのであれば、まずは短期間で実施してみて、若手社員の負担を考慮したり、メンターとしての活躍を評価に落とし込んだりすることを意識しましょう。
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