リスクマネジメントって?実際に起こり得るリスク事例5選や導入手順を解説!
多くの企業では少しでもリスクを回避するためにリスクマネジメントを行っています。しかし、リスクマネジメントがどのような意味でなぜ行うのか理解していない担当者も少なくありません。また、実際にどのようなリスクが発生する恐れがあるのか気になる担当者も多いはずです。
そこで本記事では、リスクマネジメントの基礎知識や導入手順・実際に起こり得るリスクの事例について解説します。
目次
リスクマネジメントとは?リスクの種類について
リスクマネジメントとは、想定されるリスクをあらかじめ把握して回避することです。
ちなみにリスクには、純粋リスクと投機的リスクの2種類があります。それぞれの違いは以下の通りです。
純粋リスク:
企業に損失を発生させるリスクのことであり、火災や水害・地震などが該当する
投機的リスク:
企業に損失と利益のどちらも発生させる恐れがあるリスクのことであり、為替の変動や規制の緩和・法改正などが該当する
リスクマネジメントを行う目的
リスクマネジメントを行う最大の目的は、大きな損失となるリスクを回避するためです。
何の対策もなしにリスクが発生した場合、企業は大きな損失を被ってしまいます。その結果、倒産の危機に追い込まれてしまうことも珍しくありません。しかし、事前にリスクマネジメントを行うことで、被害を最小限に抑えられます。
また、出資してもらう際にもなるべくリスクの少ない企業に投資しようと投資家は思うはずです。リスクマネジメントによって万が一の事態が起きても安心であることをアピールすることで、支援が受けられやすくなります。
リスクアセスメントやクライシスマネジメントとの違い
リスクマネジメントと似ている言葉として「リスクアセスメント」や「クライシスマネジメント」が挙げられます。
それぞれの言葉の意味は以下の通りです。
リスクアセスメント:
従業員の安全を考慮して危険をできるだけ排除するためにリスクを分析したり評価したりするための段階
クライシスマネジメント:
これまでのマニュアルだけでは対応できないイレギュラーな事態に備えること
クライシスマネジメントは、リスクマネジメントにおける狭義の意味としても使われます。
リスクマネジメントの導入手順
リスクマネジメントは以下の5ステップで導入可能です。
1.どのようなリスクが起こり得るのか予測する
2.どれくらいのリスクとなるのか分析する
3.リスクに優先順位をつける
4.リスクへの対応策を練る
5.PDCAを回す
順番に解説します。
どのようなリスクが起こり得るのか予測する
リスクは大きく分けると純粋リスクと投機的リスクの2種類があり、企業では以下のようなリスクが考えられます。
・地震
・火災
・人材不足
・法令遵守違反
・情報漏えい
・サイバー攻撃
・過労死問題
・価格競争
・商品における原価の高騰
自分たちには関係ないと思って何も対策をしていないと、大打撃を被る可能性があるので、まずはどのようなリスクが起こり得るのか予測してみましょう。
どれくらいのリスクとなるのか分析する
リスクを予測したら、次にどれくらいのリスクとなるのか分析します。
リスクを分析する際には、実際にグラフを作成してみるのがおすすめです。縦をリスクの発生確率、横をリスクが発生した際の影響度を指標としてグラフに設定することで、数値が高いほどハイリスクであることが把握できます。
ただし、リスクが発生した際の影響度を可視化できないケースもあるので、そのような場合には担当者同士で慎重に話し合いながら決めていきましょう。それでも判断に迷う場合には、専門の業者に依頼するのもおすすめです。
リスクに優先順位をつける
リスクは一つだけでなく数多くあり、全てのリスクを回避することは困難なため、優先順位をつける必要があります。
前項で作成したグラフを基に、数値が高い順番から選んでいきましょう。
リスクへの対応策を練る
最後にリスクが発生した際の対応策を練っていきます。
例えば、火災が発生するリスクがある場合には、火災保険に加入したりスプリンクラーを設置したりするなど、さまざまな対応策があります。
ただし、リスクへ対応するためには費用や手間などがかかるので、自分たちのリソースも考えた上で行うことが大切です。
PDCAを回す
定期的なPDCAも欠かさず行いましょう。実際にリスクが発生していないのであれば、現在の対応策が自社に合っているのかを再度確認してみるのもおすすめです。
PDCAを回すことで改善を重ねていき、リスクが発生した際の被害を最小限に抑えられます。
実際に起こり得る5つのリスク事例
実際に起こり得るリスクの事例は以下の5つです。
・情報が漏えいするリスク
・自然災害が発生するリスク
・システムエラーによるリスク
・コンプライアンスによるリスク
・リコールによるリスク
順番に解説します。
情報が漏えいするリスク
最近ではほとんどの企業が顧客情報のような機密データをデジタル化しています。そのため、書面での管理と比べると紛失するリスクはなくなりましたが、不正にアクセスされたりウイルスに感染したりする恐れがあります。その結果、情報が漏えいする可能性があるのです。
実際にそのような事件は多発しており、ユーザーの信頼を失ってしまった企業も少なくありません。情報が漏えいするリスクを防ぐためにも、セキュリティ面に関してはしっかりと配慮する必要があります。
自然災害が発生するリスク
火災や台風・地震などの自然災害が発生するリスクも考えられます。
特に日本は地震大国ともいわれるほど地震が頻繁に発生しているので、日頃からの備えが重要です。自然災害はいつ起きてもおかしくないので、万が一を想定して保険に加入しておくことをおすすめします。
システムエラーによるリスク
IT化が急速に発展したことで、現在はどのような仕事でもさまざまなシステムを利用するのが当たり前となってきています。しかし、何かしらの不具合によってシステムエラーが生じることもあります。
リスクマネジメントができていないと、仕事が成り立たなくなるという事態に陥る可能性もあるため、システムエラー時のマニュアルを作成しておきましょう。
コンプライアンスによるリスク
働き方改革の推進に伴い、コンプライアンスも年々厳しくなってきています。コンプライアンスの種類も豊富にあるので、無意識にコンプライアンス違反をしている企業も稀にあります。
コンプライアンスに違反してしまうと、企業全体のブランディングが低下してしまうので、専門家から定期的にチェックしてもらいましょう。
リコールによるリスク
製品を販売している企業であれば、リコールによるリスクも考慮しましょう。ちなみにリコールとは、販売した製品に対して欠陥が見つかった場合、返金や修理などを行うことです。
リコールになってしまうと、企業のブランディングが低下するだけでなく、大きな損失にもつながります。そのため、リコールが起きないようにするための職場環境や製造プロセスなどを整えましょう。
まとめ
本記事では、リスクマネジメントの基礎知識や導入手順・実際に起こり得るリスクの事例について解説しました。
リスクマネジメントは、リスクを回避するために必要不可欠です。さまざまなリスクが潜んでいるので、被害を最小限に抑えたいのであれば、本記事を参考にリスクマネジメントの導入を検討してみましょう。
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