目的別セミナー設計術! これでもうセミナー設計に迷わない
「セミナーを開催したいけど、目的設定のポイントがわからない」
「セミナーで成果を挙げるための設計方法を知りたい」
このような疑問にお答えして、当記事では「セミナーを目的別に設計する方法と考え方」をまとめました。
マーケティングの視点からリード(見込み客)ごとのアプローチ方法をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
目次
1.セミナーの目的に従って設計する
成果の出るセミナーを設計するためには、まずはターゲットの現状を知る必要があります。その上で、「参加後にどのような状態へと持っていきたいのか」というゴールを明確にしましょう。
あとは、現状とゴールをつなげるにはどうすればいいかを考えながら、セミナーの内容を設計していきます。
誰をターゲットにするかによって、セミナーの目的は異なります。そのために、まずはマーケティングにおけるリード(見込み客)の段階を把握しましょう。
1-1.リードの段階を把握する
リードの分類の仕方には様々な方法がありますが、ここでは「パーチェスファネル」という消費行動の流れでリードを分類することにします。
参考記事:https://www.innovation.co.jp/urumo/funnel/
パーチェスファネルにおいては、リードには大きく分けて下記の4つの段階があるとされています。
・認知
・関心
・比較・検討
・購入
リードを購入の段階まで導くためには、まず企業や商品・サービスを認知してもらわなければなりません。
そのために行うのが、広告やwebメディア、展示会への出展といったマーケティング活動です。これにより、企業や商品の存在が人々に知られるようになります。
1-2.リードの段階を理解して目的を設定する
セミナーとは、認知→関心→比較・検討→購入とリードを導いていくために行われるマーケティング手法の1つです。
主なセミナーの開催目的には、下記の3つがあるといえるでしょう。
【新規リード獲得(リードジェネレーション)】
企業を認知している人たちを、関心を持つ見込み客(リード)へと転換させる。
【リード育成(リードナーチャリング)】
企業・商品に関心を持っているリードをフォローし、さらに「この企業の商品・サービスが欲しい」と思わせる。
【クロージング(商談化)】
商品・サービスの購入を悩んでいるリードが購入をためらっている原因を取り除き、購入へと進ませる。
このほか、顧客満足度維持のためのセミナーなども存在しますが、今回は割愛します。
それでは次の章から、目的ごとのセミナーの設計方法を見ていきましょう。
2.設計図1:新規リード獲得が目的の場合
新規リード獲得を目的とした活動は「リードジェネレーション」とも呼ばれます。
ターゲットとなるリードの現状と参加後の理想像、及び重視すべきポイントはそれぞれ下記のようになります。
【リードの参加前後の状態】
・参加前・・・企業を認知している
・参加後・・・企業に関心を持っている
【セミナーの目的】
・リードの氏名やメールアドレスといった個人情報(ハウスリスト)を取得する
【新規リード獲得のセミナーにおけるポイント】
・潜在的ニーズを持ったリードの集客
・ハウスリスト(リード情報)の取得
・リードの潜在的ニーズに応えるテーマ
・多くの集客を見込める価格設定
2-1: 潜在的ニーズを持ったリードの集客
新規リード獲得を目的としたセミナーは、企業の商品を買う可能性がある人たちをターゲットにして行われます。
セミナーの参加者は広告やwebサイト、口コミなどによって企業や商品の名前を知っていますが、さほど強い興味を抱いていない状態です。
潜在的には企業が販売している商品を買う可能性があるのですが、まだそのニーズが表面化していません。
2-2: ハウスリスト(リード情報)の取得
セミナーを開催して、潜在的ニーズを抱えている参加者を集めることで、企業は氏名やメールアドレスといったリードの情報を取得できます。
このリードの情報を「ハウスリスト」と呼びます。
ハウスリストを取得することが、リードジェネレーションにおける最大の目的といえます。
このため、新規リード獲得を目的としたセミナーにおいては、集客数が重視されます。
2-3:リードの潜在的ニーズに応えるテーマ
リードジェネレーションのセミナーに適したテーマは、「参加者の悩みを解決するテーマ」です。
「最新情報を知れる」
「ノウハウを知れる」
「ある業種における事例やケーススタディを学べる」
といった趣旨のテーマにすれば、集客が実現するでしょう。
企業への関心が薄いターゲットにいきなり製品を売り込んでも、成約にはつながりません。人が商品を買うには、売り手と買い手との間に信頼関係があることが絶対条件です。
特に、BtoB商品の場合は、衝動買いはほとんどなされません。売り手への確かな信頼があってこそ、成約がなされます。
そのため、まずは、リードが企業・商品に対して信頼できるような情報を提供すべきです。
例として、会議室などの予約管理システムを商材として持っている企業で考えてみましょう。
どんなに優れた商材を持っていたところで、いきなりセールス活動を行っても商談にはつながりません。
その代わりに、参加者が疑問に感じているテーマでセミナーを開催すれば、その分野に関心を持っている参加者を集めることができます。
「会議室の効率的な予約管理方法」
「予約キャンセル率を改善するノウハウ」
「会議室の収益化」
これらのテーマに興味がある参加者は、必然的に商材である予約管理システムにも興味を持つ可能性が高いでしょう。
このように、リードの悩み解決に貢献するセミナーを開催することで、潜在的に自社の商品を買う可能性が高いリードを集めることが可能になります。
2-4:多くの集客を見込める価格設定
リードジェネレーションのセミナーにおいては、幅広く集客し、優良なリードへと転換していくためのセミナー設計が必要となります。そのため、価格設定も重要です。
リードを多く集めたいのであれば、無料セミナーが有効です。ただし、無料セミナーは人が集まる分、リードの質は悪くなる傾向があります。
そのほか、集客力を上げるためには、著名な講演者を招くのも有効です。
また、リードジェネレーションを目的としている場合、獲得したリードへのフォローアップが重要です。
メルマガやSNSのフォロー、資料請求、次回セミナーの告知など、複数の施策を講じておきましょう。
3.設計図2:リード育成が目的の場合
リード育成、フォローを目的とした活動は「リードナーチャリング」とも呼ばれます。
ターゲットとなるリードの現状と参加後の理想像はそれぞれ下記のようになります。
【リードの参加前後の状態】
・参加前・・・企業に関心を持っている
・参加後・・・ほかの企業と比較・検討する
【セミナーの目的】
・購買意欲の低いリードを購買意欲の高いリードへと転換させる
【リード育成のセミナーにおけるポイント】
・ハウスリストのグループ分け
・リードのニーズに応じたテーマ設定
BtoB商品の場合は特に、比較・検討の期間が長い傾向にあります。
そのため、セミナー等で接触回数を増やして、しっかりと商品の魅力を伝えていくリード育成がカギとなってきます。
3-1.ハウスリストのグループ分け
リード育成のセミナーでは、リードのモチベーションを成約に近い状態まで向上させることを目的としています。
一口にリードといっても、購買意欲の高いリードと、低いリードが存在します。
「コールドリード」「ウォームリード」「ホットリード」とリードの購買意欲を熱に例えて区分する方法が有名ですね。
リードにアプローチする前に、まずはハウスリストを整理し、これらのリードをグループ分けしなければなりません。
分類ができたら、コールドリードやウォームリードに焦点を当てて、セミナーによって信頼関係を構築し、ホットリードへと転換させていく作業に入ります。
ホットリードはかなり成約に近い状態であるため、クロージングを目的としたセミナーや、営業に引き渡したほうが良いでしょう。
3-2.リードのニーズに応じたテーマ設定
リード育成を目的としたセミナーを開催する場合、リードのニーズに応じたテーマ設定が必要となります。
コールドリードであれば、まだ企業への信頼感は少ないため、参加者の悩み解決をメインとすると良いでしょう。
一方、ウォームリードにはさらに進んだアプローチが可能です。
例えば、ワークショップのような形で参加型のセミナーにしたり、サンプル商品の販売や体験版の提供を行うことで、より購買に近い状態へと持っていくことができます。
参考記事:https://www.otsuka-shokai.co.jp/media/theme/sales-capability/lead-nurturing/
4.設計図3:クロージング(商談化)が目的の場合
クロージングが目的の場合、現状と目的、またセミナーにおけるポイントはそれぞれ下記のようになります。
【リードの参加前後の状態】
・参加前・・・ほかの企業と比較・検討している
・参加後・・・商品を購入する
【セミナーの目的】
・商品・サービスのお問い合わせ、個別相談、購入を受け付ける
【クロージングのセミナーにおけるポイント】
・購買意欲の高いリードの選出
・対面、個別相談などクロージングの準備
・営業部とマーケティング部の協力体制
4-1.購買意欲の高いリードの選出
クロージングを目的としたセミナーは、商品を販売する段階です。そのため、まずはリードの中から、購入に近いリードを選出する必要があります。
このリードの選出作業を「リードクオリフィケーション」とも呼びます。
購入意欲の高いリードを選出することにより、効率的にセールス活動が行えるようになるのです。
4-2.対面の営業、個別相談などクロージングの準備
クロージングセミナーにおいては、製品紹介やサービス紹介などを行います。
BtoBの商品の場合、対面の営業以上に確実なクロージングはありませんが、その一方で、対面で売り込まれることに恐れを感じる企業担当者もいるでしょう。
セミナーであれば、個別営業が苦手な人であっても、参加のハードルが低くなります。
クロージングが目的の場合、セミナーの参加人数は20人以下など、比較的少数でもかまいません。大切なのは、セミナーを通じて対面の営業や個別相談、お問い合わせなどといった成約率の高い営業活動につなげていくことです。
4-3.営業部とマーケティング部の協力体制
クロージングセミナーは購入に近いリードを対象とするため、営業部とマーケティング部の協力体制が不可欠です。
通常、リード獲得や育成はマーケティング部が行い、クロージングに近いハウスリストは営業部に渡して、営業活動を行うのが一般的です。
クロージングセミナーでは、商品理解の深い営業部が講演することで、参加者に商品の魅力を詳しく伝えられます。
5.まとめ
以上、目的ごとのセミナーを設計する方法を、パーチェスファネルの観点からまとめました。
各段階にふさわしいセミナー設計を考え、PDCAサイクルで改善を繰り返しながら、成約率を高めていきましょう。
セミナーをきちんと設計するためには、場数と知識が必要です。
株式会社ニューズベースは、セミナー業務全般の代行を行うアウトソーシング業者です。
企画運営からスタッフ手配まで、セミナーに必要なノウハウやリソースを提供するだけでなく、業務可視化コンサルティングなど、セミナーの設計サポートも行っています。
セミナー開催でお困りのことがあれば、セミナー開催実績が豊富なニューズベースにぜひご相談ください。