セミナー実施する際のメリット・デメリットとは?プロの視点から徹底解説
近年、多くの企業や個人が様々な趣旨のセミナーを開催しているのを見かける機会が増えてきているのではないでしょうか。
実際のところ、セミナーを実施することには多くのメリットがあります。企業がセミナーを開催することで、商品やサービスの見込み顧客を作り、売上促進に繋がります。また、セミナー実施により企業ブランディングや、個人であればパーソナルブランディングに繋げることもできます。
今回はセミナー実施の過程で得られるさまざまな要素をまとめることで、セミナーを実施する際のメリット・デメリットについて事例を交えて、プロの視点から徹底解説します。
目次
1.そもそもセミナーについて
そもそもセミナーを実施する目的とはどのようなことでしょうか。企業や個人がセミナーを開催する目的や目標は様々ですが、そこを明確にすることでセミナー開催のメリットを最大限に享受することができます。
また、最近はオンラインでセミナーを開催するウェビナーの需要が高まっています。ウェビナー開催もセミナー同様のことを意識することで、開催のメリットを最大限に発揮できます。
そこでここでは、セミナー・ウェビナー開催の目的、目標、効果に着目して解説していきます。
1-1.企業セミナーの目的
企業セミナーのもっとも一般的な目的は将来の受注に向けたリード情報の獲得です。
セミナー参加者からのフィードバックを分析することで、自社製品の利用度や顧客満足度を上げるための情報を集めることができます。その情報を活用して、現状の商品やサービスの改善だけでなく、将来の商品開発に活かすことによって顧客定着率やリピート率を増やすことができるようになります。
その他、直接的な売り上げ増とは別に、将来的な投資としての自社ブランド周知や既存リードへの謝恩などに繋げることもできます。いずれにせよ、企業セミナーの実施にあたっては開催目的を明確にすることが大切です。
また、企業ウェビナー開催の目的も一般的なセミナー同様に将来の受注に向けたリード情報の獲得です。
しかし、ウェビナーは従来のセミナーと異なり、オンラインで自社製品の利用度や顧客満足度を集める必要があるため、企業の分野によっては難易度が上がってしまいます。そのため、ウェビナー開催を考えている場合には、従来のセミナー以上に目的を明確にし、顧客定着率やリピート率を増やすための情報を集めなければなりません。
セミナーもウェビナーも目的は同じですが、開催方法が異なるため、それぞれのメリットを明確にし、場面に合わせて切り替えることがおすすめです。
1-2.企業セミナーの目標
企業セミナーを行う上での最終目標とはどのようなことでしょうか。それはズバリ、企業に利益を生み出すことです。セミナーを開催することで、自社や商品の認知を高めて売り上げを伸ばす。そして顧客の拡充や囲い込みなどをすることで、更に売り上げを増進させる営業基盤を拡充することが目標になります。
セミナー実施の効果を最大化するために、まず既存のビジネスモデルを分析してキャッシュポイントを把握する。それを明確に数値化することで、セミナーの経費配分も調整することが大切です。
売上から逆算して、セミナー開催回数などを適切に設定して経費負担を割り出し、最終目標である企業としての目標利益をどうすれば達成できるかを考えることが重要になります。
また、ウェビナー開催の最終目標も企業の利益を生み出すことです。
2022年現在は新型コロナウイルスの影響により、大勢で行うセミナーの開催は困難な場合が多いですが、ウェビナーならオンラインツールとインターネットにつなげることができる機器があれば誰でも簡単に参加できます。
このようなことを考えると、2022年現在の新型コロナウイルスなどの影響がある時には、ウェビナー開催を選択することのほうが誰でも参加できるということでメリットが多く、セミナー・ウェビナーの最終目標である、企業の利益を生み出すことにつなげやすいといえます。
そのため、場合に合わせ、セミナーとウェビナーを使い分けることがおすすめです。
1-3.企業セミナーの効果
企業セミナーを行うことで企業の利益を生み出すことにつながるという効果があります。しかし、セミナーを開催すれば必ずしも効果が発揮されるわけではありません。
企業セミナーの効果を最大限に発揮させるためには、先ほど解説した目的と目標の設定を明確にしておくことのほかに、多くの準備を万全に行わなければ、コストを割いただけの効果が発揮されず意味のないものになってしまう場合もあります。
また、セミナーの準備をおろそかにし行った場合には、企業に対する信頼性などが下がり、かえって逆効果になってしまいます。そのため、企業セミナーを行う際には準備を万全に行うことがとても重要です。
ウェビナー開催も同様に準備がとても重要です。ウェビナーでは、セミナーとは異なる準備が必要になりますので、初めてウェビナーを開催する際にはプロの手を借りることがおすすめです。
2.セミナー実施のメリット
企業や個人がセミナーを実施することで、ブランディング面、マーケティング面、その他様々な面で多くのメリットを享受することができます。
以下、具体的に見ていきましょう。
2-1.ブランディング
セミナー実施を企業ブランディングに繋げることで商品販売を優位に進めることができます。
例えば新商品の販売の際に、セミナーを活用すれば企業ブランディングが高まり企業の信頼度が増します。すると本来であればお金を払う側と商品を売る側という関係が、生徒と講師という関係になるため、商品やサービスの販売が非常に楽になるわけです。
そのほか就活セミナーの際に、採用担当者が企業ブランディングとパーソナルブランディングを活用すれば就活中の学生との関係性が優位になります。単なる会社説明者と情報収集者という立場から、採用者と就職希望者という関係になるため、より優位に採用活動を行うことができます。
2-2.マーケティング
マーケティングにおけるセミナー実施のメリットは営業効率の向上です。
例えば、セミナー開催を定期的なものにすれば、安定して見込み顧客を獲得できます。顧客との関係性が生徒とセミナー講師という立ち位置になると商品を売り込まなくても成約率が高まるので営業効率が上がるだけでなく、営業時のストレスが軽減されます。また、参加者による知人への口コミや紹介に繋がる可能性もあります。
その他にも、セミナーには商品単価を上げるというメリットもあります。セミナーで商品知識やノウハウなどの様々な価値を提供するため、顧客は、体系的に当該商品の魅力を知ることになります。すると一般的な市場の商品価格ではなく価値に合わせて価格設定が可能になるというわけです。
2-3.その他
その他、セミナー実施には顧客の選別がしやすくなるというメリットもあります。セミナーで価値を感じた顧客を獲得できるため、無茶を言う面倒な顧客とは付き合う必要がなくなります。結果、優良な客層に営業できるため成約率も高まるわけです。
また、セミナー営業は画一化しやすく、汎用的なマニュアル化も可能です。その他、セミナー自体をコンサルティング業務という商品の1つにすることもできます。付加価値の高いセミナーを開催することが出来れば、様々な形で顧客を喜ばせ、自社の利益に直結する成果に繋げることができるわけです。
3.セミナー実施のデメリット
セミナー実施のデメリットには、時間的制約、会場日程の確保、集客の困難さ、そして参加者が顧客にならないリスクなどがあります。
3-1.時間的制約
セミナー実施のデメリットの1つが時間的な制約です。
通常、セミナーは決まった日時に集客をして開催するため、当日セミナーに参加ができる見込み客にしかリーチすることができません。居住地が遠方である場合など、日時や場所の制約によってスケジュールの都合がつかない相手には対策が必要になります。
例えばオンラインを使ったセミナーであれば、遠方でもパソコンの前でセミナー受講ができます。そのほか講師を複数抱えて同日に様々な場所でセミナーを開催すれば、柔軟にセミナー受講者の都合に合わせることもできます。
3-2.会場日程の確保
大規模なセミナーの場合、相応の会場日程を確保する必要があります。ただし、大規模セミナーは集客状況の把握、来場者確認、配布物の準備、当日運営など煩雑な作業が発生します。
その場合、このような業務を専門で行う業者に業務委託してしまえばセミナー内容に集中することができます。コストの問題で委託業者を使うことが難しい場合は、セミナーを小規模にして複数回開催にすることで準備作業を軽減することもできるでしょう。
3-3.集客の困難さ
大規模なセミナーになるほど集客の難易度は上がります。
例えば自社商品のプロモーションが目的で集客する場合、見込み客の発掘からアプローチなど基本的なプロセスは実際の営業とほとんど変わりません。そのような場合は、集客代行を使ったり規模を小規模なものに変えたりするなどマーケティング施策を見直すことで集客の問題は解決することができます。
3-4.参加者が顧客にならない
せっかくセミナーを実施しても結局参加者が顧客にならなければ、セミナー実施費用の支出と時間の浪費のみで終わってしまいます。
セミナーの目的を明確にして、最終的に自社が望む成果に繋がるように周到なマーケティングを行うことで、このような問題も回避するようにしましょう。
4.セミナーの効果測定方法
セミナーを実施した後、どのくらいの効果があったのかを知る必要があります。
なぜかというと、実施したセミナーによって企業にどのくらいの利益が生まれたのかを調べる必要があり、利益につながらない内容だった場合、瞬時に修正しなければならないからです。
セミナーの効果測定方法は、セミナーの目的によって異なります。新規顧客の獲得が目的の場合には、MAツールやSFAといったツールを利用することで、新規見込客数をリストアップできるようになります。
さらに、セミナー参加者にアンケートを実施することで新規見込客がより明確になり、セミナーの効果測定の精度を高められます。新製品やサービスの認知度を調べたい場合には、セミナー開催前と後の新製品のアクセス数や問い合わせ数を調べることで明確にすることができます。
セミナーの目的や目標に合わせて効果測定方法も変わりますので、セミナー開催から効果測定までをプロの手を借りることもおすすめです。また、セミナーの効果測定を行うことで、セミナーを実施する意味がより明確になり、次回実施する際にはより良いものになります。
5.さらに成功させるために懇親会を行うメリット
セミナーを実施する際には、終了後に懇親会を開催するのがおすすめです。
どのような目的のセミナーであれ、懇親会がセミナーにマイナスの効果を与えることはあまりありません。懇親会を開くことで、セミナーの開催意義を高めることに繋がります。
5-1.懇親会とは
そもそもセミナー実施後に懇親会を行う目的とメリットとはなんでしょうか。
セミナー実施後の懇親会は、ある程度フォーマルな場として関係性を深めるものであり、また人とのつながりを作る場でもあります。
例えば、エンジニア向けの勉強会セミナーであれば、セミナー講師と参加者が、セミナー実施時よりも気軽に勉強会の内容について意見や質問を交わすことができます。講師の立場からすれば、参加者から勉強会の内容に関する生の声を聞くことで、次回以降のセミナー内容のブラッシュアップに繋げることができます。また、参加者側からすれば、大勢の前で緊張することなく疑問を解消することができます。
このように、懇親会を開くことには開催者と参加者の双方にメリットがあるのです。
ウェビナーの開催後にもオンラインでの懇親会を設けることで、セミナー実施後の懇親会のようなメリットを得られるようになります。また、直接の対話が苦手な方でもオンラインの場合には、質問できるようになることもありますので、オンラインならではのメリットもあります。
5-2.企業側から見たメリット
セミナー実施後の懇親会を開催するメリットを企業側から見た場合、商材のさらなるアピールをする場としても活用することができます。
企業側と参加者が、セミナー中よりも気軽に商品について意見や質問を忌憚なく交わすことができます。企業の立場からすれば、ユーザーや代理店から商品やサービスに対する生の声を聞けますし、顧客の属性をより知ることができるわけです。
5-3.参加者側から見たメリット
参加者側から見た場合のメリットは、直接セミナー講師に商品やサービスに関して質問し、より理解を深めることができます。
また、セミナー内容に関係なく、参加者同士が交流してビジネスマッチングに繋がる縁が得られる場合もあります。普段なかなかできない社外ネットワークの構築もできますし、そこから良い刺激を受けることができます。
参加者同士での情報収集を行うことによって、新しいアイデアが生まれる場にもなるでしょう。
6.まとめ
以上のとおり、セミナーやウェビナーの実施によって得られるメリットは非常にたくさんあります。
企業であればセミナーやウェビナーを開催することで商品やサービスの見込み顧客を作り、売上促進だけでなく、企業ブランディングにも繋がり、セミナーやウェビナーの効果を測定することで、セミナーやウェビナーの効果をより高めるための策を練ることも可能になるため、とても重要です。
また、個人としてのセミナーやウェビナー実施の効果は、パーソナルブランディングに繋がりビジネスを有利に展開していくこともできます。このような様々なメリットを享受するためにも、ぜひセミナー実施にチャレンジすると良いでしょう。
具体的なセミナー運営方法の情報などは、以下の記事などを参考にしてみてください。