イベント運営にあたってマニュアルを作成する目的とは?作り方や注意点を解説!
自社の商品やサービスの認知度向上や売り上げを伸ばすためにイベントの開催を検討している企業も少なくありません。
そこで必要なのが運営マニュアル。
運営マニュアルによってイベントの成功の可否が決まるといっても過言ではないのです。
そこで本記事では、イベントを開催するにあたっての運営マニュアルを作成する目的や作り方・作成時の注意点などを解説します。
目次
イベント運営でマニュアルを作成する目的
イベント運営においてマニュアルを作成する目的は以下の3つです。
・スタッフの意識を統一できる
・ミスやトラブルが発生しても冷静に対応できる
・テンプレート化ができる
順番に解説します。
スタッフの意識を統一できる
イベントを運営するにあたって何よりも重要になってくるのがチームワークです。
スタッフ同士のチームワークが悪ければ、イベントの企画が良くても成功することはありません。チームワークをよくするためには、スタッフの意識を共有して統一することが何よりも必要になってきます。
マニュアルがあることで、一人ひとりがイベントの全体像を認識するようになり、イベントが成功する鍵となるのです。
ミスやトラブルが発生しても冷静に対応できる
イベントの運営では、些細なミスから重大なトラブルまで想定外の事態が起きることも珍しくありません。想定外の事態に対しても、どれだけ迅速かつ冷静に対応できるかがイベント運営では重要です。
マニュアルがあることで、イレギュラーの時でもどのように行動すればいいのかが明確に記載されているので、慌てることなく対応できます。
テンプレート化ができる
イベントを開催する度に、一から当日の行動やルールなどについて決めていては非常に効率が悪いです。しかし、一度マニュアルを作成しておくことで、同じようなイベントを開催する場合のテンプレート化ができます。
また、次回の反省点をふまえた上でマニュアルの改良化を進めていくことで、さらにクオリティの高いイベントの開催にもつながるのです。そのため、マニュアルを作成したことがないのであれば、早急に作成する必要があります。
イベント運営マニュアルの作り方
イベント運営マニュアルの作り方を解説します。
イベント運営マニュアルには最低でも以下の項目を加えましょう。
・イベントを開催する会場の情報
・全体の大まかなスケジュール
・スタッフのタイムテーブル
・スタッフの配置図
・配布物や備品リスト
・緊急時のトラブル対応
・緊急連絡先
・スタッフの注意事項
順番に解説します。
イベントの実施概要
一番初めにイベントの実施概要を作成します。
最低でも以下の項目は記載しておきましょう。
・イベントテーマ
・開催日
・開催時間
・開催場所
・料金
・イベントの概要
・主催・協賛・後援
誰が見ても一目でイベント概要がわかることが大事です。
イベントを開催する会場の情報
どこでイベントを開催するのか、会場の情報を詳細に記載しましょう。
住所だけではなく、駅からの距離や会場周辺の地図・実際の会場写真などがあると非常に親切です。
全体の大まかなスケジュール
イベントが進行していく大まかなスケジュールを記載します。
また、当日にイベントが進行していくスケジュールとは別に、機材の搬入から撤収までのタイムスケジュールも記載しましょう。
スタッフのタイムテーブル
イベントを円滑に進めるためにスタッフがいつ、どのタイミングでどのような動きをするのかが分かるタイムテーブルもマニュアルには記載します。
10〜30分刻みで、なるべく細かくタイムテーブルを作成しましょう。
スタッフの配置図
スムーズにイベントを進行するためにどこに誰がいるのか、スタッフの配置図も必要です。
スタッフの配置図には、必要な情報として場所や時間・人数などを記載しましょう。
配布物や備品リスト
参加者に渡す配布物やイベントで使用する備品の準備を忘れないようにするためにも配布物や備品リストも作成しておきます。
同じ備品を複数個用意する場合もあるので、名称だけではなく個数も記載しておきましょう。
緊急時のトラブル対応
イベント開催中に地震や火災などの災害が発生することもあります。そのため、緊急時のトラブルが発生した場合の対応方法を記載しておきましょう。
そのほかにも天候が悪かった場合やクレーム発生時などの細かなトラブル対応方法を記載しておくことで、スタッフも安心して運営できます。
緊急連絡先
イベント運営において、必要となる連絡先をリスト化しておきましょう。
運営統括はもちろんですが、各チームのリーダーや外部担当者の連絡先は、項目ごとに分けて見やすくリスト化します。
例えば、「トラブル発生時の連絡先」ははっきりわかるようにしておくと良いでしょう。
また、地震や火事などの災害が起こったときに備えて、近隣の警察署や消防署の連絡先もリストに入れておくのもおすすめです。
スタッフの注意事項
イベント当日は、人手が足りないという理由でアルバイトスタッフを雇うことも少なくありません。アルバイトスタッフは、わからないことが多いはずなので、マナーやルールなどの注意事項を記載しておきましょう。
誰が読んでも一目見て分かるような文章を記載することが重要です。
イベント運営マニュアルを作るときの注意点
イベント運営マニュアルを作るときの注意点は以下の2つです。
・イレギュラー対応は起こる前提で考える
・属人化させない
一つずつ解説します。
イレギュラー対応は起こる前提で考える
どんなに万全の状態でイベント本番を迎えたとしても、レギュラー対応が必ず発生しないという保証はどこにもありません。
イレギュラー対応の中には地震や台風などの自然災害も含まれているので、万全の状態で本番を迎えても、いつ何が起こるか誰にも予想できないのです。
そのため、イレギュラー対応は起こるという前提でマニュアルを作成しましょう。
属人化させない
イベント準備や特定の業務だけ決まった人しか作業できないということになってしまっては、非常に危険です。
万が一、体調不良や怪我などによってスタッフが欠席した場合、属人化によって誰もやり方を知らず、イベント運営に支障をきたしてしまう原因にもなりかねません。
そのため、属人化させないように気をつけましょう。
運営に必要な人員とは
イベントの準備には、当日必要なものだけでも細かな配慮が必要です。そしてイベント運営に欠かせないのは当日の各運営スタッフです。
運営スタッフには以下のような多種多様な役割があります。
1. 統括責任者/統括ディレクター
イベントの総責任者で関係各所への対応指示や確認を行うほか、主催者への報告・確認を行う役割も担います。
イベント全体を把握していることが必要なため、準備段階から全体の設計に関わってきたメンバーがポジションにつくことがほとんどです。
2. 運営ディレクター
受付や誘導など運営実務部署に対して判断と指示を行います。またイレギュラーな事態が発生した時に窓口になるのもこのポジションで、統括責任者と兼務する場合もあります。
この部門のメンバーはほかのスタッフに比べて高いディレクション能力が必要です。
3. 運営アシスタント/運営AD
受付・誘導などの実務で運営スタッフへの業務や休息の指示をおこないます。
運営ディレクターへの報告と確認も重要な役割の一つです。
4. 舞台監督
舞台における進行責任者で照明や音源、映像のタイミングなどを演出する責任者です。
ステージだけでなく、セミナーやシンポジウムでの演出も担当します。
5. 進行ディレクター
機材の手配・管理といった準備から舞台のタイムスケジュール管理まで担当します。
舞台監督の下で業務を行うことも多く確認と報告も行います。
6. 進行アシスタント/進行AD
進行ディレクターのサポートが主な役割です。
司会者や登壇者の誘導やタイミングの伝達から司会者に対して話し出すタイミングの指示、時間が予定より押してしまった場合に時間の短縮を工作するなどの役割も担当します。
7. 進行スタッフ
進行ディレクターやアシスタントのサポートを行います。演出で必要な小物や備品の準備のほか、アシスタントの代わりに出演者の誘導なども行います。
また表彰などの場合には演出で花束を渡したりなど進行に関して実行する役割です。
8. 進行司会者
司会を専門とするプロが行うことが多いですが、社内イベントの場合、懇親会などプライベートなイベントでは社員が行うこともあります。
イベントの種類によっては著名人やアスリートなど、司会者ではないけれど目を惹くような人選を行うことも効果的です。
マニュアル以外でイベント運営に必要なこと
運営マニュアルが作成できれば、本番当日を待つだけです。
イベントがスムーズに進むように、運営メンバーは会場へ早めに足を運んで必要な作業を行いましょう。
ここでは、マニュアル作成以外で必要となることを解説します。
打ち合わせ
必ず事前の打ち合わせを行って、メンバー全員が当日の流れを確認できるようにしましょう。
イベントの規模が小さい場合は、できる限り全員顔を合わせて打ち合わせしましょう。顔を見ながら確認し合うことで、スタッフ同士の信頼感や連帯感が生まれやすいためです。
規模の大きいイベントでスタッフ数が多い場合は、各班のリーダー同士で全体の打ち合わせをして、リーダーが班のスタッフに落とし込むという形を取りましょう。これは情報伝達のリハーサルにもなります。
会場に関する打ち合わせは、現地の担当者と打ち合わせをして当日を迎えます。ただし、抜け漏れがないように、自社スタッフで現地確認することが大切です。
リハーサル
イベント開催時には、リハーサルをしっかり行いましょう。
社内でリハーサルをしていたとしても、現地にて改めて実施することをおすすめします。会場を設営してみると、社内でイメージしていたものと若干の違いが出てくるものです。
また、全体の雰囲気をふまえて、社内リハーサルとは変更した方が良い部分も出てくる可能性があります。
会場リハーサルでは、登壇者・参加者の位置関係、運営メンバーの配置、さらには当日の簡単な流れを確認しましょう。
機材チェック
イベントで使用する機材もしっかりチェックしておきましょう。
例えば、イベントで使用するパソコンがWindowsかMacなのかで操作方法やケーブルが異なります。自社で持ち込むパソコンと会場設備を事前に確認し、当日もしっかり確認しておきましょう。
イベントでは電源コードの処理も必要です。イベント中にコードが抜けないようにガムテープで固定したり、邪魔にならないように配線を一箇所にまとめたりしましょう。
また、パソコンはウイルス対策ソフトやソフトウェア・アップデートなど、不要なシステムが起動しないように設定しておくことをおすすめします。
インターネット接続も、イベントに必要ないのであればオフにしておきましょう。スペックや技術的に不安がある場合は、イベント業者のレンタルパソコンを利用するのも方法の一つです。
登壇者対応
登壇者への対応もしっかり行いましょう。
登壇者はイベントの肝となる存在です。そのため、スムーズに話を進められるように登壇者に対してもさまざまな準備を行いましょう。
例えば、マイクであればスタンドなのか手持ちなのか、それともピンなのかを確認します。その上で登壇者が話しやすいようにセッティングしましょう。
ホワイトボードやポインターなどの備品についても、登壇者に必要の有無を確認し、準備を進めておきます。
また、登壇者に台本や進行表を渡して説明を行い、立ち位置などを含めて当日リハーサルを簡単に行います。
タイムキーパーや暗転のキュー出しはどこにいる誰がやるのかなども、登壇者に伝えておきましょう。
参加者誘導
イベントをスムーズに進めるためにも、会場への参加者誘導はとても重要です。
参加者の多くは、イベント開始時刻の10分前くらいに集中して会場に訪れることが多いです。
イベント規模が大きいほど、参加者が集中して訪れる時間帯は混雑・混乱しやすいものです。参加者たちがなるべく迷わず席にたどり着けるように、案内用の看板や案内スタッフを配置しましょう。会場設営後に迷いやすい部分を事前にチェックしておくとよりスムーズに参加者誘導を行えます。
オンラインイベントであれば、開始直前に接続が集中する傾向にありますが、逆に早くからオンラインで待機する人もいます。
あらかじめ視聴ページのURLを送付しておき、配信そのものは早めに開始し、「〇〇時より開始します」などと記載した待機画面を表示させておきましょう。
また、オンラインイベントでは「ページにつながらない」「視聴できない・声が聞こえない」といったトラブルが多く起こります。これらは運営側よりも、参加者側の視聴環境が影響しているケースが多いため、問い合わせ窓口を設置して想定問答を用意しておきましょう。
まとめ
本記事では、イベントを開催するにあたっての運営マニュアルを作成する目的や作り方・作成時の注意点などを解説しました。
マニュアルは、スタッフの意識を統一させて、ミスやトラブルが発生しても冷静に対応することを目的として作成されます。そのため、イベントを運営していく上で欠かせません。
しかし、マニュアル作成にリソースを割けないという企業も多いのではないのでしょうか。
株式会社ニューズベースでは、イベント設計や当日運営などを委託できるため、マニュアル作成に注力できます。年間400案件以上の運営実績もあるため、まずはお気軽にご相談ください。
本記事を参考にイベントを開催するのであれば、マニュアルを作成しましょう。