初心者でも使えるセミナー進行表テンプレートと司会台本サンプル

セミナーをスムーズに進行するためには、当日までの事前準備、セミナー進行表、および司会台本が必須です。
しかし、開催経験が浅くノウハウが蓄積されていないことから、「何を準備すれば良いのか分からない」「当日の進行が不安」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、セミナーをスムーズに進めるための「セミナー進行表」と「司会台本」のテンプレートを紹介します。
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目次
セミナーにおける進行表とは?
セミナーをスムーズに進行させるために必要なものが「進行表」です。スケジュールや役割分担、タイムテーブルを整理し、運営スタッフが共通認識を持てるようにします。
【進行表のメリット】
- 時間管理がしやすい:各セッションの開始・終了時間を明確にし、進行のズレを防ぐ
- 役割分担が明確:司会者や登壇者、スタッフの動きを把握しやすくする
- トラブル対応がスムーズ:予備時間や対応フローを記載し、イレギュラーな事態に備えられる
当日に慌てないためにも、事前に進行表を作成し、スタッフ全員で共有しましょう。
進行表に記載する内容
進行表には、セミナーの円滑な運営を支えるための情報を整理して記載します。主に次のような項目を記載していきます。
- セミナー名
- 開催日時
- 開催場所(会場の詳細・オンラインURL)
- 主催者・運営責任者
- 参加予定人数
- 開場・受付開始時間
- 各登壇者の発表時間
- 休憩時間
- 質疑応答の時間
- 撤収・片付けの時間
- 役割分担
- 必要な機材や準備物など
- トラブル対応
- 備考
上記は進行表に記載する項目の一例です。セミナー内容によって追加する項目もあります。
いずれにせよ、このように項目に分けて網羅することで、誰が見ても分かるようにしておくことが大切です。
セミナー進行表の作成手順
セミナーの進行表は、以下の流れで作成します。
・セミナーの概要を整理する
開催の目的や対象者、開催日時・場所を明確にします。例えば、オンラインかオフラインかによって進行の方法が異なりますので、事前に必要な要素を整理しておきましょう。
・タイムテーブルを作成する
セミナー開始から終了までの流れを時間ごとに設定します。各セッションの開始・終了時間、講師の登壇時間、質疑応答の時間などを調整し、無駄のないスケジュールを組むことが大切です。
・役割分担を決める
司会者、講師、運営スタッフの担当業務を明確にし、受付や会場案内、機材管理などの役割を事前に割り振ります。スタッフ全員が自分の役割を把握しておくことで、当日の運営がスムーズになります。
・緊急時の対応も記載する
機材トラブルが発生した際の対応策や、スケジュール変更時の調整方法を決めておきます。予期せぬ事態に備えて、緊急時の連絡体制を整えておきましょう。
セミナー進行表(タイムテーブル)のテンプレート
例として、セミナー進行表(タイムテーブル)のテンプレートを紹介します。
当日はハプニングがつきものなので、あまり無理をしない時間配分で進行表を作成しましょう。
13:00 |スタッフ:機材セッティング、受付準備、配布物準備
14:00 |講師:会場入り打ち合わせ・スタンバイ
スタッフ:リハーサル・機材チェック
14:30-15:00 |スタッフ:受付(集金・会場への誘導)
15:00 |司会:開会の挨拶
15:10 |司会:講師紹介
講師:講義①
16:00 |司会:休憩
スタッフ:休憩対応
16:05 |講師:講義②
16:45 |司会・講師:質疑応答・閉会の挨拶
17:00 |スタッフ:閉場、お見送り、片付け
18:00 |全員:完全撤退
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タイムテーブルを作成する際の注意点
セミナーを円滑に進めるためには、適切なタイムテーブルの作成が欠かせません。時間配分を誤ると、講演が長すぎたり、休憩時間が不足したりして、参加者の集中力が低下する可能性があります。
タイムテーブルを作成する際には、以下の注意点に気をつけて、効率的なスケジュールを組みましょう。
・開始時間と終了時間を厳守する
セミナーの開始・終了時間は、参加者のスケジュールに影響を与えるため、時間通りに進行しなければなりません。特に終了時間の遅れは参加者の満足度低下につながるため注意が必要です。
・各セッションの時間配分と休憩時間を適切に設定する
開始・終了時間を考慮して、講演、質疑応答の時間をバランスよく設定します。また、参加者の集中力を保つために、休憩時間も適切に組み入れましょう。
・本番のシミュレーションを行う
スケジュール通りに進めるためには、事前にリハーサルを行って、実際の進行時間を確認することが大切です。シミュレーションを通じて、登壇者の話しが長くなりすぎないか、休憩時間は十分かなどをチェックし、必要に応じて調整しましょう。
・余裕を持ったスケジュールを組む
実際にセミナーを開催すると講演時間が延びたり、質疑応答が活発になったりすることもあります。そのため、スケジュールにはある程度の余裕を持たせることが重要です。あらかじめ各セッションの時間を予定よりも少し長めに取っておくことで、全体進行への影響を最小限に抑えられます。
・トラブル対応の時間を確保する
機材トラブルや登壇者の遅れなど、予期せぬ事態に備え、予備の時間を設定しておくと安心です。特にオンラインセミナーでは、通信トラブルの対応時間を考慮し、すぐに対処できる体制を整えておくのがおすすめです。
セミナーでの司会者の役割
セミナーの司会者は、単なる進行役ではなく、イベント全体のスムーズな運営を支える重要な存在です。実際にどのような役割があるのか、具体的に紹介します。
・セミナー全体の進行管理
開会・閉会の挨拶、各セッションの案内、セッション間のつなぎなど、セミナー全体の流れをスムーズに進める役割があります。
・登壇者の紹介
登壇者を参加者に紹介するのも司会者の役割です。プロフィールや実績を伝えます。
・時間管理
進行表通りに円滑に進むように休憩時間を含めてスケジュールを管理します。
・トラブル発生時の対応
機材トラブルや登壇者の遅刻・欠席が発生した際など、トラブルに臨機応変に対応します。
あらかじめ設定しておいた予備のスケジュールへの切り替えをスムーズに行ったり、トラブルから復旧するまでの時間に別の案内を行ったりして、参加者に不安を与えないよう対応します。
・参加者の案内・誘導
会場内の設備(トイレ・非常口・休憩スペースなど)の案内、休憩時間の告知、質問受付の説明など、参加者が快適に過ごせるようサポートします。
セミナーにおける司会例文
ここでは、セミナーの各場面における司会進行の例文を紹介します。
一部のアナウンスは、オフライン開催の場合とオンライン開催の場合の2パターンをまとめています。状況に応じてアレンジし、スムーズな進行を目指しましょう。
開催前のアナウンス
【オフラインの場合】
皆さま、お待たせいたしました。お時間となりましたので、ただ今よりビジネスマナーセミナーを開催いたします。
本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。
本日の司会進行を務めます、本社企画部田中と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
【オンラインの場合】
皆さま、お待たせいたしました。お時間となりましたので、ただ今よりビジネスマナーセミナーを開催いたします。
ビデオをオン、マイクをミュートに設定をお願いいたします。
本日はお忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。
本日の司会進行を務めます、本社企画部田中と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
注意事項のアナウンス
【オフラインの場合】
まず、本セミナーに先立ちまして、ご来場の皆さまにお願いがございます。
携帯電話の電源はお切りいただくか、マナーモードに設定をお願いいたします。
また、録音・録画ならびに写真撮影などはお断りさせていただいております。ご理解、ご協力の程、何卒よろしくお願いいたします。
【オンラインの場合】
まず、本セミナーに先立ちまして、皆さまに連絡事項がございます。
万が一セミナー中に困ったことがありましたら、運営担当までチャットをお送りいただきますよう、お願いいたします。
また、録音・録画ならびに写真撮影などはお断りさせていただいております。ご理解、ご協力の程、何卒よろしくお願いいたします。
休憩の案内
【休憩開始時】
ここで〇〇分間の休憩時間とさせていただきます。
休憩中もスタッフはおりますので、何かございましたらお気軽にお問い合わせください。
それでは一旦失礼いたします。
【休憩終了時】
間もなく休憩時間終了となります。
続いては、〇〇さんによる「〇〇〇〇」となります。
お早めにお戻りいただきますよう、よろしくお願いいたします。
質疑応答のアナウンス
【オフラインの場合】
ここからは質疑応答のお時間となります。
ご質問のある方はお気軽に挙手をお願いします。
お時間の許す限り、お答えさせていただきます。
【オンラインの場合】
ここからは質疑応答のお時間となります。
どんなことでも構いませんので、お気軽にチャットやQ&Aまで質問や疑問点をお寄せください。
お時間の許す限り、お答えさせていただきます。
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講演会の場合にも使える司会例文
司会者の役割は、ここでは、講演会で使える司会例文を紹介します。状況に応じてアレンジして講師を適切に紹介し、聴講者をスムーズに講演へと導きましょう。
講師紹介の例文
講師を紹介する際は、シンプルかつ分かりやすい表現を心がけましょう。以下は、一般的な講師紹介の例文です。
本日は、ご多忙の中〇〇先生をお迎えすることができました。
〇〇先生は、□□の分野でご活躍されており、△△(受賞歴・研究実績)など多くの功績を残されております。
本日は、〇〇先生より『▲▲(講演タイトル)』についてお話しいただきます。先生、どうぞよろしくお願いいたします。
また、招いた講師に合わせて敬称を変えなければならない点に注意しましょう。
- 「氏名+役職名」の場合 → 「さん」「様」は不要
- 「役職名+氏名」または著名人の場合 → 「さん」「様」をつける
敬称の付け方については、以下で例を紹介します。
講師紹介の内容の作り方
講師紹介を作成する際には、講師の専門分野や功績を簡潔にまとめ、聴講者が講演への期待感を高められるようにすることがポイントです。
講師に関する情報を取得する方法、敬称の使い方については以下の通りです。
講師の情報取得先 |
・講師本人から提供されたプロフィール ・講師の公式Webサイト ・講師が所属する企業サイト ・研究機関の情報 ※Wikipediaなどの利用はNG |
敬称の使い方 |
・教授・医師・専門家の場合:「〇〇教授」「〇〇医師」「〇〇先生」 ・ビジネス講演の場合:「〇〇代表取締役」「〇〇社長」「〇〇氏」 ・フリーランスやクリエイターの場合:「〇〇氏」「〇〇さん(カジュアルな場)」 |
講師の呼び込み時の例文
それでは、さっそく講演に移らせていただきます。
ご登壇いただくのは、〇〇先生です。皆さま、拍手でお迎えください。
呼び込みの際は、過剰に盛り上げると講師が気まずい思いをしてしまうことがありますので、拍手を促す程度にとどめましょう。
また、講師の緊張を和らげるためにも、温かみのある呼びかけを心がけることが大切です。
セミナーの司会を担当する際に注意すべきこと
セミナーの司会を担当する際、台本さえ用意すれば準備完了、とはいきません。事前の準備が本番の出来を左右します。事前準備では、以下の5点を行いましょう。
・台本を読み込んでおく
事前に台本を読み込み、台本を見なくても大体の流れを把握できるようにします。台本を見ながら進行は可能ですが、内容が頭に入っていない状態ではトークがぎこちなくなるからです。
オンラインセミナーでWeb会議ツールを使う場合は、チャットや挙手、Q&Aなどのよく使う機能は自身で使い方を練習し、参加者に操作方法をレクチャーできるようにしておきましょう。
・リハーサルやシミュレーションをする
本番では予想もしないアクシデントが起きることもあります。できるだけスタッフ同士でリハーサルを行い、起こり得る事態を想定しておくことが大切です。
また、前述の通り台本が頭に入っていれば、トラブルが発生した際の対応やアドリブもきくようになります。
・時間調整の手段を用意しておく
セミナーでは必ずしも時間通りにスケジュールが進むとは限りません。そのような場合、司会者が時間調整役をしなければならないため、以下のような手段をあらかじめ用意しておきましょう。
例)
時間が足りない場合:Q&Aや休憩の時間、アンケートの案内を削る
時間が余る場合:Q&Aやアンケートの記入時間を長めにとる
・肩書や人名の読みなどをチェックする
セミナーでは講師の紹介を行いますが、その際には肩書や名前の読みを間違えないよう細心の注意が必要です。
肩書にはマーカーをする、難しいまたは珍しい読み方の場合にはふりがなをふるなどの工夫をしましょう。
・セミナーのトンマナに合わせた振る舞いをする
セミナーにはその内容によって雰囲気やトンマナ(トーン&マナー)が存在します。
例えば、投資関連のセミナーであれば堅い雰囲気、SNS運用のセミナーの場合はやや柔らかい雰囲気が好まれる傾向にあります。
司会のテンションや進め方は、そのセミナーの雰囲気に沿ったものでなければなりません。なぜならセミナーの雰囲気と司会者のテンションに温度差があれば、参加者に違和感を与え、セミナーの世界観を壊してしまいかねないからです。
参加者と運営の信頼に関わるため、司会者はセミナーの雰囲気やトンマナを意識した進行をしましょう。
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セミナーの進行表・台本のほかに必要な事前準備
当日のセミナー進行を成功させるためには、事前準備がカギとなります。
セミナー開催の経験がなかったとしても、事前に十分な段取りを済ませておくことで、余裕を持ってセミナー当日を迎えることができます。
事前準備
下記がセミナー開催前に済ませておくべき事前準備のチェックリストです。
- 会場の図面作成
- 会場の下見、動線の確認(可能であれば)
- 当日のタイムスケジュール作成(スタッフ用・講師用をそれぞれ用意)
- 当日使用する資料や備品の準備と搬入方法の確認
- 撮影機器・マイク・BGMの事前チェック
- 当日の人員配置の決定
- 当日の会場へのスタッフの移動方法
- スタッフ用の飲食物の手配
- 講師との連絡、打ち合わせ
- 講師の控室
- 参加者一覧作成
- 参加者へのリマインドメール送付
- 受付表作成
- 参加者への配布物の作成
- セミナー参加費の集金方法の確認(集金したお金の釣り銭や金庫の用意)
- セミナー後の個別相談や販促の有無の決定とその準備
- 懇親会の会場、及び飲食物の手配
- リハーサル
必要に応じて項目を加減し、当日には「スケジュール通りに遂行するだけ」の段階まで仕上げておきましょう。
また、参加者との間に発生するハプニングを想定し、どのように対応するかをあらかじめ決めておくのもおすすめです。
備品の準備
セミナーで必要になる備品は、下記のようなものがあります。
- プロジェクター、コネクタ
- スクリーン、ホワイトボード
- マイク、マイクスタンド、スピーカー
- 撮影機器
- スケッチブック(「あと10分」など登壇者へ合図を出すため)
- 講師用の飲食、軽食
- 参加者誘導案内板
- セロテープ、ガムテープ、筆記用具
- 領収書、釣り銭、金庫
- ゴミ袋
- 販促物
こちらも必要に応じて項目を調整し、当日までに準備を進め揃えておきましょう。
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まとめ
セミナーまでにやっておくべき準備とセミナー進行表、及び司会進行の例文を紹介しました。事前準備や備品のチェックリストを作っておくことで、慌てずに準備を行うことができます。
株式会社ニューズベースはセミナーの運営・企画を一括して代行するアウトソーシング業者です。これまでに蓄積したセミナー企画・運営のノウハウを活用して、貴社のセミナー運営業務効率化をお手伝いいたします。
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